
セブンイレブンの勤務時間端数切り捨て・賃金不払い問題を報じる3/29日付「しんぶん赤旗」紙面
セブンイレブンの勤務時間端数切り捨て・賃金不払い問題が遂に国会の場に!(3月28日、参院予算委員会)
「勤務時間の切り捨ては違法だ」(共産・辰巳議員)
「労働時間は分単位で把握する必要がある。切り捨てる事は原則、労働基準法違反だ」(塩崎厚労相)
たとえ1日15分でも年間では10万円以上ものタダ働きに!
セブンイレブンの事件はほんの氷山の一角でしかない。
勤務時間・給与切り捨てによるタダ働きは他にも一杯ある。
現にうちの会社もそうじゃないか!
うちの会社も法律通り1分単位で賃金を払え!
このブログでも既に紹介したコンビニ業界の勤務時間端数切り捨てによる賃金不払い問題が、ついに国会でも取り上げられる事になりました。まずは、その国会質疑の様子を詳しく報じた3月29日付「しんぶん赤旗」記事の全文を改めて紹介します。上記写真左上の記事です。
セブンイレブンの勤務時間切り捨て 政府は実態調べて指導を 参院予算委 辰巳議員の追及
日本共産党の辰巳孝太郎議員は28日の参院予算委員会で、コンビ二業界最大手のセブンイレブン本社が、独自の勤務管理システム「ストアコンピュータ(SC)」を用いて、労働者の勤務時間を違法に切り捨てている実態を告発しました。
辰巳氏は、コンビニで働くアルバイト学生が、ひどい場合には1時間も勤務時間を過小に計算され、正当な賃金をカットされている実態があると指摘。労働基準法24条が「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定めていることを示し、勤務時間や残業時間の切り捨ては違法だとただしました。
塩崎恭久厚労相は「(正当な賃金が支払われるため)労働時間を正確に把握するのは使用者の責務だ」「労働時間は分単位で把握する必要がある。切り捨てることは原則、労働基準法違反だ」と答弁しました。
そのうえで辰巳氏は、ブラックバイトの具体的例としてセブンイレブン本社のSC問題を追及しました。
SCは、出勤した際にバーコードをコンピュータにかざすと「出勤スキャン時刻」として1分単位の正確な時刻が表示されるのに、15分未満を繰り上げた「始業時刻」が自動的に記録されるものです。逆に「終業時刻」は15分未満が切り捨てられます。
辰巳氏が「違法行為を可能にするシステムを作成することそのものが問題だ」とただしました。安倍晋三首相は「若者の使い捨ては許されない。アルバイトで働く学生も労働者である以上、適正な労働条件が確保されなければならない。違法行為が発生していることは極めて重大な問題だ」と答弁しました。
辰巳氏は、時給900円の労働者が月20日(年間240日)働いた場合、始業と終業で最大14分ずつ繰り上げ、切り捨てられれば、年間10万800円もの賃金が正当に支払われない、「まさに賃金泥棒だ」と批判しました。
塩崎厚労相は「指揮命令下におかれた時間の切り捨てや、賃金や割増賃金の不払いが生じている場合は労働基準法違反になる。こういう事例であれば指導しなければならない」と答弁しました。
辰巳氏は、セブンイレブン本社の「従業員労務管理の手引き」が、「効率的な業務を実現するため、就労は15分単位を基本」としていることを告発。
「問題は本社が堂々と違法行為を『基本』に位置づけていることだ。店舗オーナーは家族経営も多く、高すぎるロイヤリティーに苦しんでいる人も多い。空前の利益が店舗オーナーやアルバイト、労働者の犠牲の上にあるのは問題だ」と批判しました。「こういった実態は、産業界に広くまん延している可能性がある」として、辰巳氏は「実態を調べて、再発防止を徹底するべきだ」と求めました。(以上引用)
この勤務時間の端数切り捨てによる賃金不払い・サービス残業の問題については、私自身の自戒・反省も込めて書いています。
今でこそ偉そうに「賃金泥棒を許すな!」なんて書いていますが、若かりし頃の私は、そんな事にはトンと無頓着でした。私は、大学卒業後の1年間のブランクを経て、自分の意志で地元の地域生協に就職し、そこで正規職員として(会社で言えば正社員)約20年間働いた後、非正規雇用に転じ、今の会社の契約社員になってもう10年になります。
その中で、まず生協時代に最初の「仕事観」が養われました。今でもそうですが、生活協同組合においては、仕事と運動の切り分けが難しいのです。職場では商品の発注・仕分け・配達・販売促進や組合員の勧誘にいそしみながら、業務外でも消費税増税反対運動や平和運動に力を入れてきました。前者の活動は純然たる業務なので給与が支払われますが、後者はあくまでも市民運動としての取り組みなので給与は支払われません。でも、後者の活動も「組合員の暮らしと平和を守る」という生協運動の立場からすれば、決してないがしろには出来ません。
そんな職場風土の中で仕事をしていると、どうしても業務と業務外の切り分けがあいまいになって来ます。「後者はボランティアだからやらなくて良い」と割り切る事が出来ないのです。その一方で、「組合員の暮らしと平和を守る」のが建前の生協組織も、「より良い物をより安く」売ろうとすればするほど、採算を無視する訳には行かなくなります。勢い、生協が大きくなればなるほど大スーパーと変わらなくなる。出世欲にかられた幹部が、業務と業務外の切り分けがあいまいな職員をうまく利用して、実際は利益至上主義の運営に走りながら、自分の都合の良い時だけ「これは運動だから、ボランティアだから」と職員を脅しつけるようにもなる。表向き民主的と言われている生協の内部で、旧日本軍と同様のパワハラ・セクハラ体質がはびこっているという話をよく聞くのもその為です。
私もその中で、業務と業務外のケジメをあいまいにしたまま、最初は生きがいを感じてやっていた仕事も、小泉構造改革で企業が正社員のリストラを大規模に進める中で、生協も同様にリストラで職員に襲いかかって来た時に、次第に「生きがい」だけでは済まなくなってきました。物流センターで冷蔵・冷凍の二人の担当で倉庫を回していたのが、冷蔵は外注に回して、私が冷凍の商品管理を担いながら、外注業者に冷蔵商品管理の指導もしなければならなくなりました。アルバイトの募集も追いつかず、酷い時は私一人で早朝から深夜までぶっ通しで働かなければならなくなりました。残業や休日出勤も全てサービス残業で!「このままでは生協に殺される!」と思い、半ば逃げ出すように生協を退職しました。
そういう苦い教訓を経て、「『生きがい』とか言う言葉に踊らされないようにしよう、少なくとも業務と業務外の切り分け、ケジメははっきりさせよう」と考えるようになったのです。もちろん、仕事も楽しくないより楽しい方が良いに決まっています。そういう意味では「生きがい」も必要ですが、少なくとも、そんな事の為に命まで落とす事はあってはならない。だから、労働者の無知や諦めにつけ込み、労働者を搾取する「賃金泥棒」を私は絶対に許せないのです。