『アーマードバトル、中世の騎士になりきり戦う、人は今でも競う』
『剣道が正規授業科目に、身長180㎝、体重90㎏の古武士風の先生に狙われ』
子供のころに、チャンバラを体験して、高校では剣道が正規科目にありましたので、この剣道の授業の先生(身長180㎝、体重90㎏の古武士を彷彿させる偉丈夫の大先輩)には、徹底的に、ご指導を頂き、授業時間50分の間に、数十回の『小手攻め』をされ、そのあとの製図の時間に『カラス口で墨入れ』ができないほど手が震えていた経験があります。 さらに、この凄い先生から、いつも、ご指名頂いて、面を外して『組打ち』や、時にはフル装備で、砕石(玉砂利ではない)敷きのグラウンドで、もちろん素足で『野試合』それも集団戦までやるという。 貴重な体験をさせて頂きました。
先日(20200219)の日経の文化欄の載っていました『アーマードバトル』に興味を惹かれました。 この記事を書いた方は現在、東京・目白で中世ヨーロッパ武術を学べるスクール『キャッスル・ティンタジェル』の代表を務めているジェイ・ノイズ氏です。 以下はその抜粋です。
『アーマードバトル』で使う武器は主に5種類。❶片手剣と楯、➋両手剣(ロングソード)、❸槍、❹ポールアーム(長柄・棹状武器)❺ダガー(短剣)。
武器を思いきり振れるのが、アーマードバトルの大きな魅力。 頑丈な鎧をまとっているからこそで、他の多くの武術ではこうはいかない。 ゲーム用の鎧でさえ、標準的なもので、一式25㎏以上。
ウエブ情報(甲冑格闘技アーマードバトル世界大会の画像)から引用
アーマードバトル (Armored Battle) とは、かつて14〜15世紀に実在した鎧を、デザインや材質など、可能な限り史実に忠実に再現し、ギャンベゾンの上にこれを装備して戦う新しいスポーツである。
ギャンベゾン(gambeson、aketon、padded jack、arming doublet)とは、パッド入り防御ジャケットである。プレートアーマーや鎧と共に着て擦れや衝撃を吸収したり、分けて着用したりする。キルティング(英語版)と呼ばれる縫製技術で製造される。
しかし、騎士たちが戦闘の練習としておこなった試合形式のゲームは その当時から 突きの禁止 刃のついていない武器などを使っており まさしく今のスポーツであった。 すでに当時においてでさえ、その試合ゲーム専用の甲冑やヘルムも使用されていた
アーマードバトルはこの中世の戦闘練習試合スポーツを 現代に再現しているともいえる。 ただし、中世当時と異なるのは、安全基準を満たせば日本や中国などの甲冑、武器も認められる
日本国内で行われるバトルには、ポールウェポン、ロングソード、ソードといった競技用のツールを使用するが、これらには、日本の法律とリーグの安全規格にのっとり、素材や重量、エッジの丸みなど、厳格な規準が課せられている。 IMCF主催で国際大会も開催されている。 試合は個人戦(Duel:デュエル)と団体戦(Melee:メーレー)に分けて行われる。
この鎧一式、25㎏以上は、アングロサクソン系男子の平均身長178㎝、体重84㎏(女子164㎝、70㎏)の、馬上の騎士には、それほどの負担ではなかったでしょうが、マットの上では大変です。 実戦での鎧一式はもっと、ずっと重かったことでしょう。 さらに大きいのは北欧人で、平均身長182㎝、体重88㎏(女子、168㎝、72㎏)です。
実戦での西洋の鎧一式の重さは、30㎏から50㎏とあり、馬上から落ちたら戦えなかったようです。 モンゴルの軽騎兵に欧州の馬上の騎士たちが、コテンパンにされたのは、想像できます。
さて、日本の戦国時代の男子の平均身長155㎝、体重52㎏(女子143㎝、44㎏)、当時の甲冑一式(大刀、小刀、槍、兜、面具、袖、籠手、胴、草摺、佩楯、脛当)の重さは、およそ30㎏です。 本能寺で、弟と一緒に討ち死にした森蘭丸成利の甲冑一式(刀槍除く)が、実物、実測で、およそ24㎏です。
因みに、当時の足軽の甲冑・武具一式で、7kg-10kg程だったでしょうから、日本の多くの城、平城・平山城・山城の空堀でも、結構タフであったと思われます。 特に、『障子堀』などは有効であったと思われます。
『障子堀』の著名なものは;
山中城,三島市、
小田原城、小田原市、
河村城、足柄上郡山北町
下田城、下田市等、
大阪城(豊臣時代の三の丸)等、日本には、十数ヶ所も存在する。
どこにも、チャンバラが好きなままに、育って今にいたっている方がいたので安心しました。 ジェイ・ノイズ氏は、 1996年に来日し、日本の基地に同じ仲間がいたし、スポーツ経験のない方が、初めて鎧一式25㎏を着て、ファンタジーへの興味で入ったが、その時はとにかく疲れたそうです。 この頃から、中世の剣術書が出版されるようになり、それを参考に基地の中で『チャンバラ遊び』をするようになり、そうしている内に、実際に使われた技術追い求めた。
英国、イタリア、ドイツ、様々な国や時代の剣術書を買いあさった。 そこで日常的に練習・研究のできる場所が欲しくなり、さらに日本人にも「アーマードバトル』広めたく、2008年、メジロに道場『ティンタジェル』立ち上げた。
『ティンタジェル』立ち上げ後、間もなくは、テクニックばかり指導していたが、その後の世界戦へ日本チームで参加して、技術に加え身体能力が重要な要素とわかり、今はフィジカルトレーニングに重きを置いているとのことです。
中世を舞台にしたアニメやゲームにも関わっているが、リアルな戦いとドラマチックな戦いは別モノと承知していると。
『アーマードバトル』も『剣術から剣道』、『柔術から柔道』のように『○○〇騎士道』になるよう期待しています。
この方、最後に纏めていました。 『スクール創設』以来12年になるが、まだ分からないことだらけ。 日々発見の連続である。 いつかは馬に乗っての戦いもやってみたいものだ』と。
馬が大好きな自分も『馬上チャンバラ』万歳と言いたいのですが『英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)から、大反対されそうです。
(20200427纏め #159)