かつて、塾の宿題を全くやらない子がいたことがあります。宿題をやることで、教えられた解法を定着させる効果がありますし、暗記などは授業の中で講師が付きっきりでやらせるものではけっしてなく、ひたすら自分でやることです。これも宿題です。
その子の場合、当人にあまりにもその意識(宿題完遂意識)がないので、実はある面談の時に保護者にこれを訴えました。すると保護者はこう言いました。
「うちの子は宿題をやらない前提で塾に通わせているんじゃないですか。これからだって宿題なんかやりません。その上でテストも成績も上げてくれないと」
講師たちとも何度も話し合いを重ねた結果、これ以上この子の指導は無理という結論に達したことを今でも悲しく思い出します。噂では、この子はその後どこか別の塾に行ったのですが、結局そこでも同じことを繰り返した結果、可哀想に、高校には行かなかった(行けなかった)そうです。残念です。