(写真は、金沢近江町近辺で見つけた古い家屋。 ここは現在も調剤薬局として営業中のようだ。 金沢市街をそぞろ歩いていると、至る所で写真のような古い家屋を目にする事ができる。)
今回の記事では、前半で前回の「芸術の都金沢そぞろ歩きの旅」の続きを少し端折って紹介した後、後半においては原左都子なりの「寛げる旅」のあり方について検証してみることにしよう。
金沢はとにもかくにも美術工芸文化が多分野において発展している都である。
その一例を挙げると、加賀友禅、九谷焼をはじめとする陶芸、金箔、漆器、仏壇、菓子木型、水引細工、和紙、和傘、提灯、毛針、茶の湯釜、三弦・琴や太鼓等の和楽器、桐工芸、竹工芸、和ろうそく……
そして能楽等の伝統芸能や、音楽も盛んな金沢の街であるようだ。
突然私事になるが、我が娘が以前美術分野の大学進学を志望していたためその分野の情報に多少詳しいのだが、日本の国公立大学の美術分野に於いて燦然と輝ける頂点に揺ぎ無く君臨しているのは 東京藝術大学 であろう。
では、学生の偏差値や就職率、大学の研究実績等々において美術分野第2位の国公立大学がどこであるかご存知であろうか? これぞ、金沢美術工芸大学であるそうだ。(娘が通っていた美大予備校より得た情報であるが。)
これだけの美術工芸文化の歴史と環境に恵まれている都に創設された美大の学生は、確かにその研究素材や就職先が豊富であろうと実感したのも今回の旅の感想の一つである。 (今となっては既に志望の進路先を鞍替えしている我が娘が、今後金沢の地で学業に励むことはないのであろうが…)
話がずれたが、それら美術工芸品の展示をはじめとして制作の工程等を影像で紹介する美術工芸館や、能楽堂、音楽の野外ライブ施設等々が金沢の街には数多く点在していた。
そんな中で我々親子が今回訪れたのは、「金沢能楽美術館」「県立伝統産業工芸館」「泉鏡花記念館」「市立安江金箔工芸館」「金沢蓄音器館」等々である。
この中で「県立伝統産業工芸館」においては、フラッシュを使用しない条件で展示物の写真撮影が可能とのことだった。 (左欄「最新フォトチャンネル」欄に“七尾和ろうそく”の写真を掲示しておりますので、よろしければご覧下さい。 ついでに兼六園及び泉鏡花記念館の写真も掲載しています。)
昨日の記事で麦焼酎“能登ちょんがりぶし”について触れたが、飲兵衛にとっての旅行の一番の醍醐味とは何と言っても昼間そぞろ歩いた後に楽しむ 酒 であるのが正直なところではあるまいか?!
金沢の都そぞろ歩きの後の私の興味は、昨日少しだけ試飲した“能登ちょんがりぶし”が堪能できそうな居酒屋にしか向いていないというものだ。
ホテルへの帰り道、その居酒屋を我が宿泊ホテルロビーの真横に発見した! 結局は金沢駅の構内にある我が宿泊ホテルビル内の“八兆屋 駅の蔵”との居酒屋でそれを堪能することと相成った。 (えっ? 未成年の娘を連れて酒を堪能するとはそれでも母親か! ですって。 おっしゃることはごもっともですが、原左都子はいつも自分の酒の適量をわきまえているつもりです。)
この居酒屋では“金時草とカニの酢の物”なる一品料理も注文したのであるが、この金時草(“きんじそう”と読むようです)とは北陸地方において夏に食することができる地域特産の野菜であるようだ。 一見若布か?と見紛うようなこの金時草は食感がコリコリしていてなかなかの美味であった。
“能登ちょんがりぶし”のロックを2杯お替りした私であるが、女2人で店員さんを何度も呼びつけるのはやはり気が引ける。 そこで今度は“青竹冷酒”300mlを注文し、娘の食事の進み具合を観察しつつそれを完飲した後、わずか1時間足らずでこの居酒屋を後にすることとなる。
まだ飲み足りない私は、金沢駅のコンビニ“Heart-in"で焼酎かのかの水割り缶を買い求め、ホテルの客室でひとり酒と相成った。
真正飲兵衛の原左都子としては酒の話ならいくらでも書けそうだが、ここで記事の話題を後半編に移そう。
人が旅する目的とは一体何なのであろう。
それは旅人により多様であるのは当然の事だ。
私自身は決してそもそも旅好き人種ではないと分析している。 それが証拠に我が長き独身の頃には友人や彼氏に誘われない限り、郷里への帰省や米国在住の姉を尋ねる以外は自分から計画してまで旅に出ることは皆無であったと言える。
そんな私が、頻繁(とは言ってもせいぜい年に1~3度位の頻度だが)に旅に出たいと思い始めたのは結婚後の事である。
どうも主婦業、特に料理が嫌いな私にとっては、日々“飯炊き女”を強要される負荷がどうしても耐え難いのだ。 この負荷ストレスから脱出する手段として、旅に出ることを私から家族に提案したのが我が一家の旅遍歴の始まりであった。
