たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『東北歴史紀行』より‐いざたどらまし〈会津嶺あいづねの国〉(1)

2024年04月30日 20時23分04秒 | 本あれこれ

「奥深い会津‐

 福島県は、北海道・岩手県についで、日本では第三番目の広さをもつ県です。そのうちのほとんど40パーセントに近い面積を、会津とよばれる地域が占めます。ですから会津県と呼んだほうがぴったりするような独自性を、この地域はもっています。風土的に、まず自然の成り立ちがそうなのです。四方を山がとりかこんでいます。南は、北関東、上野こうずけ(群馬)・下野しもつけ(栃木)の山々、西は越後(新潟)の山なみ、東は福島中通りとの間の奥羽脊梁せきりょう山脈、そして北は出羽との境の奥深い山々です。

 わたしたちの歴史地理は、東北をいつも、南から北へとすすむのです。したがって、みちのくの思想は、北に秘境を考えます。会津はみちのくに西の秘境を深く蔵するところとして、特別なみちのくなのです。

 われわれの旅は、東京を出ます。新幹線で郡山乗り換えでもいいです。直通というのでしたら、東北本線を会津若松特急あいづに乗れば、会津若松まで4時間たらずです。会津の旅は、若松に始まって、若松に終わります。歴史もまた、そうなっているのです。

 

大塚山古墳‐

 若松市内、白虎隊びゃっこたいの飯盛山いいもりやまの近く、一箕(いつき)町に大塚山古墳があります。全長90メートルほどの前方後円墳(前が方形、後が円形のひさご型古墳)ですが、鏡・王・剣・鏃(やじり)など、出土遺物の豊富でりっぱなことで、考古学者をおどろかせ、東日本でも有数なものと、折紙をつけられました。とくに和製の三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう・縁の断面が三角形を示し、図柄に神像・聖獣を配した鏡)は、同范鏡(どうはんきょう)といって、これと同じ鋳型でつくられた鏡であることのはっきりする鏡が、岡山県備前市丸山古墳から出土していることから、本来は、大和朝廷に保管されていたものが、朝廷に服属した地方族長に、その権威の分身たることを証明する宝器として、一つは吉備国岡山県の王に、もう一つはみちのく会津の国の王に、分けあたえられたものと考えられるようになっています。古墳の年代は、四世紀後半と推定されていますから、大和の大王家(天皇家)と、この古墳に葬られた会津の王との政治の出合は、四世紀の初期ごろまでさかのぼることになります。

 そんな古いころには、関東地方のあたりだって、大和朝廷とどんな関係にあったか、よくわかりません。かりに埼玉県行田市稲荷山古墳出土の鉄検銘が、雄略天皇のころのことを語っているということであるにしても、それは五世紀後期のことなのです。会津大塚山古墳は、東日本でももっとも早いころの畿内統一王朝との結びつきを証明する、貴重な物の歴史になるものです。

『古事記』には、第10代崇神(すじん)天皇のころのはなしとして、北陸道(越の国)方面の経営に向かった大彦命(おおひこのみこと)、東海道方面の経営に向かった武沼河別命(たけぬなかわわけのみこと)の二人の父子の将軍が、会津(相津)で出合ったので、ここを会津というとする伝説が、のせられています。名まえはともかくとして、これを、大和朝廷の経営が、早いころから、北陸と東国の両方から会津の地に分け入っていた伝説と考えますと、この大塚山古墳によって、それは、4世紀まではさかのぼらせることのできる歴史をもとにしてのはなしだ、ということができます。中国の『宋書(そうしょ)』倭国伝(日本伝)には、日本の第21代天皇の雄略天皇に当たると考えられている倭王武(わおうぶ)が、487年、中国に使節を送り、「わが先祖の王は、みずからよろいかぶとに身をかためて、四方を経営し、東は毛人(えみし・エゾ)55国を征した」と報告したとあります。大塚山古墳は、そういうエゾ経営が、四世紀には、確実に東北南部にとどいていたことを裏打ちするものとしても、貴重です。

 東北は広い。そして深いのです。とこまでいっても、道の奥として、朝廷日本の外に、別日本として立ちつづける東北ももちろんありました。しかし、さきに見た石城(いわき)のように、またこの会津のように、東日本の中でも、先進東国といえるように、開化の早い東北もあったのです。この紀行では、東北というところを、すこしきめこまかく理解していく視角をもつことも、新しい発見のうちに入ります。

 

恵日寺(えにちじ)と勝常寺(しょうじょうじ)‐

『万葉集』には

  会津嶺(あいづね)の国をさ遠みあはなはば しぬびにせもと紐結ばさね

 そういう会津びとの歌がのこっています。会津嶺は磐梯山のことです。会津の国は磐梯山の国だったのです。今日も会津は磐梯山の国ですが、それは観光磐梯山の国のことです。『万葉集』に会津嶺の国というときには、それは、いわはし(磐梯)神山の国の意味だったのです。

