学習塾を選ぶとき、そこにどういうポイントや基準を設けるかは、そこで何をしたいのか、
何を望んでおられるのかによって各自で違ってくると思います。
中には、ここで勉強することを主たる目的にするのではなく、「友達を作りたい」「親が
働いているので家で独りぼっちだから」などといった理由で来られる方もありあmすが、
それはそれで立派な目的です。
ただ、勉強に重きを置いてこられる場合、一旦その学習塾を選んでそこの入ったなら、一
定程度はそこのルールや方針を尊重して取り組むことがマナーに叶っているでしょうし、
学習の効果も上がっていくと思います。
もう何年も前のことですが、とある小学生の保護者の方が、3年生の男の子を連れてやって
きて、一通りの説明を受けられた数日後に正式に入会されました。
こちらとしては、正常な教室運営のために必要ないくつかの基本的なルールなどについて
口頭と文書でご説明し、それを納得された上で入会されたものとばかり思っていました。
しかし、そうではないことがすぐに分かりました。
その保護者の方は、入会した早速その日から、あろうことか教室全体の授業日程やその進行
について、あくまでご自分のお子さんの都合や要望だけをメインにした注文を付け始めまし
た。
個別指導塾ですから、基本的に学習指導に関しては極力個別対応をするのは当然ですが、教
室全体の運営については、ここに通ってこられる全ての生徒とそのご家庭の利益に叶うもの
でなくてはなりませんし、実際そういう考えで全てが進行しています。
そのあたりは常識の範囲のことでもありますが、このときは、他の生徒のことなどは一切お
構いなし、ひたすらご自分のお子さんの都合だけで塾の様々なルールを捻じ曲げて適用する
ことを要求されましたので、心苦しいながら、何度かの注意をし、それでも一向にそういう
やり方を改められなかったので、残念ですが退会して頂くこととしました。
可愛そうだったのは子供さんで、私たちとしては、勉強面でのことを殆どしてあげられなか
ったことが悔やまれます。
私たちは、最大限の努力をもってお子さんの学力向上を目指し、将来の進学受験での成功を
実現してまいります。生徒とそのご家庭は、それらについて様々なご要望をお出しいただく
ことができます。
しかし、そこには最低限のルール、つまり「全体の利益」もまたあって、それを無視して
かかることはできません。
なんだか、中学生の公民で教える日本国憲法の自由権と公共の福祉との関係みたいですね。