「人間飼い殺し・使い捨て」とも言うべき事態が、この日本で深く静かに進行している様な気がしてなりません。今日はとりあえず、登録型(スポット)派遣について、自分の周囲の例を挙げておきます。
まず、登録型派遣という働き方についての説明から。派遣でのバイトには、大別して常用型派遣(特定労働者派遣)と登録型派遣(一般労働者派遣)という二つの働き方があります。前者は、毎日いつも決まった派遣先で働くものを指します。それに対して後者は、派遣会社に名前を登録して不定期に仕事が回ってきた時だけ働くものを指します。これが別名「スポット派遣」とか「日払い派遣」と呼ばれる働き方(働かされ方)です。
私が現在勤務しているのは某スーパーの物流センターで、そこの業務請負会社でレギュラーのバイトとして働いているのですが、そこにも、私が雇われている業務請負会社の社員・バイトとは別に、先述の「スポット派遣」で回されてきたバイトが居ます。彼らスポット派遣のバイトは、忙しい日だけ私の職場に出勤してきます。その出勤シフトもまちまちで、週に数日忙しい日には必ず来て私達とほぼ同じ業務をこなす人たちも居れば、月に数回か甚だしきは数ヶ月に何回かだけ来て、当日だけ仕事をして帰る人も居ます。
当然、両者の間には仕事の習熟度に大きく差が出ます。何度も来ている人間はそれだけ仕事に慣れ、次第に会社からも重宝される様になります。それに引き換え、偶にしか来ない人間はいつまでたっても新人と変わらず、次第に職場でもお荷物扱いされる様になります。
勿論、その様になるのは、確かに個人の資質に因る所も大きいのです。そういう人は押しなべて他力本願で覇気がありません。こちらから仕事を教えてもなかなか自ら覚えようとせず、何度も同じ事を聞いて来ます。こちらとしても、そういう人には初歩的な作業しか任せられないので、そういう人はいつまで経っても仕事が覚えられません。謂わば悪循環です。
これは確かに当人の自己責任に因る所も大きいと思います。しかし話をよくよく聞いてみると、必ずしもそれだけが原因ではない事が、改めて分かってきました。スポット派遣の彼の場合も、「明日もこちらに出勤してくれ」と言われて来たのに、いざ当日業務終了後に派遣会社に電話を入れたら、急に明日からまた違う現場に行けと指示されたりするのです。何とその派遣会社は、会社の都合で勝手に派遣先を変更しておきながら、当人には電話一本も入れず、「明日の予定はそちらから聞いて来い」という態度なのです。
スポット派遣のバイトは、過去に私も何回かした事がありますが、何度も派遣会社に電話を入れなければなりません。まず出勤前日に「明日出勤します」コール。当日自宅を出る時に「これから出勤します」コール。待ち合わせの集合場所につくと、誰かが点呼をとって会社に「全員揃いました」コール。そして当日業務終了後は、自分の出勤カード(作業確認票)に派遣先担当者の認印かサインを貰って(それを派遣会社に提出しないと給料が出ない)会社に「業務終了」コールと、何度も派遣会社に電話を入れなければならないのです。その分の電話代も全て個人負担です。
私は今までその理由を、派遣会社が自社のバイトを信用していないからだと思っていました。実際、私のそれまでの経験からしても、派遣バイトの中には当日欠勤・無断欠勤者も少なくないのです。来て数日で急に連絡がつかなくなったバイトも何人も居ます。だから、「その当日欠勤・無断欠勤防止の為に何度も会社に電話を入れさせているのか」と、今までは思っていたのですが、実はそれだけでなく、「会社側が業務変更の連絡をサボる為に、個人に責任転嫁しているのもあるのではないか」、という気すらして来ました。
そんな形で、ある日はAの現場へ、またある日は全く違うBの現場へと、機械の部品みたいにコロコロ転送させられていたら、仕事にも愛着など湧かないし、湧かないから自ら覚えようともしない人間が出てくるのも、ある意味当然なのではないかと思います。勿論そうでない人も一杯居ます。そういう人はやがてスポット派遣から足を洗い、もっと割りの良いバイトにもありつけるでしょう。後に残るのは、それが出来ない「カス」ばかりとなり、そういう人はいつまで経ってもスポット派遣から足を洗えないのです。
ここで私が敢えて「カス」とキツイ言葉を使ったのは、そういう搾取の仕組みに気付いて自分から抜け出すなり抗うなりしなければ、誰も助けてはくれず、最後には自分で自分の首を絞める事にしかならない事に、当人自身が早く気付いて欲しいからです。権利とか法律と言うものは、自分たちが自らを守る武器として使いこなせなければ、所詮は絵に描いた餅でしかありません。それが分からない限り、いつまで経っても「ただのカス」として、資本家に好い様にこき使われた挙句に、最後には使い捨てられるだけです。
