朝早く起きて運動しようと期した訳でもなかった。それが、午前5時10分頃に起き一汗流すのが日課になるかと思った。しかし、3日続いただけに終わった。結果、「三日坊主」を地で行くこととなった。
まったく、自分で自分がよく分からない。明日のことも分からない。それでも、めげないところがいいのか悪いのか。今夜、ソフトボールの練習試合で身体を動かすから、まぁ、いいか、と己の内にある自動調節機能が働き、心のバランスはかろうじて保たれたようだった。
毎週土曜日の朝9時から正午までは「佐々町将棋同好会」の仲間と住民センターの第3会議室で過ごす。自身では将棋を指さないが、世話役である以上、休むわけにはいかない。他に用事がある場合でも、いったん顔を出した後に中座するようしている。
昨日、女房どのが私の誕生日に靴をプレゼントしてくれると言うので佐世保まで出かけることにしていた。それで将棋同好会の例会を10時に切り上げ帰宅した。
靴は、佐世保駅前の雑居ビルに入っているABCマートで求める。ここ数年ずっとそうだ。
昨年、西九州高速道が延伸し、佐世保の中心街まで十数分で行けるようになり、ずいぶんと楽になった。
店に客は少なく、店員の「いらっしゃいませ~」の複数の声が交錯して店内に響くのが気になった。おそらく、朝礼で徹底して挨拶を練習させられているのだろう。挨拶というより、まるで少年野球チームの気勢を上げるためのあの掛け声のような、みな同様の独特の声のトーンと抑揚がなんとも機械的で少なくとも愉快な気分にはなれなかった。
それに、こちらへ声をかけるタイミングを窺【うかが】っている様子も気になり、これにも閉口した。
買い物は、いっそ混んでる時の方がいい。その方が品選びに集中できる。
それでもなんとか気に入る物を見つけることができた。
パトリック製のグリーンの靴に決めた後、女房どのの勧めでもう1足ホーキンス製の淡いブラウンの靴も求めることにした。
目的の買い物を済ませた後、近くのヤマダ電機へテレビを見に行こうということになった。我が家は、まだ例の地デジに対応するテレビの買い替えを済ませていない。そこで、いい機会だから下見でもしとこうかということになった。
佐世保駅から車で4、5分のところにヤマダ電機がある。店内に入り、まっすぐテレビのコーナーに向かった。そこは各メーカーごとに大小、多数のテレビが展示してあった。地デジへの切り替え期限が迫り、店にとっては書き入れ時だろう。
何気なく見て回っていたが、女房どのが「ハイビジョン」と「フルハイビジョン」の違いについて口にしたことから、テレビについて何も知らないことに気付いた。
ちょうどそこへ「メーカー説明員」の名札をつけた販売員が声をかけてきてくれた。絶妙のタイミングだった。「ハイビジョン」と「フルハイビジョン」の違いや、時々耳にしていた「プラズマ」など、こちらからの質問に彼は次々と明快に答えてくれた。いつしか下見から購買へと気持ちは変化していた。これも縁というものだろう。おまけに、ヒカリ電話への切り替えまですることとなった。
思わぬ買い物までした後、帰宅すると時計の針は午後3時を回っていた。
町内会のみなさんにお知らせしなければならない事柄がいくつかあった。カップラーメンを流し込み、回覧板の原稿を記し始めた。
町内会主催の敬老祝賀会の案内、「おくんち」について、自然公園の除草作業について、ソフトボール大会及び大綱引き大会出場についての4種類の回覧の原稿を仕上げ、それぞれ各班用にコピーをとり、さっそくそれを各班長宅へ届けた。
この日、夜7時から栗林町内会とソフトボールの練習試合が控えており、それに備えバット等の用具を搬出するため午後6時半に集会所で体育部長と落ち合うことにしていた。それに間に合うよう、急がなければならない。しかし、各班長さん宅を回りながら、気になるご高齢者のお宅や、その他の用事のあるお宅で話し込む。勢い、お宅からお宅までの間を走ることになる。ソフトボールをするまでに、すでに汗びっしょりとなった。
ギリギリの時刻で集会所へ。用具を体育部長の車に詰め込み、いったん帰宅した後、倉庫からグローブを引っ張り出し、中学校のグラウンドへ駆けつけた。
キャッチボールで身体をほぐした後、午後7時からの練習試合に臨んだ。
試合は1点も取れず大敗したが、2時間弱久しぶりに投げて、打って、守ってとソフトボールの面白さを満喫した。