島の医者になって、た頃もあった

70代男の日記風ブログです。新連載「京都へ、京都から」も始めました。

52-1淳和天皇

2019-12-14 | 天皇陵巡り
 
 今年の8月の暑い土曜日、天皇陵巡りで一番きついと書かれている淳和天皇の大原野西嶺上陵(オオハラノニシノミネノエノミササギ)(京都市西京区大原町小塩山山頂)に、そろそろ行く順番が廻ってきたと考えて、行ってきました。
バスで近くまで行ってから、この地図の赤色の現在地から、左のくねくね道を登って、左青字で書かれた御陵を目指します。
 今回12月になってやっと順番が淳和天皇まで廻ってきて書いているので、こんな暑い日に行くことは全くなかった気がします。
   えらい目に遭いました!
 
 このくねくねした小塩山山頂に到る道を、車で登れたらどうと言うことはないのですが、何故か麓で道は通行止めになっていました。
山頂まで6kmの車道の登り、往復すると約12Km、それにバス停までの往復4Kmを合わせて16Km、6時間ぐらいかかった徒歩の旅でしたので、多分軽い熱中症になっていましたね!
   馬鹿でした!
 
 この道、途中は時々視界が開けて、京都南部が見渡せますが、夏の暑い日と言っても、ほとんどはなにも見えない木陰の道です。
それでも35℃ぐらいあった暑い夏の日、ふらふらとぼとぼと登って行きました。
 
 途中一カ所だけ清水の流れてる水場があって、おもいきり冷たい水をやかんからかぶりました。
帰りには持って来てた水も切れたので、かぶる以外にその水も飲まずにおれませんでした。
この日は地域の人が軽トラで上がってきていて、道路の清曹ウれていたので、まあ熊は出ないだろうと、それだけは安心でしたが、「上に行くなら荷台に乗って行くか」との声はかけられませんでした。
 
 やっとこの参道入り口に到着です。
大伴親王(オオトモシンノウ)は、786年に桓武天皇と藤原式家の百川(モモカワ)の娘旅子(タビコ)との間に産まれた第7皇子ですが、母の旅子は大伴の2歳の時にはもう亡くなりました。
 
 大伴親王は異母妹(母は乙牟漏)である高志内親王(コシナイシンノウ)(789~809)を妃に迎え、恒世親王(ツネヨシンノウ)(805~826)と3人の皇女をもうけています。
ここでも、この恒世親王は母親の身分が高いので、皇位継承権も高位となり、このため父親の大伴親王の皇位継承まで認めなければならない事体になりました。
 
 異母兄第52代嵯峨天皇が即位してすぐの810年薬子の変が起こり、廃太子された第51代平城天皇皇子高丘親王に替わって大伴親王が皇太子にたてたのは、恒世親王が産まれてたことがあったと考えられます。
しかし、恒世親王は22歳の若さで亡くなってしまいました。
 
 823年には嵯峨天皇は譲位して上皇となったので、皇太子であった大伴親王は第53代淳和天皇(ジュンナ)(786~840)(在位823~833)に成り、嵯峨上皇の息子正良親王(マサラシンノウ)を皇太子にたてました。
 
 この正良親王と双子だったと思われる正子内親王(810~879)を、淳和天皇は皇后として迎え、恒貞親王(ツネサダシンノウ)(825~884)など3人の皇子」をもうけています。
 嵯峨・淳和兄弟の治世は、仲良く安定した治世だったと言われていますが、これは淳和天皇の謙虚で温和な性格がもたらしたのかもしれません。
まあその裏では、藤原冬嗣(775~826)の台頭と藤原北家の一人勝ちのスタートが切られていたようです。
 
 833年には譲位して、甥の正良親王が第54代仁明天皇に成りましたし、息子の恒貞親王はその皇太子にも成れましたが、権力争いに巻き込まれることを恐れて、息子の立太子には辞退をし続けていたようです。
(実際淳和・嵯峨の死後に、ほぼ藤原冬嗣陰謀に依る承和の変が起こりました)
 
 淳和天皇は薄葬を望まれ、天皇としては異例の散骨という形でこの山の上から骨を撒かれたようで、それでこんな苦しい思いをして登らなければならない小塩山頂上に、後日御陵が出来たようです。
 
 あまりのしんどさと、熱中症で運ばれるギリギリで地上に生還し、なんとか地下鉄駅までたどり着いたので、お祝いにパフェを食べて御陵巡りを終わりました。
 
 淳和天皇の火葬塚は麓の平たい所で、少しは迷いましたが以前簡単にたどり着けた、向日市物集女(モヅメ)の畑と住宅地が混ざり合った所にありました。
 
 散骨されたために苦労して苦労してたどり着いた淳和陵、淳和天皇が散骨を願ったのは、自分の治世中に地震がたびたび起こり、地震を起こすもののけは桓武天皇や高志内親王の陵墓から現れているようで、「自分の遺体が墓に残ってると、それにもののけが付いて祟りを起こすので、自分の骨は砕き粉にして山の中にまき散らせ」と言っていたためだそうです。

コメント
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