『100m走とスプリンターのこと 3(ウサイン・ボルトの有終の美)』
『昔は100m走にはボルト選手のような196㎝94㎏の体躯では不利不向きと』
先ずは、今回の世界陸上100m走決勝のメダリストのタイムと、ピストルの音からの反応時間です。
❶金メダル J. ガトリン 9秒92(反応時間 0.138秒)
❷銀メダル C. コールマン 9秒94(反応時間 0.123秒)
❸銅メダル U. ボルト 9秒95(反応時間 0.183秒)
タイム差は、 1位に対して、2位:+0.020秒、 3位:+0.030秒
反応時間差は、1位に対して、2位:-0.015秒、 3位:+0.045秒
何事も、そうですが『スタートダッシュが肝心』と言われる所以です。
スタート遅れでも、堂々と走って、有終の美を飾りたい』という咄嗟の考えが過ったのではないでしょうか、と思う野次馬です。
ボルトのフライング失格経験は、『一回のフライングで失格』するルールが、初めて適用された、2011年世界陸上、韓国テグ大会予選で、この『一回のフライングで失格』が適用された、最初のスプリンターでした。 このフライング以来、ボルトの100m走決勝スタートには、いつ見ても外野は、喉がヒリヒリする緊張を覚えます。
最近では、高身長・重量級のスプリンターは大勢いますが、昔は100m走・スプリントには、ボルト選手のような、高身長196㎝、重量級94㎏の体躯では、不利、不向きとまで言われてきました。 ボルトは、大げさに言えば、今も、今までも、100m走のスタートは、苦手としています。
現役中からレジェンドと言われる、このスプリンターは、ほぼ完成された、アスリートですが、スタートが苦手で、100m走に、不向きだったとおもわれる節があり、過去の陸上競技を始めたころに見られます。 21歳までは参加しても入賞記録があるのは200m走だけで100m走は勿論入賞記録はなく、一見最も向いていそうな400m走にも参加記録はなく、得意は200m走でした。
(この備忘録をまとめている最中に知ったボルトの200m走を欠場のニュース、ドラマです。)
ボルトをして、スタートを超緊張させるようになった『一回のフライングで失格』が適用された、背景のウェブ情報です。
不正スタートに対するペナルティも競技のルールによって異なる。陸上競技では、2002年までは1選手当たり1回までフライングが許されたが、2003年より2回目以降のスタートでフライングした全ての選手が失格となるようルールが厳格化され、2010年より1回目のフライングで即失格となるようさらに厳格化された。
さらに反応時間と『一回のフライングで失格』についてのウェブ情報です、
国際的な陸上競技のルールでは、100m走などのスタートにおいて、ピストルの音から0.1秒以内に反応するとフライングになります。ヒトが耳でピストルの音を聞いてから、筋肉に命令が伝わり、反応が起こるには0.1秒以内では不可能というのがその理由です。
記録にも記憶にも残る人類最速のスプリンターが、世界中に惜しまれつつ、トラックを去ります。
これからの楽しみは、カール・ルイスの前半(トップスピードまで約40m)の凄い加速のピッチ走法と、ウサイン・ボルトの後半まで伸び続ける(トップスピードまで約60m)豪快なストライド走法を、併せ持つスプリンターが必ず登場することを待つことにします。
(記事投稿日:2017/08/10、最終更新日:20210323、#496)
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