アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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8月30日の空前のデモをマスコミはどう伝えたか

2015年09月02日 22時48分21秒 | 戦争法ではなく平和保障法を



 上記写真は8月30日の戦争法案反対一斉抗議行動の様子を伝える翌日31日の新聞記事。
 朝日(左上)と毎日(右上)は、一面左半分に国会前の写真入りで掲載し、社会面でも参加者の声や全国の取り組み、海外メディアでも大きく取り上げられた事を紹介している。それに対し、読売(左下)と産経(右下)は、一面には一切載せず、社会面でベタ記事扱い。取り上げ方も、12万人の反対デモと500人の賛成デモを同列に報じたり(読売)、デモの主張をまともに取り上げず、反対運動を暗に一部政党による扇動呼ばわりするだけ(産経)の悪質な偏向記事だった。

安保法案反対、全国で一斉抗議 国会前でも廃案訴え
朝日新聞デジタル 8月30日(日)19時59分配信

国会前で安保関連法案反対を訴える人たち=30日午後2時7分、東京都千代田区、本社ヘリから、岩下毅撮影

 参院で審議中の安全保障関連法案に反対する市民による抗議行動が30日、東京・永田町の国会議事堂前や周辺を埋めた。主催者発表によると、参加者は12万人で、安保法案をめぐる抗議行動では最大。参加者が歩道からあふれて、警察側が車道を開放した。市民らは国会議事堂を真正面に見据えた車道に帯のように広がり、雨の中、「戦争法案廃案」「安倍政権退陣」と叫び続けた。

【動画】国会前、名古屋、広島、那覇…広がるデモの波

 国会だけでなく、霞が関や日比谷周辺まで、プラカードやのぼりを持った人たちであふれた。警察関係者によると、国会周辺だけで参加者は約3万3千人。

 主催したのは、平和運動を続けてきた市民らでつくる「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」。5月に立ち上がった都内の大学生らがつくる「SEALDs(シールズ)」のほか、大学教授や研究者らの「学者の会」、子育て世代の「安保関連法案に反対するママの会」など、この夏に次々と出来た団体が加わり、ともに声を上げた。各地から大型バスを仕立てて参加した人たちもいた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150830-00000033-asahi-pol

<安保法案>反対の波 全国300カ所でデモ
毎日新聞 8月30日(日)21時52分配信

安保関連法案に反対する集会で、国会正門前の道路を埋め尽くす大勢の人たち=東京都千代田区で2015年8月30日午後2時8分、本社ヘリから森田剛史撮影

 参院で審議中の安全保障関連法案に反対する市民らの抗議集会が30日、東京・永田町の国会議事堂前であった。雨の中、学生や子供連れの親、戦争を体験した高齢者などさまざまな世代や立場の人々が正午過ぎから国会一帯を埋め尽くし、法案を廃案にすべきだと訴えた。参加者は警察当局によると3万人、主催者発表では12万人で、同法案に対する抗議活動としては最大規模とみられる。

【人、人、人…】国会議事堂周辺の様子をパノラマ写真で

 市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」主催の「国会10万人・全国100万人大行動」の一環。同団体の呼び掛けで29、30両日、抗議の集会やデモが全国47都道府県の計300カ所以上で開かれた。

 国会前で午後2時に始まった集会には野党4党のトップも駆けつけ、成立阻止に意欲を見せた。民主の岡田克也代表は「参議院での議論で法案の問題点がますます明らかになった。こんな憲法違反の法案を通すわけにはいかない。これから3週間、さらに力を貸してほしい」と呼びかけた。

 生活の小沢一郎共同代表は「今までこういう集会に顔を出したことはほとんどない。今回は何としても、いいかげんでバカげた、そして危険な法律案を阻止するためにみんなで力を合わせないといけない」と声を張り上げた。共産の志位和夫委員長は「ここまでボロボロになった『戦争法案』は廃案にするしかない」、社民の吉田忠智党首は「政党の立場を超え廃案に全力を挙げる」と訴えた。