 そこで、いわはしの神威をうける者は、会津の神王となることができたのです。平安時代から中世にかけて、そういう歴史が、この会津に出現するのです。徳一(とくいつ)という僧と、その宗風を組織して伝えた恵日寺(えにちじ)という寺の綴る会津の歴史が、それです。」

 

(岩波ジュニア新書『東北歴史紀行』21~25頁より)

 

 

 

 

 


日本は財政破綻しない

2024年04月30日 13時32分11秒 | 気になるニュースあれこれ

Xユーザーのumekichiさん: 「江田憲司議員「個人の金融資産は」 財務省「2141兆円」 江「国と企業の資産は」 財「9704兆円」 江「ほぼ1京円。対外純資産は」 財「418兆円」 江「外貨準備は」 財「189兆円」 江「経常収支は」 財「20兆円」 江「これだけお金があるのに自民党は取る所から取らず防衛増税し保険料を上げる」 ど正論 https://t.co/LzwBai5IBY」 / X (twitter.com)

江田憲司議員「個人の金融資産は」

財務省「2141兆円」

江「国と企業の資産は」

財「9704兆円」

江「ほぼ1京円。対外純資産は」

財「418兆円」

江「外貨準備は」

財「189兆円」

江「経常収支は」

財「20兆円」

江「これだけお金があるのに自民党は取る所から取らず防衛増税し保険料を上げる」

ど正」」


政府による情報統制は日本国憲法21条違反

2024年04月30日 11時51分48秒 | 気になるニュースあれこれ

2024年4月26日ヤフーニュース、

政府が「誤情報」常時監視 6月にも閣議決定へ 感染症対策の一環で 言論統制の恐れも(楊井人文) - エキスパート - Yahoo!ニュース

政府が感染症対策の名のもとに「偽・誤情報」のモニタリング(監視)を行う方針であることが、4月24日公表された「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の改定案で明らかとなった。未知の感染症が発生したかどうかに関係なく、平時から「偽・誤情報」の監視を実施する。SNS等のプラットフォーム(PF)事業者に削除等の対処を要請することも想定している。

 これまで、政府関係機関が「偽・誤情報」を監視し、PF事業者に対処を要請するための法的根拠はなかった。今回それを明記する政府行動計画は、新型インフルエンザ等対策特別措置法6条を根拠とする文書(法定計画)。正式に決定されれば、政府が「偽・誤情報」の監視や対処要請を実施する法的根拠となりうる。国会の審議や承認は必須とされておらず、岸田内閣は6月中に閣議決定し、実施する方針だ。

 罰則などの強制力はないが、対策の実施方法によっては表現・言論の自由に対する侵害や萎縮をもたらすおそれがある。

 政府はコロナ禍の緊急事態宣言の時から、明文の法的根拠や国民への説明もないまま、PF事業者などと協力し、偽情報対策を事実上進めてきた。ただ、大手PR会社と取り組んできた対策の実施内容については、情報公開を拒んでいる。

 偽情報対策を進めるにあたり、実態把握や検証が可能になるよう、実施状況の透明化が求められる。

2週間のパブコメを経て決定へ 偽・誤情報の監視は常時実施

 政府は4月24日、コロナ禍での課題を踏まえ、新型インフルエンザ等対策政府行動計画の全面改定案を、感染症専門家ら15人で構成される有識者会議「新型インフルエンザ等対策推進会議」に提示した。

 223ページに上る分量だが、事前に意見書を出したのは1人(全国知事会副会長)だけで、即日了承された。偽情報対策について議論がなされたかは不明だが、議事録は後日公開される。

 同日から2週間(5月7日午後6時まで)、パブリックコメント(国民や事業者からの意見提出)を受け付けた後、5月の次回会議で最終案をとりまとめる予定だ(改定スケジュール資料)。

 政府行動計画改定案は「準備期」「初動期」「対応期」の3つの段階に区分している。このうち「偽・誤情報」対策はリスクコミュニケーションの一環として、いずれの段階でも行うものとして位置付けられている

 感染症危機では様々な情報が錯綜し、不安、偏見・差別等が発生しやすく、偽・誤情報が流布するおそれがあるとし、平時(準備期)から、各種媒体を活用した偽・誤情報に関する啓発のほか、偽・誤情報の拡散状況等のモニタリングも行い、「科学的知見等に基づいた情報を繰り返し提供・共有する等、国民等が正しい情報を円滑に入手できるよう、適切に対処する」と記されている。

 監視の対象は「例えば、ワクチン接種や治療薬・治療法に関する科学的根拠が不確かな情報等」と例示されているが、範囲を限定しているわけではない。

 実施主体は、内閣感染症危機管理統括庁(昨年9月発足)や厚生労働省が想定されているが、他の「関係省庁」が実施する余地も残している(改定案1-1-3、2-3、3-1-3)。

