先日このブログでも取り上げた映画「あまろっく」を観て来ました。「あまろっく」というのは尼崎閘門(こうもん)の愛称です。尼崎の下町を高潮の被害から守っている防潮堤の閘門で、船が出入りする時だけ開きます。その尼崎を舞台にした映画なので、映画のタイトルもそこから取ったそうです。以下、映画のあらすじをかいつまんで紹介します。
尼崎で町工場を経営する65歳の近松竜太郎(演じるのは笑福亭鶴瓶)は「人生何でも楽しまな」が口ぐせの好々爺。39歳独身の娘の優子(同、江口のりこ)は、そんな親父の能天気でグータラな生き方に反発して、勉強もスポーツも頑張り、一流大学を卒業。東京でキャリアウーマンとして活躍していたが、リストラされて実家に舞い戻り。そしたら何と親父が「祝リストラ」のプラカード掲げて玄関で娘を出迎え、お祝いの赤飯まで用意していたw。
会社をリストラされて実家に帰って来た娘に対して「祝リストラ」で出迎えるとは、何て親父なのかと私も最初は呆れました。でも、「人生何でも楽しまな」が口ぐせの親父なので、リストラもその延長で「そんなもの笑って跳ね返したれ」と励ますつもりだったのでしょう。しかし、勝ち負けにこだわる娘にとっては嫌味にしか受け取れなかったようです。
この辺でもう、グータラな親父ではなく勝ち負けにこだわる娘の方がヘンコである事が映画で暗示されているのですが、私も高校生の頃はこんな優子みたいな人間だったので、身につまされる思いで観ていました。
その親父が、仕事の関係で時々訪れる尼崎の市役所(商工会だったかも?)で、受付嬢をしていた20歳の早希(同、中条あやみ)を見初め、というか実際は早希の方が親父の純真な性根にほだされ、半ば押しかけ同然で親父と再婚。独身の優子にも世話焼いて見合い写真を持って来る有様。
それでなくても、キャリアウーマンから一転リストラされ、実家に舞い戻りニート同然の暮らしにまで転落してしまった優子にとっては、いくら継母とはいえ妹みたいな早希から「優子ちゃん、優子ちゃん」と毎日子ども呼ばわりされ面白くない。だから最初はいつも早希と喧嘩ばかり。
しかも(ここから先はネタバレあり)親父もその後、マラソン中に心不全(?)起こして死んでしまうのに、その不幸も乗り越え、最後は早希の紹介したお見合いの相手と結婚し、親父の町工場も引き継ぐ事になり、最後は予想もしないクライマックスで終了。
…ざっと、そんなあらすじです。この映画は家族愛のすばらしさを描いたものだと言われており、実際その通りなのですが、それだけがこの映画の主題ではないと思います。
何故そんなほのぼのとした家族が誕生し、親父の死も乗り越えて行く事が出来たのか。それは、「人生何でも楽しまな」という親父の楽天性と、それを真正面から受け止める事が出来た早希の純粋一途な生き方がバックボーンにあるからではないでしょうか?
早希の家庭も、父親が女をこさえて家を出て行き母親の手で育てられるなど、決して円満なものではなかった。だからこそ早希は家族団欒(だんらん)に憧れ、それを体現した竜太郎に惚れ込んだのです。65歳の親父が子どもみたいな20歳の小娘と再婚。今時そんな話は結婚詐欺以外にはあり得ない。そんな「世間の常識」を見事に覆した痛快さに魅了されました。
私もそんな自由で伸び伸びとした家庭に生まれたかった。日本人の大半がそんな家庭に生まれていたら、日本も今のようなギスギスした競争社会、社会悪がはびこる犯罪社会、貧困や差別が広がる格差社会にはなっていなかったと思います。そういう堅い話は抜きにしても、マジでお薦めです、この映画。
他方で、この映画を観るきっかけとなった婚活相手の女性については、今ではもうサクラだったと確信しています。何故なら、プロフィールの自己紹介の言い回しが微妙に変。例えば「大阪の泉佐野美容クリニックに勤めています。仕事が大好きなので嬉しいです」と書いてありましたが、「仕事が大好き」だと何故「嬉しい」のか?具体的な説明もなしに、いきなりこんな事を普通の人は書きません。
それ以上に決定的だったのが、大阪に「泉佐野美容クリニック」なんて会社は全然なかった事。グーグルマップだけでなく国税庁の法人番号検索でも企業名で逆サーチかけましたが、そんな会社は一切存在しませんでした。婚活サイトで自慢するほどの会社なら最低でもグーグルマップには載るはずです。でも、その時は、勤務先の名前も具体的に書いてあったので、すっかり信用してしまっていました。今から思えば浅はかでした。
でも、この事で私が被った被害は、ネット婚活サイトの登録を無料会員から有料会員に変更した事で、半年間の登録料を支払う羽目になったぐらいです。これも有料会員になった事で、それに見合うサービスも受けられるようになるのですから、実害はないに等しいです。そして、何よりも、これがきっかけで「あまろっく」の映画も観れた訳ですから、見ようによっては、「詐欺師からのプレゼント」と受け取れなくもありません。
でも、そうは言っても、婚活詐欺師が暗躍しているのも事実なので、次からは気を付けようと思います。
>でも、そうは言っても、婚活詐欺師が暗躍しているのも事実なので、次からは気を付けようと思います。
いやあ、本当に気を付けてください。
あと、X(旧Twitter)でも変なアカウントからフォローされていませんか?
なんか外国人っぽい名前のアカウントとか。
私はそういうアカウントは気づき次第ブロックしています。
私はフォローも被フォローも厳選・警戒・コントロールしていますがフォローもフォロワーも4桁のプレカリアートさんにはもっと警戒心を持ってほしいですね。