今日、私はその派遣バイトの彼に聞いてみました。「いつまでスポット派遣を続けるつもりか」と。そして、「今のままでは、自分も仕事やっていても全然面白く無いだろう」「今のままでは、いつまで経っても食っていけないし、仕事も覚えられないぞ」「いい加減、スポット派遣なんかではなく、社員でもバイトでも何でも良いから、もっと割りの良い仕事を探せ」と言う事も。グッドウィルの給与ピンハネ(データ装備費)の話もして、「安っぽいフリーペーパーに満載のスポット派遣求人など使わずに、それよりはまだ多少ともマトモな求人誌(アイデム・タウンワークなど)か、出来ればハローワークで仕事を探せ」「労基法の初歩的な内容ぐらい常識として知っておくべきだ」という事もアドバイスしておきました。しかし彼、ちょっとは考えていたみたいでしたが、果たしてどこまで私の言う事を理解してくれたやら。
(関連資料)
・登録型労働者と常用型労働者
http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/HelloWork/hakenntr.htm
・ネットカフェ⇔日払い工場使い捨て切符(ウーツー(CDレビューア))
http://ameblo.jp/uhtwogh/entry-10028299832.html
・「日雇い派遣」の全面禁止 民主、労派法改正案提出へ(朝日新聞)
http://www.asahi.com/job/news/TKY200802140336.html
・2/8 派遣法改正し"労働者保護法"に 志位委員長が質問/衆院予算委員会(全編)(YouTube)
http://jp.youtube.com/watch?v=6I_NTfz3RNs
・連合:「日雇い派遣禁止」の運動方針決める(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/today/news/20080125k0000m040161000c.html
・グッドウィルのデータ装備費 @ まとめウィキ
http://www34.atwiki.jp/gw-200/pages/1.html
まず、登録型派遣という働き方についての説明から。派遣でのバイトには、大別して常用型派遣(特定労働者派遣)と登録型派遣(一般労働者派遣)という二つの働き方があります。前者は、毎日いつも決まった派遣先で働くものを指します。それに対して後者は、派遣会社に名前を登録して不定期に仕事が回ってきた時だけ働くものを指します。これが別名「スポット派遣」とか「日払い派遣」と呼ばれる働き方(働かされ方)です。
私が現在勤務しているのは某スーパーの物流センターで、そこの業務請負会社でレギュラーのバイトとして働いているのですが、そこにも、私が雇われている業務請負会社の社員・バイトとは別に、先述の「スポット派遣」で回されてきたバイトが居ます。彼らスポット派遣のバイトは、忙しい日だけ私の職場に出勤してきます。その出勤シフトもまちまちで、週に数日忙しい日には必ず来て私達とほぼ同じ業務をこなす人たちも居れば、月に数回か甚だしきは数ヶ月に何回かだけ来て、当日だけ仕事をして帰る人も居ます。
当然、両者の間には仕事の習熟度に大きく差が出ます。何度も来ている人間はそれだけ仕事に慣れ、次第に会社からも重宝される様になります。それに引き換え、偶にしか来ない人間はいつまでたっても新人と変わらず、次第に職場でもお荷物扱いされる様になります。
勿論、その様になるのは、確かに個人の資質に因る所も大きいのです。そういう人は押しなべて他力本願で覇気がありません。こちらから仕事を教えてもなかなか自ら覚えようとせず、何度も同じ事を聞いて来ます。こちらとしても、そういう人には初歩的な作業しか任せられないので、そういう人はいつまで経っても仕事が覚えられません。謂わば悪循環です。
これは確かに当人の自己責任に因る所も大きいと思います。しかし話をよくよく聞いてみると、必ずしもそれだけが原因ではない事が、改めて分かってきました。スポット派遣の彼の場合も、「明日もこちらに出勤してくれ」と言われて来たのに、いざ当日業務終了後に派遣会社に電話を入れたら、急に明日からまた違う現場に行けと指示されたりするのです。何とその派遣会社は、会社の都合で勝手に派遣先を変更しておきながら、当人には電話一本も入れず、「明日の予定はそちらから聞いて来い」という態度なのです。
