10日ほど前 記事にいたしました金鶴の酒米についてのレポート「ササキの掲示板」。http://blog.goo.ne.jp/1420165/e/78b0aad88f3fdd732fb163f0c11f07d9
その際に申しました通り、栽培農家のクニちゃんのご協力をいただき不定期で連載いたします。
では、どうぞ。
「ササキの掲示板・その二」
雨もあがり、晩生品種の越淡麗の生育確認と早生品種の五百石石の穂が出る前の最終チェックをしました。五百石石はこれ以降に肥料を与えると肥料分が後に残りすぎ味の悪いお米になるため、穂が出る10日前の今が肥料を与える最後の機会になります。田んぼの主の土屋さんと稲を見ながら意見交換です。肥料を追加する田んぼと見送る田んぼを判断すると、後に残された仕事は水の掛け引きとなります。稲は地面の上に見える部分と同等のボリュームの根っこがあり、大事なのはむしろ地面の下の根っこの部分と言われます。人事を尽くして、天命と地命を待つのが私たちの仕事です。
ささき
かつては「山田錦」、熊本(協会9号)酵母を使い、精米歩合35%で大吟醸を造る、通称「YK35」なるお酒が鑑評会で評価を得易いなどとささやかれたこともありました。その他の要因もあり酒造好適米の王様と言えば「山田錦」と誰もが認める存在だと思います。しかし、残念ながら新潟県の気候では「良質の山田錦」が作られません。ですから新潟県の酒蔵さんでも多くは大吟醸クラスのものを造る際に使う「良質の山田錦」を主に兵庫や岡山などから取り寄せています。そんな中で金鶴は数年前より大吟醸用の原料を新潟県が開発した酒造好適米「越淡麗」に切り替え、「全量新潟産」になりました。
また、「越淡麗」が登場する前の、ほとんどの酒蔵さんが「山田錦」の大吟醸で鑑評会に臨んでいたころ、金鶴は「山田錦に敵わない」と言われていた「五百万石」で造った大吟醸を出品し、見事に受賞したことがあります。
要は肩書よりも質、同じ品種の酒米でも栽培者によって出来の善し悪しが分かれるのですよ。
おっと、長くなってしまいましたので 本日はこれにて失礼を。
明日はAM8:00~PM6:00で営業いたします。よろしくどうぞ。