のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ジャイアンリサイタル

2010年08月19日 08時02分52秒 | 日常生活
久しぶりに部門飲み会が開催されました。
飲み会終了後、今回、初めて参加された方が思わず、という感じでおっしゃいました。

「ワンマンショーでしたね・・・。」

ハイ。
誰のワンマンショーだったのか、具体的な指示語を言わずとも伝わってしまう。
そんな感じのワンマンショーでした。
誰ひとり太刀打ちできませんでした。
惨敗。

おそるおそる尋ねる先輩。
「・・・いつもこんな感じなんですか?」

ハイ。
いつも、です。
どんなときも、です。
誰に話題を振ろうとも、です。

「そうですかー。
 いつも、ですかー。」
と力無く呟いた先輩。

あ、あの。
ぜひ次回も参加してくださいね。
今回限り、なんてやめてくださいね。


ちなみに。
ワタクシも常に喋りすぎる傾向にある身。
飲み会中、「人の振り見て我が振りなおせ。」という言葉が
エンドレスで頭の中をぐるぐる回りました。
うん。気をつけよう。

お気遣い無用です

2010年08月18日 00時26分07秒 | 日常生活
今月、めでたく誕生日を迎えました。
誕生日当日、先輩がそっと近寄って来ておっしゃいました。
「のりちゃん。おたんじょうびおめでとう。」

・・・なにゆえに小声?

「ほら。もうおおっぴらに祝われると嫌かなと思って。
 でも、せっかくやけん、おめでとうぐらい言いたいやん。」

いやいやいや!
大声で!
盛大に!
おおっぴらに!どどーんと祝ってください。
ワタクシ、誕生日来たこと嫌がってませんからねー。
隠してもいませんからねー。


今月、めでたく誕生日を迎えました。
同じ部署の先輩がワタクシとインターンシップ生(高専4年生。
まだまだ未成年!)を見比べておっしゃいました。

「あれでしょ?誕生日来たんでしょ?
 今日からインターンシップ生との年齢差がふたつになったんだっけ?」

・・・えっと。
本当に。そーゆー気遣いは必要ありませんから。
思わず素で「むかつく!」と叫んじゃいましたから。
「それは宣戦布告と受け取っていいんですよね。」
異動してきたばかりの先輩に、若干、本気でビビられました。


今月、めでたく誕生日を迎えました。
誕生日の数日後、隣の部署の先輩から、「おめでとう」で始まる
問い合わせメールをいただきました。

「誕生日おめでとう!
 今年でジャストだよね! (この後、問い合わせ文が続きます。)」

ありがとうございます!
いくつになっても「おめでとう」って言われるのは嬉しいです。
わーい。わーい。
おおいに喜んだ後、お礼の言葉と共に
「ジャストじゃありませんよー。今年で32ですよー。」
という訂正メールを送りました。

数分後、戻ってきた先輩のメール。
「あれ。せっかくちょっと若く言ったのに。
 16進数で20ですね。」

無理矢理すぎますよ・・・。
ていうか、気遣い方がさりげなさ過ぎて、まったく気づけませんでしたよ!
サバを読むなら読むで、もっとすぱっと読んでくれないと。
そもそも、せっかくのお気遣い文章よりも
後半の16進数を持ちだしてのお気遣い文章に
このあたりがつくづくうちの会社だな、と心釘付けでしたよ。

というわけで。
関係各位。皆々様。
ワタクシ、まだまだ誕生日を嫌がっていませんし
年齢を隠してもいませんし、サバを読む気もさらさらありません。
オープンに、正々堂々と、ワタクシの誕生日を祝っていただいてかまいません。

アナログ万歳

2010年08月17日 07時59分37秒 | 日常生活
関東在住組の友人達が福岡に帰省したため、友人宅で集まりました。
そのときそのときで参加メンバーが変わるものの、
なんやかんやと定期的に集まっている友人達です。
仕事が終わってから参加したため、7時に合流。
解散は1時半でした。
6時間半、喋りっぱなし!
話って尽きないもんだな、と感嘆。
感嘆しているワタクシも先頭争って話していたわけですが。