 また、壇上でマイクを握った音楽家の坂本龍一さんは「憲法の精神、9条の精神がここまで根付いていることをみなさんが示し、勇気づけられている。憲法や民主主義を取り戻すための大事な時期で、僕も一緒に行動していく」と語った。学生団体「シールズ」のメンバーで明治学院大4年の奥田愛基さんは「憲法を守った方がいいって、変なことですかね。おかしな主張ですかね。利己的ですかね」と訴えた。

 政府・与党は来月11日までに法案を参院で採決し、数の力で成立させることを目指してきた。だが、審議は中断続きで採決は困難との見方も広がり、与野党の水面下での攻防は激化している。【樋岡徹也】

 ◇大阪でも「戦争アカン!」

 大阪市北区の扇町公園であった集会にも約2万5000人(主催者発表)が集まった。集会の呼びかけ人となった大学教授らが安保法案の廃案を求めるスピーチをした後、参加者らは「戦争アカン!」と書かれたプラカードを掲げ、市内を三つのコースに分かれてデモ行進した。大阪府箕面市の大学教員の女性(56)は「米国に追随して戦争ができる態勢をつくる法案。近隣諸国との亀裂を生むような政権の動きに危機感を覚える」と話した。【遠藤孝康】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150830-00000061-mai-soci

安保反対デモ「大きな誤解が一因」…菅長官
2015年08月31日 19時14分 読売新聞

 菅官房長官は31日の記者会見で、30日に国会周辺であった安全保障関連法案に反対するデモについて「法案は『戦争法案』『徴兵制の復活』などと宣伝され、大きな誤解が生じている」と述べ、国会審議を通じて法案への理解を求めていく考えを示した。

 主催者がデモの参加者を12万人と発表する一方、警察関係者が3万3000人としたことについては「だいぶ開きがある」と指摘した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150831-OYT1T50073.html

安保法案反対デモ、本当の参加者数を本社が試算
2015.8.31 21:15 産経新聞

安保法案に反対する集会で、国会正門前を埋め尽くす人たち。警察車両に機動隊員が15名並んでいることからその正方形(矢印部分)を約225人と試算。白枠の正方形はその16倍となり約3600人。白枠で囲った部分全てが埋め尽くされても、国会前に集まった集会参加者は約3万2千4百人となった=30日午後(共同通信社ヘリから)

 参院で審議中の安全保障関連法案に反対する市民団体が8月30日に開いた集会への参加者数が、国会正門前は多くても3万2千人程度だったことが産経新聞の試算で分かった。国会周辺にも参加者がいたとはいえ、主催者の「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」が発表した12万人にはほど遠い。警察当局は約3万3千人と発表している。

 試算は上空から撮影した正門前で警備にあたっていた警察車両の前に機動隊員が15人並んでいたことを基準とした。そこに面した正方形部分(矢印)の人数を約225人と計算。白枠の正方形はその16倍で約3600人とした。9つの白枠全てが参加者で埋まっても国会前は約3万2400人となった。菅義偉(すがよしひで)官房長官は31日の記者会見で、主催者と警察当局の参加者数の違いについて「通常よりも、はるかに開きがある感じだ」と述べた。

http://www.sankei.com/politics/news/150831/plt1508310051-n1.html

 以上、8月30日の国会前や全国規模の戦争法案反対抗議行動をマスコミがどのように報じたか、翌31日の主要四紙の朝刊に限って見てみました。その結果は、やはり朝日・毎日系と読売・産経系で大きく別れました。前者が、多少なりとも反対運動の動きをそれなりに詳しく伝えたのに引き換え、後者の記事は、もう完全に政府と一緒になって反対運動を押さえつける立場で書かれたものばかりでした。「戦争法案」「徴兵制復活」への懸念を「大きな誤解」と切って捨てる官房長官談話をそのまま無批判に垂れ流したり、警察発表のデモ参加者数をそのまま鵜呑みにして主催者発表数を「水増し」とレッテル貼りするだけで、「なぜこのようなデモが起こったのか?」という本質的な問題には一切触れないものばかりで。

