6泊7日の入院で、人工股関節全置換手術を受けて、今日退院しました。
その経過については、おいおい簡単な記録を残しておくつもりです。
オットに、
「入院中、図書館にリクエストしている本が届いていたら、病院に持ってきてね」
と、頼んでおいたら、まさに入院中に届いたのが、佐野洋子さんの「死ぬ気まんまん」でした。
病院でぇ「死ぬ気まんまん」?
ブラックユーモアかぁ?
と、思わなくもない展開^^です。
もっとも、整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科の病院ですから、まず、死に至る入院患者はいません。
亡くなって、ほぼ1年になる佐野洋子さんのエッセー、医師との対談などを収めた本です。
5本のエッセーはそれぞれに「死」という言葉が何度も出てきます。
ただ、過去に直面してきた死は、悲惨でも、思い出の中に入り込んでいたりして、妙に客観的です。
最後はこう締めくくられています。
死なない人はいない。
そして死んでも許せない人など誰もいない。
そして世界はだんだん淋しくなる。
対談は洋子さんの脳の腫瘍の執刀医でもあった、脳神経外科医の平井達夫さんと。
死に関して、口ごもることなく思いを語り合います。
加えて、末期ではないにも関わらず、14日間だけ入ったホスピスで見聞きしたことを綴っています。
洋子さんにかかると、どんな人の死も、そこに至るまでがドラマティックに見えてしまいます。
巻末は晩年、若い友人を交えて、よく会うことの多かった関川夏央さんの佐野さんとの思い出話です。
闘病(闘病記という言葉が洋子さんは大嫌いだったのだけれど・・・)中の洋子さんは苦しいこと痛いことは半端じゃなかったはずなのに、読者にとっては、「死」に明るさの粉がまぶされて、目をそむけるだけのものじゃないと、感じさせてくれます。
読んでて、暗い気持ちになどなりません。
タイトルの「死ぬ気まんまん」は息子さんが、あるときもらした、
「おフクロ、なんかこの頃、死ぬ気まんまんなんですよね」
からだとのこと。
私は今のところ、退院してきて、
「行動的に生きる気まんまん」です。