PF事業者への削除要請も排除せず

 同案の「初動期」と「対応期」では、「偽・誤情報対策」として「国はSNS等のプラットフォーム事業者が行う取組に対して必要な要請や協力等を行う」と記された。この文言は「準備期」には入っていない。

 ただ、政府行動計画改定案を担当している内閣感染症危機管理統括庁の職員は、筆者の問い合わせに対し「『これから初動期です』という宣言や手続きがなされるわけではない」と説明した。国内外で感染症の発生疑いが確認された時が「初動期」。「準備期」から「初動期」への移行は明確でなく、重なり合う面もあるとみられ、PF事業者への要請が常態的に行われる可能性がある。

 同職員は「要請の内容は限定しておらず、『削除』の要請を行う可能性も排除されていない」と認めた。

 実施主体は、統括庁、総務省、法務省、厚生労働省のほか、ここでも「関係省庁」と記され、どの行政機関も実施できる余地を残している(改定案2-3、3-1-3)。

 また、「偽・誤情報」については「いわゆるフェイクニュースや真偽不明の誤った情報等」と記しているだけで、明確な定義や判断基準を示していない。

 政府は、改定案の閣議決定後にすみやかにガイドライン(現行版は2018年改定)も全面改定する方針で、そこでより具体的な対処方針が示される可能性がある。

 仮に、政府や関係機関、または委託された専門家等が「偽・誤情報」とみなしたものについて、PF事業者に削除や流通阻止等を要請することになれば、表現の自由への不当な制約になるおそれがある。

偽情報問題に高まる関心 政府主導で情報統制リスクも

 偽・誤情報問題は世界的に関心が高まる一方、対処の仕方によっては表現の自由の制約や言論統制につながるリスクも指摘されている。

 今年初め世界経済フォーラムが公表した「グローバルリスク報告書2024年版」は、偽情報問題を今後2年間の最大のリスクと指摘した上で、「国内でのプロパガンダや検閲のリスクも高まる」「政府は『真実』と判断する内容に基づいて情報を統制する権限をますます強める可能性がある」と警鐘を鳴らした。

 国連も「事実や出来事に対する誤った解釈などの批判的発言」なども表現の自由に含まれ、不当に侵害されてはならないと釘をさし、全体として慎重な対応を求める内容の提言をまとめている

 一方、日本では、コロナ禍前の2019年に、総務省が有識者の研究会で偽情報問題への対応を検討。一旦は、基本的に政府は前に出ず、民間のファクトチェック活動などの自主的な取り組みに委ねる方針を示していた(報告書)。

 ところが、コロナ禍で緊急事態宣言が繰り返される中、明文の法的根拠がないまま、PF事業者などと協力して政府主導の偽情報対策が始まっていた(YouTubeブログ)。

 厚労省も、民間業者や医療系インフルエンサーの協力も得て、偽情報対策を行ってきた。ただ、詳細は明らかにされていない(=厚労省、偽情報対策の報告書2700頁超を不開示 ワクチン接種促進「世論形成」目的で3年間実施)。

岸田首相、偽情報対策にたびたび言及

 コロナ禍が落ち着いた後も、岸田文雄内閣は、法整備によらずに官邸主導の偽情報対策を模索している。

 防衛三文書改定の際、偽情報対策を初めて明記し(2022年12月、国家安全保障戦略)、内閣官房を中心に体制整備を行うと発表(2023年4月、松野官房長官)。外務省などが福島原発ALPS処理水放出に関する海外発の真偽不明情報に対処した(NHK)。

 社会的関心の高まりもあり、岸田首相もこの問題にたびたび言及。「偽・誤情報対策に正面から取り組みます」とXに投稿するなど、やや前のめりになっている。今月の国際会議では、韓国の総選挙を控えて偽情報の取り締まりや法整備を訴えた尹錫悦大統領と歩調をあわせ、国際連携に意欲を示した(関連=民主主義サミット声明が偽情報法規制に言及 背後に韓国大統領の怒り?)。」

 

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日本国憲法第21条 - Wikipedia

日本国憲法 第21条(にほんこく(にっぽんこく)けんぽう だい21じょう)は、日本国憲法第3章にある条文で、集会の自由結社の自由表現の自由検閲の禁止、通信の秘密について規定している。

第二十一条

  1. 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
  2. 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 


パブコメは5/7まで-新型インフルエンザ等対策政府行動計画の底知れぬ危険性

2024年04月29日 22時39分16秒 | 気になるニュースあれこれ

「行動制限」中心の対策強化を図る「政府行動計画」改定案が閣議決定されようとしています

 

2024年4月29日原口一博議員チャンネル、

新型インフルエンザ等対策政府行動計画の底知れぬ危険性。パンデミック条約、IHR改定もぬか喜びしてはいられない。2024/4/29 (youtube.com)

 

(1) Xユーザーの【公式】カナダ人ニュースさん: 「【拡散:日本政府の言論統制に関するパブリックコメント】 昨日のポッドキャストでも言及しましたが、 現在、日本政府は「公衆衛生」を口実にした「言論統制」を可能にしようとしています。…」 / X (twitter.com)

