『さいごの色街 飛田』を読んだのは2011年12月、2年半ほど前になります。
大正から戦前(いや~、戦前って何年前になるんでしょうね)にかけて、日本有数の遊郭だった大阪市西成区、飛田新地をフリーライターの井上さんが10年以上かけて取材、まとめた1冊です。
1958年の売春防止法制定後は風営法に基づく料理店として警察に届け、400m四方の郭の中に、約160軒が営業を続けているのだそうです。
その(料理)店の中で意気投合、自由恋愛が成立して・・・に至るという具合です。
飛田の店で客と接する女性、店を訪れる男性、呼び込みのおばちゃん、料理店の経営者、閉店後に女性が寄る周辺の店の人たちなど、塩をまかれることも度々なほどの困難な取材を超えて書き上げた作品です。
最終的に筆者自身はこの街のことを善いとも悪いとも結論付けていません。
取材をしっかりした分、結論など出せなくなったのでしょう。
話題になったころ見た報道番組の特集の中で、筆者は、
「こういう街が今ここにあって、こういう人たちが頑張っているということを“報告”したかった」と、言っていました。
読んだ私も「こういうことがあるんだ・・・」と重苦しい知識として留めるしかありませんでした。
なぜ今、以前読んだ本を取り上げたかというと、この本の中にこんな記述があったからです。
「橋下徹さんが一時、飛田新地料理組合の顧問弁護士だったことを知って驚いた」ということ。
「行列のできる法律相談所」に出演していたころのことだそうです。
風俗産業に少しでもかかわった人が、ああいう発言をしたんですねー。
たとえ普段から思っていることだとしても、軽々に口にしてはいけない立場にいる方です。
女の子の父親でもあります。
その後の言い訳も聞き苦しいかぎりです。
普通の感覚を持った女性のほとんどは不快に感じたと思います。
理屈でもなんでもなく、本能的にイヤ~な気持ちになりました。
今となっては橋下大阪市長には職責を全うしていただきたいですね。
間違っても国会議員に任期途中で乗り換えないでください。