 その中でも、最後の産経記事なぞは特に悪質なものです。国会前の空撮写真にマス目を引いて、その中の一マスの人数225人にマス目の数を掛けて「12万人もいないじゃないか」と書いたのです。しかし、大きなデモになればなるほど、人の入れ替わりも激しくなります。集会開始の定刻に間に合わずに遅れてやって来る人や、会場に入りきれずにその周辺にたむろする人も一杯出てきます。実際に、周辺の地下鉄駅では、警察の過剰警備によって、駅の出入り口を塞がれ会場にたどり着けない人が続出しました。それに、集会やデモが行われたのは国会前だけではありません。近くの霞ヶ関の官庁街でも大規模なデモが、国会前のデモと連携して取り組まれました。大きなデモになれば別会場も当然用意されます。そんな事は、今まで一度でもデモに参加した事のある人間なら誰でも知っている事ですが、保守系の産経読者には、その辺の事情にうとい人が少なくない事も知った上で、産経はこのような印象操作まがいの記事を平気で載せるのです。

 それで、もし百歩譲って産経の言うように、デモ参加者が実際は12万人ではなく3万人だったとしても、大阪・枚方の一市長選挙での維新候補の勝利と、戦争法案反対という今一番問題になっている国政レベルの主張を掲げた国会包囲デモの、一体どちらが朝刊一面に載せるべき記事なのか。たとえ自民党寄りのメディアであっても、今後の政治に与える影響力という点を考慮すれば、後者の方がはるかに重要だと判断するのが普通でしょう。それを、全国規模のデモのニュースは三面記事扱いで、地方の一市長選挙での勝利を維新候補だという理由だけで一面に載せるとは、どう考えても公平ではありません。産経は、二言目には「朝日や毎日は偏向している」と言いますが、むしろ偏っているのは自分たちの方ではないですか。

 しかし、では朝日や毎日は、読売や産経とは違って公平かと言えば、そんな事は一切ありません。戦争や平和の問題では「反政府」的な記事を書く事も多い朝日や毎日も、経済問題に目を移せば、消費税増税やTPP(環太平洋経済連携協定)推進では政府や読売・産経と瓜二つなのですから、はっきり言って「どっちもどっち、同じ穴のムジナ」にしか過ぎません。安倍首相が、重要法案の採決前に、マスコミ各社の幹部を呼んで会食しているのは、もはや公然の秘密ですが、そこに呼ばれるのは読売や産経だけでなく、朝日や毎日の幹部も同じように参加しています。

安倍首相が高級寿司店で大手新聞、テレビ局の幹部たちと“祝勝会“!?(リテラ)

(前略)選挙から2日後の12月16日、夜7時頃のことだ。西新橋にある寿司店の個室にご機嫌な様子の安倍首相の姿があった。周りを囲むのは自民党重鎮や側近ではない。時事通信の田崎史郎解説委員、朝日新聞の曽我豪編集委員、毎日新聞の山田孝男特別編集委員、読売新聞の小田尚論説主幹、日本経済新聞の石川一郎常務、NHKの島田敏男解説委員、日本テレビの粕谷賢之解説委員長といった、新聞紙面やニュース番組で名前や顔を見かける面々……。そう、この日、日本を代表する大手マスコミの政治報道のエキスパートたちが安倍首相に“ご招待”を受けていたのである。(後略、以上引用)

