最近、プライベート上で某民間企業とかかわる機会があるのだが、この海千山千かつ観察力鋭い原左都子にして、どうもその組織の「風土・体質」が捉え切れずにいる。
ただまあ、今回の企業組織とのかかわりの場合、今後の我が人生を左右する程の重要性も影響力もないため、さほど気にせず成り行きに任せるべく対応している。
ここで久しぶりに、4月に新入社員として某民間企業に入社した我が娘の近況を少しだけ述べよう。
結論を述べると入社後比較的順調に推移しているのだが、4月末から5月連休明け頃に少しトラブルが発生した。 その当時はサリバンの立場でも大いに気をもみつつ、娘の話の内容から推測出来る範囲で善処させるべくアドバイスをした。(サリバンとして娘の前では気丈に振る舞っていたが、実はその頃、内心大いなる痛手で胃を傷めたものだ…
)
近頃は、新入社員の親達が採用先企業に対して苦情を申し立てる事例も珍しくないと見聞している。(いわゆるモンスターペアレントか?) その気持ちは同じ親の立場で分からなくはない。 ただここは親として、社会人にまで成長している我が子を信じ、その足を引っ張らぬよう冷静に対応するべき! と気持ちを持ち直した。
幸いな事には、昨年の就活時点より「企業の風土・体質を見抜いて就職先を選別するように!」と厳しく指導してきた“サリバンポリシー”が娘の就活職場選択に活きていたようだ。 会社組織が小さい事も吉と出ているのだろうが、今回のトラブルに関しても上司は元より社長自らよりのバックアップもあり、事無きを得て現在に至っている。
以前にも記したが 我が娘は私には無い妙な強さ(“鈍さ”と表現するべきか?)に恵まれている。 「この子、産まれ持った天然DNA気質でこの世を渡って行けそうだ!」、とサリバン母に思わせてくれる我が娘に再び感謝である。

さて、話題を変えよう。
一昨日の6月18日付朝日新聞 “悩みのるつぼ” 相談は、20代介護職員氏による 「ひどい病院に慣れそう…」 だった。
早速、その相談内容を要約して以下に紹介する。
20代の男性介護職員だが、現在の職場に慣れ過ぎる事への怖さで悩んでいる。 総合病院から田舎の精神科病院へ転職したが、実際働き始めてみると衝撃的な事ばかりだ。 患者に対する職員の暴言と威圧的な態度は頻繁。 患者を監視しているだけの収容所のようだが、上司は注意をしない。 同僚職員から「暴言が多いが、こういう病院だから慣れてね」と言われビックリした。 給料は低くても職場環境や人間関係が充実していた場所にいたときには患者と触れ合えて幸せだった。 もちろんこの病院に就職したのは私の責任であり、私の甘い気持ちだった事は認める。 すぐ辞めても今後辛いだろうから、後3年は働きたい。 ただ、私も他の職員のように患者に対して暴言や罵声を言うようになるのだろうか。 職場慣れが怖い。 どうすればよいか?
(以上、朝日新聞“悩みのるつぼ” 相談内容を要約引用。)
一旦、私論に入ろう。
この20代相談者には、再就職の矛先を絞り込むに当たり相談する親等のアドバイサーが周囲に一人として存在しなかったのだろうか??
これぞ悲しい現実だ。
例えば、国家の組織である「ハローワーク」はどうなのだろう? これ程の新聞投稿が可能な思考力・表現力ある若者を、もしも「ハローワーク」がこんな劣悪な体質の精神科病院を紹介したのだとしたら、許し難い思いに駆られる。
そうではなく、この青年は自らが志願してこの病院へ就職願を提出したのだろうか?
