図書館にリクエストして、約1年待って読めました。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は2019年ノンフィクション本大賞や毎日出版文化賞特別賞などを受賞しています。
初出は新潮社のPR誌「波」で、単行本の出版後も昨2020年3月まで連載は続きました。
本のタイトルは、福岡生まれのみかこさんが1996年から英国東南部のブライトンに住み、アイルランド人の夫の間に生まれた「ぼく」がノートの片隅に書いた落書きが由来です。
キリスト教系の小学校からあえて選んだ、家から歩いて通える元・底辺中学校にはむしろ白人が多く、熱心な教師たちのもと、主体性をもった生徒たちが学んでいます。今は底辺ではないのです。
「ぼく」の11歳から12歳の間の中学生生活を通して見られる英国は経済格差や、移民受入れに伴う人種差別、終息したわけではないテロ、EU脱退離脱から発生する様々な問題を抱えています。
中学生を媒介している「英国の今」ですから、とても分かりやすい。
私が半世紀以上も前に世界史で学んだ英国は「揺りかごから墓場まで」といった社会福祉政策のスローガンをもった夢のような国でした。現在は福祉予算はどんどん削られているようです。
パンデミックに陥れた新型コロナウイルスと英国人はどう向き合ったのでしょう。みかこさんのレポートを読んでみたいです。
1月7日、東京2447人、兵庫は284人、国内新規感染者は7500人を超えました。
東京、神奈川、千葉、埼玉には緊急事態宣言が発出されました。
中京、関西も続くでしょう。