「父の日」のプレゼントに絵理子さんから瓶入りのトマトジュースセットが送られてきた。酒類ではなく、何故かトマトジュースだった。特にメッセージはなく、のし紙がかかっていて「父の日御祝」の押印があった。いかにも絵理子さんらしい。
絵理子さんは、まだ幼い2人の子育てと仕事の両立に毎日忙しくしているだろうに「母の日」と「父の日」、それに女房どのと私の誕生日には欠かさずプレゼントを送ってくれる。それは、大学を卒業し社会人となった年からずっと続いている。
くるみさんからは、ワインレッド色の革のメガネケースとタッチペン機能のついたボールペンがメッセージと共に届いた。こちらもくるみさんらしい。大学生になってから以降、くるみさんは、身の丈にあったプレゼントを送ってくれる。
どうやら我が家の子供たちはみな金銭管理に長けているようだ。中でも、くるみさんのそれには著しくメリハリが感じられる。学部時代、アルバイトで稼いだお金をしっかり貯め、海外を始めあちらこちらへと旅していた。
学究の徒となった今はアルバイトをする暇もなく、したがって、朝、自分で弁当をこしらえて研究室に持参しているとのこと。実に身の丈にあった生活を送っている。