アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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辺野古の太陽に日本の希望を見た

2016年03月21日 09時13分38秒 | 沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな


 昨日、仕事が終わってから、大阪・天満橋の「エルおおさか」で行われた山城博治(やましろ・ひろじ)さんの講演を聞いて来ました。
 山城博治さんというのは、沖縄平和運動センターの議長で、2014年7月以来、ずっと沖縄・辺野古のゲート前で、普天間移設(実際は新たな米軍基地建設)反対の座り込みを続けて来られた方です。ある意味、辺野古新基地建設反対運動の象徴とも言える人物です。
 私も、何度かこのブログで辺野古問題を取り上げて来て、山城さんの事も名前だけは知っていましたが、実際にご本人からお話を伺うのは初めてです。そこで、このたび大阪にも講演に来られると聞き、一度お話を聞いてみようと思い、参加してみる事にしました。
 仕事帰りなので、開演直前の18時前に、ようやく会場のエルおおさか6階大会議室に着きました。そんなに広い会場ではありませんでしたが、もう満員の大盛況で、座れない方が後ろの方に大勢立っておられました。どの方も、山城さんを一目見ようと駆けつけて来た人たちばかりです。まだ春先だと言うのに、急きょエアコンを入れなければならないほど、ものすごい熱気が室内にあふれていました。世間は三連休なので、果たして人が集まるか不安でしたが、どうやら、それは杞憂に終わったようです。私も、ようやく補助椅子に座る事が出来ました。
 それで、主催者のZENKO(全交:平和と民主主義をめざす全国交歓会)関係者のあいさつの後、山城さんの講演が始まったのですが、ものすごい迫力の語り口に、思わず圧倒されてしまいました。今まで、講演や演説を何度も聞いて来ましたが、これほど情熱的なしゃべり方をする人はいませんでした。以下、会場でメモした山城さんの辺野古現地報告を、そのままここに抜粋しておきます。

●今まで24名が辺野古ゲート前の座り込みで逮捕された。いずれも嫌疑不十分で、翌日には釈放された人たちばかりだ。片っ端から逮捕されるので、逮捕される側も免疫が付いてしまい、逮捕を恐れなくなってしまった。
 その中で、北海道から参加された77歳の老人が逮捕・起訴された。機動隊が座り込みメンバーの強制排除に乗り出す中で、押し合いへし合いになった所で、機動隊員の足を蹴ったというのが逮捕理由だ。しかし、こんな団子状態の中で、写真など撮れるはずがない。言いがかりによる見せしめ逮捕なのは明白だ。その時に、統一連の事務局長や私(山城)も一緒に逮捕されてしまった。機動隊による婦女暴行事件も起こっている。明日早朝の航空便で沖縄にとんぼ返りし、14時から緊急に現地で抗議集会を開く事になった。

●沖縄県警では役に立たないと、東京から警視庁直属の機動隊が前面に出て弾圧に乗り出している。この機動隊がまた性悪で、国民の税金で一泊数万円もするリゾートホテルを貸し切り、座り込みの人たちを「豚」呼ばわりし、県民の怒りを買っている。
 座り込みの人たちに対する嫌がらせも酷い。街宣車で立ち退きの警告を大音量で流し、エンジンかけたまま排ガスを直接頭上に降り注ぐ。一歩間違えれば座り込みメンバーの人命にもかかわる危険がある。

●でも、座り込みメンバーも負けてはいない。沖縄戦で、死体が浮かぶ血だらけの水をすすって生き延びてきた中で、辺野古の新基地建設に反対している。これしきの弾圧に負けて堪るか。早速、排ガス検知器を手配した。排ガスの検知データを証拠として裁判に提出する。今更エンジン切っても遅いわ。機動隊の挑発には乗るな。囲まれても、モグラ叩きの要領で、一旦後ろに下がって、また別の場所に座り込めば良いだけだ。
 現地では、毎週水・木曜日を中心に、600日以上にも渡るゲート前の座り込みが続いている。機動隊が強制排除で座り込み者をごぼう抜きしても、カンパを募って全国各地から集めた小型ブロックやトンブロックを積み上げ、工事車両の出入りを封じ込めている。機動隊は「コンクリート・ブロックのごぼう抜き」に追われ、名護警察署の中庭には、ごぼう抜きされたブロックが山積みになっているw。

