原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

インドへの誘い( 伝統と先端科学との融合)

2008年10月24日 | 旅行・グルメ
 現在のインドは、寺院の象と集積回路、古代遺跡と原子力産業等、古いインドと若いインドが共存している国であることは、バックナンバー「インドへの誘(いざな)い PartⅠ」でも総論として少し綴った。

 私の28日(火)のインド旅行出発に向けて(名所旧跡は私が訪問予定の地の中から抜粋して)、今回の記事では各論を展開してみることにしよう。
(インド政府観光局発行のパンフレット等を参照)


 インド観光のハイライトといえば、何と言ってもアグラ市にある世界文化遺産「タージ・マハル」ではなかろうか。
 この「タージ・マハル」はイスラム建築の至宝とも言われ、大理石に宝石を散りばめて建造された白亜の霊廟である。ムガール帝国最盛期の第五皇帝シャー・ジャハーンは最愛の妃のために、帝国の財力を注ぎ込み22年の歳月を費やしてこの建物を築いた。この頃のアグラは、学問や芸術、商業、文化の中心地であり、熱狂的な建築熱に浮かされていた時代であった。今尚、この街はムガール時代の遺産が色濃く残されていると言う。狭い雑踏を通り抜けると、昔かたぎの職人が作品造りにいそしんでいる姿を目にすることができるらしい。
 インドの首都デリーの見どころのひとつ、「フマユーン廟」もこの「タージ・マハル」の影響を受けて造られているとのことである。

 大タール砂漠の外れに位置しラジャスタン地方の入り口であるジャイプールは、100年前にここを訪れた王子を歓迎するために、街中をピンク色に染めたのだそうだ。それ以来この街はピンク色のままだ。騎士道と武道の伝統が息づき、英雄と美女の伝説の地である。この街には荘厳な宮殿、色鮮やかなバザール、街を包み込んでそびえる城砦などがあり、さながら中世そのものだ。美しいハワ・マハル(風の宮殿)はやはりピンク色の高い建物である。シティ・パレスはムガール様式とラジャスタン風の建築様式が融合してできた建物であり、現在ではジャイプール王朝を物語る品々を展示した博物館となっている。
 (個人的には、私が幼い頃から今に至るまで一番好きな色である “ピンク色” に染められた街を一目見てみたい思いだ。 そして、ジャイプールの宮殿ホテル“ラージパレス”での宿泊がとても楽しみでもあります!)


 さて、インドの先端科学に話を移そう。

 インドは現在、IT大国としてその名を世界に轟かせ始めている。
 今や、IT産業が集中するアメリカ西部のシリコンバレーで働くソフトウェア技術者の約15%、30万人がインド出身者だと言われている。この傾向は1980年代頃から始まっている。1990年代にアメリカのITバブルがはじけた時に、多くのインド人技術者が帰国し、アメリカや世界のIT企業で成功した企業家達がインドに進出して技術者達の受入先となった。
 インドの算数、数学の教育力も今や世界で名立たる存在となり、その成果の下に高い技術力を持った人材が豊富で、インドのIT産業は発展し世界有数のIT大国に成長しつつある。
 日本に対するIT輸出シェアも急速に伸びている。
 こうしたIT技術の発展により、人工衛星や宇宙技術、スーパーコンピュータ、遺伝子科学、医学、等の科学技術のさらなる発展を目指す新しいインドである。


 その他、例えばインドのファッションにおいても新風が吹いている。
 インドの「サリー」はインド女性にとって代表的なファッションであり長い伝統を誇る民族衣装である。世界一シンプルで優美、しかも機能性に富んだドレスであると言われている。
 ここ1、2年日本でも女性の間で流行中のエスニック風のチュニックなど、原型はこの「サリー」であろう。(私も普段、愛用しているのだが。)
 インドの伝統の多彩さを織り込んだこの「サリー」にも私の興味は尽きない。


 まだまだ悠久の大地インドへの思いは尽きないのであるが、今日はこれ位にして、そろそろ旅行準備のためスーツケースを押入れから取り出そうかな。
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