◎「日本叢書」の近刊予告(1946年3月)
本日は、日本叢書の第五四冊、潁原退蔵著『明惠上人』(一九四六年三月)から、近刊予告のところを紹介したい。
この近刊予告は、同書のウラ表紙見返しにある。ウラ表紙見返しは、三段組になっていて、上二段が近刊予告、下一段が奥付になっている。ちなみに、ウラ表紙は「白」である。
近 刊
太郎冠者行状 野上豊一郎 (61)
仁斎日記抄 中村幸彦 (83)
科学の道 向坂逸郎 (66)
温故知新 大塚弥之助 (84)
日本の山 田部重治 (76)
便利主義と能率主義 宮城音五郎 (89)
戦災記 蒲原有明 (67)
日本歴史の新しい考へ方 佐野 学 (56)
妹への手紙 渡辺 慧
自然か人間か 大類 伸
憶良の悲劇 森本治吉 (82)
知慧について 河盛好蔵
北原白秋論 三好達治
クレマンソー 大佛次郎
義理の魂 守随健治
漱石と日露戦争 小宮豊隆
新文化と日本精神 木村亀二
科学とは 藤岡由夫
日本への遺言 阿部次郎
文字と国民 山本有三
日本の礼儀 岸田日出刀
瓜喰めば 高木市之助
天狗の話 高見 順
アメリカのハムレツト 中野好夫
島の地理物語 辻村太郎 (74)
王昌齢春怨詩釈 吉川幸次郎
大学の歴史 森戸辰男
科学のすゝめ 菅井準一
古瓦の話 梅原末治
海と空 宇田道隆
気象と日本民族 藤原咲平
研究の自由 瀧川幸辰 (生活社、1947)
志賀直哉 尾崎一雄
聖書の歴史 林 達夫
生活と気象 畠山久尚
骨董道に就て 谷 信一 (91)
古典逍遙 本郷 新
水清ければ 檜山義夫 (77)
近松の人間愛 重友 毅 (79)
姉おとうと 丹羽文雄 (55)
梅園から淡窓へ 長 寿吉 (64)
演劇芸術 太宰施門 (62)
日本の犬支那の犬 内山 亨
自由民権 平野義太郎 (65)
トーマス・ハツクスリー自伝 永野為武 (87)
西洋文化の三原理 山内得立 (60)
画室のひとりごと 中川紀元 (69)
平田篤胤 村岡典嗣 (59)
続万葉集より 佐佐木信綱
一つの詩 鈴木信太郎
音楽断想 諸井三郎
末尾に数字のあるのは、国立国会図書館のデータによって、発行されたことが確認できるものである。数字は、日本叢書の番号を示す(タイトルは、若干、変更されている場合がある)。
瀧川幸辰(たきかわ・ゆきとき)の『研究の自由』は、日本叢書ではなく、一般の図書として刊行されたもようである。