先週末、いつものようにトレーニングジムへ行った時のことだ。
個人情報を自ら口外しない事が常識化している現代社会に於いては、よほど親しい関係にならない限り、誰しも自身の年齢等のプロフィールを公表しないのが一般常識であろう。
私が通うジムは昼間の時間帯は男女共に年配者が多いのが特徴だが、上記一般常識の例外ではなく皆さんご自身の年齢等々に関して詳細を語らない。 そのためどなたが何歳程のお年寄りなのか不明のまま、普段お付き合いをしている。 (ジムにて私が毎回お話する親しい女性は67歳である事を承知しているが、その他の方々とは挨拶程度の付き合いのためご年齢の程を存じていない。)
先日、ロッカールームで偶然一緒になったご年配御婦人2名のうち、一人が私に声をかけて下さる。
「スタイル抜群だけど、モデルさんでしょ?」
(実はこのセリフ、ロッカールーム内で度々お年寄り女性達からお声がかかる決まり文句だ。 その問いかけ自体は私にとってはまんざらでもない。 ただ高齢女性の“見る目の不確かさ”など重々承知の上でもある。 こんな年寄り連中しか来ないジム内で、派手なスタイルでトレーニングに励むスリム高身長の私が目立っているであろう事など、当の昔から客観的に自覚済みでもある。)
それに応えて私曰く、「ありがとうございます。 ですが、とんでもございません。 若い頃には少しはマシな体型でしたが、今となっては体型を保つのに苦心しています。」
そこですかさず横槍を入れてきたのが、ロッカールームにいたもう一人のお年寄り女性である。
「若い人が綺麗なのは当たり前じゃないの! 我々の半分程しか生きていない女性が綺麗でなくてどうするの。 そんなの褒めるに値しないよ。」
その反発の勢いに驚くと同時に、そのご意見に同意した私は女性の方を見た。 なるほど、お元気そうな女性である。
その女性の反論に応えて私も負けずに曰く、「実にお元気そうですね。失礼ですがお幾つでいらっしゃいますか?」
女性が応えて曰く、「83歳だけど、ずっと若い頃から身体を動かす習慣があって、その名残で今でもジム通いして健康を保っているのよ。」
なるほど、「それは素晴らしいですね!」と私は心より賞賛し、その旨ご返答申し上げた。
確かに若い時代から身体を鍛え続けている人物の健康維持のポリシーは素晴らしい!との感慨深い思いと共に、この高齢者女性達との束の間の会話は終焉した。
(ただ後々印象として残ったのは、「あなた、私の半分の年齢で誰に口きいてるの?」と言われたかのような一抹の後味の悪さである…)
さて上記会話に於いて、原左都子として心に留まった事があるのだ。
ジム内で会話した83歳の女性は、(“私達の半分の年齢”との会話内容に従って計算するに)私のことを40代前半と実年齢よりもずっと若く推測した模様だ。
まあそうだとしても実際問題今年還暦を迎える私の方が年下には間違いないのだから、その対応で許されるのかもしれない。
話題を変えるが、もっとムカつく事態を我が民間企業退職後の若き時代に経験している。
この我が“ムカつき経験”に関連して、先だってテレビ番組にて同様の面白い事例に遭遇した。 それはフジテレビにて昼間放映している「対談番組」に於いてである。
その番組に出演していた“某女性お笑い系タレント氏”が、一昔前に民間企業勤務とタレント業をかけ持ちしていた時期があると言う。 既にタレントとして名を売り始めた頃、タレント身分に対する周囲よりの手厚い扱いに浸り“天狗気分”になり始めていたそうだ。 そんな時期に民間企業よりの劣悪な扱いに対し 「誰に口きいてるの!?」 と言いたくなったのとの談話だった。
実は原左都子も民間企業退職後に2度目の大学の門をくぐった直後、学生達に対し「誰に口きいてるの!?」なる違和感に、身勝手にも苛まれたものだ。
当然ながら、一般学生と同列扱いとなる事など承知の上での入学だったはずだ。
それでも正直なところ、当時バブル経済絶頂期にして既に職業経験を積んでいる私に失礼な物言い(“タメ口”等)をしてくる身の程知らずの学生達には、内心「誰に口きいてるの!」とホザきたい思いが山々だった… 実際あまりにも失礼な学生に対しては、それを言い放ったかもしれない。(その記憶もあるかも…。)
ただそれはほんの例外であり、私がその言葉をほとんど発せずに済んだのは、おそらく学内にて良質な学生達と良き交友関係を築きつつ学業を全う出来た故であろう。
ここで、話題を180度転換してみよう。
もしかしたら私側の言動が、相手方にとって 「誰に口きいてるの?」 なる感覚を抱かせる場面もある(あった)事態も推測出来る。 (ただし今の世の中に於いては、カースト制度下でもない限り、「誰に口きいてるの?」と言える程の“特権階級層”がこの世に存在し得るとは思えない時代背景とも考察するが…)
にもかかわらず、もしも私がとった言動に対して“身の程知らずの失礼な奴”感覚を抱いた人物が万一この世に存在するならば、ひとまずここでお詫び申し上げておく事としよう。
最後に原左都子の私論を述べるならば、そんな言動を超越した対等な人間関係が築けるならばそれに超した事はないと考察する。
冒頭にて紹介した、私が通うジムにてお年寄り女性達より頂戴した 「モデルさんですよね!」 「我々より半分しかこの世を生きてないよね。」等々の発言に関して、私は大いなる刺戟を頂けた思いでもある。
今になって考え直すならば、もはや「誰に口きいてるの?」感覚を抱きそれを根に持つよりも、若輩者の私に「口をきいてくれてありがとうございます!」と申し上げたい思いすら抱ている。