スポット派遣のバイトは、過去に私も何回かした事がありますが、何度も派遣会社に電話を入れなければなりません。まず出勤前日に「明日出勤します」コール。当日自宅を出る時に「これから出勤します」コール。待ち合わせの集合場所につくと、誰かが点呼をとって会社に「全員揃いました」コール。そして当日業務終了後は、自分の出勤カード(作業確認票)に派遣先担当者の認印かサインを貰って(それを派遣会社に提出しないと給料が出ない)会社に「業務終了」コールと、何度も派遣会社に電話を入れなければならないのです。その分の電話代も全て個人負担です。
私は今までその理由を、派遣会社が自社のバイトを信用していないからだと思っていました。実際、私のそれまでの経験からしても、派遣バイトの中には当日欠勤・無断欠勤者も少なくないのです。来て数日で急に連絡がつかなくなったバイトも何人も居ます。だから、「その当日欠勤・無断欠勤防止の為に何度も会社に電話を入れさせているのか」と、今までは思っていたのですが、実はそれだけでなく、「会社側が業務変更の連絡をサボる為に、個人に責任転嫁しているのもあるのではないか」、という気すらして来ました。
そんな形で、ある日はAの現場へ、またある日は全く違うBの現場へと、機械の部品みたいにコロコロ転送させられていたら、仕事にも愛着など湧かないし、湧かないから自ら覚えようともしない人間が出てくるのも、ある意味当然なのではないかと思います。勿論そうでない人も一杯居ます。そういう人はやがてスポット派遣から足を洗い、もっと割りの良いバイトにもありつけるでしょう。後に残るのは、それが出来ない「カス」ばかりとなり、そういう人はいつまで経ってもスポット派遣から足を洗えないのです。
ここで私が敢えて「カス」とキツイ言葉を使ったのは、そういう搾取の仕組みに気付いて自分から抜け出すなり抗うなりしなければ、誰も助けてはくれず、最後には自分で自分の首を絞める事にしかならない事に、当人自身が早く気付いて欲しいからです。権利とか法律と言うものは、自分たちが自らを守る武器として使いこなせなければ、所詮は絵に描いた餅でしかありません。それが分からない限り、いつまで経っても「ただのカス」として、資本家に好い様にこき使われた挙句に、最後には使い捨てられるだけです。
今日、私はその派遣バイトの彼に聞いてみました。「いつまでスポット派遣を続けるつもりか」と。そして、「今のままでは、自分も仕事やっていても全然面白く無いだろう」「今のままでは、いつまで経っても食っていけないし、仕事も覚えられないぞ」「いい加減、スポット派遣なんかではなく、社員でもバイトでも何でも良いから、もっと割りの良い仕事を探せ」と言う事も。グッドウィルの給与ピンハネ(データ装備費)の話もして、「安っぽいフリーペーパーに満載のスポット派遣求人など使わずに、それよりはまだ多少ともマトモな求人誌(アイデム・タウンワークなど)か、出来ればハローワークで仕事を探せ」「労基法の初歩的な内容ぐらい常識として知っておくべきだ」という事もアドバイスしておきました。しかし彼、ちょっとは考えていたみたいでしたが、果たしてどこまで私の言う事を理解してくれたやら。
(関連資料)
・登録型労働者と常用型労働者
http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/HelloWork/hakenntr.htm
・ネットカフェ⇔日払い工場使い捨て切符(ウーツー(CDレビューア))
http://ameblo.jp/uhtwogh/entry-10028299832.html
・「日雇い派遣」の全面禁止 民主、労派法改正案提出へ(朝日新聞)
http://www.asahi.com/job/news/TKY200802140336.html
・2/8 派遣法改正し"労働者保護法"に 志位委員長が質問/衆院予算委員会(全編)(YouTube)
http://jp.youtube.com/watch?v=6I_NTfz3RNs
・連合:「日雇い派遣禁止」の運動方針決める(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/today/news/20080125k0000m040161000c.html
・グッドウィルのデータ装備費 @ まとめウィキ
http://www34.atwiki.jp/gw-200/pages/1.html