のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

テレパシーを身につけたい

2006年06月13日 22時06分29秒 | 日常生活
どかんとはまっていた新人研修が終了した今現在、
細々と様々なお仕事をしています。
そのひとつが夏休みに向けてのインターンシップ受け入れ。

国が推進しているせいか、年々受け入れを依頼される
高専や大学が増えてきています。
手続きがちと厄介ではあるものの
学生さんに仕事について考えてもらう大変よい機会です。
実際、たった2週間でも
 「オフィスで座ったままの仕事は自分には向いてない。」
といった気づきをされる学生さんもいるので
長い目で見ると、大変よい場ではないかと。

ただ、微妙に憂鬱なのは先生方の中に、
日本語が通じない方がいらっしゃること。

あ、学生課の職員の方などは、
いつもとても丁寧に対応してくださいます。
本当にこちらが申し訳なくなるぐらい腰が低い方ばかりです。
が、「先生」と呼ばれる方は・・・・。

本日も8月17日(木)から30日(水)までの
インターンシップの日程について、そういった「先生」から
お電話をいただきました。

「インターンシップの受け入れ、ありがとうございます。
 でもですね。8月の29日、30日は
 予備日なんでインターンシップに行けないんですよ。」

・・・・え?
「夏休みにインターンシップをさせてください。」って
書いてなかったっけ?
夏休みって31日までじゃなかったっけ?

「あぁ。そうなんですよ。
 夏休みは31日までなんですけど
 30日と31日は予備日なんで、インターンシップできないんです。」

できないんですって、そんな当たり前のように言われたって。
どこにも書いてなかろうもんっ!

「はい。書いてないんですけどね。
 予備日なんで、学生を行かせるわけにはいかないんです。」

・・・・・ちょっとよろしいでしょうか?
どこにも書いてない「予備日」の存在を
私はどうやって知ればよかったのでしょうか?
どうやったら、その予備日を考慮に入れて
日程を組めたのでしょうか?
ていうか、教えもしなかった情報のために
インターンシップの日程を変えろっていうのでしょうか?

「あ。ですから28日で終わらせてください。
 うちの学校では5日以上、行きさえすれば
 単位あげられますから。」

ふざけんなぁっ!
てめえ、そっちの都合ばかり押し付けやがる気か?
こっちの承諾はいらんというのか?

・・・・ごめんあそばせ。。
思わず言葉が乱れてしまいましたわ。

でもですね、真剣に思うわけです。
先生が「5日間さえ行けば」という気持ちでは
生徒たちに「インターンシップの目的」なんて伝わるわけがない、と。

「インターンシップは社会貢献だから」
と、当社の取締役は申してます。
その通りだと思います。
インターンシップは企業にとっては「社会貢献」。
ボランティアのようなものだと。
特に忙しい中、学生さんのお世話をしてくださる社員はとても大変です。

それでも企業がインターンシップを受け入れている理由を
先生方も考えてほしいなぁと思うわけです。

インディゴの夜/加藤実秋

2006年06月13日 22時04分13秒 | 読書歴
■ストーリ
 「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が
  接客してくれるホストクラブがあればいいのに」
 すべては女性ライター・高原晶が大手出版社の編集者・塩谷に
 漏らした何気ない一言から始まった。
 謎めいた美形の敏腕マネージャー・憂夜の助力を得て、
 二人は一風変わったホストクラブ“club indigo”を渋谷の片隅に
 開いたが、順調な経営とはうらはらに常連の客が殺され、
 店のナンバーワンに疑いがかかる。晶は個性豊かなホストの面々と
 ともににわか探偵団を結成、真犯人捜しに奔走する!
 「クラブ インディゴ」を舞台に繰り広げられる連作短編集。

■感想 ☆☆☆☆
 渋谷という都市を通りがかったことはあるものの(多分)
 渋谷を目指して行ったことがない。渋谷だと認識して
 街を楽しんだこともない。だから、渋谷が本当にこんなにも
 恐ろしい街なのか、若者のための街になっているのかは
 まったく分からない。

 渋谷の通りで日々繰り広げられるナンパ。
 (ナンパ師という人が存在するらしい。)
 ホストやキャバ嬢との楽しい会話。
 (キャバ嬢の為のホストクラブとそれ以外のホストと
  すみわけもあるらしい。)
 流行に敏感な若者たちが集う街であり
 その日に逢った人とでも簡単に盛り上がれる時間を過ごせる街。
 そういった活気に満ち溢れた表面とは裏腹に
 ヤクザ、麻薬、詐欺、暴力など裏世界が混沌とうずまく世界。
 そういった「裏の世界」が透けて見えてしまうのも
 渋谷の魅力なのかもしれない。

 ひとつひとつの作品で取り上げられる事件は陰湿きわまりない。
 それでも読後感が爽やかなのは、クラブインディゴで
 働く人たちが、その人たちなりに筋が通っているから。
 楽な方向に逃げた人ではないから。
 堕ちてきた結果、水商売に足を突っ込んだ人ではないから。

 彼らはみな自分の仕事に誇りを持っている。
 ひとりで、自分の足で立って生きていこうとしている。
 そういった姿勢がどこまでも清清しいのだと思う。

 特に主人公晶は魅力的。
 小説の中の描写ではスタイルもあまりよくなく
 (どうやら女性ホルモンが少なそうな体)
 化粧が似合わない顔立ちで30代半ばの独り身の女性。
 いわゆる「負け犬」だ。けれども彼女は卑屈にならない。
 若者に媚を売らない。その潔さい姿勢にかえって
 ホストの面々がなついているのが行間から伝わってくる。

 現実ではこういった「信頼感」で結びついているホストクラブ
 なんてありえないのかもしれない。お伽話なのかもしれない。
 けれども、こういう仲間っていいな、と思った。
 こういうホストクラブなら一度くらいは行ってみたいかも

 ・・・とは思わなかった。こんな危険な世界は小説だけで十分だ。