今日は公休日なので買い物から帰って今は家にいます。テレビを付けたら、たまたま衆院予算委員会の国会中継をやっていました。ちょうど立憲民主党会派の大串博史議員が、「なぜ会社登記もやっていないペーパーカンパニーにアベノマスクを発注したのか?」質問している所でした。
ユースビオというのが、そのペーパーカンパニーです。福島市内のプレハブ小屋が本社所在地になっています。しかし、そこには工場もなければ従業員もいません。それどころか、同じ住所にある別名のペーパーカンパニーが脱税の抜け道になっていたという報道もありました。
アベノマスクを受注出来た他の企業は、キャベジンコーワで有名な興和に、伊藤忠商事、マツオカコーポレーションと、いずれも、それなりに知名度のある大企業です。その中で、なぜ資本金僅か一千万の、今までマスクなぞ作った事もないペーパーカンパニーがアベノマスク製造を受注出来たのか?これでは森友学園や加計学園と全く同じ構図ではないですか。
ところが、「そんなペーパーカンパニーになぜ随意契約で発注したのか?」と大串議員が質問しているのに、安倍は「サージカルマスクを確保して医療現場のマスク不足を解消する為に、国民にはアベノマスクを配給する事にした」と答弁していました。誰もそんな事なぞ聞いていないのに。議員が聞いているのは「ペーパーカンパニーに随意契約した理由」であって、「アベノマスクを配給する事になった理由」なぞではありません。
だから大串議員は「時間稼ぎをするな!」と怒ったのです。しかし、ただ漫然と国会中継を観ていると、あたかも安倍が真摯に野党議員の質問に答弁しているのに、野党がヤジを飛ばしているように見えてしまう。安倍が被害者面して「ヤジを飛ばすな」と言い、予算委員長も「与党も野党もご静粛に」と助け舟を出しているから尚更だ。実際は安倍が時間稼ぎをしているだけなのに、まるで与野党が泥仕合を演じているように見えてしまう。
これが、いわゆる「ご飯論法」です。「朝ご飯食べたか?」と聞いているのに「ご飯は食べていない」と答える。しかし、実は「パンで朝ご飯を食べていた」。でも「ご飯食べたかと聞かれたから、食べていないと答えた」。「実はパンで朝ご飯を食べていた」事が分かった頃には時間切れで質問を終えなければならない。
こんな事はNHKニュースを漫然と観ているだけでは気が付かない。国会中継は日中や深夜に放送される事が多いので、普段はなかなか観る機会がありません。しかし、政策の是非を知ろうとするなら、放送局で都合よく編集されたニュース番組だけでなく、国会中継などの生中継番組も観ないと分からないと実感しました。
かくして、普段は観れない国会中継で、「ご飯論法」の実態が垣間見れました。これも外出自粛のお陰です。