原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

電車妨害 最高検公判部長 のストレスの程

2012年10月08日 | 時事論評
 今回のエッセイを「酒」カテゴリーに位置付けようと一時考えたのには原左都子なりの理由があったのだが、結論を慮るとやはり「時事論評」カテゴリーとしよう。

 9月28日深夜に表題に記した 最高検公判部長 が公共電車内で引き起こしたアンビリーバブルかつ子供じみた不祥事が、せめても“酒の勢い”による一時の間違いだったものと、我が身を振り返り弁護的に解釈したい故に当初「酒」カテゴリーとした。

 と言うのも何の自慢にもなりゃしないが、当エッセイ集「酒」カテゴリーに於いて再三再四暴露している通り、私は「ざる」との異名を授かる程の“底なし飲兵衛”人生をひた走り続けているからだ。
 もう40年近くなる我が“底なし飲兵衛人生”に於いても、今思い出しても顔から火が吹き出そうな醜態を周囲に晒し、どれだけ頭を下げても取り返しがつかないような大失態により周囲や社会にご迷惑をお掛けして来ている事を認める。
 もし、それら我が過去の“酒”による失策の数々をこの場で今一度お詫び出来る機会を頂けるのならば、ひれ伏して謝罪申し上げたいものだ。


 話題を変えるが、著名人による「酒」による不祥事は過去に数多い。

 本エッセイ集にて取り上げた事例を紹介すると、旧自民党政権時代の故中川昭一外務大臣など、こともあろうに2009年ローマにてのG7会場で、共同記者会見に際し、ろれつが回らずあくびをして目は朦朧状態との醜態を国際影像で晒した。
 後に本人はあれは酒によるのではなく薬の副作用だなどと弁解したようだが、私の目からはどう大目に見ても“飲兵衛の醜態”以外に他ならなかった…。
 この中川氏の酒による醜態に関してはG7会場が最初であった訳ではなく、あらゆる政治活動の場でそれを晒していたとのことだ。 ほぼ“アル中”状態の中川氏はその後50代の若さにして“怪死”に至るはめとなった…
 ここは原左都子の私見だが、中川氏の体内はアルコール漬け、そしてそれを政治家の立場として表向きに隠蔽するための各種薬漬け状態でボロボロだった事であろう。 今更ながらであるが、同じ飲兵衛としてご冥福を祈りたいものだ……

 もう一件、現在は歌舞伎役者として復活を遂げている市川海老蔵氏の“酒”による醜態不祥事に関しても、2010年12月に本エッセイ集バックナンバー 「海老蔵様ご酒乱の顛末」 なるタイトルで取り上げている。
 海老蔵氏に関しては上記の中川氏と比較するとまだまだ若手であるし、古典芸術である歌舞伎舞台に出演するための日々の鍛錬とは、国民の票を集めるべく会合に出席すれば事が済む政治家の比ではなく厳しい現実であろう。
 それにしても海老蔵氏も子宝に恵まれている現状に於いては、後進を育成する意味でも本業である歌舞伎の世界の繁栄のために是非とも精進いただきたいものである。


 それでは、表題に掲げた最高裁公判部長氏が9月28日深夜に公共電車内で引き起こした事件に関して、朝日新聞10月5日記事を参考にしつつ、ここで振り返ることとしよう。
 横浜市内を運行している東急電鉄社内で、夜11時半頃各駅停車の車内でドアの開閉の異常を示すランプが点灯した。 運転士が運転席に近い左側ドア付近にいた男性のカバンが挟まっているのに気付いた。 その前の駅でも同じドアでカバンが挟まるトラブルが起きていた。 運転手がその男性に声をかけると自分が故意に挟んだことを認めて謝罪したため東急電鉄側は神奈川県警に通報した。
 電車ドアの異常に関しては、男性が乗り換え前の電車から異常状態が認識されていたとのことだ。 結局加害者男性は東急電鉄の6駅に於いて電車通行妨害を繰り返していたことが発覚した。
 東急電鉄の連携プレーにより、乗客が故意にドアにカバンを挟んでいたことが発覚し、その犯人を事情聴取したところ最高検公判部長(58歳)がその行為を認めたとのことである。
 
 さてこの最高検公判部長氏とは、その肩書きが示す通り実にご立派な経歴を誇る人物であられる。
 引き続き上記朝日新聞記事より引用するが、かつては東京地裁特捜部に所属した後全国の地検に対して裁判員裁判対象事件の捜査・公判を指導する再考検裁判員公判部長を経て現在の公判部長に就任している。 しかも、大阪地検の不祥事を受けてその検証結果をまとめる中心的役割も果したとのことだ。
 今回の電車妨害事件に関してその関与は認めているものの、朝日新聞取材に関しては「ノーコメント」と話しているらしい。  同僚らによると、細やかな気遣いをする性格で上司や部下の信頼は厚い。 ただ、最近は周囲に「ストレスがある」と漏らすこともあったと言う……


 最後に原左都子の私論に入ろう。

 今回の最高検公判部長による不祥事が、やはり単に“酒”による一時の過ちであると信じたい私だ。
 と言うのも、もしこれがこの人物に元々遺伝子的に備わっている人格故に引き起こした事件だったとしたら、そのような人物を部署の最高責任者として君臨させているこの国は今まで以上に危うい国家であることを認識させられる故だ。

 最高検公判部長の58歳との年齢を考慮すると、原左都子とほぼ同年代ではあるまいか?!?  私など今に至って庶民の立場にしかないし、その身分の人生を少しでも有意義に全うしたい願望なのだが……
 そのためには最高検部長氏と同じ飲兵衛と言えども既に58歳ともなれば、もはや酒の勢いで絶対に世間に迷惑をかけてはならない事のみは、若かりし時代に“痛い思い”を繰り返しつつ肝に銘じているよ。 

 官僚を含めて上下階級が激しい国家公務員の皆があらゆるストレスに耐えて“人格者”を全うしろ!とは言わないが、少なくとも採用段階で“異常者”を排除できないものなのか?? 
 たとえ泥酔状態であったとしても、既に58歳という年齢にして公共場面においてその行為をとってしまう人物の持って生まれたDNAとは如何なるものなのだろう?
 自分は国家に君臨して交通機関に影響を及ぼせる立場にあり公共交通を停止させる実力があるぞ!、との発想が酔った勢いで脳裏に浮かびそれを決行する人物を、国家の主要人物として任命している元凶こそが国政及び国家官僚の貧弱な現実であり、多大なる責任範疇であると再考察する原左都子である。