◎戦時学徒自戒五條(1942)
中等教育会編纂『夏季鍛錬日誌』(文信社、一九四二)の紹介をしている。本日は、同書の本扉に置かれている「戦時学徒自戒五条」、およびその次のページにある「休暇の心得」を紹介してみたい。
戦 時 学 徒 自 戒 五 條
一、学業研鑚ニ精励シ国家ノ負荷ニ応フベシ
二、質実剛健ノ風ヲ養ヒ気節ヲ尚ブ〈とうとぶ〉ベシ
三、規律節制ヲ重ンジ礼儀ヲ正シクスベシ
四、感謝奉公ノ念ヲ持シ進ンデ勤労ニ服スベシ
五、保健摂生ニ留意シ勉メテ身体ノ練磨ニ励ムベシ
右ノ條々常ニ陸海空ニ奮戦力闘スル将兵ヲ思ヒ率先躬行〈きゅうこう〉以テ之ヲ貫クベシ
休 暇 の 心 得
興亜の大業、大東亜新秩序の建設、大東亜共栄圏の確立等尊い輝かしい聖戦下の我等である。我等同胞の戦士はこの聖戦遂行の為に炎熱酷塞に堪へて命を的に戦ひぬいて居る。我等の父兄、母姉〈ボシ〉は銃後を守るに汗みどろに悪戦苦闘してゐる。
今や我〈ワガ〉政府は戦時下高度国防国家体制を整へるため、食糧増産を計画し、勤労奉仕作業を行ひつゝある秋〈トキ〉、全国青年学徒は進んで之に参加し、この挙を援護するは将来の日本を背負ふべき青年学徒諸子の義務なることを自覚すべきだ。
時 局 対 処 上
(一) 出征軍人の家庭訪問と其援護
(二) 戦歿遺家族訪問と其救援
(三) 戦歿者の墓参
(四) 慰問文、慰問品の発送
行 事 上
(一)人的資源の充実と体位の向上に資する為に
(イ) ラヂオ体操の参加
(ロ) 深呼吸の励行
(ハ) 冷水摩擦の実行
(二) 勤労奉仕の作業
(三) 心身鍛錬に資するため登山、海水浴及び見学旅行
〝十分の研究と周到なる用意の下に〟