23年間も行き続けていると、小布施町は私にとって故郷のようなところになっています。伺うたびに、ちょっとほっこりする体験があるのです。
私たちがよほど味見をしたいという顔をしていたのでしょうか?
会場に向かう車の中でもありました。
平成の大合併の時小布施町は合併の道を選びませんでした。
今回はこんなことがありました。
小布施の朝食は、お気に入りのカフェ珈茅でいただきます。女性のオーナーさんとつもる話に花を咲かせるのが常ですが、お客さんが引きも切らず…
「ちょっとおしゃべり足りないなあ」とオーナーさんと目と目で残念がっていたところに、私の迎えに小布施町の保健師さんが到着。
どちらが先だったかわからないくらい同時に男性のお客様が入ってこられました。
素敵な色の果物を手にしています。カウンターに飾って、居合わせたみんなで褒め合いました。
「素敵な色!」「美味しそうな香り!」
持ってきてくださった方が「友人が作った洋梨。これはル・レクチェというものだよ」
私たちがよほど味見をしたいという顔をしていたのでしょうか?
オーナーに「切ってきてください」
私たちはニコニコしながら美味しく洋梨をいただきました。ここまででもほんわかする報告だと思いますが、もう少し話に進展があります。
男性は、小布施では俳句で有名な方ですって。写真掲載の許可を求めたら、「ああいいですよ」と即答してくださいました。
男性は、小布施では俳句で有名な方ですって。写真掲載の許可を求めたら、「ああいいですよ」と即答してくださいました。
若い女性は今年から小布施町で働き始めた保健師さん。
「Kさん。奥さまになかなかお会いできないのですが、ご都合のいい時にお家に伺ってもいいですか」
「そうだね。最近病院とかで教室に行ってないからね」
続けて訪問日の予約までさっさと決めてしまいました。大きい都市では考えられない展開ですが、小布施町では「あること」なんですね!
会場に向かう車の中でもありました。
ちょっと腰を屈めた女性の方が、道脇をゆっくり歩いている姿が目に入った途端、ベテラン保健師さんが「あ〇〇さん!嬉しい!今日参加してくれるんだ。体の調子がいいんだわ」。
別の場所でも二人連れで歩いている姿を目にすると「うわ〜⬜︎⬜︎さん。春に手を骨折してたんですよ。よくなったんですね。いつも◎◎さんがこうして支えてくれるんです。いいでしょう?」
平成の大合併の時小布施町は合併の道を選びませんでした。
認知症予防活動を始めるための講演会は2001年でした。調べて見ると2000年の人口は11,460人、今年11月1日時点で10,976人。
全員とはいえないでしょうが、保健師さんたちがよく住民を把握しているという印象をよく受けるのは、この人口の少なさが影響してると思います。
もちろんそれだけではなく、保健師さんをはじめとして地域包括支援センターのスタッフの方たちの「住民に対する愛情」だと思います。
生活のあり方に切り込んでいく生活指導が必須になるのが私たちの二段階方式です。「人」に対する温かい関心がなければ、二段解放式による認知症予防活動は成立しにくい…と思っています。
みなさん。これからもよろしくお願いします。
by 高槻絹子