『平和戦略、歴史に学べ(91歳の宗教学者・山折哲雄氏に聞く』
『長引く疫病と戦争の惨禍に揺れる現代を、超高齢者の碩学はどう見ている』
半世紀以上昔のこと、香港駐在時代、『経団連』の会長を4期12年務められた偉大な人物との『香港金田中』の昼食会の末席に加えて頂きました。 この席で某関連会社の駐在員が『共産主義と民主主義の将来は』というような主旨の質問をされました。 これに対して『人間は「業」を持っているので、どちらも修正されながら継続するだろう』と話されました。 若気の至りで『理想社会の実現』は難航すると理解、トラウマになり、それ以来、悲観論者になりました。
この方に、今、質問出来たら『権威主義(独裁政治・専制政治・神権政治)体制と民主主義の将来』をお尋ねしたいと思いました。
先日(2022/06/11)日経新聞文化蘭に記事『平和戦略、歴史に学べ『平和戦略、歴史に学べ(宗教学者・山折哲雄に聞く』が載っていました。 見出しにはこうありました。 『長引く疫病と戦争の惨禍に揺れる現代を、超高齢者となった碩学はどう見つめているのだろうか。 生死の先をさまよった肺炎から復活した宗教学者の山田哲雄(91)を京都に訪ねた。』 この記事の抜粋・引用です。
新型コロナが流行し始めた2年前の3月末から4月にかけて、発熱・咳・呼吸困難で、コロナの疑いで、受診、コロナではなかったが、肺炎が重症化し入院、『最後は断食して自然死に希望』したが、『「それは医師としては認めることはできません」と。 それなら、せめて意識レベルを下げて痛みや苦痛を下げるセデーション(鎮静)をしてもらえないか、と言いましたがそれもダメでした。』
しかし、2-3日後頃から病状が改善、九死に一生を得てから二年余り、断っていたお酒も、一年前から再開した。 夜は9時ごろ寝て、2時ごろには目を覚ます。 『しばらくは妄想の時間です。』
朝3時ごろから原稿を執筆。 朝食後の小一時間は、朝食の時間だ。昼食後は昼寝もする。 『妄想三昧、執筆三昧、昼寝三昧の生活です』と笑う。 『老いをありのままに受け入れる』心境は最新の著書『心の風景』(海風社)にも書かれている。
ウエブ情報から引用
今、気がかりなのは、コロナ禍と戦争をめぐる議論の行方である。 『このところの世界の動きを見てふと思いました。 人類の歴史とはまさに、こういうものではなかったか、とね』。 頭に浮かんだのは、古代の民族大移動だった。
『まずはアーリア人です』。 紀元前、現在のインドやイラン高原に侵入して征服した。 『次はゲルマン民族とノルマン人の大移動がある』。 紀元後、北欧方面から南下して、ヨーロッパ各地に侵入する。 『その間に彼らは略奪、殺戮をしている。 ローマ帝国は、略奪、殺戮をさらに大規模に繰り返した。 その後十字軍戦争もある。 こうして地中海文明が形成され、ルネッサンス、宗教改革、産業革命と続くわけです。』
『この間に、西欧諸国がしたことは、アフリカ大陸の略奪と奴隷の売買、アメリカ大陸の征服だった。 今のウクライナでの戦争における略奪と殺戮には、先例があると私は思った。 ウクライナでの戦争は、人類がこの2000~3000年の間にしてきたことと無縁ではありません。
『一種の狩猟社会的な野蛮な人間の姿が、再び現れてきたな、と感じます。 憎悪と復讐の連鎖が止まらなくなってきた。 危機を感じとるにつけ、振り返るのは日本の歴史だ。』
『この日本列島は、いつも大文明に脅かされてきた。 大文明の傘に守られた従属関係の中で、必死に生き延びてきた。 「我々の先祖は凄いぞ」と私は言いたいんです。』
『日本は、平安時代の350年、江戸時代の250年は大きな戦争がなく、世界史的にも奇跡と呼べるような平和な時代が続いた。 第二次大戦での敗戦以外には、日本は長きにわたり外国の侵略を免れてきたんです。 流血が止まない今、なぜその歴史を見つめ、ノン・バイオレンスの日本モデルを世界に示そうとしないのか。』
二大先哲のお教えを、さらに勉強して、なかなか早く『悲観論からの脱出』をしたいと思っています。
(記事投稿日:2022/08/22、#563)
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