http://news.livedoor.com/article/detail/9611401/

 上記は昨年末の総選挙直後に書かれた記事ですが、基本的な事情は今も同じです。朝日や毎日が、読売や産経ほど「政府べったり」ではないのは、ある程度違う事も書かないと、今までの記事に慣れ親しんだ読者が離れていってしまうし、どの新聞も全く同じでは面白味がなくなるからです。いわば、たったそれだけの理由です。だから、いくら今は比較的「政府に批判的」であっても、百田尚樹のような政府の息のかかった民間人を使って少し脅せば、すぐに「政府べったり」の方に寝返ってしまいます。
 NHKがその良い例です。かつては、「クローズアップ現代」で格差社会や「派遣切り」の問題に鋭く切り込んだ番組を放送した事もあるNHKも、従軍慰安婦報道で「反日的」だとネトウヨ(ネット右翼)や当時の安倍首相(第一次内閣)から叩かれ、政権の息のかかった会長や経営委員に運営を牛耳られるようになった途端に、腑抜けみたいな番組ばかりになってしまい、今や産経みたいに、中国のデモのニュースは報じても肝心の日本国内のデモのニュースは一切報じないような「御用メディア」に成り下がってしまいました。その結果、下記のニュースにもあるように、全国各地で視聴拒否や受信料不払いの抗議運動まで起こされるようになってしまいました。

「政権の広報やめろ」 NHK囲み、市民団体が抗議行動(朝日新聞)

(前略) 安全保障関連法案についてのNHKの報道が政権側に偏っていると考える市民らが25日、東京・渋谷のNHK放送センターを囲む抗議行動をした。元放送局員や有識者などでつくる市民団体のメンバーらが実行委員会をつくり、チラシやインターネットで参加を呼びかけた。約1千人が参加したという。
 参加者は、センターや帰っていく職員に向かって、「政権の広報はやめろ」「NHKは自主自立を取り戻せ」「市民の行動を伝えろ」などと訴えた。実行委のメンバーで「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」共同代表の醍醐聰・東大名誉教授は「反響は大きく、NHKに対する不満や批判が広がっていることを実感した」と語る。
 埼玉県日高市の50代の女性会社員は安保関連法案にからむ国会審議の一部が中継されなかったことに違和感を持ち参加した。「NHKは70年前の戦争の特番はたくさん放送したのに、これからの平和を議論する番組が少ない」と話した。(後略、以上引用)

http://www.asahi.com/articles/ASH8T6GFHH8TUCVL02X.html

 日本は、今やそんなどうしようもない「大本営発表」の「翼賛報道」ばかりになってしまいましたが、しかし、望みがない訳ではありません。いかに「御用メディア」と言えども、「売れなければ商売にはならない」のです。今後の市民運動の広がりによって、安倍政権のデタラメさや危険性が更に明るみになり、デタラメさや危険性について「もっと知りたい」「マスコミはそういうニュースについても、もっとちゃんと報道しろ」という声が大きくなれば、マスコミもそういう声を無視する訳にはいかなくなります。
 今まで「政府べったり」だった週刊文春が、ここに来て急に右翼議員・武藤貴也のスキャンダルを叩き始めたのも、武藤の「戦争反対は利己主義」発言と武藤自身の未公開株詐欺・買春疑惑の「私利私欲」との間の、余りにも「言っている事とやっている事が違う」デタラメぶりを前にして、「今更、他のメディアのように安倍ヨイショに走っても、もうこれ以上販売部数は伸びない。むしろ、今までとは逆の記事も書いた方が売れる」という、週刊文春なりの「打算」もあったかも知れません。
 「安倍政権のデタラメさや危険性について、もっと知りたい」「マスコミはそういうニュースについても、もっとちゃんと報道しろ」という声をどれだけ広げる事が出来るか。その結果によっては、今まで「御用メディア」とバカにしていた新聞、テレビや週刊誌も、ある程度、権力監視というジャーナリズム本来の立場に立ち返らせる事が出来るようになるかも知れません。

 これ以上、安倍政権の無法をのさばらせる訳には行きません。その為には、我々に出来る事は何でもやならければなりません。メディアの偏向についても、いたずらに嘆いてばかりいるのではなく、それを是正する為には、やれる事は何でもやらなければならないと思います。
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