「拡散:日本政府の言論統制に関するパブリックコメント】

現在、日本政府は「公衆衛生」を口実にした「言論統制」を可能にしようとしています。

閣議決定を6月に行う予定で、“偶然”にも補欠選挙にみんなが注目をしている4月24日に募集を開始し、“偶然”にもゴールデンウイークが終わる5月7日が“偶然”にも期限に“偶然”にも設定されています。

“偶然”にも。 “何が”正しいかを決めつけられる怖さを多くの人々がこの4年間で味わったはずです。 「陰謀論だ」「誤情報だ」と集団で言っていた人々は、優越感に浸っていたことでしょうが、それは今回“は”彼らにとって都合の良いものだったからです。 いつか大きなしっぺ返しを受ける時が来るでしょう。しかし、その時が来てからでは遅いのです。

この4年間で子どもたちの人生は責任とりたくない大人のために、「公衆衛生」の名の下、滅茶苦茶にされました。 ぼくたち大人は「今年は旅行に行けなかったから、来年行こう」と言えますが、子どもたちの「修学旅行行けなかったから、来年行こう」はできません。 「甲子園や全国大会に今年は濃厚接触者がいたから出れんかったけど、来年出よう」なんて簡単に言えることではありませんし、最終学年だったら不可能です。

2回で集団免疫を言っていたのが3回になり、4回になり、今は300回目くらいですか? いつまでも飛沫感染にこだわる間違った時代遅れの対策を押し付け、「黙食」に「尾身食い」というカルト宗教のようなことを「ニューノーマル」として宣伝していました。

SNSの普及により高速で情報が拡散されるようになった現代のぼくたちに必要なのは、 「これが正しい情報」という答えを“他人に”与えてもらうのではなく、 「これが正しい情報だ」と、“自分で”考え、探そうとする力・技術だと思います。 答えを与えてもらえるのは楽ですが、それなりの代償を支払う必要があります。

ゴールデンウイーク期間中に、是非ともこの4年間を振り返って、このままでいいかを考えた上で、みんなでパブリックコメントをしましょう!

 

「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(案)に対する意見募集(パブリック・コメント)について|e-Govパブリック・コメント

public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000273571

PcmFileDownload (e-gov.go.jp)

PcmFileDownload (e-gov.go.jp)

 

2回目のパブリックコメントを本日送信しました。一人で何回でも送ることができます。こちらのサイトにコメントの見本が掲載されています。見本をコピペして自分の言葉を加えるだけでも十分です。原口一博議員が国会の質疑で追及するためには国民の声としてパブリックコメントの数は非常に重要。

緊急のお願い!皆様の声を早急にパブコメへ!(追記 文例を上げていきますのでご活用下さい) | 東北有志医師の会 (ameblo.jp)

 


「行動制限」中心の対策強化を図る「政府行動計画」改定案が閣議決定されようとしています

2024年04月29日 09時40分31秒 | 気になるニュースあれこれ

パブコメは5/7まで-「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」改定案

 

Xユーザーの楊井人文 Yanai Hitofumiさん: 「「パンデミック条約」反対運動も結構ですが、より大事なのはこの国自身の問題、社会の問題だと繰り返し申し上げています。「コロナ対策禍」の検証を行わなかった結果、再び「封じ込め」すなわち「行動制限」中心の対策強化を図る「政府行動計画」改定案が閣議決定されようとしています。幸い、パブリッ… https://t.co/1DqSD9JNYR」 / X (twitter.com)

「パンデミック条約」反対運動も結構ですが、より大事なのはこの国自身の問題、社会の問題だと繰り返し申し上げています。「コロナ対策禍」の検証を行わなかった結果、再び「封じ込め」すなわち「行動制限」中心の対策強化を図る「政府行動計画」改定案が閣議決定されようとしています。幸い、パブリックコメントを通じて、意見を政府に直接伝える機会があります(5/7まで)。「この改定案でいいよね?」と試されているのは私たちです

 

「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(案)に対する意見募集(パブリック・コメント)について|e-Govパブリック・コメント

public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000273571

PcmFileDownload (e-gov.go.jp)

PcmFileDownload (e-gov.go.jp)

 

来月のWHO総会が迫る中、パンデミック条約草案から、言論統制に利用されかねない「偽情報対策」条項が削除されました。3月下旬発売号の論文でその危険性について問題提起しました。政府間交渉の詳細は不明ですが、どこかの加盟国が危惧を表明し、削除を求めたのでしょう。最新の条約草案(4月22日公表)

Proposal for the WHO Pandemic Agreement

 


厚労省、偽情報対策の報告書2700頁超を不開示 ワクチン接種促進「世論形成」目的で3年間実施

2024年04月28日 23時33分44秒 | 気になるニュースあれこれ

2024年4月27日則武謙太郎さん

厚労省が接種推進「世論形成」プロジェクトを大手PR会社と実施していた!実施内容は不開示で黒塗り!その理由は・・・【心理カウンセラー則武謙太郎】 (youtube.com)

