太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

間違い電話

2011-09-28 11:12:24 | 日記
携帯電話を持ってすぐから、ほぼ毎日のように間違い電話がかかってくる。

個人宛だったり、或る電話会社宛だったり(昔この番号だったのだろう)。
日本では、携帯電話には090とか080といった特殊な番号がついているけれど、
ハワイでは固定電話と同じ市外局番だから、番号だけでは携帯が固定かわからない。



いろんな人がいた。

「ディック?金を返してくれるのはいつだよ?」
「ディックじゃありませんけど(声聞けばわかるだろう)」

「明日の昼に○○で、って言えばよかったのにー。うひゃうひゃ!」などと夫は無責任なことを言うが、そんなこと言えるものか。


わけあり風の女性からの電話もあった。

「トニー?」
「違います」
「トニーを出して」
「違う番号にかけているんだと思いますけど」

と言って電話を切ると、半日ほどして同じ女性からかかってきた。

「今○○にいるんだけど、どうしてもトニーと話したいの。あなたが誰かはどうでもいいの。お願い、トニーと話をさせて」
電話の向こうは、駅だろうか、電車の出入りするような音がする。
ハワイには電車はないから、別の地域なのだろう。

彼女はこれがトニーの電話だと信じており、
私はトニーのガールフレンドだと勘違いしている様子。
けして居丈高な感じではなく、必死さが伝わってくる。私だって、なんとかトニーと話させてあげたいけど、ごめんね、ここにトニーはいない。

合計3回、彼女は電話をかけてきた。
トニーは事情があって、彼女に黙って電話番号を変えたのだろう。
最後は諦めたのか、間違いだと納得したのかわからないが、小さなため息を残して電話を切った。
その後、彼女はどうしているのだろう。



最初の頃は、私も慣れていなくて、非常に無愛想な対応しかできなかった。

大抵は間違いとわかると「ごめんなさーい」というふうに切るが、私も慣れてきて、
「大丈夫、じゃね、バーイ」ぐらい言えるようになると、相手の態度も変わってきた。


「あら、間違えちゃったみたい、ごめんなさい」
「ダイジョブよ、気にしないで」
「うふ、ありがとう。それじゃあ・・・・あなたも Have a nice day!」


余談だが、この Have a nice day に当たる、いい日本語がみつからない。直訳すれば「良い一日を」だけど、それだと堅すぎる気がするのだ。
デパートで、私が買い物もしたわけでもない売り場のおねえさんが、通りかかっただけの私に
「Have a nice day!!」
と、とびきりの笑顔で声をかけてくれたりする。
なんでもない一日が、あったかーーーくなる瞬間である。


さて、間違い電話。

男性の声で
「あれ、○○(名前)じゃないね?」
「違うみたいですね」
「○○○ー○○○○ じゃなかったかな?」
数字がひとつだけ間違っていることを伝えると
「っていうことは、どうやら僕の間違いだね。さーてと、どうしようか。僕はどうしたらいい?」
「うーん・・・○○○ー○○○○にかけてみるといいうのはどうでしょう?」
「ああ、それはいい考えだ!そうしよう。話ができて楽しかったよ。じゃーね」


電話番号を変えようと思ったこともあったけれど、
これはこれでヒヤリングの勉強にもなるし(電話での会話は難しい・・・・)、
トニーの元カノ(勝手に決め付け)とか、想像を膨らませるドラマもあることだし、ぐっと回数も減っているので、そのままにしている。