原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

我が娘よ、厳しい就活戦線を勝ち抜こう!

2015年03月04日 | 仕事・就職
 2016年春に卒業予定の大学生の就職活動が3月1日、解禁された。
 経団連が定めた新ルールで、会社説明会の解禁が“3年生の12月”から3か月間繰り下げられ、学生にとっては短期決戦となる。 すでに昨年中から本格的に動き出した学生も多く、解禁で活動を始めた学生との間で「二極化」も目立っている。 景気回復を背景に企業の採用意欲は高く例年以上に熱い就職戦線となりそうだ。
 3月1日に東京・渋谷の高層複合施設「渋谷ヒカリエ」で開かれた50社による合同会社説明会は、約1000人が入れる会場に多くの学生が詰めかけた。 人気企業のブース前は、学生らで身動きが取れないほどで、一時は入場制限が行われた。 4~5社のブースを回るというA大学3年の男子学生(20)は、「いつまでに内定を得られればいいのか不安だ。遅れ気味だという焦りがある」と話す。 B大3年の男子学生(21)も「すでに内定をもらっている知り合いの学生もいる」と不安顔だった。
 (以上、ネット情報より引用。)


 原左都子の家庭でも、現在大学3年生の娘がいよいよ就活を迎える段と相成った。
 と言えども、何とも静かな就活戦線のスタートだ。

 就活戦線に入る前の2月頃、私は娘に今後の就職に関する本人の意思を再確認した。
 そうしたところ、娘なりの回答があった。  それを以下に要約しよう。
 今まで親の要望に沿って“安定した”就職先を模索して来たが、自分の実力と勘案した場合荷が重すぎる。 (親が望む)就職に沿い無駄な時間を費やすよりも、自分自身で就職先を決定したい。

 その娘の決断に私としては泣ける思いだった。
 何分、出産時のトラブルにより若干の事情を抱えてこの世に生まれ出ている我が娘だ。 母である私自身も“サリバン先生”として娘幼少の頃より現在まで娘の指導者の立場で多大な時間を費やしてきている。
 そんな我が娘が、やっと一人前の社会人として自立しようとのその目前に、「自分自身で進路を決める。」とサリバン相手に健気に宣言してくれるではないか! その事実だけで親冥利に尽きる思いだ。

 しかも我が娘の場合、大学内での学業成績の程も素晴らしい。(あくまでも娘を通わせている学内での結果に過ぎないが。
 更には、自分の専門分野の資格もゲットした。
 よくぞまあ、厳しいサリバン(母の私の事だが)の指導に従い、真面目に着実に大学へ通い詰め、“娘なり”に地道に精進したものである。

 その道程の詳細をここで語るならば、正直に言うと大学2年生までの一般教養科目及び専門基礎科目に於いては、娘の苦手な小論文課題等をこのサリバンが手伝った(もっと正確に言うなら主に執り行った)。 ただ娘が大学3年生に進級し専門科目分野の履修が大方になった暁には、私は一切合切の“サリバン業務”より手を引くべきと心得た。 そうでもしなければ、娘の将来の真の自立が成り立たないと判断した故だ。
 ところが驚くには、その後娘は自ら独力で大学の課題に“下手なりにも”臨んだ様子だ。 その片鱗である課題の一部を娘から見せてもらった事があるが、例えば小論文課題に於いて、なんと母であり素人エッセイストである「原左都子エッセイ集」の論調と似たような記述があることに驚かされたものだ。 (あの子、見ないふりして我がエッセイ集を時折覗いてくれているのだと感慨深い思いでもあるし、親の思想とは必然的に次世代に受け継がれるものとも悟った。) 


 さて、就活戦線開幕で多忙なはずの我が娘を伴って、昨日都心に位置する某博物館を訪れた。

 当該博物館にて親子共々一時の心身的安らぎを得た後、その近隣に位置している某店舗を訪問した。 ここは娘の成人の日に先立ちその準備でお世話になった店舗である。
 東証一部上場企業が全国展開している当該店舗にて、娘は一男性担当者のお世話になり無事に成人の日を終えている。 その男性担当者氏が昨年転勤したとの話を聞いていたのだが、その後連絡が取れないまま月日が経過していた。
 昨日訪れた店舗にて娘の担当者であられた男性担当者氏に関して尋ねたところ、“既に退職された”との回答だ。
 これには実に驚かされた! 海千山千の私の視点からも、その男性担当者氏は若くして営業販売部門に於いて適材適所の“実力派”だった故だ。
 何故退職したのかの私の問いに「体調不良です」との回答だがどうも合点がいかない。 そうだとしても、それ以上の追跡は無理と諦め、娘と共に帰宅の道についた。 


 最後に原左都子の私論でまとめよう。

 何が理由で人が就職先を決めるのか、はたまた退職との道を選択するのかに関しては、人それぞれ千差万別であってよいであろう。
 それでも大学等よりの新卒者とは国家と経団連等の癒着指導の下、皆が未熟な身にして否が応でも“とりあえず”その進路先を決定せねばならない状況下に置かれている。
 そんな中、せっかく就職した一部上場企業にて適材適所の実力を備えていようが、わずか2年少しで退職せざるを得ない道程を歩む大卒の若者も存在する事実を、我が娘は昨日思い知ったことと心得る。

 娘は既にパソコンから各民間企業へ就活エントリーしたようだが、企業等へのコネなど一切無い我が家に於いて、はてさて如何なる就職先とご縁があるのか、今後の楽しみでもある。