峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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危うい空気

2007年02月16日 | 民生児童委員
先日、あるご夫妻のご依頼を受け、生活保護申請に係る意見書を提出していましたが、そのご夫婦に対する福祉事務所の聴き取り調査が1昨日午前中に行われ、立ち合いました。
聴き取りは、お2人の生い立ちから始まり、現在の所持金まで、耳を傾けているのが辛くなるほどの応答が続きました。
大病に次ぐ大病、大きな事故、うまくいかない事業、莫大【ばくだい】な負債【ふさい】、破綻【はたん】してしまった人間関係。調査は、おおよそ1時間かかりましたが、途中、本当に胸が痛くなりました。
人生は、失意と挫折【ざせつ】の連続ですが、私たちの身近なところで、このような過酷な人生を過ごしておられる方々がいらっしゃいます。
人生の最終盤を迎えられたお2人に、この先、心安らぐ日々が与えられますよう祈らずにはいられません。

この日、午後から民生児童委員協議会の定例会に出席しました。
聴き取りに立ち会った後、帰宅し、提出しなければならない書類を仕上げていると、昼食をとる間もありませんでした。

定例会は、町内の学校長・教育長を招いての懇談から始まりました。
いろいろ出ましたが、給食費滞納問題に関し、多く発言がありました。驚くことに、その全てが保護者を非難するものばかりでした。
そんなどうしようもないやつらは厳しい姿勢で臨まなければだめだという空気に満ちていました。
私は、給食費を払えるのに払わない保護者の元で育たたなければならない子供のことを思います。
環境が人の育ちに大きな影響を及ぼすというのは論をまたないでしょう。犯罪や非行の原因は、生活環境が大きな要因の1つと考えられています。保護者・親の在り方は、家庭環境の中にあって、もっとも大きな比重を持ちます。
本来、この問題は、好ましくない環境下にある子供たちの人間性を回復させる絶好の機会だととらえるべきだと考えます。
しかし、学校・教育委員会は、逆に子供がからんでいることだからと手をこまねいているだけです。
滞納が、払えなくて払っていないのか、それとも払えるのに払っていないのかさえも把握【はあく】していません。

何より、担任が家庭を訪ね、保護者から事情を聴き、その後、子供を含め、何故、給食費を納めなければならないのか、対話を重ね保護者に理解してもらうことから始めるべきです。ことは、教育の現場で起きているのです。教育者が教育者たらんことを願います。
会半ば、その旨【むね】の発言をしましたが、私は明らかに孤立していました。

小泉さんが政権をとって以降、全体主義的・国家主義的な保守反動の空気が社会を覆っています。それは、教育再生会議の報告に見られるよう、安倍政権になり、いっそう色濃くなってきました。そして、それが、例えば「たかじんの・そこまで言って委員会」のようなマス・メディアにまで及んでいることを危惧【きぐ】します。
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