この相談内容を読んで、元医学関係者である原左都子が思い出した事が複数ある。
その一つだが、私が国立大学医学部に所属していた時に学生実習生の身分で附属病院内で経験した事実を思い起こした。
それは「脳波検査室」での光景だ。
検査室を訪れた女性患者が怯え切っている。 それをものともせず、「その脳波検査室に入って下さい!」と命令的に指導する検査員。 女性患者が訴えるには「この検査室が揺れています。怖いです。」 それを傍で見ていた実習生の一人(私の実習仲間)が、「大丈夫ですよ。検査室は揺れていませんから、しばらくそこで寝て頂けたら検査は終了します」 これに感動した私だが、検査が終了した後に検査員氏から返って来た言葉とは。 「いちいち患者を安心させていたのでは、仕事がさばけません! 患者の訴えなど聞かぬふりをして強制的に検査を実施せねば、プロとして患者の多い大学病院になど勤められませんよ!」……
(これは、今から遡る事40年前程の話であることを付け加えておこう。 たとえ国立大学付属病院とて、現在は患者対応に於いて進化を遂げている事であろうと信じたい。)
あるいは、精神科病院に務めた人物の話を見聞した事実を語るなら…。
やはり、相談者同様の病院内で繰り広げられる職員による暴言(暴力も!)凄まじいものがあるとの事実のようだ。
それ以外にも例えば、失禁を繰り返す患者氏の洗濯を担当した女性曰く、「何でもかんでも洗濯機にぶち込まねば仕事が終わらないのが現実。」 その結果、如何なる洗濯がなされたのかはご想像に任せるが…
最後に、原左都子の私論でまとめよう。
如何に考察しようが、世の中とは実に不条理に出来ている。
介護士、あるいは保育士等々、今現在の世に於いて一番切望されている職種に於いて、実際人員不足の実態だ。
それなら、国政もその職種育成にこそ巨額の財源を注ぎ込めば良さそうなものを、実際その対応が後回し状態でもある。 国政は口先ではその分野への財源投資を発表してはいるが、その実態とは少しだけ給料増額を政策としている程度であり、その実は巨額財源投資内のたかがほんの少しだ。
そんな厳しい現実下で、せっかく介護士として世を渡ろうとしている“悩みのるつぼ”相談者の20代介護士氏に、私からアドバイスをするならば。
職場が抱えている「風土・体質」とは、わずか20代にして覆せないのが実情であろう。 その職場にて、相談者男性が好転することは悲しいかな無理と私は結論付ける。
では、どうすればよいのか?
アルバイトでも何でもよいから、とにかく働きやすい介護職場に一旦職替えするべきだろう。 そしてその合間に介護職の上位資格取得(ケアマネジャー等々)を目指し、勉強に励んでは如何だろうか?
厳しい指摘だが、自分自身が少しでも苦学精進して世の上位に君臨し発言力を伴ってこそ、叶う自分の未来ではなかろうか?!?
そうでもしなければ、長年慣れ切って来た悪しき職場の風土・体質とは、昨日今日入所した新人職員に覆せる訳もないのが世の常であろうと、私は考察する。
ただまあ、今回の企業組織とのかかわりの場合、今後の我が人生を左右する程の重要性も影響力もないため、さほど気にせず成り行きに任せるべく対応している。
ここで久しぶりに、4月に新入社員として某民間企業に入社した我が娘の近況を少しだけ述べよう。
結論を述べると入社後比較的順調に推移しているのだが、4月末から5月連休明け頃に少しトラブルが発生した。 その当時はサリバンの立場でも大いに気をもみつつ、娘の話の内容から推測出来る範囲で善処させるべくアドバイスをした。(サリバンとして娘の前では気丈に振る舞っていたが、実はその頃、内心大いなる痛手で胃を傷めたものだ…

近頃は、新入社員の親達が採用先企業に対して苦情を申し立てる事例も珍しくないと見聞している。(いわゆるモンスターペアレントか?) その気持ちは同じ親の立場で分からなくはない。 ただここは親として、社会人にまで成長している我が子を信じ、その足を引っ張らぬよう冷静に対応するべき! と気持ちを持ち直した。
幸いな事には、昨年の就活時点より「企業の風土・体質を見抜いて就職先を選別するように!」と厳しく指導してきた“サリバンポリシー”が娘の就活職場選択に活きていたようだ。 会社組織が小さい事も吉と出ているのだろうが、今回のトラブルに関しても上司は元より社長自らよりのバックアップもあり、事無きを得て現在に至っている。
以前にも記したが 我が娘は私には無い妙な強さ(“鈍さ”と表現するべきか?)に恵まれている。 「この子、産まれ持った天然DNA気質でこの世を渡って行けそうだ!」、とサリバン母に思わせてくれる我が娘に再び感謝である。


さて、話題を変えよう。
一昨日の6月18日付朝日新聞 “悩みのるつぼ” 相談は、20代介護職員氏による 「ひどい病院に慣れそう…」 だった。
早速、その相談内容を要約して以下に紹介する。
20代の男性介護職員だが、現在の職場に慣れ過ぎる事への怖さで悩んでいる。 総合病院から田舎の精神科病院へ転職したが、実際働き始めてみると衝撃的な事ばかりだ。 患者に対する職員の暴言と威圧的な態度は頻繁。 患者を監視しているだけの収容所のようだが、上司は注意をしない。 同僚職員から「暴言が多いが、こういう病院だから慣れてね」と言われビックリした。 給料は低くても職場環境や人間関係が充実していた場所にいたときには患者と触れ合えて幸せだった。 もちろんこの病院に就職したのは私の責任であり、私の甘い気持ちだった事は認める。 すぐ辞めても今後辛いだろうから、後3年は働きたい。 ただ、私も他の職員のように患者に対して暴言や罵声を言うようになるのだろうか。 職場慣れが怖い。 どうすればよいか?