それに快く応じてくれた我が身内と娘と共に十数年間に渡り身内の長期休暇毎に国内外へ旅に出た我が家であったが、近年体調を崩して旅行に出るのが億劫になっている身内である。 それでも私が我が娘を連れて旅に出ることに関しては快諾してくれる身内に感謝しつつ、ここ何年かは2人で旅行を楽しむ私と娘だ。
元々集団嫌いな私にとって我慢ならないのが、旅の全日程をバスで巡る“パックツアー”である。 それでも特に海外の発展途上国などに行く旅行の場合、これに頼らざるを得ない。 過去におけるエジプト方面旅行はこれを利用したが、18名の小規模パックツアーでもストレスを溜め込んだ私は体調を激しく崩し、二度とこの手の“パックツアー”を利用しない決意を固めたものだ。
海外はともかく、国内の旅行などそれこそ自分の好き放題のプランを楽しめるところが嬉しい。
そうは言っても、日本の過疎地に旅する場合は交通機関に苦慮する事も視野に入れねばならない。 レンタカーでも借りて回ればいいのだろうが、これに関しては車の運転が苦手な私にとってはかえってストレスが溜まるというものだ。 その場合地元の交通網を利用するしか手立てがないのだが、我が郷里の田舎のように1時間に1本以下程度しか公的交通手段がない過疎地など、移動手段をタクシーに頼った場合少しの距離で多額の出費とならざるを得ない。
今や“航空券と宿泊のみの個人旅行格安パック”はネットを検索すればごまんと存在する時代である。
後の懸念材料は、私のように現地でレンタカーを利用せず地元の交通網に頼りたい個人旅行客の対策ではなかろうか?
今回の金沢旅行の場合、都会であるが故に土日祝日のバス運行がわずか“100円!”との恩恵があり十分に散策が楽しめた。 日本の過疎観光地に於いてもそれに準ずる交通網制度が確立できたならば、団体客のみならず個人旅行客も動員でき、今後観光収入が増えるということではあるまいか?
とにかく個人旅行を楽しみたい原左都子に言わせてもらうと“団体さん”ほど旅先において目障りで鬱陶しい存在はないのだ。(金沢でもこの団体さんグループに出会って実に鬱陶しかったのだけどね…)
旅行企画会社にとっては、団体企画旅行とは航空会社や宿泊施設さらには土産店との癒着縁故ノルマを達成できる“ドル箱”であろうことは把握している。
ただ時代の流れも勘案しつつ、今後はこの手の団体さんを呼び込み収益を上げる観光事業など既に過去の所産と認識して、価値観が多様な個々人が真に寛げる旅行を展開しては如何か?
今回の記事では、前半で前回の「芸術の都金沢そぞろ歩きの旅」の続きを少し端折って紹介した後、後半においては原左都子なりの「寛げる旅」のあり方について検証してみることにしよう。
金沢はとにもかくにも美術工芸文化が多分野において発展している都である。
その一例を挙げると、加賀友禅、九谷焼をはじめとする陶芸、金箔、漆器、仏壇、菓子木型、水引細工、和紙、和傘、提灯、毛針、茶の湯釜、三弦・琴や太鼓等の和楽器、桐工芸、竹工芸、和ろうそく……
そして能楽等の伝統芸能や、音楽も盛んな金沢の街であるようだ。
突然私事になるが、我が娘が以前美術分野の大学進学を志望していたためその分野の情報に多少詳しいのだが、日本の国公立大学の美術分野に於いて燦然と輝ける頂点に揺ぎ無く君臨しているのは 東京藝術大学 であろう。
では、学生の偏差値や就職率、大学の研究実績等々において美術分野第2位の国公立大学がどこであるかご存知であろうか? これぞ、金沢美術工芸大学であるそうだ。(娘が通っていた美大予備校より得た情報であるが。)
これだけの美術工芸文化の歴史と環境に恵まれている都に創設された美大の学生は、確かにその研究素材や就職先が豊富であろうと実感したのも今回の旅の感想の一つである。 (今となっては既に志望の進路先を鞍替えしている我が娘が、今後金沢の地で学業に励むことはないのであろうが…)
話がずれたが、それら美術工芸品の展示をはじめとして制作の工程等を影像で紹介する美術工芸館や、能楽堂、音楽の野外ライブ施設等々が金沢の街には数多く点在していた。
そんな中で我々親子が今回訪れたのは、「金沢能楽美術館」「県立伝統産業工芸館」「泉鏡花記念館」「市立安江金箔工芸館」「金沢蓄音器館」等々である。
この中で「県立伝統産業工芸館」においては、フラッシュを使用しない条件で展示物の写真撮影が可能とのことだった。 (左欄「最新フォトチャンネル」欄に“七尾和ろうそく”の写真を掲示しておりますので、よろしければご覧下さい。 ついでに兼六園及び泉鏡花記念館の写真も掲載しています。)
昨日の記事で麦焼酎“能登ちょんがりぶし”について触れたが、飲兵衛にとっての旅行の一番の醍醐味とは何と言っても昼間そぞろ歩いた後に楽しむ 酒 であるのが正直なところではあるまいか?!
