社内研修で本の紹介をしました。
紹介後、同僚から「いつ本を読んでいるんですか?」という質問を受けました。
私の読書時間は通勤時間と人との待ち合わせの時間、そしてトイレの時間のみです。
部屋で優雅に本を読むことなんてまったくありません。
(家で過ごす時間はたいてい、ドラマを見てるし・・・。)
ちなみに通勤時間も朝は確実に寝てしまうため、実質、本を読むのは夕方のみ。
隣の部署の本部長からは
「のりぞうくんって、あれでしょ?
朝、バスの中で本を持って寝てる子だよね?」
という確認のされ方をしました。・・・恥ずかしすぎる。
68.いけちゃんとぼく/西原絵里子
■ストーリ
ある日、ぼくはいけちゃんに出会った。いけちゃんはいつもぼくのことを見てくれて、ぼくが落ち込んでるとなぐさめてくれる。そんないけちゃんがぼくは大好き。不思議な生き物・いけちゃんと少年の心の交流。
■感想 ☆☆☆☆*
部門で本の紹介をすることになったため、色々読み返した中の一冊。読み返して危うく泣きそうになりました。ずっと「男の子」だった人のための本じゃないかなー、と思っていましたが、元「男の子」からは「あの本は女性目線の本だよ。」とご指摘受けました。そうだったのかー。
西原さんの他の本はまったく読んだことありませんが、この本はとても好きです。
69.消え失せた密画/ケストナー
■ストーリ
デンマークの都コペンハーゲンで時価六十万クローネの高価な密画が巧妙な盗難にかかった。好人物の肉屋の親方キュルツが、ふとしたことから大犯罪の渦中にまきこまれ、猪突猛進の大活躍がはじまった。
■感想 ☆☆☆☆
教会トモダチさんからお借りしたケストナー三部作の中の第一作です。今までは「子供のために書かれた児童小説」しか読んだことがありませんでしたが、この三部作は大人のためのユーモア小説です。読み終えて、さすがケストナーだな、と思いました。彼の人間に対する暖かな目線、まっすぐな世界観がとても好きです。
肉屋の親方キュルツさんは、「ミステリ」や「犯罪」とは無関係な猪突猛進型の主人公。策略にはことごとくはまり、だまされてもだまされても関わった人を信じてまただまされる。そんな愛すべきキャラクターが消えた密画を追ってどたばたと走り回ります。謎めいた正体が分からない登場人物やら、油断ならないギャング団やらが次々と出てきますが、結果的に登場人物はみんな「いい人」でした。勿論、密画を盗んだギャング団は「悪党」の集団。けれど、カーチェイスによる打ち合いの際も親分が声高に「人は狙うな」と指示をする愛すべきキャラクターで、読み終えた後、にっこりできました。
70.雪の中の三人男/ケストナー
■ストーリ
貧乏人に変装しておしのび旅行を始めた百万長者の枢密顧問官。ところがとんでもない誤解が生じてドンチャン騒ぎが続発。貧乏人に変装した百万長者と百万長者に間違われた失業青年をめぐって、グランドホテルの従業員とお客の織りなす人生模様。ケストナーの魔法の鏡に映った、赤ん坊のような雪の中の三人男を描く会心の諷刺ユーモア編。
■感想 ☆☆☆☆☆
ケストナー三部作の中の第二作目。三部作の中で、私はこの作品が一番好きでした。子どもの心を失わない大人たちが、ちょっとしたいたずらをきっかけに出会い、思いがけず一生ものの友情を手に入れます。大人になってから友情を手に入れるのは、とても難しい。そう思っているけれど、実は意外と簡単なのかもしれない。変に気負わず、気構えず、自分を取り繕わず、小難しいことを考えずに人と接することができれば、大人だからこその固い友情が結べるのかも。そう思えました。枢機卿とその執事、雇う人と雇われている人の立場を超えた友情がとても好きでした。
71.一杯の珈琲から/ケストナー
■ストーリ
音楽の都ザルツブルクでひと夏を過ごそうと国境の近くのドイツ側の町に宿をとったゲオルク。為替管理の制約ゆえにオーストリア側で一文無しの生活を強いられる。そんなある日、コーヒー代も払えず困った彼は、居あわせた美女コンスタンツェに助けを求めた。
■感想 ☆☆☆*
