太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

最後まで見られなかった映画

2021-11-11 08:21:29 | 勝手な映画感想
毎年、春と秋にインターナショナルフィルムフェスティバルがある。
世界中の映画が観られるので、いつも開催を楽しみにしている。
観たい映画の日程に合わせて、映画館に足を運ぶのが通常だったのが、
パンデミックのあとは、自宅で観ることができるようになった。
家族で楽しめるし、それも都合のいい日と時間に観られる。
以前は、特定の日の特定の時間に合わせて映画館に行き、駐車スペースを探し、
上映が始まるまでプラカードの前で並んで待たねばならない。
映画館には申し訳ないけれど、コロナ騒ぎが終わっても、この方式を残してくれることを願う。


昨夜観たのは、日本映画の「Last Goze」
日本映画好きの夫の希望もあり、叔母も「よかった」と言っていた。
Goze(ゴゼ)とは、三味線に合わせて物語を歌い、家々を回る者たちのこと。
1900年に青森で、ハルという名の盲目の女の赤ちゃんが生まれた。
ハルはゴゼになるしか生きる道がなく、厳しい訓練を受けてゴゼとなる。
ドキュメンタリーを、ドラマ仕立てにしてある。
しかし、この映画はものすごく重い。
ハルに降りかかる苦難といったら、「おしん」の苦労など苦労のうちに入らないかもしれない。
これが作り話でなく、本当にあった出来事だということが、よけいに気分を滅入らせる。
あまりにひどいことが起きるので、私は見ていられずに何回かトイレに立ったほどで、
とうとう後半になって夫が、
「もう、いいかな・・・・」
と言い出してスイッチを切ってしまった。
叔母はこれを見て滅入らなかったんだろか。


たいていの映画は、最後まで観る。
映画館で途中で席を立ったのは、中国が作った「三国志」だけだと思う。
本がかなりおもしろかったので期待していたのだが、そもそもあの長編を映画にすることに無理があるし、
出演者がみーんな同じ顔で、その同じ顔が、揃って怒鳴りあうように喋るのに疲れ、15分ぐらいでギブアップ。


お口直しに、やはり日本映画のコメディ(タイトル忘れた)。
OLの世界の任侠もの、という、漫画が原作じゃないかと思うようなハチャメチャ映画。
大好きな「Kamikaze Girl」(邦題は「下妻物語」かな)を彷彿させる。
知っている人は誰も出ていなかったけど、おもしろかった。
映画を観て考えさせられたり、辛くなったりしたくない。
年々、脳みそが軽くなっていくのか、こういうアハハ―!と笑っておしまい、という映画がいいなと思う。







叔父の誕生日

2021-11-09 07:56:40 | 日記
夫の叔父の誕生日を、叔父の家で祝った。


招いたのは10人ほど。
料理上手の叔母がラザニアを作り、叔父叔母の友人のスティーブが
特製のジンジャーチーズケーキを焼いてきた。


コロナウィルス騒ぎもだいぶ慣れてきて、ようやく、人々の雰囲気がおおらかになってきたと感じる。
こうして人が集まることができなくなるなんて、誰が想像しただろう。

ジンジャーチーズケーキ

叔母より10歳若い叔父が夫の家を訪ねてきたとき、たまたまシアトルからハワイに来ていた義兄がドアをあけて
「おーい、ペイパーボーイ(新聞配達の少年)が来たよ」
と言った、というのはこの家の笑い話のひとつ。

誕生日のメガネをかけてる叔父

そのペイパーボーイも65歳になった。
MITを卒業している秀才で、故郷のジョージア州では神童と言われていたらしい。
海洋学者として世界中の海をボートで巡り、10年前に陸に上がった。
子供がいない彼らにとって、夫は1番近い甥であり、子供のようなもの。
夫が高校生の頃、夏休みは、ほぼ毎日のようにサーフィンに行き、
ヨットハーバーに停泊していた彼らのボートで朝食を食べ、バイトに行き、
バイトのあとでまたサーフィンして、夕飯までごちそうになっていたらしい。

楽しくて、頼りになる彼らが近くにいてくれて、こんなに心強いことはないと思う。

リタイアしたら、またボートを買うのだと叔父が言った。
ずっとずっと元気で私たちの近くにいてくれますように。







同志

2021-11-08 15:14:39 | 日記
藤沢周平氏のエッセイの中に、「日程表」と題名をつけられた文がある。
私はこれを読みながら、
「同志、ここに見つけたり!!!」
と快哉をあげたくなった。

会社勤めをやめて作家に専念するようになってから、もともとの怠け者が表面に出てきた、と書いている。

朝はともかく7時に起きている。というと、はじめての編集者などはびっくりする。しかし、じつはこれが怠惰な1日の幕開けなので、朝起きたときに、私はもう昼寝のことを考えているのである。

朝起きて、仕事がつまっていなければ散歩に出かけて、コーヒーを飲んだり本屋を見たりし、
仕事がつまっているときは、散歩をやめて机に向かうが、何もしないうちに昼になる。
どうせ書かないなら、机に向かうこともないようなものだが、外をぶらつくのは申し訳ないような気がする。
誰に対して申し訳ないかといえば

・仕事をくれる出版社
・締め切りが迫っているのに小説はまだ3分の1もすすんでいないとは夢にも思わないだろう編集者
・二階にいるからには仕事をしていると信じて疑わない妻
・仕事の遅れを気にしている自分自身

