太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ひとつの幕引き

2017-01-10 16:57:01 | 日記
12月28日だったか。

それは昨年最後のワイキキのギャラリーで働く日だった。

ふと、ほんとうに、ふっと



「そうだ。辞ーーめよ」



と思った。

実を言えば、ギャラリーに行きだして2ヶ月ぐらいで、火曜日が憂鬱になっていた。

3時から9時までの6時間、自分の作品を制作できるとはいえ、

売り上げがなかったら気持ちは落ち込むし、かといって売ろうとして売れる値段のものでもなし、

片道45分かかる道のりも、10時に帰宅してシャワーを浴びて、

翌朝3時半に起きるのも、なんだかしんどい。


それでも続けたのは、辞めるのに正当な理由を、それは自分に対しての理由を見つけられなかったからである。


せっかくの縁なのだし、と思う。

始めたことを簡単に辞めるのはよくない、と思う。

せめて1年は続なくては、と思う。

でも心は、「ああまた火曜日かー」と思っている。



12月28日、ギャラリーに到着するまでは、辞めるつもりはなかった。

しかし突然それらが吹っ切れて、目の前がクリアになった。



憂鬱になるということは、私は楽しくないってことだ。

楽しくないってことは、気分がよくないってことだ。

気分がよくないことは、やらなくていい。


一応、オーナーに話す前に、私を紹介してくれたマイクにそのことを伝えたら、

マイクもギャラリーを辞めるのだという。

寝耳に水だ・・・・



そして年明けて最初のギャラリーの日。

ギャラリーに行くと、なにかがとっても違っていた。

オーナーの次にたくさんの作品を置いていた、エドの作品が跡形もなく消えていた。

その代わり、1ヶ月前に新しく入った写真家の作品が、大方を占めている。

今年、ギャラリーの売り上げはひどい有様で、オーナーは経営のパートナーを探していて、

エドに声をかけたのだが彼は断り、そして撤退していった。

そして、どうやら写真家がパートナーになったということのようだ。

オーナーに、辞めることを告げた。

普通、仕事を辞める時には『2週間NOTICE』という暗黙のルールがあり、

辞める2週間前に意志を表明することになっているので、2週間後、つまり1月17日を最後の日にするつもりでいた。

オーナーは一瞬黙って、そして言った。


「そうね・・わかるわ。誰だってボランティアで働くのは嫌だもの・・わかったわ。

それでどうする?今日で最後にするの?」

(え、今日で辞めていいの?)

「じゃあ、そうしようかな。それでいいなら」



そういうわけで、1月3日を最後に、もうワイキキに行かなくてよくなった。

この開放感たるや!!

ちょうど半年続けた自分を褒めよう。

とてもいい経験をした。

オーナーのクリスティーンも含め、才能あふれるプロの仕事を間近で見たし

いろんな人に会って話すこともできた。

これでこの幕はおしまい。

引続き、職場では私の作品を売るが、

次になにが待っているのか、のんびり観察することにする。








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