 

2024年4月24日ヤフーニュース、

厚労省、偽情報対策の報告書2700頁超を不開示 ワクチン接種促進「世論形成」目的で3年間実施(楊井人文) - エキスパート - Yahoo!ニュース

新型コロナワクチンの接種が始まった2021年から3年間、厚生労働省は、接種率向上を目指してメディアや医療系インフルエンサーなどの協力を得て「世論形成」を図るプロジェクトを大手PR会社と実施した。その実施内容の報告書の公開を求めたところ、厚労省はこのほど、ほぼ全面的に不開示とする決定をした。

 調査報道やファクトチェックに取り組むNPOメディア「InFact」が情報公開請求で入手した資料を、4月22日、サイト上で公開した(=InFactのページ

 このプロジェクトでは、マスメディアを政府広報の手段と位置付け、勉強会などを通じ、正しい情報を報道してもらうための広報支援を行う、とされていた。

 同時に、メディアの報道やSNS投稿をモニタリング(監視)し、「非科学的」とみなされる報道が見つかればメディアに申入れをすることも含め、「誤情報等の対処」も行う、とされていた。

 いずれも契約に基づく仕様書で明記されていることだが、厚労省は、サイトやSNSで発信した公開情報以外に、国民の目にみえないところで実際に何をしていたのかを一切明らかにしていない。

不開示理由は「事業の遂行に支障を及ぼす」

 筆者の取材で、厚労省が委託した業者から提出を受けた実施報告書は、2021年2月から2023年9月までの分で合計2782頁に上ることを確認した。

 筆者の開示請求では、報告書の表紙など200頁あまりが開示されたが、大半が黒塗りで、実質不開示だった。残る約2500頁は全部不開示となった。

 不開示とした理由について、厚労省は筆者への通知書で「新型コロナワクチンの接種を安心して受けられるよう国民の理解と信頼が求められる状況において、正確な情報を丁寧に伝えるための広報に関する情報が各所に含まれていることから、公にすることにより、本事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある」と説明している。

 ただ、InFactへの通知書では、「当該ワクチンの接種事業に批判的な人々も少なからず存在する中、これを公にすると、これら批判的な人々により、科学的に根拠のない不正確な情報が拡散されたり、厚生労働省の事務に対する妨害行為が行われたりする懸念があり、その結果、国民が接種を受けるかどうか適切に判断する環境が損なわれ、ワクチン忌避の風潮が広まるなど、本事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある」と説明していた

 だが、事業の存在自体は隠すことができず、その実施内容を公開しないことでかえって誤解や無用な批判を招く恐れもあり、ほぼ全面的に情報公開を拒む理由としては疑問が残る。

大手PR会社と密接に連携 実施内容は不透明

 厚労省の広報プロジェクトは、2回目の緊急事態宣言が出されている最中、医療従事者に対する先行接種の開始前日にあたる2021年2月16日、大手PR会社であるプラップジャパンとの間で最初の随意契約を締結してスタートしたInFactのサイト)。2022年4月以後は、電通PRコンサルティングが一般競争入札で受注した。

 無料の特例臨時接種が行われていた2024年3月までに大手PR会社に支払われた契約金額は、合計すると約3億7000万円だった。

 InFactが入手した資料によると、厚労省は、大手PR会社に丸投げしていたのではなく、省内に専任スタッフを常駐させ、同省の指示や協議を踏まえて実施するものとされていた。その中には「医療系インフルエンサー」を選定してアドバイザリー契約を結ぶことも含まれていた(詳しくはニュースレターで解説予定)。

 大手PR会社や民間人と連携しているが、国費を投じて行われたこの広報プロジェクトの実施主体はあくまで厚労省であったことがわかる。

 業務終了後の検査で「契約どおり相違ない」と確認した調書はあるが、実際にメディアへの申し入れ等を行っていたかどうかは一切わかっていない。ただ、厚労省がSNS上で具体的に誤情報を指摘して打ち消す、「官製ファクトチェック」を事実上行っていたことも確認されている。

 現在、政府が主体となって行う「偽・誤情報対策」は、明文の法的根拠はないが、コロナ禍の緊急事態宣言下で事実上、行われていたことになる。

 このワクチン広報プロジェクトは、無料接種事業を終了した現在も継続しているが、中身は不明だ。

 政府は、近く閣議決定で、特措法に基づく「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」を改定し、平時から「偽・誤情報」の監視や事業者への対処を行う方針を示している。

国の情報発信のあり方 検証の動きは広がるか

 国民の間で意見の分かれるテーマについて政府が情報発信し、政府が「言論者」として現れる場合は、一般個人の「表現の自由」の保障の問題ではなく、いわゆる「政府言論」の問題とされ、法的あるいは政治的な統制が必要との見解が、複数の憲法学者から示されている(参考=人事院勉強会における曽我部真裕京都大教授のレジュメ)。