●今回、国が裁判所の和解勧告を受け入れ、工事中止の命令を下さざるを得なくなったのは、これまでの我々の運動の成果だが、仕切り直しで、国が本訴で勝てば、逆に翁長知事が判決に従わなくてはならなくなる。国はそれを狙っている。
 しかし、それ以外にも多くの裁判に勝たなければ、国は工事を着工する事はできない。今、行われている工事は、「本体工事」とは名ばかりの準備工事にしか過ぎない。辺野古近海の大浦湾沿岸は、昔から琉球王国による交易で栄え、当時の遺跡が散在する。その遺跡調査が終わらなければ、工事に取りかかる事はできない。また、海面埋め立てには大量の土砂が必要だが、近くには水源地の辺野古ダムがあり、むやみに土砂採取はできない。水源地から流れ出て辺野古の海に注ぐ美謝川の流路も直角に曲げなければならず、洪水の危険があるので、辺野古移設受け入れに転じた前知事の仲井真ですら、この流路変更工事は承認する事ができなかった。(下図参照)



●こういう無茶苦茶な工事なので、世界的にも批判が高まっている。工事は予定より既に2年以上も遅れている。ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムスが批判特集を組み、米議会のマケイン上院軍事委員長も、辺野古移設工事の見直しに言及せざるを得なくなっている。菅官房長官が早速、このマケイン発言にかみついたが、同じような懸念はハリス米太平洋軍司令官も抱いている。米国のポチでしかない菅は、果たして米軍司令官にもかみつく事ができるのか?
 マスコミだけでなく、国連人権委員会でも、既に辺野古問題が3回に渡って取り上げられている。国の一方的な都合で、沖縄県民の生存権や地方自治が踏みにじられている。これでは植民地も同然である。福島原発事故でも、年間20ミリシーベルト近くもの放射能に汚染された地域への帰還が、半ば強引に進められようとしている。チェルノブイリでも5ミリシーベルト以上は強制避難区域とされているのに。既に、福島の児童の間では、通常なら100万人に1~3人の割合でしか出現しない、甲状腺がん患者数(疑い含む)が既に100名以上にも上ると言われている。沖縄も福島も、棄民政策によって国に見殺しにされようとしている。こんな政治を許してしまって良いのか!!・・・・

 こんな感じで、最後は「座り込め~ここへ、ここへ座り込め~♪」の大合唱と拍手、声援の口笛の嵐で、第1部の山城さんの講演が終わりました。会場では、この後も、約10分間の休憩の後、21時頃まで戦争法廃止統一署名の取り組みについての講演が予定されていましたが、私は、この署名については既に取り組んでいるし、会場から自宅まで遠く、最後まで参加していたら帰りが非常に遅くなってしまうので、第1部だけ聞いて会場を後にしました。

 以前、辺野古の問題についてブログで取り上げている時は、オール沖縄の闘いは沖縄だからこそ可能なのであって、本土ではまだまだ無理だと、心の中で思っていました。しかし、今や本土でも、今度の参院選で次々と野党統一候補が名乗りを上げ、当初は圧勝かと思われた自民党・安倍政権の雲行きが非常に怪しくなってきました。そして、「保育園落ちた、日本死ね!!!」ブログの書き込みを機に、最初はシラを切っていた安倍首相が、一転して待機児童の問題に取り組まざるを得なくなりました。潮目は確実に変わりつつあります。
 もし、山城博治さんのような方が、日本の首相になっていたら、今頃は待機児童問題も、沖縄や福島の問題も、介護問題や格差社会の問題も、今とは大分違ったものになっていただろうと思うと、つくづく残念でなりません。日本でも、安倍晋三のようなボンボンや、橋下徹のような冷血漢ではなく、バーニー・サンダースや山城博治さんのような、人の心の痛みの分かる情熱家に首相になってもらうべく、一刻も早く安倍政権を退陣に追い込まなければならないと、心に誓いました。
コメント (1)
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