■ストーリ
美大を卒業後、イラストレーターとして独立した
トニー滝谷(尾形)は、出版社に勤める英子(宮沢)と
結婚する。しかし英子はほどなくして交通事故で
死んでしまう。あとに残されたのは、英子が買った
大量の洋服。そしてある日、トニーの前に英子と
体型がそっくりな久子(宮沢)が現れる。
トニーは久子に、彼の助手として働く間、
制服代わりに英子の服を着てくれと頼む。
■感想 : ☆☆☆☆☆
痛い哀しい。
そんな感情に刺激され続けた1時間半。
自分が孤独だということにも気付かないまま
少年時代をすごし、大人になったトニー。
初めて人を愛し、二人で過ごす時間をもつことで、
ようやく自分が孤独だったことに気付く。
孤独の意味を知り、再び孤独に戻ることを恐れるトニー。
愛する人と過ごす穏やかな幸せと
幸せは決して永遠ではない、ということに
気付いているからこその不安。
そして、ある日、本当に訪れた
愛する人との別れ。
お葬式を終え、骨壷を持って帰り、入浴後
一息ついたところで急激に彼を襲う孤独。
背中しか移さないのに彼の孤独が
私の胸を締め付けた。
また、そんな彼に愛され、恋人を捨てて
トニーと生きることを選ぶヒロイン英子。
彼女もまた心の中に孤独を抱え込んでいる。
「自分の中の空っぽを埋めるために
洋服を買うんです。」
彼女が持っている虚無感の原因は
映画内では語られない。触れられない。
洋服を買うために街を歩き回る彼女の歩調は
余裕がなく、洋服を選ぶ彼女の表情は険しい。
そこには「虚無」だけではない
何かに追われているような切羽詰まった感情が
あるように思えてならない。
トニーの前で穏やかな表情を見せる英子。
お茶目な表情で車を洗う英子。
車の中で今返してきた洋服を後悔する英子。
洋服なんて本当はそんなにいらないのに、と
自問する英子。
彼女の孤独は、トニーと違い
愛する人と過ごすだけでは
埋められないほど大きかったのだろう。
全編を通して流れるピアノの音。
そして穏やかな西島さんの語り。
彼の語りはこの映画の世界観によく合っていて
第二の主役、と言ってよいだろう。
ラストは唐突に訪れる。
だが、映画の余韻はいつまでも続く。
唐突なラストを振り返ると
「明日」や「未来」への希望が
確かに伝わってくる。
美大を卒業後、イラストレーターとして独立した
トニー滝谷(尾形)は、出版社に勤める英子(宮沢)と
結婚する。しかし英子はほどなくして交通事故で
死んでしまう。あとに残されたのは、英子が買った
大量の洋服。そしてある日、トニーの前に英子と
体型がそっくりな久子(宮沢)が現れる。
トニーは久子に、彼の助手として働く間、
制服代わりに英子の服を着てくれと頼む。
■感想 : ☆☆☆☆☆
痛い哀しい。
そんな感情に刺激され続けた1時間半。
自分が孤独だということにも気付かないまま
少年時代をすごし、大人になったトニー。
初めて人を愛し、二人で過ごす時間をもつことで、
ようやく自分が孤独だったことに気付く。
孤独の意味を知り、再び孤独に戻ることを恐れるトニー。
愛する人と過ごす穏やかな幸せと
幸せは決して永遠ではない、ということに
気付いているからこその不安。
そして、ある日、本当に訪れた
愛する人との別れ。
お葬式を終え、骨壷を持って帰り、入浴後
一息ついたところで急激に彼を襲う孤独。
背中しか移さないのに彼の孤独が
私の胸を締め付けた。
また、そんな彼に愛され、恋人を捨てて
トニーと生きることを選ぶヒロイン英子。
彼女もまた心の中に孤独を抱え込んでいる。
「自分の中の空っぽを埋めるために
洋服を買うんです。」
彼女が持っている虚無感の原因は
映画内では語られない。触れられない。
洋服を買うために街を歩き回る彼女の歩調は
余裕がなく、洋服を選ぶ彼女の表情は険しい。
そこには「虚無」だけではない
何かに追われているような切羽詰まった感情が
あるように思えてならない。
トニーの前で穏やかな表情を見せる英子。
お茶目な表情で車を洗う英子。
車の中で今返してきた洋服を後悔する英子。
洋服なんて本当はそんなにいらないのに、と
自問する英子。
彼女の孤独は、トニーと違い
愛する人と過ごすだけでは
埋められないほど大きかったのだろう。
全編を通して流れるピアノの音。
そして穏やかな西島さんの語り。
彼の語りはこの映画の世界観によく合っていて
第二の主役、と言ってよいだろう。
ラストは唐突に訪れる。
だが、映画の余韻はいつまでも続く。
唐突なラストを振り返ると
「明日」や「未来」への希望が
確かに伝わってくる。