のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ばれてーら

2006年05月27日 11時02分00秒 | 日常生活
新人研修が終了いたしました。
最終日は新人を配属先に挨拶に行かせたり
熊本、大分方面に帰っていく新人を見送ったり
とにかくばたばたしていて、感慨にふける時間がありませんでした。

昨日のあの物悲しい夜はなんだったんだ?!
というぐらい、あっけなく終わっていく研修。

「のりぞうさん、泣くかと思ったのに
 泣きませんでしたねー」
と数名の新人から言われました。

当たり前でいっ。
新人研修が終了しても、みんな同じ会社の同僚です。
そんなに感慨にふけってられませんことよ。
学生時代の「卒業」とは違うんでいっ。

と、思いつつも、やはり色々な思いから
こみあげてくるものがあるのも事実です。
新人さんとの毎日は刺激がいっぱいでしたからね。
特に今年はスケジュールもハードでしたから。

「ものすっごく大変でしたよ!」と口を揃えておっしゃる新人さん。
でも、おそらくこれからの三ヶ月間でこの二ヶ月間の研修で
学んだことの3倍以上のことを学ぶわけです。

ええ。
所詮、研修は研修。
実務で学べることのほうが何倍も多いのです。

だから、頑張りたまえ、新人ども。





















・・・・昨日、研修終了後、新人の飲み会に参加してきました。
いろんなぶっちゃけ話をして、いろんな感想を聞いて
おもいっきり笑って、さあ解散!というときに
新人のひとりから声をかけられました。

「のりぞうさん。日記、読んでますよー。」

・・・・日記?日報?
えっと、みんなの日報に書いている
ワタクシのコメントのことでしょうか?

「違いますよ。のりぞうのほほん日記ですよ。」

!!!

な、なんで?!
え?!いつから?!

動揺しまくりです。
思わず、ここ最近の日記に
新人に見られてやばい内容はないか振り返りましたとも。
大丈夫っ!もともと、そんなたいそうなこと書いてません。

ただ、確実にワタクシの愚かっぷりは、ばれてますわね。
くっそう。もっと気取って日記を書いてればよかった。

後悔先に立たず。

研修最終日。
思わぬところで、ことわざを体感学習しましたとも。
前半部分が妙に真面目なのは、動揺の表れです。

リューンノールの庭 / 松本祐子

2006年05月27日 10時42分38秒 | 読書歴
■ストーリ
 中学1年の未散(みちる)は、あこがれの児童文学作家から
 招待状をもらいます。しかしその作家は一度も会ったことがない
 叔母、沙那子だった。夏休みに訪ねた叔母の家で起こる
 不思議な毎日を過ごすことに。未散と魔法の花シリーズ第1弾。

■感想 ☆☆☆☆
 読み始めてすぐに引き込まれ、あっという間に読み終えてしまった。
 勿論、児童書なので文章も難しくなくさくさく読めるのが
 もっとも大きな原因。
 けれども、そういう当たり前の理由だけではなく、
 作品自体の魅力の大きさもさくさく読めた理由だと思う。

 ぶっきらぼうで子供は嫌いと言い放つ不思議な言動の叔母。
 自分の意志で動いているように見える龍のロボットDD。
 魔法の匂いがぷんぷんする庭の花々。
 
 叔母の言動に腹をたてながらも、同時にその魅力に惹きつけられ
 彼女の出す課題に取り組む未散。未散は「魔女へのレッスン」と
 思っているが、沙那子が魔法を使う場面はない。
 また、未散がすることもごくごく普通のことばかり。
 庭の草花の効能を勉強して、夕食の買い物に出て、掃除をして
 洗濯をして、ごみ出しをして・・・・。
 それは「魔女へのレッスン」というよりは
 「自立した大人へのレッスン」。

 それでも、毎日の中には隠しきれない「魔法」の匂いが
 そこかしこから湧き上がっている。
 庭に人を襲う花があったり
 枯れたはずの花がよみがえったり。
 
 徐々にたくましくなっていく未散が魅力的。
 「魔法」は特別な能力。普通の人が使うことができない能力を
 使うためには、普通の人以上に大人であることが求められる。
 普通の人以上の精神力や自立心が必要とされる。

 沙那子さんのぶっきらぼうな言動からそういったことが
 きちんと伝わってくる。少し甘えん坊の母親よりも大人として
 未散を正しい方向に導く「正しい大人」として、魅力的だ。

 けれども、この作品の中でもっとも愛しいのはドラゴンロボットDD。
 無機質なロボットのはずなのにもっとも感情豊か。
 未散に無言で甘えてくる様子が本当にかわいらしい。

