高校入試(前期選抜)の結果を前に、受験生たちは気もそぞろといった感じですが、もしものことを考えれば、そんなことも言ってはおれず、今日の土曜講座も叱咤激励しつつの授業進行でした。
なにかと評判の宜しくない前期選抜ですが、制度として現在これが採用されている限り、どうしようもありません。
出来る限り早い時機に「よりましな受験制度」に改めてもらいたいものだと強く思う次第です。
ところで、昨日ある高校生の塾生が、「先生はよく時間を区切ってこれをやりなさい、アレを覚えなさい、って言うよね。どうしてそうやって時間を区切るの?」と聞いてきました。
これには訳があります。
英国の歴史学者・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンの著作『パーキンソンの法則:進歩の追求』、およびその中で提唱された法則の一つに
「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
というものがあります。
つまり、人間は与えられた時間の全てを使ってしごとをしようと考えるものであって、その場合、いくら時間があってもそこで出来る仕事の量は一定になる。逆に言えば、短い時間しかなくても、その中でいくらでも中身の濃い仕事が出来る。
いわば、これを準用したものです。
そこで、私は生徒の接する時、そしてそこで勉強の指示を与える時は、なるべく短く時間を区切ってこれをやり終えるような方向付けをします。
それが効果的であることは、私自身の経験から明らかであって、こうして過ごす授業の時間は非常に密度の濃いものになりますし、ここで覚えたことはぎゅっと凝縮された形で脳に刻み込まれもするので、そんなに感嘆には忘れません。
子供たちは、私がそういう計算を基にしていることを知らないので、「どうして時間を区切るの?」という質問にもなるのでしょう。
勿論、全ての勉強にこのことが適用できるわけではありませんし、そんな風には考えてもいませんが、しかし、ある場面、ある局面では確かに効果的な方法ではあります。
まだそういうやり方を試みたことの無い方も、是非一度お試しになられたら如何かと思います。