のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

問題は私じゃありません。

2006年09月01日 21時45分13秒 | 日常生活
本日は防災の日。
福岡でも一年半前に割と大きな地震があったため
会社では「安全確認訓練」が行われました。
どんな訓練かというと

1.地震発生!
2.システムから「状況を知らせよ!」メールが
  会社のパソコンと社員の携帯に送信。
3.社員が状況通知メール送信!

この一連の流れを実施してみるわけです。
今回の訓練は、システムに登録している
携帯のメールアドレスが正しいのか
本当に携帯から返信できるのか、確認も兼ねて
社員は携帯で返信をするように義務付けられていました。

午前九時。地震発生(仮定)。
のりぞうの携帯にも周囲の社員の携帯にも
いっせいにメールが到着します。
こういった訓練のときはたいていあたふたするのりぞうも
本日は余裕をかましながら「無事です」と返信します。

ふう。訓練完了。

隣では部長が携帯を手にあたふたしています。
「えっと・・・。
 これってどうやって返信するんですっけ?」

取締役からも電話がかかってきました。
「えー!無事です!ちゃんと生きてます。
 でも、メールが送れません。」

・・・・をいをい。大丈夫か?IT企業?
自分が無事に終えるているため、上から目線で
高みの見物を決め込むのりぞう。
ええ。ちっちゃいヤツです。

と、そのとき。
総務課長から呼ばれました。

「あと、総務部で返信してないのは
 のりぞうくんだけだよ。早く返信してねー。」

・・・へ?!一番乗りぐらいの勢いで返信しましたけど?

「本当に?送ったつもりで送れてないんじゃないの?」

と疑いのオーラをあからさまにする課長。
ええ。のりぞうなら、やりかねない。
そう思ってしまうお気持ちは分かります。
でもですね。システムから
「無事、届きました。」という到着メールももらったんです。

と、一生懸命、証拠を差し出すのりぞう。

横で一部始終を見ていた先輩は
ものすごく納得しながらおっしゃいました。

「やっぱりねー。のりぞうはみんなと何かが違うと思った。
 絶対、ひとり変だよね。」

周囲の先輩方にもその納得が伝染します。

「うんうん。そっか。のりぞうくんだからか。」
「そっか、そっか。ま、しょうがないよね。」

いや、ここ、納得するところじゃありませんよ?
これって、のりぞうが変だから起こる現象じゃないですよ?
むしろ、原因を真剣に調査すべきだと思うんですけど。

10分後に原因が判明。
のりぞうの携帯のあまりの古さが原因でした。




・・・そろそろ、Jポンともおさらばしどきかな。

時計を忘れて森へ行こう/光原百合

2006年09月01日 21時13分28秒 | 読書歴
■ストーリ
 同級生の謎めいた言葉に翻弄され、担任教師の不可解な態度に
 胸を痛める翠は、憂いを抱いて清海の森を訪れる。
 さわやかな風が渡るこの森には、一連の話を材料に
 人の心の機微を自然のままに見て取る護さんがいる。
 彼が丁寧に織りあげた物語は、翠には見えてないところを
 優しく指し示す。

■感想 ☆☆☆*
 日常の謎シリーズ。
 殺人も窃盗も起こらない。しかし、悲しみは発生している。
 そういった状況を違う角度から見て
 悲しみが人の悪意ではなく、善意から発生していること
 それがちょっとしたすれ違いと勘違いで
 悲しみにつながってしまうことを解明してくれるのが
 主人公の想い人である。

 男性にはこの物語はきっと甘すぎる。
 繰り広げられるのは、少女マンガのような世界だ。
 ふわふわの綿菓子のような世界。
 女性から見ても、今どきこんな女子高生はいないだろう、と
 思うようなおくてで純情なかわいらしい主人公が
 周囲の人の悲しみに心を痛める。
 そして、悲しみの原因を解明してくれる彼女の想い人の
 考えの出発点は性善説に基いている。
 世の中には悪い人などいない。悪意もない。
 けれども世の中には悲しみが発生してしまう。
 それは人が愚かな部分も併せ持っているから。
 そして、人が他人を心から信じることができないから。