個人情報を自ら口外しない事が常識化している現代社会に於いては、よほど親しい関係にならない限り、誰しも自身の年齢等のプロフィールを公表しないのが一般常識であろう。
私が通うジムは昼間の時間帯は男女共に年配者が多いのが特徴だが、上記一般常識の例外ではなく皆さんご自身の年齢等々に関して詳細を語らない。 そのためどなたが何歳程のお年寄りなのか不明のまま、普段お付き合いをしている。 (ジムにて私が毎回お話する親しい女性は67歳である事を承知しているが、その他の方々とは挨拶程度の付き合いのためご年齢の程を存じていない。)
先日、ロッカールームで偶然一緒になったご年配御婦人2名のうち、一人が私に声をかけて下さる。
「スタイル抜群だけど、モデルさんでしょ?」
(実はこのセリフ、ロッカールーム内で度々お年寄り女性達からお声がかかる決まり文句だ。 その問いかけ自体は私にとってはまんざらでもない。 ただ高齢女性の“見る目の不確かさ”など重々承知の上でもある。 こんな年寄り連中しか来ないジム内で、派手なスタイルでトレーニングに励むスリム高身長の私が目立っているであろう事など、当の昔から客観的に自覚済みでもある。)
それに応えて私曰く、「ありがとうございます。 ですが、とんでもございません。 若い頃には少しはマシな体型でしたが、今となっては体型を保つのに苦心しています。」
そこですかさず横槍を入れてきたのが、ロッカールームにいたもう一人のお年寄り女性である。
「若い人が綺麗なのは当たり前じゃないの! 我々の半分程しか生きていない女性が綺麗でなくてどうするの。 そんなの褒めるに値しないよ。」
その反発の勢いに驚くと同時に、そのご意見に同意した私は女性の方を見た。 なるほど、お元気そうな女性である。
その女性の反論に応えて私も負けずに曰く、「実にお元気そうですね。失礼ですがお幾つでいらっしゃいますか?」
女性が応えて曰く、「83歳だけど、ずっと若い頃から身体を動かす習慣があって、その名残で今でもジム通いして健康を保っているのよ。」
なるほど、「それは素晴らしいですね!」と私は心より賞賛し、その旨ご返答申し上げた。
確かに若い時代から身体を鍛え続けている人物の健康維持のポリシーは素晴らしい!との感慨深い思いと共に、この高齢者女性達との束の間の会話は終焉した。
(ただ後々印象として残ったのは、「あなた、私の半分の年齢で誰に口きいてるの?」と言われたかのような一抹の後味の悪さである…)
さて上記会話に於いて、原左都子として心に留まった事があるのだ。
ジム内で会話した83歳の女性は、(“私達の半分の年齢”との会話内容に従って計算するに)私のことを40代前半と実年齢よりもずっと若く推測した模様だ。
まあそうだとしても実際問題今年還暦を迎える私の方が年下には間違いないのだから、その対応で許されるのかもしれない。
話題を変えるが、もっとムカつく事態を我が民間企業退職後の若き時代に経験している。
この我が“ムカつき経験”に関連して、先だってテレビ番組にて同様の面白い事例に遭遇した。 それはフジテレビにて昼間放映している「対談番組」に於いてである。
その番組に出演していた“某女性お笑い系タレント氏”が、一昔前に民間企業勤務とタレント業をかけ持ちしていた時期があると言う。 既にタレントとして名を売り始めた頃、タレント身分に対する周囲よりの手厚い扱いに浸り“天狗気分”になり始めていたそうだ。 そんな時期に民間企業よりの劣悪な扱いに対し 「誰に口きいてるの!?」 と言いたくなったのとの談話だった。
実は原左都子も民間企業退職後に2度目の大学の門をくぐった直後、学生達に対し「誰に口きいてるの!?」なる違和感に、身勝手にも苛まれたものだ。
当然ながら、一般学生と同列扱いとなる事など承知の上での入学だったはずだ。
それでも正直なところ、当時バブル経済絶頂期にして既に職業経験を積んでいる私に失礼な物言い(“タメ口”等)をしてくる身の程知らずの学生達には、内心「誰に口きいてるの!」とホザきたい思いが山々だった… 実際あまりにも失礼な学生に対しては、それを言い放ったかもしれない。(その記憶もあるかも…。)
ただそれはほんの例外であり、私がその言葉をほとんど発せずに済んだのは、おそらく学内にて良質な学生達と良き交友関係を築きつつ学業を全う出来た故であろう。
ここで、話題を180度転換してみよう。
もしかしたら私側の言動が、相手方にとって 「誰に口きいてるの?」 なる感覚を抱かせる場面もある(あった)事態も推測出来る。 (ただし今の世の中に於いては、カースト制度下でもない限り、「誰に口きいてるの?」と言える程の“特権階級層”がこの世に存在し得るとは思えない時代背景とも考察するが…)
にもかかわらず、もしも私がとった言動に対して“身の程知らずの失礼な奴”感覚を抱いた人物が万一この世に存在するならば、ひとまずここでお詫び申し上げておく事としよう。
最後に原左都子の私論を述べるならば、そんな言動を超越した対等な人間関係が築けるならばそれに超した事はないと考察する。
冒頭にて紹介した、私が通うジムにてお年寄り女性達より頂戴した 「モデルさんですよね!」 「我々より半分しかこの世を生きてないよね。」等々の発言に関して、私は大いなる刺戟を頂けた思いでもある。
今になって考え直すならば、もはや「誰に口きいてるの?」感覚を抱きそれを根に持つよりも、若輩者の私に「口をきいてくれてありがとうございます!」と申し上げたい思いすら抱ている。