そして、あるときそういう自分に嫌気がさして、仕事の日程表を作ることにしたのだという。

たとえば50枚の小説を書くとする。私は初日の予定に5枚と書く。
二日目は15枚と書き、三日半から四日で書き上がるような配分にする。
だが1日目には私は今日はたったの5枚だと思う。
あわてることはないと思っていると、いつのまにかお昼になる。
(中略)
このあたりで私は、たった5枚なら明日のノルマにくっつけてもどうということはないな、と思い始めている。



これは私ではないか。
夏休みの宿題の予定表。それは立派な予定表ができる。
それによれば、8月になるまでにドリルの半分以上は終わっており、8月半ばにはおおかたの宿題は終わって、ゆうゆうとしていることになっている。
しかし、毎年8月29日あたりに、半べそでほぼ手つかずの宿題をやり、
宿題を家に忘れた、と言えば1日は稼げるな、などと思っている。
まさに、

たった2ページなら明日のノルマにくっつけてもどうということはないな、

という甘い考えの結果である。
これはもうバカというよりすごいとしか思えないのだが、最後まで性懲りもなく日程表を作り続け、性懲りもなく怠け続けた。


姉妹を含めて私の周囲に、こんな怠惰な人はおらず、私は世にもまれな怠け者なんだろうと思っていた。
そこへきて、藤沢周平氏のこのエッセイ。
藤沢、と打てば周平と出てくるほどの大作家と自分を同じにするのはおこがましいが、
それほどの大作家であるのに、私に匹敵するほどの怠け者だということが嬉しくなった。

夏休みの宿題からは解放されたけれど、今は、作品創作の上で似たようなことをしている。
これといって締め切りはないが、頼まれている作品、依頼されてはいないが、ギャラリーで売るための「創るべき新作」。
仕事がある日は、仕事がやらない理由になるのでいいが、
休日は時間があるのにだらだらとして1日が終わってしまい、ざらっとした罪悪感だけが残る。

仕事を辞めたらいくらでも創作できるのに、と私は豪語しているが、
毎日家にいられるようになったなら、この罪悪感が積み重なってゆくだけなのではないかと恐れているのである。




明太子パスタ

2021-11-08 08:04:14 | 食べ物とか
友人と行った、イタリアンの店は LaCicia といって、キングストリートにある。
日本人経営だけあって、日本人好みのイタリアンだ。
日本のイタリアンが1番美味しい、と思うのは私が日本人だから。
唯一、大昔、ローマの片隅のちっさな食堂で食べたカルボナーラだけは、おみそれしましたというほど美味しかった。

食いしん坊の友人は、美味しいお店をほんとうによく知っていて、ハズレたことがない。
私はここで、明太子のパスタを頼み、夫がアサリの酒蒸し的なものを頼んだ。
味は日本人好みで、量はアメリカ人好み。
食べきれずに半分持ち帰り、それが今日のランチになった。

明太子パスタ

輪切りのオクラと、イクラも入っている。
イクラなんか、こっちで買おうと思ったら3000円ぐらいするんだから。

美味しい。

明太子を買って私が作るナンチャッテパスタとは天地の差。
普段、生クリームなど使わないから、一皿のために生クリームは買いたくない。
だから、とりあえず雰囲気は出ているけど、生クリーム入りのこれを食べたら、あれはウソものだなあと思い知る。

アサリも、ソースの最後の1滴までパンで拭きとって食べた。
友人が頼んだ、エビ入りのパスタも味わいがあって、サーモンのサラダも味噌ドレッシングがよく合っていた。

「今度は両親連れて来よう。僕は今度はチキンマサラにしようかな」

私は今度も明太子だな。
美味しいものは無理して作ろうとせず、外で食べる。
料理の腕に問題アリの人は、それでいいのである。






ハロウィン2021

2021-11-01 09:27:52 | 日記
なぜだかハロウィンは雨になることが多かったのに、今年は快晴。
日曜日で私は仕事が休みで、仮装大会もなし。
おととしは私がチャンピオンだった。
クレオパトラのつもり(2019年)
メイクが濃くて、誰だかわからん。

昨年はハロウィンどころじゃなかったなあ。



朝1番で、ビーチに出かけて泳いだ。

朝晩は肌寒いけれど、海水はまだ温かい。

今月、日本に帰省する友人とランチを食べ、夫の叔母の家に寄ってから帰宅。
かぼちゃをくり抜いて、ジャックオーランタンを作成。
耳をつけて、猫かぼちゃ。

後ろ側に星型をくりぬいてあるので、空気が通ってキャンドルが消えにくい。
種は塩水につけてから、オーブンで焼いてカレー粉をふってスナックにする。
外に出すと、子供たちに来ていいよ、というサインになるので、家の中だけで楽しむ。
ハロウィンのデコレーションもしていないし、仮装もしていないし。
このあたりは年寄りばっかりで、子供の数は少ないんだけれど、それでもかぼちゃランタンを外に出して、
デコレーションして、お菓子を用意しているお宅も案外ある。

ショッピングモール内には仮装した子供たちが歩いていたけれど、街の中は静かなもの。
平日だと、普通のサラリーマンがゴジラを着て通勤していたり、バスの運転手が死神だったり(ちょっと笑えないけど)
地味に大人も楽しむ、そんな感じが好き。