 物語はまだまだ始まったばかり。
 続きが待ち遠しいという感覚を久々に味わっている。

ハチミツドロップス/草野たき

2006年05月27日 10時40分27秒 | 読書歴
■ストーリ
 クールな高橋。坂本竜馬フリークの真樹。
 ちょっとエッチな田辺さんに運動神経ゼロの矢部さん。
 これが我がソフトボール部の面々。仲間たちとの楽しい部活のかたわら、
 直斗との恋も絶好調の私・カズ(いちおうキャプテン)。
 でも、この幸せな中学生ライフが、妹の入部によって
 なんとなくズレはじめてくる。

■感想 ☆☆☆☆*
 学生時代は約束もしていないのに、毎日、必ず顔を合わせられる人が
 たくさんいて、努力しなくてもそれなりに友人が増えていく。
 だから学校以外で遊ぶことはない友人とか
 テレビや音楽の趣味は知ってるけど、それ以外は知らない友人とか
 馬鹿話はするけど、真面目な話はしない友人とか
 そういう友人もたくさんいた。
 けれど、そういう友人は、所詮学校内だけの友人で
 卒業して努力しなければ逢えない環境になると疎遠になっていく。

 仲良しだったはずなのに表面上のつきあいに徹している人。
 お互いにどこまで踏み込んでいいのか分からない人。
 友人と大雑把にまとめても、様々だ。

 主人公カズは、誰にも心を許さない。
 部活仲間はみんな面白くて気が合って、部活は楽しくて
 仕方がなかったのに、カズは本当の自分の心や自分の内面を
 決して人には見せない。あくまでも表面上のカズ、いつも元気で
 明るくて少しお調子者。そんなキャラクターを演じ続ける。

 演じることで、自分の心の中にある悩みや不安からも
 目をそらすことができる。本当は泣きたくても
 「元気で明るいお調子者」のカズだったら・・・と、
 カズを演じることで不安から逃れようとする。

 けれど、それは結局、悩みから逃げているだけで
 その悩みが消えてなくなるわけではない。
 悲しいことは時が癒してくれる。
 けれど、その「時」はその悲しみと向き合った時間であって
 逃げ続けている限り、悲しみは風化されない。
 解きも解決してくれない。

 そういうことに「お調子者」キャラを演じられる場所
 そして、その「お調子者」キャラをより強固にしてくれる
 仲間がいた部活の場を失って、徐々に気づいていくカズが
 痛々しい。

 すべてが空回りしていく。
 けれども元気な自分を演じられるエネルギーもない。

 能天気に見せかけて、誰よりも家族のことを気遣っていたり
 優秀な妹と確執があるようでいて、妹の弱さに
 ちゃんと気づいてあげることができていて
 そんな妹をものすごくかわいがっていたり。
 よくありがちな「お調子者」キャラなのに、繊細で弱くて
 優しいカズが表面上の仲間だった部活仲間を失って
 いろんなことを考える姿がとても愛しい。

 結局、カズは自分の弱さと正面から向き合う。
 そのクライマックスシーンはとにかく爽快。
 やっぱり女の子はこうでなくっちゃ!と思わせてくれる
 失恋との向き合い方だ。

 そしてラストシーン。
 優秀で負けず嫌いの妹が見せる弱さと
 それを包み込むカズの姿に胸が熱くなる終わり方だ。

ジェンダー城の虜/松尾由美

2006年05月27日 10時12分25秒 | 読書歴
■ストーリ
 「入居資格は伝統的家族制度に挑戦する家族であること」
 友朗が住む地園田団地は、設立者の大富豪の意向で、
 主夫のいる逆転家族や血縁のない契約家族、
 同性愛カップルなどが住む実験団地だった。
 そんな風変わりな場所に引越してきた小田島博士一家。
 しかし博士は到着早々何者かに誘拐されてしまい、友朗と
 団地住人たちは、博士の娘の美宇を助けて真相解明に乗り出す。

■感想 ☆*
 かなり初期の作品ということもあって、今とは少し作風が異なる。
 但し、現実世界にSF風味やファンタジー風味を入れるという
 基本部分は同じ。それでも、今の作品のほうが
 数倍洗練されているように感じた。

 彼女にとって「ジェンダー」はずっと根底にある問題なのだろう。
 他の松尾作品も読んで、今回の作品も読むと、そういうことも
 分かって楽しめる。けれども、やはり今ひとつ、かな。
 テンポよく楽しく読める作品なので、
 頭を使いたくないときにはぴったり。
 さくさく読める。けれど、少し物足りない。そんな作品だ。

 どうでもいいけれど、「パソコン通信」という言葉が
 頻繁に使われていて、それがとっても懐かしかった。
 ・・・・この言葉だけで、個人的にいろんなことが
 思い返されました。