原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

ローマ・ピサ・フィレンチェ 列車と徒歩の旅 -サンマルコ美術館編-

2016年02月08日 | 旅行・グルメ
 (写真は、サン・マルコ美術館内で一番著名と思しき壁画 フラ・アンジェリコによる 「受胎告知」 )


 さてフィレンチェでの観光初日は、これまでの観光の反省から始める。

 何分、地図(特にフィレンチェの場合はホテルから提供されたイタリア語の地図)を見ながら徒歩での観光との事態だ。
 自分では正しく歩いているつもりでいても、気が付いたら目的地に着くには程遠い道に迷い込んでいる…。

 その一つの理由に関しては、私は既にローマ観光時点で確信していた。
 
 何分、サリバン(原左都子の事だが)には従順な娘が、ここイタリアでもそもそもサリバンである私の思考・行動を100%信頼し切っているようだ。  通常の親子ならば、「その道、間違っているよ!」などとの指摘が同行者からあるのだろうが、我が娘の反応は異なる。
 ローマにても、これに関して娘に厳しく苦言を呈した。  「何で道を間違っている事を母に指摘せずして、素直に付いて来るのよ!!」と。 
 そうしたところ娘から返って来た回答とは、「(母である私が)近道を見つけてそこを歩いてると信じていた……」
 そこまで母として信頼されているならば口喧嘩は止めるべきだが、 「私とて道に間違うことはある。それに気付いたならば、すぐさま指摘してくれた方が嬉しい!」 と鬼に戻って娘に言い聞かせねばならない程に、我々母娘関係は特殊なのか???と、イタリアにて再確認させられる「事件」だった。


 それはともかく、フィレンチェ徒歩観光は“量より質”を目指そうと娘と話し合った結果、午前中は「サンマルコ美術館」を中心にゆったりと鑑賞するスケジュールとした。


 ここで、「サンマルコ美術館」に関するネット情報の一部を紹介しよう。

 フィレンツェは15世紀のルネサンスにおいて、文化的な中心地だった。 今でも当時の名残を味わうことのできる博物館や美術館、教会などがたくさん存在しているが、是非足を運んでいただきたい美術館がある。 それが「サン・マルコ美術館」だ。
 サン・マルコ美術館は元々は12世紀に建築された修道院だった。 15世紀になり、損傷が激しくなったこの修道院は、1434年に当時の法王エウゲニウス4世の配下でドミニコ会の修道院となった。 そして、この修道院はコジモ・デ・メディチの指示により、1437年から1452までの間、約15年もの年月をかけて改修工事が実施された。 1866年に修道院は廃止されたが、1869年にその一部が美術館として公開されることになった。
見どころとして挙げられるのは、フラ・アンジェリコの作品が数多く収蔵されている事だ。 フラ・アンジェリコの壁画のなかでも最高傑作とされるのが「受胎告知」。 修道院内の回廊を回った後、2階に上がる階段を上ったところに「受胎告知」は展示されている。

 次に、ウィキペディア情報より要約引用。
 フラ・アンジェリコは、15世紀初頭より活躍したフィレンツェ派を代表する大画家。 師であるゴシック絵画の大家ロレンツォ・モナコより学んだ、ゴシック的である豪華で優美な表現に加え、初期ルネサンスの三大芸術家のひとりマザッチョの作品から空間・人体の三次元的描写を学び、鮮やかな色彩による敬虔で高潔な人物描写による独自の画風を確立。


 私自身もこのフラ・アンジェリコ作「受胎告知」を、日本国内の美術館にて何度か観賞した記憶がある。
 
 これがサンマルコ美術館(当時は修道院)の壁画である事を今回初めて認識した。
 これが壁に描かれた壁画だったとすれば、イタリア国外にて展示されるアンジェリコ作「受胎告知」とはすべて“複製”だったとの事実に驚かされた。
 この場で現物を観賞出来る事が、改めて奇跡のように思えたのだ。 


 上記ネット情報にも記載されている通り、サンマルコ美術館は歴史的美術作品の宝庫だった。
 しかも数あるフィレンチェの美術館・博物館の中でも、サンマルコ美術館は観光客が少ないとの情報も得ていた。
 実にその通りで、午前中のフィレンチェ観光に於いて、静かにゆったりと美術品満載の元修道院にてひと時を過ごせた事に、これまたイタリア旅行の醍醐味を見た思いだ。


 (フィレンチェ「サンマルコ美術館」内に於いて私がヘボくも撮影した美術品に関しましては、左欄“フォトチャンネル”「イタリア旅行フィレンチェ編」にて公開しておりますので、ご興味がございましたらご覧下されば幸いです。 しかも、修道院の中庭等々が美しいのも必見です!)

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