マイタのブログ

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流行りは善?

2008年07月15日 | 日記・エッセイ・コラム

本日の地元新聞に日本酒に関するエッセーが載ってました。

大よそのところ、「・・・『無ろ過』の(濃醇な)酒がブームになって、スッキリした淡麗辛口の新潟酒は批判される傾向にあり、新潟でも無ろ過の酒が増えてきた。しかし、『ろ過』して繊細な味の新潟酒の良さは格別である。」といった趣旨。

日本酒に興味のない方はご存じないと思いますので参考までに…

酒造りの終盤に「ろ過」という作業があります。雑味になる成分や品質を劣化させる微細な物質などを活性炭に吸着させて取り除き、酒質を安定させるための行為なのですが、この「ろ過」により「酒本来の旨味と色まで取り除かれてしまう」とか、「ろ過しない方がより自然な味わいを堪能できる」とか、他にもいろいろな理由があるようですが とにかくこの「ろ過」をしないことで複雑な味わいを楽しめる酒、即ち「無ろ過」の酒が数年前に小さなブームになりました。それとほぼ時を同じくして、かつて一世を風靡した新潟の淡麗辛口(この言葉は好きになれませんが)が「味が薄っぺらだ」「個性がない」と、一部の地酒マニアに酷評されるようになったのも事実です。

「無ろ過」に関しては定義が曖昧だとか何だとかで業界内でも賛否両論あるようですが、まあそれは置いといて…

先のエッセーは新潟酒を応援してくれるエールと受け止め、ありがたく存じます。且つ、管理が非常に難しく危険度の高い「無ろ過」の酒を流通させた酒蔵さんの勇気にも敬意を表します。技術が進歩すれば新しいやり方が出てくるのはどの業界でも当然のことですから、ろ過するかしないかは造り手の自由ですし、それを飲むか飲まないかはお客さんの自由。ろ過をした新潟の酒の中にも優れたものは沢山ありますので、ろ過一つを取り上げて酒の良し悪しを語るのは いささか乱暴すぎるように思いますなぁ。でも、お酒に思い入れがあるからこそ、そのような話題を提供してくれるものと心底感謝しております。

さて、もうひとつ参考までに…

新潟でも無ろ過ブームのかなり前から ほぼ「無ろ過の生酒」と呼べるようなお酒は存在してました。(重ねて申しますが「無ろ過」の定義があいまいなので断言はしません) 蔵元曰く「そんなことは公言することではありませんから…」  

カッコイイですねぇ。

コメント (4)
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