1983年の開業以来大活況を続け、日本に於けるテーマパークの王者の地位を揺ぎなく築き上げてきた 東京ディズニーリゾート(東京ディズニーランド及び東京ディズニーシー)が、3月の大震災発生後低迷不振を続けているとの報道である。
先だってのニュース報道によると、経営主体である㈱オリエンタルランドは、3月11日に発生した東日本大震災後、長期間休館を余儀なくされたことがその後の入場者数を減少させている原因と位置付けているようだ。
3月11日の大震災当日に東京ディズニーリゾートを訪れた顧客総数は7万名程であったようだ。 そのうち首都圏の交通網の不通や混乱により、自宅までの帰路を確保できた顧客を除き5万5千人もの大量の顧客が帰宅難民となり、リゾート内で一夜を過ごしたとのことだ。
その翌日より、当然ながらディズニーリゾートも大震災の影響により休園と相成る。
日本に名立たるテーマパークとは日頃巨大な収入を得ている恩返しとして、このような大震災復興時にこそ、国民が元気を取り戻すべく娯楽分野において社会的責任を担う事を使命としているものと私は捉えていた。
ところがその予想に反して休館期間が予想以上に長期に及んでいる事を、私はてっきり千葉県浦安市の埋立地に発生した“液状化現象”の影響を東京ディズニーリゾートも受けているものと勘違いしていた。
千葉県浦安市の埋立地に林立するかのごとく建設された超高層マンションの数多くが、この“液状化現象”の打撃を受けたとの報道は大震災直後に何度も耳にした。 これらのマンションとは住民にとっては“富の象徴”であったらしく、東京の“シロガネーゼ”や神戸の“アシアレーヌ”をもじって“浦安マリナーゼ”なる新語も生まれる程に、地域住民にとっては特権意識をくすぐられるものであったらしい……
千葉県浦安市の埋立地に住んで特権意識を煽られる??? (私など元々そんな地に住みたいとの発想すら湧かないのだが…)
いえいえ、失礼を申し上げました。 液状化現象による被害は甚大なことであろう。 “浦安マリナーゼ”の皆さん、今後も建設販売主やそれを認可した自治体と果敢に闘われつつ、どうか原状回復を急がれますように…
さて、東京ディズニーリゾートに話を戻すと、大震災後閉園が長期に渡った理由は“液状化現象”故ではなかった様子だ。 どうやら、ディズニーリゾートがそびえ立つ地は“液状化現象”とは無縁の地であったらしい。
それでは何故に、東京ディズニーリゾートは大震災後の開園を遅らせたのであろうか?
これに関しては、当然ながら顧客の安全性を確保するためであって欲しいと一市民としては望みたいところであるし、実際問題そうだったのだろうと推測できる。
ところが、そう推測するに当たって多少の疑問点があるのだ。
3月11日の大震災発生時には千葉県浦安市においては震度5強以上の揺れを観測しているはずである。
その揺れにもかかわらず、東京ディズニーリゾートにおいては死者は元より負傷者の一人とて出していない。 それはこの種の大量顧客を動員するテーマパークにおいては厳重な危機管理がなされていた証拠でもあろう。
東京ディズニーリゾートがその後長期間休園を与儀なくされたのも、当然ながらこの危機管理力の完全復活を徹底するためだったと推測したい。
ただ長い閉園期間を経て開園してみると、予想以上に顧客が訪れないことに一番困惑しているのが、経営主体である㈱オリエンタルランドなのではあるまいか?
大震災による国民の精神面での影響は、首都圏周辺の住民にとっては既に過ぎ去っているのが事実であろう。 そして現在東京ディズニーリゾートの最大の顧客層であろうアジア地域のニューリッチに対しても、原発事故の放射能の風評悪影響情報は沈下しつつある。
では何故に顧客が“ガタ減り”なのか??
原左都子が考察するに、その要因とは「マンネリ化」以外にあり得ないのではなかろうか?
本エッセイ集の2011年2月の時事論評バックナンバー 「ディズニーリゾートに見る若者の“似非”同調志向」 においても綴っているが、現在あの地に出向くと望みもしない妙な“似非”同調志向を強要されるのだ。
これがもしも小さい子どもでも連れているのなら、我が子のためにミッキーを筆頭とするディズニーキャラを愛好しているがごとくの演技もやむを得ない。 ところが、単に休日の開放感を楽しみたいのみの来園者も含めて、来園者全員にディズニーキャラ愛好の演技を強要されたのではたまったものではない。
結果として、現在のディズニーリゾートとは“ディズニーおたく”が集う場に変貌するべく落ちぶれていて、“おたく”ではない来園者にとっては居場所がないのが現状なのだ。
その種の「特異的マンネリ化現象」に実は前々から嫌気がさしていた人種が、大震災後の休園をきっかけとして東京ディズニーリゾート離れを起こしているのが現在の低迷不振の真相ではないのか、と考察するのが原左都子の私論である。
現在、子ども料金を半額にして夏休み中の子供連れの来園増を目論んでいるディズニーリゾートのようだが、その効果の程はどうなのだろう??
如何なるリゾート地とて、もちろん経営者の理念により運営すればそれでよいことである。
ただ東京ディズニーリゾートと言えば、既に30年来に渡り国民的、国際的リゾート地として内外にその名を轟かせてきている歴史を抱えているのが事実であろう。
本家本元のウォルトディズニー社とのライセンス契約の軋轢がネックなのかもしれないが、来園者あってのリゾートであることを今後共肝に命じて欲しいものでもある。
妙な“おたく”“同調意識”を感じさせず広く一般に真に愛されるリゾートであることが可能ならば、今後も国内外を問わず観光客が末永く押し寄せるのではあるまいか??