途中、過去に巻き起こした数々の珍道中を振り返ったり、
デジカメだったら即刻削除されること間違いなしの
色んな若気の至りが詰まった写真を鑑賞したり、と大いに笑って過ごしました。


・・・。
若気の至りが詰まった写真は、笑えましたが笑えませんでした。
ワタクシ、自分自身について、変わってないな、成長してないな、と思っていましたが
それなりに、(私なりに)きちんと大人になっていることを確認できました。

ワタクシ、やはり写真はデジカメではなく、
撮りなおしの効かない使い捨てカメラ派です。

親戚大集合

2010年08月15日 09時40分35秒 | 日常生活
年に1度の恒例行事となっている親戚大集合のバーベキュー大会。
いつもはなかなか会う機会のない従兄弟や
従兄弟の子どもたちと会える貴重な機会です。

夕方から続々と集まってくる伯父、伯母、従兄弟たち。
今回の参加者、総勢37名。
みんなが集まってわいわいと騒ぐ姿は圧巻です。
女性とちびっこの比率が高いため、あちらでもざわざわ、
こちらでもざわざわ、その賑やかさ、かしましさも圧巻です。

昨年、出席できなかった私は、ちびっこたちの成長振りと
その愛らしさに目を見張りました。
上は高校一年生から下は2歳までいろんな年代の子が
きゃーきゃー笑いながらころころと遊びまわっている姿は実にキュート。
大人数に慣れているのか、物怖じすることなく義弟君に群がる子。
お兄ちゃん、お姉ちゃんの後について、一生懸命まねっこをする子。
思春期真っ只中で、端っこにおとなしく座っている子。
はにかみやさんで大人数にびっくりして、いったん回れ右をした子。
たくさん人がいて嬉しいのか、ずっとにこにこしている子。
パーソナリティも様々です。

久々に会う私に「誰?この人?」という目を向けていたちびっこたち。
そのいぶかしげな表情が次第に「しんせきのおねえさん」らしい、と
認識し始める様子がかわいくて、愛らしくて、いとしくて。
あっという間の1日でした。

バーベキューの後は花火大会。
そして、最後にこれまた恒例の盆踊り大会。
盆踊り大会に向かう道すがら、ちびっこちゃん3人が
「今日は楽しかったー!」
「明日も会えたらいいのに。」
と話している姿がこれまたキュートで、ワタクシもにこにこ。
うん。本当に楽しかったね。

と。ワタクシの腕につかまっていたちびっこちゃんが
ワタクシを見上げて言いました。
「あのね。のりちゃんに会えて嬉しかった。」



・・・かわいすぎる。
はぁ。幸せエネルギーをめいっぱい充電させていただきました。
ありがと。

ちなみに。
妹と並んで立っていたワタクシにちびっこたちが
「どっちが上かわからんくなった。何歳?」
と聞いてきたのも、ヒジョーに気分よく元気をもらえた出来事でした。
ふふふん♪

感謝します。でも祈りません。

2010年08月14日 09時57分52秒 | 日常生活
昼休みに母上から電話がかかってきました。

「あんた!「白い恋人」にバームクーヘンがあるっち、知っとる?
 義弟くんがあんたに届けてくれたよ?なんで?」

おっと。
まさか本当にいただけるとは。
やっぱり言ってみるもんねぇ。

先週、お墓参りを終えた後、妹と共に
「白い恋人」のバームクーヘンが出たらしいよ!
白いバームクーヘンらしいよ!
めっちゃ、おいしそうやんね!!
と、おおいに盛り上がったのです。

けれど、所詮、ワタクシたちは福岡住まい。
遠く離れた北の大地にはそうそう行ける筈もなく
おいしそうだねぇ、と想いを馳せるぐらいしかできません。
もしくは、デパートの物産展で巡り会えるのを待つぐらい。
でもなー。
物産展に来ても大人気であっという間に売り切れちゃうからなー。
なんせ、「白い恋人」自体だって、あっという間に売り切れてしまうのです。
たまにしか巡り会えないのです。
新商品なんてとてもとても。

と話していたところ、義弟君が
「通販で取り寄せればいいじゃないですか。」
と提案をしてくれました。

・・・通販?
あるの?だって、物産展で売りさばかなきゃいけないのに。
物産展のありがたみが半減しちゃうから
通販なんてしないんじゃないの?

