1990年公開映画パンフレット(フランス映画社発行)より引用します。
秋、ロンバルディア
黄金色に輝くトウモロコシ畑、ゆたかや緑の樹々、ポプラと家屋、それらをロングに見た
手前のトウモロコシ畑、緑の畝が美しく広がる畑。
静けさの中、かすかにひなびた歌が聞こえてくる。小川。水の流れの音とともに、歌がたか まる。
教会の中、ミサの後、
農夫バティスティが神父ドン・カルロに説得されている。
妻バティスティーナも神妙な顔。
神父
「儀礼用の衣服をときながら)あの子を学校にやるんだね」
バティスティ
「はい、でも行きに6キロ、帰りにまた6キロ、大変です」
神父
「子供の足は丈夫じゃよ」
バティスティ
「また子供ができるのです。家で手伝わせたいんで」
神父
「今は手伝わんでも、大きくなれば手助けするよ。神のみ心に従いなさい」
バティスティ
「私は学校に行かなくても、大人になりました」
神父
「それは理由にならん。主が利発な子を授けたのは、よけいに期待がおありなのじゃ。主の み心に従うのがお前さんの義務じゃよ」
考え込むバティスティ。教会の男が次々にロウソクの灯を消していく。歩み去るバティスティ夫婦の木靴の音が響く。夫婦は十字を切って、礼拝堂を出ていく。
町、教会の外(夕)
手風琴の楽しげなメロディを背に、重い足どりのバティスティ夫婦。
バティスティ
「えらいことになった!」
ポプラの樹の道
無言で歩く二人の画に、美しいイタリック書体で、タイトル<木靴の樹>、<エルマンノ・オルミ監督作品>、<ベルガモ地方の農夫と人々の出演>がつつましく重なる。バッハの<ト短調小フーガ>がオルガンで聞こえはじめる。
秋、ロンバルディア
黄金色に輝くトウモロコシ畑、ゆたかや緑の樹々、ポプラと家屋、それらをロングに見た
手前のトウモロコシ畑、緑の畝が美しく広がる畑。
静けさの中、かすかにひなびた歌が聞こえてくる。小川。水の流れの音とともに、歌がたか まる。
教会の中、ミサの後、
農夫バティスティが神父ドン・カルロに説得されている。
妻バティスティーナも神妙な顔。
神父
「儀礼用の衣服をときながら)あの子を学校にやるんだね」
バティスティ
「はい、でも行きに6キロ、帰りにまた6キロ、大変です」
神父
「子供の足は丈夫じゃよ」
バティスティ
「また子供ができるのです。家で手伝わせたいんで」
神父
「今は手伝わんでも、大きくなれば手助けするよ。神のみ心に従いなさい」
バティスティ
「私は学校に行かなくても、大人になりました」
神父
「それは理由にならん。主が利発な子を授けたのは、よけいに期待がおありなのじゃ。主の み心に従うのがお前さんの義務じゃよ」
考え込むバティスティ。教会の男が次々にロウソクの灯を消していく。歩み去るバティスティ夫婦の木靴の音が響く。夫婦は十字を切って、礼拝堂を出ていく。
町、教会の外(夕)
手風琴の楽しげなメロディを背に、重い足どりのバティスティ夫婦。
バティスティ
「えらいことになった!」
ポプラの樹の道
無言で歩く二人の画に、美しいイタリック書体で、タイトル<木靴の樹>、<エルマンノ・オルミ監督作品>、<ベルガモ地方の農夫と人々の出演>がつつましく重なる。バッハの<ト短調小フーガ>がオルガンで聞こえはじめる。