先だってのニュース報道によると、経営主体である㈱オリエンタルランドは、3月11日に発生した東日本大震災後、長期間休館を余儀なくされたことがその後の入場者数を減少させている原因と位置付けているようだ。
3月11日の大震災当日に東京ディズニーリゾートを訪れた顧客総数は7万名程であったようだ。 そのうち首都圏の交通網の不通や混乱により、自宅までの帰路を確保できた顧客を除き5万5千人もの大量の顧客が帰宅難民となり、リゾート内で一夜を過ごしたとのことだ。
その翌日より、当然ながらディズニーリゾートも大震災の影響により休園と相成る。
日本に名立たるテーマパークとは日頃巨大な収入を得ている恩返しとして、このような大震災復興時にこそ、国民が元気を取り戻すべく娯楽分野において社会的責任を担う事を使命としているものと私は捉えていた。
ところがその予想に反して休館期間が予想以上に長期に及んでいる事を、私はてっきり千葉県浦安市の埋立地に発生した“液状化現象”の影響を東京ディズニーリゾートも受けているものと勘違いしていた。
千葉県浦安市の埋立地に林立するかのごとく建設された超高層マンションの数多くが、この“液状化現象”の打撃を受けたとの報道は大震災直後に何度も耳にした。 これらのマンションとは住民にとっては“富の象徴”であったらしく、東京の“シロガネーゼ”や神戸の“アシアレーヌ”をもじって“浦安マリナーゼ”なる新語も生まれる程に、地域住民にとっては特権意識をくすぐられるものであったらしい……
千葉県浦安市の埋立地に住んで特権意識を煽られる??? (私など元々そんな地に住みたいとの発想すら湧かないのだが…)
いえいえ、失礼を申し上げました。 液状化現象による被害は甚大なことであろう。 “浦安マリナーゼ”の皆さん、今後も建設販売主やそれを認可した自治体と果敢に闘われつつ、どうか原状回復を急がれますように…
さて、東京ディズニーリゾートに話を戻すと、大震災後閉園が長期に渡った理由は“液状化現象”故ではなかった様子だ。 どうやら、ディズニーリゾートがそびえ立つ地は“液状化現象”とは無縁の地であったらしい。
それでは何故に、東京ディズニーリゾートは大震災後の開園を遅らせたのであろうか?
これに関しては、当然ながら顧客の安全性を確保するためであって欲しいと一市民としては望みたいところであるし、実際問題そうだったのだろうと推測できる。
ところが、そう推測するに当たって多少の疑問点があるのだ。
3月11日の大震災発生時には千葉県浦安市においては震度5強以上の揺れを観測しているはずである。
その揺れにもかかわらず、東京ディズニーリゾートにおいては死者は元より負傷者の一人とて出していない。 それはこの種の大量顧客を動員するテーマパークにおいては厳重な危機管理がなされていた証拠でもあろう。
東京ディズニーリゾートがその後長期間休園を与儀なくされたのも、当然ながらこの危機管理力の完全復活を徹底するためだったと推測したい。
ただ長い閉園期間を経て開園してみると、予想以上に顧客が訪れないことに一番困惑しているのが、経営主体である㈱オリエンタルランドなのではあるまいか?
大震災による国民の精神面での影響は、首都圏周辺の住民にとっては既に過ぎ去っているのが事実であろう。 そして現在東京ディズニーリゾートの最大の顧客層であろうアジア地域のニューリッチに対しても、原発事故の放射能の風評悪影響情報は沈下しつつある。
では何故に顧客が“ガタ減り”なのか??
原左都子が考察するに、その要因とは「マンネリ化」以外にあり得ないのではなかろうか?
本エッセイ集の2011年2月の時事論評バックナンバー 「ディズニーリゾートに見る若者の“似非”同調志向」 においても綴っているが、現在あの地に出向くと望みもしない妙な“似非”同調志向を強要されるのだ。
これがもしも小さい子どもでも連れているのなら、我が子のためにミッキーを筆頭とするディズニーキャラを愛好しているがごとくの演技もやむを得ない。 ところが、単に休日の開放感を楽しみたいのみの来園者も含めて、来園者全員にディズニーキャラ愛好の演技を強要されたのではたまったものではない。
結果として、現在のディズニーリゾートとは“ディズニーおたく”が集う場に変貌するべく落ちぶれていて、“おたく”ではない来園者にとっては居場所がないのが現状なのだ。
その種の「特異的マンネリ化現象」に実は前々から嫌気がさしていた人種が、大震災後の休園をきっかけとして東京ディズニーリゾート離れを起こしているのが現在の低迷不振の真相ではないのか、と考察するのが原左都子の私論である。
現在、子ども料金を半額にして夏休み中の子供連れの来園増を目論んでいるディズニーリゾートのようだが、その効果の程はどうなのだろう??
如何なるリゾート地とて、もちろん経営者の理念により運営すればそれでよいことである。
ただ東京ディズニーリゾートと言えば、既に30年来に渡り国民的、国際的リゾート地として内外にその名を轟かせてきている歴史を抱えているのが事実であろう。
本家本元のウォルトディズニー社とのライセンス契約の軋轢がネックなのかもしれないが、来園者あってのリゾートであることを今後共肝に命じて欲しいものでもある。
妙な“おたく”“同調意識”を感じさせず広く一般に真に愛されるリゾートであることが可能ならば、今後も国内外を問わず観光客が末永く押し寄せるのではあるまいか??