教会トモダチさんからお借りしたケストナー三部作の第三作目。三部作の中でも特に憎めない登場人物たちばかりのとにかく牧歌的な作品でした。一杯の珈琲から恋が始まることもあれば、いつもと違う日常、つまり冒険が始まることもある。人生のどの地点で何が待ち受けているのかわかんないよ。だから楽しいんだよね。そんなふうに思える作品でした。いつも、私は作品を読む前にあとがきに目を通してしまうことが多いのですが、今回は三作品すべて読み終えた後に「訳者あとがき」を読み、これらの作品の時代背景を知って、ケストナーの精神力を尊敬しました。いついかなるときも明るさを忘れない人、自分を、自分の信念を見失わない人だったからこそ、ケストナーの作品は時代を超えてオトナにも子どもにも愛されるんだろうな、と思いました。
72.夜のミッキーマウス/谷川俊太郎
■感想 ☆☆☆
久々に手に取った詩集。谷川さんの選ぶ言葉、言葉の使い方が好きです。数編、とてつもなくなまめかしく色気のある作品があり、どぎまぎしました。
73.償い/矢口敦子
■ストーリ
36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、ホームレスになった。流れ着いた郊外の街で、社会的弱者を狙った連続殺人事件が起き、日高はある刑事の依頼で「探偵」となる。やがて彼は、かつて自分が命を救った15歳の少年が犯人ではないかと疑い始めるが・・・。彼もまた、大きな絶望を抱えて生きていた。再会した二人の魂は救われるのか?
■感想 ☆☆*
三冊目の矢口作品。三冊の中でもっとも読みやすい作品ではありました。とは言え、いつものように作品世界に入り込むことはできませんでした。未だにこの作家さんについて「好き嫌い」の判定ができていません。
74.モモちゃんとアカネちゃん/松谷みよ子
75.あかねちゃんと涙の海/松谷みよ子
■感想 ☆☆☆☆☆
部門で本の紹介をすることになったため、久々にシリーズ作品の中から特に気に入っている2冊を読み返しました。本を紹介することがとてつもなく苦手なため、どの本を取り上げようか、ぐだぐだぐだぐだぐだぐだと迷い続けましたが、結局、「今までに読み返した回数の多い作品」という条件で、この2冊と「1年1組先生あのね」の3冊に決定しました。大体、「好きな作品」は多すぎて、到底、一冊選べないんだもの。って結局、一冊には絞り込めていませんが。そして、部門で紹介する割に、どの作品も仕事に役立つ要素は皆無です。でも、いいの。好きなんだもん。
当初は「紹介するため」にこの2冊だけを読み返していたものの、途中からは矢も盾もたまらず、シリーズ6冊を読み返したくなり、結局、6冊をざっとつまみ読み。未だにモモちゃんとアカネちゃんは私の大切なお友達です。タッタちゃんとタアタちゃんも、猫のプーも大好きなお友達、ずっと一緒にいて過ごしたいと願っている仲間です。「アカネちゃんと涙の海」はもう何度も読み返しているのに、読み返すたびに、心がぎゅっと痛くなります。
76.1年1組先生あのね/鹿島和夫 編
■感想 ☆☆☆☆☆
部門で本の紹介をすることになったため、久々に読み返した作品のひとつです。子供たちの素直な視点が時にユーモラスな文章となり、時に深淵な文章となって、私たちの目の前に現れます。この本から4編の詩を紹介し、更に「ネット上でも簡単にに見つけられるのでぜひ読んでみてください!」とこの作品の中に掲載されている長編詩「僕だけおいていかれたんや」をお勧めしました。
私にはこんな素直な文章はかけないし、こんなふうに飾らない自己表現もまずできません。1年生のこの時期だったからこそ書けた文章だったんじゃないかな。どの子の作品もとても好きです。そして、それ以上に挿入されている写真が大好きです。ページをめくるたびに今よりずっとのんびりしていた「あの頃の学校生活」が賑やかに、とても懐かしく飛び込んできます。
紹介後、同僚から「いつ本を読んでいるんですか?」という質問を受けました。
私の読書時間は通勤時間と人との待ち合わせの時間、そしてトイレの時間のみです。
部屋で優雅に本を読むことなんてまったくありません。
(家で過ごす時間はたいてい、ドラマを見てるし・・・。)
ちなみに通勤時間も朝は確実に寝てしまうため、実質、本を読むのは夕方のみ。
隣の部署の本部長からは
「のりぞうくんって、あれでしょ?