と、言い返したところ、数日後、義弟君からメールが届きました。
「通販されてますぜ。」

なんと。
あんなに自信を持って「通販なんてするわけないよ!」と断言したのに。
してるんだ。通販。へぇ。



・・・ほしい。
食べたい。
ぜひとも食べたい!
バームクーヘンたーべーたーいー!!

というわけで、義弟君に返信。
「ぜひとも誕生日プレゼントに取り寄せて下さい。」

勿論、義弟君からは返信が来るはずもなく。
ま、そんなもんよね。
と、それっきり忘れていたのですが。

届きましたか!!
わーい!!ありがとー!!
若干、ずうずうしい気がしないでもないですが(え?若干?)
言ってよかったー!うれしー!!

会社の廊下で大喜びする32歳(なりたてほやほや)。
いろんな人に振り向かれましたが
まさかバームクーヘンが手に入って大喜びしている姿とは誰も思うまい。
母親からは
「なんね。わざわざ「あんたに」っち渡しに来たけん、びっくりしたのに。
 それは、むしろ脅迫やん。」
と呆れられながら電話を切った後、
すぐさま義弟君にお礼メールを送りました。

まさか本当にいただけるとは。
心して食べます。

数分後、義弟君から届いた返信メール。
「おう。ちゃんと俺に祈って食べろよ。」




・・・ワタクシ、義弟君のこういうところ、
心から尊敬しています。
こういうふうに人と関われるって、すごい才能だと思う。

お盆の風物詩

2010年08月12日 23時35分22秒 | 日常生活
通勤時の電車から人が消えました。
いつもは混み合っている車内ががらがら。
余裕で座れます。

そっかー。お盆ですよー。
お盆シーズンですよー。
と朝からしみじみと季節感を味わいました。
電車内は空いていたのに、駅構内は旅行・帰省中と思われる
おっきなトランクを持った家族やカップルで大混雑。
切ない気持ちに襲われながら、バスセンターに向かいます。

一方、バスセンターは普段の大行列が嘘のような人の少なさ。
天神方面、六本松方面に向かうバスは特に閑散としています。

その中で。
百道浜周辺に向かうバスのみ、いつも通りの大行列。
いつも通り、ではありません。
通常時よりは若干、行列が短く、運がよければ座れそう。
そのくらいの行列です。

この閑散としたバスセンター内に
ひとつだけ発生する行列を見るたびに、
世間に夏休みが来たことを実感します。

と、言いつつ。
ワタクシも8月は完全夏休みモードです。
長期休暇があろうがなかろうが、夏休みを満喫中。
久しぶりのメンバーとの飲みゴト、集まりゴトを大いに楽しんでいます。

夏休みバンザイ!

おのれとおのれの戦い

2010年08月11日 23時01分24秒 | 日常生活
本日、既に2時間ほどアマゾンさんのページをうろうろしています。
数日前からむくむくと湧き上がっているDVD欲しい病。
でも、在庫がないんじゃないかな、と甘い期待を抱いて
サイトを覗いてみたところ、しっかり売られていました。
さすが世界のアマゾンさん。


・・・売り切れてくれていたら、諦められたのに!