 コロナワクチンの特例臨時接種の事業は今年3月末で終了したことを受け、検証する動きも徐々に出てきている。

 先週には、接種勧奨のためあらゆるメディアを使って広報した一方、マイナスの情報は周知されず、被害を広げたとして、ワクチン接種による健康被害と認定を受けた死亡者遺族らが、国の情報発信のあり方を争点にした集団訴訟を提起。一部メディアが詳しく報じた(フジテレビ)。

余ったワクチンは有効期限が残っていても全部廃棄となり、運搬や保管、処分の経費をいれず、購入額ベースで単純計算しただけでも約6600億円相当のワクチンが廃棄されたことも報道された(NHKニュース)。

 ただ、当時は、全ての政党とメディアの全面的な支持により進められた経緯がある。

 現時点で、健康被害救済制度に基づく被害認定は過去のワクチンで最も多い7千人以上(うち、死亡認定561人)に上っているが(厚労省資料)、ほとんど報道されていない。国会でも一部の議員が取り上げるのみにとどまっている。

 今後、情報公開や検証作業が進むかどうかかは、予断を許さない状況だ。」

 

河野太郎デジタル担当大臣が子供と若者に人気のユーチューバーはじめしゃちゃーと対談して、アメリカでコロワクチンを2億回接種して死者はゼロと言った2021年6月24日、医師と地方議員450人がワクチン接種の中止を求めて嘆願書を提出し記者会見を開いていました。

(470) 河野太郎氏とはじめしゃちょー対談動画収録の後ろ側で起きていたこと!医師と議員450人がアレの中止を求めて嘆願書を提出していた!【心理カウンセラー則武謙太郎】 - YouTube

 

 

さらに原口一博議員が確認したところでは、根拠にしたと思われるアメリカCDCの資料に2億回接種して亡くなった人がゼロとは書かれていません。

(470) 河野太郎ワクチン担当大臣「当時「2億回うって亡くなった人は0。※疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention 調べ。)」発言の元資料を調査 - YouTube

 

コロワクチンに警鐘を鳴らす声はほとんど封殺されてきました。誤情報を流し続けてきた国は3年前から正しい情報に対して言論統制をおこなってきています。コロナ対策の使途不明金12兆円は言論統制と誤情報を流しまくることに使われた可能性があります。

さらに言論統制を強めようとしている、おそろしことです。

政府が「誤情報」常時監視 6月にも閣議決定へ 感染症対策の一環で 言論統制の恐れも(楊井人文) - エキスパート - Yahoo!ニュース


母が亡くなった翌年-2013年9月

2024年04月28日 14時52分06秒 | 祈り

「2013年9月27日(金)

朝日カルチャーセンター新宿

レ・ミゼラブルをより楽しむために

 川口竜也さん・𠮷原光夫さん

楽屋が一緒でいつもお喋りしている。

レミゼは3つの音から始まった。エポニーヌの「ひとり~」のシンプルな音に色んなバリエーションが加わってできあがっている。

バルジャンとジャベールはもとは一つ。生き方が違った。

バルジャンにとっての司教とジャベールにとってのバルジャンは重なりあっている。バルジャンにジャベールが許されるバリケードの場面、縄をとかれたジャベールはバルジャンの瞳に神の光をみる。

ジャベールが人間くさくなりこわれていく様子は服にも現れている。だんだんヨレヨレ。

ジャベールの自死に至る場面を演じるのはしんどい。

ジャベールはガブローシュに子供の頃の自分の姿をみている。ガブが討たれて近くに連れていかれた時の反応は演じる人によって異なる。映画ではアドリブでナポレオンからもらった紋章をガブの胸につけるが、舞台の短い時間でガブへの思いを表現するのは難しい。

下水道でバルジャンとジャベールが出会う場面、演じる人に任されているが𠮷原ジャベールは駆け込んでいく、4人それぞれ。

𠮷原さん、ジャベールを演じる日はだれとも喋らない。カンパニーもわかってくれている。逆にバルジャンに戻る時はたくさん喋る。役替わりはきつい。

ガブの討たれる場面がああなった時は本当におどろいた。

𠮷原さん、2011年版のオーディション、レミゼをみたことがなく大劇場にでてみるといわれてアンジョルラスで応募。イケメンぞろいですぐに違うと感じて気づいたらジャベールの列へ。アンジョルラスの歌は歌わないままおわった。イギリス人スタッフはリラックスムード、その後方で日本人スタッフがすごく難しい顔をしてすわっている。どっちの温度にあわせればいいの?

