先日、「うまく行かない実例」について、過去の経験に即して書きました。その中に、忘れ物と遅刻が多い事を入れました。
これら二つは、いずれも「注意すればどうともなる」というものではなく、かなり強い意志を持って改善に臨まないと殆んどの場合成功しません。
その意味では、個人的にはこれらは単なる行動面のちょっとした問題などではなく、もっと深刻に捉えて然るべき病的なものが実際の行動として日常生活の場面で出現しているのだと捉えています。
以前、これらが強度に出現していたある中学生は、授業後にバスで帰宅するのに必要なパスカードがないないと叫びなから鞄の中身を机の上に総て出し、そこに見つかったカードをそのまま机の上に置き忘れてバス停に行き、乗車の際にまたこれがないないと言って結局バスに乗れず徒歩で帰って行きました。
彼は毎回教科書を家や学校に置き忘れて塾に来て、しつこくこちらが注意と叱責を加えると、3回目くらいにはこれを持ってくるのですが、今度は筆記用具を忘れました。たまに両方持ってくると、今度はノートを忘れました。 ノートの代わりに教室配備のルーズリーフを渡すと、こんどはそれをどこかに置き忘れてしまいました。
彼は忘れ物をしなかった事がほぼなく、そのため常に勉強を始めるに当たって何かが不足しており、常に片肺飛行をするような極めて問題の多い授業が繰り返されました。
これなど典型的な例であり、こういう問題を抱えた生徒は、おそらく塾のみならず学校でも同じような片肺飛行的時間を送っているのではないかと思います。
こういう子に勉強(の仕方)を教えるという時に、ですからまず必要なことは、その前段階として保護者の全面協力と指導による忘れ物と遅刻の根絶から取り掛かる必要が絶対にあります。
🙇♂️事実から解離しない範囲で少し細部を脚色しております。