既に勝負の行方は
DVDを購入するか、しないかという第一ラウンドから
購入するDVDを何枚にするのか、という第二ラウンドに進んでいます。
理性さんと欲望くんが数時間もの間、
いい勝負をしてくれているというのに
結局、完封負けしている自分が見えるような。
そんな気がしてなりません。

つまるところ、気持ちは既に負けを認めている模様。
でも、均衡な戦いのはずなのに。
がんばれ。じぶん。

勤続10年で得たもの

2010年08月09日 23時28分51秒 | 日常生活
ひっさびさに同期ジョシ会を開催しました。
今回はまだ会社に残っているジョシのみでのこじんまりとした開催。
「よくよく考えたら、出会ってからもう9年経つんよねー。」
「新しい知り合いのような気がしとうけど、
 実は中高時代の友人より付き合いが長いんよね。」
としみじみする同期ジョシ2名。

・・・あのね?
ワタクシたち、勤続10年目よ?
出会ってもう10年なのよ?

というワタクシの言葉に心底驚いたふたりの姿が
非常に印象的でした。

「え?!もう、うちら働き出して10年?!」
「うそやん。まだ9年やないと?ホントに10年??」

・・・いやいや、こんなところで嘘はつきません。
勤続10年目。出会って10年目。
来年はリフレッシュ休暇がもらえますよー!

「そっか。来年、リフレッシュ休暇か。
 新人の頃は、まさか自分がリフレッシュ休暇もらえるまで
 会社におるとか思いも寄らんかったよね。」
「うん。10年後の自分が会社におるとか、思ってなかった。」
しみじみと語り合う二人。

うん。私もまさか32歳の自分がこんなオトナだとは
思ってもいませんでした。
思い描いていた32歳とあまりに違いすぎる。
32歳って、もっとこう落ち着きがあって、迷いなんてない
もっと芯のあるお年頃だとばかり。
ていうか、もっとオトナだと思ってましたよ。
思わずワタクシもしんみり。

「でもね。」とおもむろに座りなおす同期。
「うちら、10年も同じところで働き続けられたわけよ?
 たぶんね。結婚したら離婚せんと思うよ。
 ちょっとぐらい結婚失敗しても「うわー。なんでこの人と。」
 と思っても、結婚生活継続できると思うよ。
 『継続力』が身についたんやない?」

なるほどー。思わず納得。
確かに、「勤続10年」も「結婚生活10年」も、
どちらも維持するためのエネルギー量は同じっぽい。






思わず、納得しかけましたが。
でも、やっぱり違う気がする。
ていうか、違うと思いたい。
そんな忍耐力とは無縁の結婚生活を送りたい。
結婚生活にはまだまだ夢とか希望とか持ちたいです。
持たせてください。

それにしても。
久々に再会した友人たち(同じ会社なのに。)はとても元気でした。
色々と大変そうなのに、バイタリティあふれていました。
相変わらず面白い人たちでした。
こじゃれた店内の雰囲気をものともせずに爆笑し続けた4時間半。
久々に笑いすぎて涙が出ました。笑いすぎてほっぺが痛くなりました。
笑って笑って笑って、爽快な気持ちになりました。
うん。私も元気。元気をたくさんもらいました。ありがとう。

7月の読書

2010年08月09日 00時57分08秒 | 読書歴
ふと気が付くと、なんだかハイペースで本を読み進めていました。
あれ?最近は通勤時間の音楽タイムが増えていて、本に集中できて
いないはずなのに。(音楽の歌詞に耳を取られてしまうらしく
本を読みながら音楽が聞けません。)

というよりも、どうやら「読みやすい本」「軽い本」を集中して
読んでしまっているような。下半期は少し重厚な作品にも手を伸ばします。

86.スロウハイツの神様(上)(下)/辻村深月
■ストーリ
 ある快晴の日、人気作家チヨダ・コーキの小説のせいで、人が死んだ。
 猟奇的なファンによる小説を模倣した大量殺人。この事件を境に筆を折った
 チヨダ・コーキだったが、ある新聞記事をきっかけに見事復活を遂げる。
 闇の底にいた彼を救ったもの、それは『コーキの天使』と名付けられた
 少女からの128通にも及ぶ手紙だった。
 事件から十年、売れっ子脚本家・赤羽環と、その友人たちとの幸せな
 共同生活をスタートさせたコーキ。しかしその共同生活は、思わぬ方向へ
 ゆっくりと変化し始める。