朝、バスの中で本を持って寝てる子だよね?」
という確認のされ方をしました。・・・恥ずかしすぎる。
68.いけちゃんとぼく/西原絵里子
■ストーリ
ある日、ぼくはいけちゃんに出会った。いけちゃんはいつもぼくのことを見てくれて、ぼくが落ち込んでるとなぐさめてくれる。そんないけちゃんがぼくは大好き。不思議な生き物・いけちゃんと少年の心の交流。
■感想 ☆☆☆☆*
部門で本の紹介をすることになったため、色々読み返した中の一冊。読み返して危うく泣きそうになりました。ずっと「男の子」だった人のための本じゃないかなー、と思っていましたが、元「男の子」からは「あの本は女性目線の本だよ。」とご指摘受けました。そうだったのかー。
西原さんの他の本はまったく読んだことありませんが、この本はとても好きです。
69.消え失せた密画/ケストナー
■ストーリ
デンマークの都コペンハーゲンで時価六十万クローネの高価な密画が巧妙な盗難にかかった。好人物の肉屋の親方キュルツが、ふとしたことから大犯罪の渦中にまきこまれ、猪突猛進の大活躍がはじまった。
■感想 ☆☆☆☆
教会トモダチさんからお借りしたケストナー三部作の中の第一作です。今までは「子供のために書かれた児童小説」しか読んだことがありませんでしたが、この三部作は大人のためのユーモア小説です。読み終えて、さすがケストナーだな、と思いました。彼の人間に対する暖かな目線、まっすぐな世界観がとても好きです。
肉屋の親方キュルツさんは、「ミステリ」や「犯罪」とは無関係な猪突猛進型の主人公。策略にはことごとくはまり、だまされてもだまされても関わった人を信じてまただまされる。そんな愛すべきキャラクターが消えた密画を追ってどたばたと走り回ります。謎めいた正体が分からない登場人物やら、油断ならないギャング団やらが次々と出てきますが、結果的に登場人物はみんな「いい人」でした。勿論、密画を盗んだギャング団は「悪党」の集団。けれど、カーチェイスによる打ち合いの際も親分が声高に「人は狙うな」と指示をする愛すべきキャラクターで、読み終えた後、にっこりできました。
70.雪の中の三人男/ケストナー
■ストーリ
貧乏人に変装しておしのび旅行を始めた百万長者の枢密顧問官。ところがとんでもない誤解が生じてドンチャン騒ぎが続発。貧乏人に変装した百万長者と百万長者に間違われた失業青年をめぐって、グランドホテルの従業員とお客の織りなす人生模様。ケストナーの魔法の鏡に映った、赤ん坊のような雪の中の三人男を描く会心の諷刺ユーモア編。
■感想 ☆☆☆☆☆
ケストナー三部作の中の第二作目。三部作の中で、私はこの作品が一番好きでした。子どもの心を失わない大人たちが、ちょっとしたいたずらをきっかけに出会い、思いがけず一生ものの友情を手に入れます。大人になってから友情を手に入れるのは、とても難しい。そう思っているけれど、実は意外と簡単なのかもしれない。変に気負わず、気構えず、自分を取り繕わず、小難しいことを考えずに人と接することができれば、大人だからこその固い友情が結べるのかも。そう思えました。枢機卿とその執事、雇う人と雇われている人の立場を超えた友情がとても好きでした。
71.一杯の珈琲から/ケストナー
■ストーリ
音楽の都ザルツブルクでひと夏を過ごそうと国境の近くのドイツ側の町に宿をとったゲオルク。為替管理の制約ゆえにオーストリア側で一文無しの生活を強いられる。そんなある日、コーヒー代も払えず困った彼は、居あわせた美女コンスタンツェに助けを求めた。
■感想 ☆☆☆*