川口さん、ティナルディエで応募、スターズを歌ってみてと言われて歌ったらもういいよと言われたのでダメなのかと思った。ティナルディエの歌はすごく練習していったが全く歌わなかった。

𠮷原さん、2011年、オーディションの段取りが耳に入っておらず、自分が歌い終わったらさっさと出ていってしまってすごく怒られた。

旧演出のレミゼは白黒、アンティーク、暗いと言われたのは照明も小さな劇場で使うようなシンプルで地味なもの、光をかなり落としていた。

ジョン・ケアードのこだわり、シェイクスピアの手法をとりいれている。さすがロイヤルシェイクスピアカンパニー(𠮷原さん)

新演出はカラー。

エピローグ、ファンティーヌとエポニーヌがバルジャンを迎えにきて最後アカペラコーラス、楽器の音を抑えて声を小さくしてひとつひとつを細かくていねいに演じていく。かなりきついが最大の見せ場。「人を愛することは神さまのおそばにいくこと」に全てが集約されている。

プロローグ、バルジャンが市長になって登場するまでの展開が早くてよくわからないのは演出家の意図。最後でああこういうことだったのかと観客がふりかえってくれればいい。

レミゼの中で一生懸命生きていない人はいない。19世紀の話だが今のわたしたちの日常と同じ。だからレミゼは続いている。生きることは毎日が闘い。職場でも他の場でも・・・。

体調、気持ち、お客さんの反応によって演技はちがってくる。

進化しないようにしている。同じことをいかに色あせることなく演じていくか。

人間として成長した姿で11月帝劇にもどってくる。カンパニー、一人一人きっとみんな思っている。

アクシデントもさらけ出してやってきている。最初、バルジャンは吉原さん一人だったので緊張していておぼえていない。ひたすら家と劇場の往復のみ。

川口さん、初日プレビュー、すごくうれしかった。

演じていて自然に涙がでてきてしまうことはある。意図して流すことはない。

ムダはセリフはひとつもない。

音楽がすごくいいので、無理に自分でどっか変えてやろうとせず、のっかっていけばいい。むずかしい楽曲に逆に助けられている。

吉原さん、やりたいのはコゼット、(他にあるとすれば・・・)

バルジャン、エピローグ、早替わりの連続、バタバタ。市長になるところは2分40秒、メイクもよごしをおとしてし直すのでマネージャーに靴をはかせてもらい、衣装をきせてもらわないと間に合わない。

ジャベールはプロローグは余裕がある。

吉原さん、「いやなこといっぱいあるじゃないですか」、子供が電車に乗ってきて2人分の席に3人ですわろうと騒ぐのでひっぱたいた。3人がおりる駅で一緒におりて話をしたら3人ともちゃんと悪いってわかっている。のど飴をあげて別れた。体罰はその前後にある背景も考えるのが大事ではないかと思う。

吉原さんの坊主頭は演出家の意向。

イギリス人と通訳を介しながらコミュニケーションとるのはなかなかむずかしい。細かいニュアンスが伝わらなかったり・・・。

体調管理で気をつけていることは特にない。毎日同じ動線でうごく人もいるが、逆にそうしなかった時になんか失敗するんじゃないかと不安になるので、そういうことはしない。(吉原さん)

 

レミゼ深い。夜は帝劇のジャベールの場面がよみがえったり、色々。死生観、宗教観、学ぶところがたくさんある。エピローグ、バルジャンの旅立ち、前向きに演じてほしいといわれた。死生観のちがい。そこが希望になっているんだな・・・。」

 

「2013年9月30日

アメリカへの旅とレミゼ・チケでなんだかすごくあわただしく過ぎている。

ドライなオートマティックなアメリカ式って日本には合わない。私の感性にも本当になじまなくって辛い。なんか世の中ヘンだよなあ。結局弱い立場の人間がバカみてる場面が多いように私は感じてしまうのだがどうだろう。

自分はどこへ行くべきなのか、結局わからないまま時はどんどん過ぎていく。ヘンなストレスにまみれて私の人生は終わっていくのだろうか。

本を読んで色々考えたい。哲学を勉強したい思いはかなえられるのか。

くやしくってくやしくって涙がにじむ毎日である。」


残念ですがK大学の教授も御用学者にすぎないとわかりました

2024年04月27日 17時39分03秒 | 気になるニュースあれこれ

世界情勢を動かした? 岸田総理の米議会演説 「トランプ2.0」が目指すリベンジとは…【国会トークフロントライン】| TBS NEWS DIG (youtube.com)

 原口一博議員のチャンネル、国会中継などの動画をみていたら流れてきたので飛ばし飛ばしに視聴してみましたが、まともに聴くに堪えない内容。通信教育課程を18年かけて卒業した大学の法学部教授の肩書をもつ国際政治学者、残念ですが御用学者に過ぎないことがわかりました。ロシアによるウクライナ侵攻とされるものが始まった頃はこの方の話を信じてしまいました。ツィーターをフォローしていいねもしていました。おやっと思ったのは同じ大学のお仲間だった50代後半の教授がおそらくコロワクチン5回目接種後だったか突然亡くなった時、グローバリストたちを信じている方々なのだと気づかざるを得ませんでした。

