以前ブログでも紹介した私の業務改善の取り組みが、遂に会社の業務改善発表会で取り上げられる事になりました。
応募のあった100以上もの改善提案の中から、「改善賞」として12件の提案が選ばれたのですが、その中に私の取り組みも入っていました。それも、12件中で3位にノミネートされたそうです。
しかし、他の提案内容を見ると、「LED投光器に取り換え経費を×%削減」「生産工程変更で作業効率アップ」など、いずれも凄い内容ばかりです。「ベトナム語版の作業トレーニングVTRを作った」なんて物まであります。
それに引き換え、私が作ったのは、「ベトナム人向けに作った、小学生でも読める日本語の作業マニュアル」でしかないのですよ。しかも、どうせ他の提案者は、正社員の管理職ばかりでしょう。その中で、一バイトにしか過ぎない私が、そんな場にのこのこ出てきても、恥をかくだけではないでしょうか?「ひょっとしたら、これは私を陥れるための新手の罠ではないか?」と、最初は冗談半分に思ったりもしましたw。
でも、よくよく聞くと、「私の応募文書の内容が、非常に分かりやすかった」というのが、「改善賞」に選ばれた理由なのだとか。そんなに分かりやすかったかな?私の文書。
そういう訳で、取りあえずは「改善賞」に選ばれました。3千円の賞金が後に給与に振り込まれる事になります。
そして、来る4月28日に、本社の大ホールで開催される業務改善発表会で、私も他の11件の提案者と共に、私も壇上に立ってプレゼンテーションをする事になりました。その中から、最優秀提案が今年の「改善大賞」に選ばれ、当選者には3万円の賞金が授与されるそうです。
もう、ここまで来たら「毒食らわば皿までw」です。当然、「改善大賞」も獲るつもりで臨みます。
しかも、発表順も私がトップバッターなのだそうで。トップなら、他の提案に気後れしてしまう恐れもありません。
但し、プレゼンの資料として使えるのは、応募書類の文章と写真のみです。他のレジュメ類は一切使えないのだとか。
写真と言っても、参考資料として巻末に少し添付してあるだけで、後は全て文章ばかりです。そんな応募書類を、プロジェクターで映し出されても、何の訴求効果もありません。なるほど。「後は口だけで勝負しろ」と言う事のようです。
口下手な私にとっては、過酷な試練です。でも、もう後には引けません。
取りあえず、下記のようなプレゼン原稿を作り、毎日休憩時間にプレゼンの練習をしながら、必要に応じて原稿に手を入れて行ってます。所長も私と一緒に壇上に上がって、私がしゃべっている箇所の応募書類の原稿をプロジェクターに映し出してくれますので、その便宜をはかる為に、応募書類の小見出しもプレゼン原稿に適宜挿入しました。
応募書類にはさりげなく入れていた「新自由主義」「ヘイトスピーチ」批判の言葉もw、プレゼンでは封印して、より穏当な内容の原稿に仕上げました。会社の発表会でしゃべる原稿ですから。でも、言っている事は「新自由主義」「ヘイトスピーチ」批判そのものなのですがw。さて、結果はどうなる事やら。
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こんにちは。××・××(社名・事業所名)の××(私の氏名)です。
本日は、改善テーマ「外国人バイトの作業精度・モチベーション向上に向けて」について、ご説明させていただきます。
(事例となる業務の内容)
私の職場は、大阪市××区の××にある、スーパー・××の物流センターです。
センター内で、加工されたカット野菜を、店舗別に仕分けする作業を請け負っています。
その作業を、私も含めて、3名のバイトで回しています。但し、当日休みの人や、午前のみの勤務の人もいるので、実際は午前2名、午後1名で回す事になります。ところが、その人数では、午前中はまだどうにか回るものの、午後からは非常に苦しくなります。その為、昨年あたりから、ベトナム人留学生のバイトが、順次配属されるようになりました。
(改善前の状況・問題点)
ベトナム人バイトも、日本語は話せ、文字も平仮名やカタカナぐらいなら読めます。
しかし、日本語を話せると言っても、片言程度なので、少し込み入った内容になると、もう話が通じなくなります。そして、文字もカナしか読めないので、商品名の漢字については、読みこなす事が出来ません。
これでは、「この商品を何個ここに積め」と言った、大雑把な作業指示をするのが精一杯です。もっと細かな、「春菊と菊菜は同じ物だから、同じように扱ってよい」と言った事や、「大根とレタスも、一緒のケースに詰め合わせて良いが、大根の方が重たいので、上下ではなく左右に分けて積むように」と言った内容を、漢字も読めず、日本語の微妙な言い回しも理解できない彼らに伝えるのは、そう簡単な事ではありません。
そんな時は、本当は、社員がベトナム人に通訳してくれれば良いのですが、社員も常時そこにいるとは限りません。むしろ、いない時の方が圧倒的に多いのです。
(改善内容)
その中で、どうやってベトナム人に仕事の内容を教えていけば良いか?