■感想 ☆☆☆☆☆
 久々に読書がしたい!と訴える母上に、読みやすくて面白い作品を
 次々と渡しています。これもその中の一冊。渡しておきながら、
 自分もまたもや読み返してしまいました。とにかく大好きです。
 この2年で5~6回は読み返しました。読み返すたびに幸せな気持ちに
 なります。私の中でチヨダ・コーキは、クドカンさんと重なります。

88.真夏の夜の夢/ウィリアム・シェークスピア
■ストーリ
 結婚に関して問題を抱えている2組の貴族の男女。そんな人間たちの恋に
 なぜか妖精の王と女王の喧嘩が影響し、引き起こされるどたばた騒動。
 そんな一夜のどたばたがやんちゃな妖精、パックの活躍によって円満を迎える。

■感想 ☆☆☆☆
 シェークスピアといえば四大悲劇ですが、私は断然、喜劇派です。
 じゃじゃ馬ならしも捨て難いけれど、どれかひとつと言われたら
 やっぱりこの作品。妖精パックがとにかく愛らしい。シェークスピアなんて
 難しそう・・・と思う方には、ぜひぜひ「ガラスの仮面」をお勧めしたい。
 この作品の魅力をあますところなく伝えてくれます。あぁ、「ガラスの仮面」
 バージョンも読み返したくなりました。あれって何巻だったっけ。

89.マダム小林の優雅な生活/小林聡美
90.マダムだもの/小林聡美
■内容
 「かもめ食堂」で一躍有名になった女優の日常エッセイ。

■感想 ☆☆☆
 だんな様とのやりとりがとても面白く、幸せに落ち着いた日々を送って
 いるんだろうなぁ、としみじみ思いました。小林さんから見ただんな様
 (脚本家、三谷幸喜さん)が私の思い描いていた三谷さんそのままで
 やっぱりそういう人でしたかー、と嬉しくなりました。
 
91.むかつく二人/清水ミチコ・三谷幸喜
92.いらつく二人/清水ミチコ・三谷幸喜
■内容
 清水さんと三谷さんでお送りしているラジオ番組から抜粋された
 会話の数々。

■感想 ☆☆☆☆
 「本」となっていますが、読んでいるだけでふたりの声やテンションが
 伝わってきます。お互いに毒舌をつきあっているし、自慢しあっているし
 負けず嫌いを発揮しあっていますが、結局のところ、仲がよいのねぇ
 と思える親密さが心地よい作品。和田誠さんの表紙がぴったり。

93.三谷幸喜のありふれた生活7
94.三谷幸喜のありふれた生活8
■内容
 朝日新聞連載の大人気エッセイ、第7弾と第8弾。

■感想 ☆☆☆☆☆
 時折、小説から遠ざかりたくなるときが訪れます。そんなときの力強い
 味方。なんやかんやと色々、エッセイを読んでいますが、今のところ
 一番好きなのは、三谷さん。・・・か、阿川さんです。そういえば文章
 や取り上げる題材が似ているかも。

95.レインツリーの国/有川浩
■ストーリ
 きっかけは「忘れられない本」。ネット上で共通点を見つけたふたり。
 そこから始まったメールの交換。しかし、かたくなに会うのを拒む彼女には、
 会えない理由があった。

■感想 ☆☆☆☆
 ベタな恋愛小説です。「ロマコメ大好き!」と言い放つ作者だからこそ
 築き上げる甘い甘い世界です。けれど、甘いだけではない。
 健聴者と難聴者。「違うこと」が多いふたりの「違い」や「ズレ」を
 丁寧に説明してくれます。「違う」からといって「面倒」で終わらせず
 「面倒なほうが好きや。面倒な君が好きなんや。」と言って、彼女との
 「違い」に丁寧に向き合ってくれる主人公がとにかく素敵です。

96.漢方小説/中島たい子
■ストーリ
 薬も、癒しも効かないあなたに贈る処方箋。
 みのり31歳、独身。元カレが結婚すると知ったその日から、原因不明の
 体調不良になった。行き着いた先は漢方診療所。悪戦苦闘する女性を
 そこはかとないユーモアで描く。