(以上、朝日新聞“悩みのるつぼ” 相談内容を要約引用。)
一旦、私論に入ろう。
この20代相談者には、再就職の矛先を絞り込むに当たり相談する親等のアドバイサーが周囲に一人として存在しなかったのだろうか??
これぞ悲しい現実だ。
例えば、国家の組織である「ハローワーク」はどうなのだろう? これ程の新聞投稿が可能な思考力・表現力ある若者を、もしも「ハローワーク」がこんな劣悪な体質の精神科病院を紹介したのだとしたら、許し難い思いに駆られる。
そうではなく、この青年は自らが志願してこの病院へ就職願を提出したのだろうか?
この相談内容を読んで、元医学関係者である原左都子が思い出した事が複数ある。
その一つだが、私が国立大学医学部に所属していた時に学生実習生の身分で附属病院内で経験した事実を思い起こした。
それは「脳波検査室」での光景だ。
検査室を訪れた女性患者が怯え切っている。 それをものともせず、「その脳波検査室に入って下さい!」と命令的に指導する検査員。 女性患者が訴えるには「この検査室が揺れています。怖いです。」 それを傍で見ていた実習生の一人(私の実習仲間)が、「大丈夫ですよ。検査室は揺れていませんから、しばらくそこで寝て頂けたら検査は終了します」 これに感動した私だが、検査が終了した後に検査員氏から返って来た言葉とは。 「いちいち患者を安心させていたのでは、仕事がさばけません! 患者の訴えなど聞かぬふりをして強制的に検査を実施せねば、プロとして患者の多い大学病院になど勤められませんよ!」……
(これは、今から遡る事40年前程の話であることを付け加えておこう。 たとえ国立大学付属病院とて、現在は患者対応に於いて進化を遂げている事であろうと信じたい。)
あるいは、精神科病院に務めた人物の話を見聞した事実を語るなら…。
やはり、相談者同様の病院内で繰り広げられる職員による暴言(暴力も!)凄まじいものがあるとの事実のようだ。
それ以外にも例えば、失禁を繰り返す患者氏の洗濯を担当した女性曰く、「何でもかんでも洗濯機にぶち込まねば仕事が終わらないのが現実。」 その結果、如何なる洗濯がなされたのかはご想像に任せるが…
最後に、原左都子の私論でまとめよう。
如何に考察しようが、世の中とは実に不条理に出来ている。
介護士、あるいは保育士等々、今現在の世に於いて一番切望されている職種に於いて、実際人員不足の実態だ。
それなら、国政もその職種育成にこそ巨額の財源を注ぎ込めば良さそうなものを、実際その対応が後回し状態でもある。 国政は口先ではその分野への財源投資を発表してはいるが、その実態とは少しだけ給料増額を政策としている程度であり、その実は巨額財源投資内のたかがほんの少しだ。

そんな厳しい現実下で、せっかく介護士として世を渡ろうとしている“悩みのるつぼ”相談者の20代介護士氏に、私からアドバイスをするならば。
職場が抱えている「風土・体質」とは、わずか20代にして覆せないのが実情であろう。 その職場にて、相談者男性が好転することは悲しいかな無理と私は結論付ける。
では、どうすればよいのか?
アルバイトでも何でもよいから、とにかく働きやすい介護職場に一旦職替えするべきだろう。 そしてその合間に介護職の上位資格取得(ケアマネジャー等々)を目指し、勉強に励んでは如何だろうか?
厳しい指摘だが、自分自身が少しでも苦学精進して世の上位に君臨し発言力を伴ってこそ、叶う自分の未来ではなかろうか?!?
そうでもしなければ、長年慣れ切って来た悪しき職場の風土・体質とは、昨日今日入所した新人職員に覆せる訳もないのが世の常であろうと、私は考察する。