教会トモダチさんからお借りしたケストナー三部作の第三作目。三部作の中でも特に憎めない登場人物たちばかりのとにかく牧歌的な作品でした。一杯の珈琲から恋が始まることもあれば、いつもと違う日常、つまり冒険が始まることもある。人生のどの地点で何が待ち受けているのかわかんないよ。だから楽しいんだよね。そんなふうに思える作品でした。いつも、私は作品を読む前にあとがきに目を通してしまうことが多いのですが、今回は三作品すべて読み終えた後に「訳者あとがき」を読み、これらの作品の時代背景を知って、ケストナーの精神力を尊敬しました。いついかなるときも明るさを忘れない人、自分を、自分の信念を見失わない人だったからこそ、ケストナーの作品は時代を超えてオトナにも子どもにも愛されるんだろうな、と思いました。
72.夜のミッキーマウス/谷川俊太郎
■感想 ☆☆☆
久々に手に取った詩集。谷川さんの選ぶ言葉、言葉の使い方が好きです。数編、とてつもなくなまめかしく色気のある作品があり、どぎまぎしました。
73.償い/矢口敦子
■ストーリ
36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、ホームレスになった。流れ着いた郊外の街で、社会的弱者を狙った連続殺人事件が起き、日高はある刑事の依頼で「探偵」となる。やがて彼は、かつて自分が命を救った15歳の少年が犯人ではないかと疑い始めるが・・・。彼もまた、大きな絶望を抱えて生きていた。再会した二人の魂は救われるのか?
■感想 ☆☆*
三冊目の矢口作品。三冊の中でもっとも読みやすい作品ではありました。とは言え、いつものように作品世界に入り込むことはできませんでした。未だにこの作家さんについて「好き嫌い」の判定ができていません。
74.モモちゃんとアカネちゃん/松谷みよ子
75.あかねちゃんと涙の海/松谷みよ子
■感想 ☆☆☆☆☆
部門で本の紹介をすることになったため、久々にシリーズ作品の中から特に気に入っている2冊を読み返しました。本を紹介することがとてつもなく苦手なため、どの本を取り上げようか、ぐだぐだぐだぐだぐだぐだと迷い続けましたが、結局、「今までに読み返した回数の多い作品」という条件で、この2冊と「1年1組先生あのね」の3冊に決定しました。大体、「好きな作品」は多すぎて、到底、一冊選べないんだもの。って結局、一冊には絞り込めていませんが。そして、部門で紹介する割に、どの作品も仕事に役立つ要素は皆無です。でも、いいの。好きなんだもん。
当初は「紹介するため」にこの2冊だけを読み返していたものの、途中からは矢も盾もたまらず、シリーズ6冊を読み返したくなり、結局、6冊をざっとつまみ読み。未だにモモちゃんとアカネちゃんは私の大切なお友達です。タッタちゃんとタアタちゃんも、猫のプーも大好きなお友達、ずっと一緒にいて過ごしたいと願っている仲間です。「アカネちゃんと涙の海」はもう何度も読み返しているのに、読み返すたびに、心がぎゅっと痛くなります。
76.1年1組先生あのね/鹿島和夫 編
■感想 ☆☆☆☆☆
部門で本の紹介をすることになったため、久々に読み返した作品のひとつです。子供たちの素直な視点が時にユーモラスな文章となり、時に深淵な文章となって、私たちの目の前に現れます。この本から4編の詩を紹介し、更に「ネット上でも簡単にに見つけられるのでぜひ読んでみてください!」とこの作品の中に掲載されている長編詩「僕だけおいていかれたんや」をお勧めしました。
私にはこんな素直な文章はかけないし、こんなふうに飾らない自己表現もまずできません。1年生のこの時期だったからこそ書けた文章だったんじゃないかな。どの子の作品もとても好きです。そして、それ以上に挿入されている写真が大好きです。ページをめくるたびに今よりずっとのんびりしていた「あの頃の学校生活」が賑やかに、とても懐かしく飛び込んできます。