 舞台となっているのは長野県の森。
 自然と共生していこうと活動をしているメンバーの
 一員がこの話の探偵役であり、主人公の想い人。
 人の愚かさ、浅はかさが自然の雄大さと優しさ、
 そして容赦のない厳しさと対比して語られ、
 効果的に浮かび上がる。

 心が疲れているときには、これくらい甘いものがちょうどいい。
 心が疲れていないときは、人に対して、
 これくらい優しい目を向けられる人でありたい。
 私自身がこんなにもかわいらしく人を想ったり
 こんなにも優しく人を見守ったりしないだけに
 ちょっぴりコンプレックスを刺激される作品でもある。

ミスター・ムーンライト/2001年夏公演

2006年09月01日 20時58分02秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■ストーリ
 図書館で司書をしている鹿島(上川隆也)は作家志望。
 徹夜で小説を執筆したのが原因で朝から体調がすぐれず
 早退するが、眠りについた鹿島は知らぬ間に大学時代の友人
 結城(大内厚雄)宅に上がり込む。なぜか、言葉も女性らしく
 なっている。驚く結城の妻・都(岡田さつき)に、自分は
 半年前に交通事故で亡くなった結城の妹・かすみ(前田綾)だと
 告げる。結城は事故当時、車を運転していた古河(佐藤仁志)に
 復讐しようとしていた。それを止めるために、かすみの霊は
 鹿島の身体を借りたのだ。満月の夜、鹿島はかすみの想いを
 抱いて走りだした。

■感想 ☆☆☆☆☆
 ・・・すみません。最近、昼の生活を投げ出して
 キャラメルボックスDVDの世界にはまりつつあります。
 一度、はまるとなかなか抜け出せない性分なんです。
 好きな食べ物は朝・昼・おやつ・晩とひたすら食べ続ける性分です。

 というわけで、昨晩はミスター・ムーンライト。
 最初の最初にキャラメルボックスにはまった一番の理由
 上川さん主演の舞台です。この舞台での上川さんも
 テレビとはまったく異なる方向にはじけてます。
 舞台をはしりまわり、捨て身でマイケル・ジャクソンの
 物まねをし、女性へのなりきりぶりも見事。
 とにかく楽しそう。

 しかし、「楽しそう」「面白い」「笑った」という感想では
 終わらないのがキャラメルボックスの舞台。
 クライマックスは怒涛のように私たちに訴えかけ
 「生きること」「死者を弔うこと」「死んだ人を思うこと」
 について、考えさせてくれます。上川さんも前半とは
 まったく異なるテンションでシリアスに、そして熱く
 私たちに語りかけてくれます。

 妹の死を受けれられず、忘れられない結城。

 「俺はかすみ(妹)を守りたかっただけなんだ」

  彼女の死を納得できない結城は、
 なぜ、妹を守れなかったんだと自分責め、自分を責めるあまり
 死んだ妹のために何かしてあげたいと彼女の死の原因となった
 妹の同級生を憎む結城。
 その彼の気持ちが大内さんの熱演もあって、
 痛いほど伝わってきます。
 そして、だからこそ、鹿島の訴えも
 鹿島に乗り移ったかすみの訴えも。

 「死んだ人は生き返らないんだ!」
  大切な人の分まで生きていくことが大事なんだ!」
 「私はお兄ちゃんの妹として生きて幸せだったの。」
  だから、お兄ちゃんはお兄ちゃんの人生を生きて。」

 とにかく涙なしには見られません。 

 そして、上川さんの演技力、表現力のすごさに
 圧倒される舞台もあります。
 キャラメルボックスでは役者さんがマイクを使いません。
 だから、一番後ろの観客席にも聞えるように
 人によってはどうしても、どなるような発声になってしまいます。
 上川さんは観客席の後ろまでちゃんと聞えているにも関わらず
 「ささやき声」なのです。「話し声」なのです。
 表情だけで今、女性を演じているのか、男性を演じているのか
 そこまで分かるのです。とにかくすごい。

 もっと早くにキャラメルボックスを知りたかった。
 そして、キャラメルで演じている上川さんを
 もっともっと見たかったなー、といつも思います。