脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

実感!前頭葉機能低下(正常範囲内ですが)

2011年06月12日 | 前頭葉の働き

日常生活の中で「脳機能」を再認識するときはいくらでもあります。日常生活は目覚めている限り「脳機能」が働いて行われているのですから当然です。

「左脳の働き」は、デジタル情報の処理ですから理解しやすいのです。
読んだり聞いたり、また書いたり話したり。1+1=2がわかり、「何色が好きですか?」の質問に対して「私は赤色が好きです」と意味を理解して話せたり書いたりできます。
「言葉で表現できる」のが特徴です。

一方「右脳の働き」は、アナログ情報の処理で、なかなか理解しにくいのです。色彩や形や音楽や感情などのキャッチや表出を受け持っていて、「言葉ではうまく言えないけれどもよくわかっている」ような時に働いています。と言葉で説明してもよくわかりませんね。
私は脳外科で脳が壊れた人たちにたくさん出会って、脳機能検査をさせていただきました。その体験から「右脳の働き」を学びました。
このブログでも何回か書いてみました。

   右脳障害後遺症ー右脳が壊れるということ

   右脳が壊れるということ―「話す」と「わかる」

   KY=Kuuki Yomenai

   ここにも右脳障害が

Photo_2 「右脳の働き」にもましてわかりにくいのが「前頭葉の働き」です。
前頭葉の働きを理解するには、三頭建ての馬車の御者の機能を持っていると考えるのが近道です。
左脳・右脳・運動脳に対して司令塔の役割を担っています。

つまり目覚めている限り、前頭葉は必ず機能していることになりますね。、

Photo前頭葉は数多くの機能を持っていますが、その中でも中核的な機能である「注意集中分配力」は、20代にピークを迎えその後は直線的に低下していく見事な一峰性のカーブを持っています。60代後半ともなればピーク時の約半分程度になるのです。(これが左脳的説明)

右脳的説明にしましょう。右のグラフの「正常老化曲線」の通りです(笑)。
横軸一目盛が10歳です。

ところで、今回の私の前頭葉機能低下事件の前に前回の報告も繰り返しておきましょう。読み返してドキドキ感がよみがえり笑ってしまいましたから。そして目覚めている時に前頭葉機能がどのように働いているかがちょっとわかるかなと思いますから。

   注意分配能力(前頭葉)低下事件

さて今回の事件。2011_0604_094300p1000002

山椒の実をたくさんいただきました.

ここまで積み取るのにはきっとたくさん傷を作られただろうと思うほど、山椒の木には鋭いとげがあります。
まだみずみずしいこの実にも、柔らかいですがとげがあります。

だから、ハサミで一つずつ切り取っていかないといけないのです。2011_0604_094400p1000003

大きいハサミや小さいハサミを持ち出して、どのハサミを使うと作業が楽で早いか確かめてみました。これこそ前頭葉機能。

一番楽なのは、小さい文房具用のハサミ。そのくらい柔らかいのです。

頂いた山椒の山
切り取った実
取り除いたとげのある軸と
三か所に分類しながら作業をしていました。そこで事件発生!2011_0604_094300p1000001

何と軸の山の中に、切り取った山椒の実が!もちろん私は「あれあれ、注意分配能力が落ちてること・・・」と苦笑しながら、正しい山に戻しましたとも。
基本的に私の脳機能は正常レベルなんですから。

パソコンでチェックして、さっと湯通しして、瓶詰保存もしましたし、佃煮も作りました。2011_0604_223400p1000008

このような家事の支障は小ボケでも起きますが、大したことにはなりません。
山椒の実切り取り作業で言えば、作業終了時にちょっと混じってるくらいです。

中ボケになってくると失敗の度合いがひどいのです。
どの山が切り取った山椒の実の山で、どの山が軸の山かがはっきりしないほどになります。
家族が訴えるのは「さやえんどうを剥いてもらっても役には立ちません」という言い方が多いです。
馬車は走っているのに御者が寝ている姿が理解できますか?
上手にハサミを使って切り取ることは、何十年もやったことなので御者の管理監督がなくてもできるのです。でもその作業全体を監視し状況判断する御者の機能が低下している・・・
小ボケは居眠り。中ボケはもっと寝込んでいる状態です。

近所にタイ料理店がオープンしました2011_0604_142900p1000004
小ボケの人のように、話は唐突に飛びますが、(と、言い訳をするところが小ボケではない証拠なんですよ)ひそかに撮影されたJR北海道の電車の運転手さんの居眠りはどのくらいのレベルだったのでしょうか?

このくらいの話題の飛躍には、ぜひ食いついていっていただきたいものです(笑)


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