取りあえずは、ベトナム語の挨拶から覚える事で、彼らとコミュニケーションを取る所から始めるしかないか?
そう思った私は、本屋でベトナム語の会話集を買ってきて、我流でベトナム語の勉強を始めました。
その時に、「ある事」にふと気が付きました。それは、「外国人にとって習得が難しいと言われている日本語も、発音だけ見れば、そんなに難しくはないのではないか?」という事です。
それが証拠に、日本語をローマ字で書いても、中国語のピン・インやベトナム語のアルファベットのような、コロンやアクセントの付いた複雑な発音記号はほとんど使わなくて済みます。
そこから、「ベトナム人が日本語を覚える際にネックになっているのは、漢字の読み書きではないか?だったら、小学6年生程度の子供でも理解できる文章で、漢字に全てカナを打ったマニュアルを現場に掲示して、一から教えていけば何とかなるのではないか?」と思ったのです。
(特に工夫した点、苦労したポイント…参考資料の写真付きで)
そこで、毎日の日常作業を幾つかの工程に分解し、その工程ごとに、注意点などのポイントを書いた分かりやすい解説文を、写真付き、カナ付きで掲示し、作業に入る前に時間を取って、一人一人にきっちり説明する事にしました。それも、口頭で一回伝えただけでは、「言った、言わない」の話にもなりかねません。それを避ける為に、マニュアルを冊子にして、ベトナム人バイトにコピー配布するようにしました。
最初はすごく時間がかかりました。なぜなら、それまでは、自分達も忙しい中で、どうせ外国人には詳しく説明しても伝わらないのだからと、ついつい大雑把な説明だけでやり過ごそうとしていました。それが、マニュアルに沿って作業手順の説明をするとなると、その何倍もの時間をかけて、休日などに自宅のパソコンでマニュアルを作り、それを1枚80円もかけて、A3サイズのカラーコピーにして、何枚も現場に貼り出して、一人一人に教えて行かなければならないのです。
(改善後の効果、今後の展望)
しかし、やはり「急がば回れ」です。時間をかけて、「何故その作業が必要なのか?」「何故そこに注意しなければならないのか?」を、理由も含めて、きっちり基礎から説明したからこそ、ベトナム人留学生のバイト達も、その作業の意味が理解できるようになったのです。
例えば、「バーコード・ラベルを、何故、剥がれ落ちないようにケースにしっかり貼らなければならないか?」という事一つとっても、ただ「剥がれ落ちないように貼れ」と言うだけでは不十分です。「バーコード・ラベルが剥がれ落ちて行方不明になってしまったら、読み取った台数カウントのデータが宙に浮いてしまい、実際の積み込み台数と合わなくなってしまうからだ」という事も含めて、きっちり理解させる事ができてこそ、初めて彼らの中に、きちんと仕事をしなければならないという自覚が生まれるのではないでしょうか。
これは、単に外国人バイトだけでなく、日本人の年末短期バイトに対しても言える事です。幾ら自分が忙しいからと言っても、バイト教育をなおざりにして、人間をただ物のように扱うだけでは、相手もこちらの言う事を聞いてくれなくなります。それは日本人もベトナム人も同じです。自分がされて嫌な事は相手にもしない。逆に、自分がされて嬉しい事を相手にもしてあげる。ベトナム人に気持ちよく仕事してもらう為には、日本人もベトナム人の事を理解しなければならない。だから、単に仕事のマニュアルだけでなく、ベトナム語の基本会話やベトナムの文化・歴史についての解説も現場に掲示したのです。
以前、広島県の牡蠣養殖場で、中国人労働者が養殖場の経営者を刺し殺すという事件がありました。今後、経済の国際化や、日本が少子高齢化に向かう中で、外国人労働者に依存する割合がますます増えるでしょうが、その一方で、彼らを単なる低賃金労働の穴埋めとみなしたり、いたずらに排斥するような事になれば、同じような事件が他でも起こるようになるかも知れません。それを防ぐ為にも、今こそ、日本人と外国人の関係において、相互理解が求められるのではないでしょうか。
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とにかく最後の部分、特に力を入れて頑張って下さい。
実は、既にもう何回か、休憩時間に職場の同僚に頼んで、プレゼンの練習にお付き合い願っています。このブログ記事にアップしたプレゼン原稿も、その同僚からのアドバイスで、既に何か所か手直ししたものです。
そして今日も、行きつけの鍼灸医さんに、プレゼン原稿と、携帯に録音した実際の演説を聞き比べてもらいました。その鍼灸医さんいわく、「もう、原稿については手直しする所はない。後は、文章を読みながらしゃべっている関係上、どうしても棒読みになってしまっているので、アドリブを入れても良いから、もっと抑揚を付けてしゃべるように」と言われました。