金沢の都そぞろ歩きの後の私の興味は、昨日少しだけ試飲した“能登ちょんがりぶし”が堪能できそうな居酒屋にしか向いていないというものだ。
ホテルへの帰り道、その居酒屋を我が宿泊ホテルロビーの真横に発見した! 結局は金沢駅の構内にある我が宿泊ホテルビル内の“八兆屋 駅の蔵”との居酒屋でそれを堪能することと相成った。 (えっ? 未成年の娘を連れて酒を堪能するとはそれでも母親か! ですって。 おっしゃることはごもっともですが、原左都子はいつも自分の酒の適量をわきまえているつもりです。)
この居酒屋では“金時草とカニの酢の物”なる一品料理も注文したのであるが、この金時草(“きんじそう”と読むようです)とは北陸地方において夏に食することができる地域特産の野菜であるようだ。 一見若布か?と見紛うようなこの金時草は食感がコリコリしていてなかなかの美味であった。
“能登ちょんがりぶし”のロックを2杯お替りした私であるが、女2人で店員さんを何度も呼びつけるのはやはり気が引ける。 そこで今度は“青竹冷酒”300mlを注文し、娘の食事の進み具合を観察しつつそれを完飲した後、わずか1時間足らずでこの居酒屋を後にすることとなる。
まだ飲み足りない私は、金沢駅のコンビニ“Heart-in"で焼酎かのかの水割り缶を買い求め、ホテルの客室でひとり酒と相成った。
真正飲兵衛の原左都子としては酒の話ならいくらでも書けそうだが、ここで記事の話題を後半編に移そう。
人が旅する目的とは一体何なのであろう。
それは旅人により多様であるのは当然の事だ。
私自身は決してそもそも旅好き人種ではないと分析している。 それが証拠に我が長き独身の頃には友人や彼氏に誘われない限り、郷里への帰省や米国在住の姉を尋ねる以外は自分から計画してまで旅に出ることは皆無であったと言える。
そんな私が、頻繁(とは言ってもせいぜい年に1~3度位の頻度だが)に旅に出たいと思い始めたのは結婚後の事である。
どうも主婦業、特に料理が嫌いな私にとっては、日々“飯炊き女”を強要される負荷がどうしても耐え難いのだ。 この負荷ストレスから脱出する手段として、旅に出ることを私から家族に提案したのが我が一家の旅遍歴の始まりであった。
それに快く応じてくれた我が身内と娘と共に十数年間に渡り身内の長期休暇毎に国内外へ旅に出た我が家であったが、近年体調を崩して旅行に出るのが億劫になっている身内である。 それでも私が我が娘を連れて旅に出ることに関しては快諾してくれる身内に感謝しつつ、ここ何年かは2人で旅行を楽しむ私と娘だ。
元々集団嫌いな私にとって我慢ならないのが、旅の全日程をバスで巡る“パックツアー”である。 それでも特に海外の発展途上国などに行く旅行の場合、これに頼らざるを得ない。 過去におけるエジプト方面旅行はこれを利用したが、18名の小規模パックツアーでもストレスを溜め込んだ私は体調を激しく崩し、二度とこの手の“パックツアー”を利用しない決意を固めたものだ。
海外はともかく、国内の旅行などそれこそ自分の好き放題のプランを楽しめるところが嬉しい。
そうは言っても、日本の過疎地に旅する場合は交通機関に苦慮する事も視野に入れねばならない。 レンタカーでも借りて回ればいいのだろうが、これに関しては車の運転が苦手な私にとってはかえってストレスが溜まるというものだ。 その場合地元の交通網を利用するしか手立てがないのだが、我が郷里の田舎のように1時間に1本以下程度しか公的交通手段がない過疎地など、移動手段をタクシーに頼った場合少しの距離で多額の出費とならざるを得ない。
今や“航空券と宿泊のみの個人旅行格安パック”はネットを検索すればごまんと存在する時代である。
後の懸念材料は、私のように現地でレンタカーを利用せず地元の交通網に頼りたい個人旅行客の対策ではなかろうか?
今回の金沢旅行の場合、都会であるが故に土日祝日のバス運行がわずか“100円!”との恩恵があり十分に散策が楽しめた。 日本の過疎観光地に於いてもそれに準ずる交通網制度が確立できたならば、団体客のみならず個人旅行客も動員でき、今後観光収入が増えるということではあるまいか?
とにかく個人旅行を楽しみたい原左都子に言わせてもらうと“団体さん”ほど旅先において目障りで鬱陶しい存在はないのだ。(金沢でもこの団体さんグループに出会って実に鬱陶しかったのだけどね…)
旅行企画会社にとっては、団体企画旅行とは航空会社や宿泊施設さらには土産店との癒着縁故ノルマを達成できる“ドル箱”であろうことは把握している。
ただ時代の流れも勘案しつつ、今後はこの手の団体さんを呼び込み収益を上げる観光事業など既に過去の所産と認識して、価値観が多様な個々人が真に寛げる旅行を展開しては如何か?