■感想 ☆☆*
 なんとなく共感を覚えてしまいました。年齢や状況が少し似ている部分が
 あるからなのか、そこで弱ってしまう主人公にも、安易な解決(身近な
 恋愛)にぐらりと来てしまう主人公にも、あぁ、あるかもなぁ。と素直に
 思えました。そこで身近な人に甘えられるというのも幸せなんだろうな。

97.乱暴と待機/本谷有希子
■ストーリ
 復讐相手として憎まれている限り、お兄ちゃんが私から離れていくことはない。
 四年近くもの間、二段ベッドが置かれた六畳間ひとつの古く陰気な借家で
 同居している三十歳間近の「兄」こと英則と、「妹」奈々瀬。
 奈々瀬は上下灰色のスェットにだて眼鏡姿で家に籠もり「あの日」から
 笑顔を見せなくなった英則のために日々「笑い」のネタを考えている。
 保健所で犬の殺処分の仕事をしている英則は一年前、天井板の一角に
 隙間を発見したのをきっかけに、帰宅後、屋根裏に潜り込んでは妹を覗いていた。

■感想 ☆☆☆☆
 登場人物全員が面倒で、できればお近づきになりたくない人種。
 彼らが取る行動や思考回路にはあまり共感できない。しかし、あまり共感
 できないにも関わらず、怒涛の展開の後半、彼らが紡ぐ濃厚な愛の世界に
 泣きそうになった。彼ら自身が十分に面倒な人たちだけれど、そもそも
 「愛」そのものが面倒なのだ、と思ってしまう。共感はできないけれど
 力づくで納得させられてしまった。本谷さんならではの世界観。
 今年10月に映画化される模様。キャスティングを見る限り、主要人物
 4名は見事にはまり役で心躍りました。

98.夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦
■ストーリ
 私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、
 百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。
 我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が
 立っているはずがない。それでも彼女は天真爛漫に「奇遇ですねえ!」
 と微笑む。「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。
 二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々。

■感想 ☆☆☆☆☆
 リズミカルな文章で畳み掛けるように繰り広げられる森見ワールドが
 懐かしくなって再読しました。何度読み返しても好きです。この文章や
 この文体は癖があるけれど、ハマると中毒になります。
 ご都合主義どんとこい!読んでて楽しければいいんだよ!と思える
 本好きな人にお勧め。
 妄想を友達に片思いを成就しようと、外堀を埋め続けるセンパイの姿が
 とにかくほほえましく、恋っていいなぁと思いました。
 
99.強運の持ち主/瀬尾まいこ
■ストーリ
 元OLの売れっ子占い師、ルイーズ吉田は大忙し。 ある日、物事の
 終末が見えるという大学生の武田君が現れ、ルイーズにもおわりの兆候が
 見えると言い出した。連作短編集。

■感想 ☆☆☆
 平易で読みやすい文章や表紙のかわいらしいイラストがほのぼのとした
 印象を与えます。しかし、意外とシニカルな展開で、そのシニカルな
 視点がいかにも女性らしいな、と思いました。女性は占い大好きだけれど
 どこかで占いのうさん臭さをきちんと分かっているんだろうな、
 そのうさんくささもまるごと受け入れた上で、自分への応援アイテムとして
 うまく活用しているんだろうな、と思いました。結局のところ、女性は
 たくましい。その一言に尽きる作品のような気がします。

100.ラブコメ今昔/有川浩
■ストーリ
 乙女だっておっさんだってオタクだって人妻だって、恋がなければ生きて
 いけない。自衛隊を舞台に繰り広げられる恋愛模様を描いたベタ甘ラブに
 耐性のない方お断りの短編集。

■感想 ☆☆☆☆
 「空の中」「海の中」のサイドストーリ、「くじらの彼氏」の続編です。
 「自衛隊」という特殊な世界の中で、特殊な環境だからこその悩み事に
 振り回されつつもまっすぐ懸命に恋をする登場人物たちがとにかく
 かわいらしい。「ラブコメ」という言葉がちょっぴり照れ臭いけれど
 でも、きっと折に触れ読み返したくなるだろうな、と思える作品集。