なんか演劇の練習をするみたいで、照れくさいですが、このスキルが身に付けば、下手な資格よりも、よっぽど自分にとって一生の財産になります。明日から、恥を忍んで、毎日、休憩時間に「演劇」の練習に打ち込むようにします。
http://linkis.com/u-note.me/note/NGeZD
上記のサイトに非常に参考になる事が書かれていました。とりあえず内容の要約を下記に箇条書きしておきます。
プレゼン上達に必要な2つの意識
1.分かりやすくてナンボ
2.記憶に残ってナンボ
プレゼン上達に必要な10のコツ
1.ストーリーを練る
2.ドラマティックに主張する
3.自信を持つ
4.表情を豊かに喋る
5.プレゼン=宣伝
6.新情報の後置
7.語彙を豊かにする
8.批判しない
9.フィードバックをもらう
10.たくさんのプレゼンを聴く・見る
その中でも、特に私の注目を惹いたのが、米国人と日本人の国民性の違い。一般に、米国人がプレゼン上手なのに引き換え、日本人はプレゼンが下手だと言われています。
それは何故か?私が思うには、日本では封建制の時代が長く続いた為に、個人の自己主張やパフォーマンスが悪で、黙って上の言いなりになり耐え忍ぶ事が善だと叩き込まれて来たからではないか、という事です。封建時代には美徳とされてきた事が、今は逆に日本人の足枷になっているのです。
昔、「男は黙ってサッポロビール」というCMが流行った事がありました。こんな事を書くと、私の歳が分かってしまいますがw。これが「サッポロビール」で済んでいたら良いのですが、戦時中はこれが「特攻・玉砕」になってしまい、今もこれが「サービス残業」や「過労死」に置き換えられてしまっているじゃないですか。
日本人の、その中でもアホなネトウヨなんかは特に、昔のNHKドラマの「おしん」をもてはやしたりしますが、あんなもの、私に言わせれば単なる「奴隷自慢」でしかない。プレゼンに上達する事は、その「奴隷自慢」のトラウマを解き放つ事でもあると思います。
私がプレゼンの中で強調しようと思っている点は、まず第一に、何と言っても、相手が日本人であれ外国人であれ、「労働者を、低賃金のコマとして使い捨てにするな」という点です。いわば新自由主義批判に当たる内容です。そして第二に、「外国人だからと言って差別するな」という点。これはヘイトスピーチ批判にも関わる内容です。その二つが主要点ですが、その他にも、日本とベトナムとの関わりについても、「もっと深く突っ込んで説明出来たら良いな」と思う点を、第三以下の論点として補足しておきます。
第三は、ベトナム戦争との関わりです。ベトナム戦争中は、米国のB52爆撃機が在日米軍基地から飛び立ち、北ベトナムを連日空爆していました。いわば、日本も米国と共に戦争の加害者でした。当時の人々の中には、ベトナム反戦運動に立ち上がった人も決して少なくはありませんでしたが、大多数の日本人は、自分たちも戦争に加担している事には無自覚でした。
そうであるにも関わらず、昨今の南シナ海での中国・ベトナム二国間の領海紛争について、「ベトナムは親日・反中だから応援する」と言うような物言いをする人が、職場や電車内などで結構見かけるようになりました。そんな自国本位の一方的な都合で、「どこそこの国はどうだから」と決めつけている限り、本当の友好関係なぞ築けないと思います。
第四は、文化面での関わりです。ベトナムがまだフランスの植民地統治下におかれていた時に、ベトナム語をアルファベットで表記するようになりました。それ以前には、漢字でベトナム語を表記する時代がずっと続いていました。唯一ベトナム純粋の文字とされるチュノムも、流通したのは貴族層のみで、庶民は漢字を使う他ありませんでした。
漢字と言い、アルファベットと言い、借り物の文字を使わざるを得なかった所に、ベトナム人の口惜しさが現れているような気がしてなりません。
第五は、新自由主義批判をする以上は、それを推進する先進国の側だけでなく、それを受け入れる側のベトナム国家の問題にも触れなければ片手落ちになります。ドイモイ政策に転じて以降のベトナムは、社会主義国と言うのは名前だけで、すっかり資本主義化してしまいました。今や、日本企業と一緒になって原発やTPPを推進するようになってしまったのですから。外国人労働力の輸出には、ベトナム政府も一枚かんでいます。その中で、ベトナム人との間で真の友好関係を育むにはどうすれば良いか?今までのような「社会主義美化」だけでは、労働者の権利を守る事は出来ないと思います。
プレゼンでは、出来れば、そんな事についても触れてみたいと思っています。どこまで出来るか分かりませんが…。(特に、最後の論点なぞ、会社内のプレゼンの場では到底無理です・・・)