(冒頭写真は、朝日新聞2021.09.21付夕刊トップ記事より転載したもの。)
本日のエッセイテーマも、朝日新聞記事をパクらせていただいた。
それでは、早速当該記事を要約引用して以下に紹介しよう。
次々と現れる新型コロナの変異ウィルス。当初「インド型」と呼ばれていたものが「デルタ株」のように、ギリシャ語のアルファベットが使われるようになった。 8月に世界保健機構(WHO)が新たに「ミュー株」を指定し、24個の半分が埋まった。背景にはどんな事情があり、アルファベットを使い切ったらどうなるのか。
WHOは変異株を名指しする際に、科学者が使う「B.1.1.7」などの呼称を用いてきたが。 一般の人にとっては難解で言いづらく、覚えにくい。 最初は、変異株が見つかった国や地域を使って「英国型」などと呼ばれることが一般的だった。 しかし、別の問題が生まれる。それは誤解や偏見だ。
日本感染症学会理事長は、「研究者の立場からは『どこで見つかったか』は、ウィルスの広がり方を推測するために非常に大事な情報」としたうえで。 「当局やメディアなど情報を発信する側も、呼び方に注意を払う必要がある」と話した。
9月2日現在、すでに12個のギリシャ文字が使われている。
これが24個の文字がすべて使われた場合、WHOは「ほかの名前のリストが検討される」としている。 その候補として“星座”を使うことを検討していると明かしている。 「おひつじ座」や「オリオン座」の名前が付いた変異種が生まれる日も近いかもしれない。
ウィルスや病名をどう呼ぶのかは、とてもデリケートな問題だ。
20世紀はじめに世界で猛威を振るった「スペインかぜ」はスペインが起源ではない、と考えられている。
日本脳炎は1871年に初めて患者が確認され、日本の研究者がその病態解明に大きく貢献した。 ただ、ウィルスそのものは東南アジア・南アジアに広く存在し、日本特有の感染症というわけではない。
WHOは2015年、新しい感染症に名前を付けるときのガイドラインを公表。 地名や人名などは「疾患名に含めてはならない」とした。 逆に、報告された年や病原体の名前を疾患名に使うことを推奨。 「アルファ」などもこれにあたる。
「ひとつのウィルスの変異株がこれほど話題になるなんて、当時は想定していなかった。呼び方には(国名など)意味を持たせた方が覚えやすい。『中立な名前がこのましい』というのが世界の共通認識で、今回の名称変更は、次のパンデミック(世界的大流行)が起きたときの参考にされるでしょう。」と前WHO関係者は語る。
(以上、朝日新聞夕刊記事より一部を引用したもの。)
原左都子の私事及び感想に入ろう。
元医学関係者として、十分に興味深い内容の記事だ。
私がこの記事を読んで一番に頭に思い浮かんだのは、「川崎病」だ。
あれを最初に耳にした際に勝手に想像したのは、神奈川県川崎市である。(京浜工業地帯に位置する川崎市では昔公害が多発していた記憶があるが、それに由来する疾患なのだろうか??)などと川崎市に失礼な誤解をしていたものだ。
これは全くそうではなく。
1967年に川崎富作博士が「小児の皮膚粘膜リンパ節症候群」として発表したものである。
上記記事内に記されている通り、現在ではWHOにより「地名や人名を疾患名にしてはならない」と規定されているとのこと、何だか一安心といったところだろうか。
実は我が娘の名も、母である私の大いなる思い入れにより「古代ギリシャ語」よりの命名である。
決して、「イータ」「シータ」「カッパ」「ラムダ」「ミュー」ではなく。
古代ギリシャ著名哲学者プラトン理論よりのカタカナ命名なのだが。
今となってはこの命名に対する賛同者が多くて、命名者冥利に尽きるのだが…
娘が公立小学校卒業までは、それはそれは苦労させられた…
「変な名前!」が娘の友達間で多発するし。 「どちらかの親御さんが外国人ですか?」これも聞き飽きたなあ…
まさに、何事も “たかが命名” なのではあるが。
新型コロナ変異ウィルスの命名がギリシャ文字からなされているとは。
(我が娘の名付け親の身としても)何とも“粋”な気すらする原左都子であります。