101.サワコの和/阿川佐和子
■内容
 まったく日本には腹が立つ。なのに歳を重ねるにつれて、じわじわ好きに
 なる。日本の行事やアメリカ滞在を通じて感じた祖国への微妙な「愛」を
 綴るエッセイ。

102.空耳アワワ/阿川佐和子
■内容
 オンナの現実胸に秘め、懲りないアガワが今日も行く。合言葉は
 「ごめんあそばせ」。そんなことだってあんなことだって包み隠さず
 書かれた痛快エッセイ。

■感想 ☆☆☆☆
 定期的に手を伸ばしてしまう阿川さんのエッセイ。読むとくすりと笑えて
 元気が出ます。女性として共感するところもしばしば。嫌味なく
 品よく、さらりと怒ってみせるその姿はぜひ真似したい。彼女の文章に
 触れるたび、こんなふうに年を重ねたいな、と思います。

103.空の中/有川浩
■ストーリ
 200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った
 パイロットは調査のため高空へ飛ぶ。そこで彼らが出逢ったのは・・・。
 一方、遠く離れた四国で「秘密」を拾ってしまった子供たちは・・・。

■感想 ☆☆☆☆*
 「クジラの彼氏」の最後の作品で出会ったヒロインとようやく再会
 できました。なるほど。こういう出会いをして、あの作品に続くのね!
 と心底、嬉しくなった作品。勿論、この作品単体で十分に楽しめます。
 読みやすい文章と荒唐無稽な世界観、けれどそれらを土台で支える
 緻密な設定がこの作品に「リアルさ」を付加しています。
 だからこそ、荒唐無稽ではあるけれど、嘘くさくない。
 なぞの生命体に出会ってしまった人々の葛藤と、行動にちゃんと
 説得力ある意味が書かれていて、それぞれの「これから」を祈るような
 気持ちで読み進めました。とにかく爽快な作品。「海の中」も
 早く読みたい!
 


お盆の家族行事

2010年08月08日 09時37分14秒 | 日常生活
お盆が近づいてきたため、家族でお墓掃除。
掃除をしたついでに、お花も供えました。
この炎天下では、とうていお盆までもつはずもないけれど
「お盆を見据えての」準備を終えました。
あ。いちおー、クリスチャンです。

クリスチャンではあるものの、
こういった行事は「家族行事」として参加しています。
そして、「盆踊り」も趣味として参加しています。
盆踊り大好き!

先日、会ったクリスチャン友達が
「家族全員がクリスチャンという家庭で育ったけん
 実はお盆が何日から何日までとか知らんちゃんねー。」
と言っていたのを「あぁ、そういうものなんだなぁ。」
と、感慨深く聞きました。
おそらく最近は、クリスチャンではなくても「お盆」とか「墓参り」が
無縁の家庭もあるわけで、これらの行事は(お正月の初詣なども含めて)
「家族行事」なんだな、と自分の中でふんぎりがつきました。

午後からは祖母もお墓参り。
「自宅に近いところだったら、行きやすいけんね。」
という理由で準備したお墓に、叔母や父の介添えがあってようやく
(なおかつ久しぶりに)行けた祖母を見て、切ない気持ちになりました。
祖母の背中はますます丸く小さくなっていて
その背中と、前回会ったときよりも穏やかになった祖母の表情を見て
人はこうやって少しずつ死に近づいていくんだろうな、と思いました。
死は決して怖いことではないし、悲しいことでもないけれど
でも、残される人にとっては、やはり悲しくて寂しいことだな、とも思い
祖母を見て、そんなことを考えてしまったことに落ち込みました。

来週はお盆。
祖母は、お盆のお墓参りはお休みです。
どうか。
どうかもう一度、祖母がお墓参りに訪れることができますように。
厳しい夏の暑さが過ぎて、過ごしやすい季節になった
秋のお彼岸にお墓を訪れられますように。