 岸田文麿総理大臣の議会演説、どらえもんさんによれば日本が全く主語になっていないので原稿を書いたのはアメリカのスピーチライターではないかと言われているし、大統領専用車に乗ってはしゃいで写真をあげるなんてあり得ないし、バイデン大統領主催の晩餐会、バイデン大統領は盛装していないので非公式だし国賓待遇でもなんでもないし、トランプさんは目の前にいるのに彼とか言われているので麻生太郎議員は名前を認識されていない。日本を売り渡した岸田文麿総理大臣の演説、アメリカの議員たちが拍手しているのは日本人がかわいそうで終わってよかったということではないかと。世界の笑い者になっただけであれが世界情勢に影響を与えたなんてあり得ません。大手メディアうそっぱち、こうやって出てくるのは御用学者ばかり。

 岸田文麿総理大臣、原口一博議員が昨日の国会質疑で暴露したように、昨年秋鈴木財務大臣と共にアメリカの巨大投資企業の会合に何回も出席してスピーチ、その後の株価の動きをみると、利益がでるよう便宜をはかりパーティー券を購入して貰っていた可能性があります。何重にも法を犯している方がいまだ総理大臣の椅子に座っていること自体がおかしいのですが、メディアは一切触れません。

 

(469) インサイダー疑惑追及 2024/04/26(衆議院原口一博財務金融委員会質疑解説) - YouTube

 

 本当に残念ですが18年かけて通信教育課程を卒業した大学、コロナ騒動をとおして御用学者が勢揃いとわかってきました。コロワクチン接種後ガンになったことを表明した方とか小泉政権のとき構造改革の旗をふって日本を破滅させた方とか・・・、この幻滅をどうしたらいいのでしょう。


『氷点(下)』より‐赤い花

2024年04月27日 16時01分04秒 | 本あれこれ

「啓造は、夏枝が帰るかどうかわからないから、陽子一人留守番をさせるのもかわいそうで、早く帰ろうと思っていた。白衣を脱ぎかけているところに、院内電話がけたたましく鳴った。また急患と、あるいは往診かと思いながら受話器をとると、結核病棟の婦長越智和江の声がとびこんで来た。

「院長先生ですね。二号室の正木さんが、いま屋上から飛び降りて・・・」

「何?正木って、正木次郎か」

「はい、正木次郎さんです」

「あす退院する正木か? まちがいないね」

「まちがいありません」

 啓造は脱ぎかけた白衣に手を通して院長室を飛び出した。即死だった。

 啓造は正木の死に思い当ることがないではなかった。正木は病状が快方に向うにつれて無口になっていった。復職が決定しても、退院の日が決っても、何となく浮かない顔で、ぼんやりとしているようであった。

 あるいは好きな看護婦でもできて、退院するのが淋しいのかと、啓造は正木を院長室に呼んだ。一週間前のことである。

 もし正木に好きな女性がいれば、一年後には結婚してもいい、と啓造は告げてやりたかった。院長室に入ってきた正木には生気がなかった。

「何だか少し元気がないようだね、どこか悪いのかね」

「どこも悪くありません」

「気がふさいでいるようだね」

「つまらないんです。何もかも」

「どうして?失恋でもしたのかね」

 啓造の言葉に正木はニヤッと笑った。思わず啓造はヒヤリとした。冷たい笑いであった。

「失恋なら、まだいいんです。ぼくは自分が何のために生きているのかわからなくなりました」

「何をいっているんだね。病気は完全治癒だし、職場にはもどれるし、これからじゃないのかね」

「いいえ、先生。病気の間は治すという目的がありました。しかし治ったら一体何をしたらいいんですか」

 正木は絶望的なまなざしをした。

「何をって、仕事が待っているじゃないか」

「仕事って、先生何ですか。ぼくは6年もの間、そろばんをはじいあり、金を数えたりして働いてきました。しかしそんなことは機械にだってできる事じゃありませんか。ぼくはこのごろゆううつで仕方がないんです。こうして自分が二年間休んだって、銀行はちっとも困りませんでした。そればかりじゃなく、ぼくの休んでいる間に市内にだけでも支店が二つもふえて繁盛しているんですからね。ぼくが休もうが休むまいが同じなんですよ。つまりぼくの存在価値はゼロなんです。そんな自分が職場に帰って何の喜びがあるものですか」

 啓造はその時、ぜいたくな言い分だと思って、笑ってとり合わなかった。その正木が今日自殺したのでる。

 名あてのない遺書には、

「結局人間は死ぬものなのだ。正木次郎をどうしても必要だといってくれる世界はどこにもないのに、うろうろ生きていくのは恥辱だ」

 と書いてあった。

 啓造の話を、陽子は幾度もうなずきながらきいていた。

(結局は、その人もかけがえのない存在になりたかったのだわ。もし、その人をだれかが真剣に愛していてくれたなら、その人は死んだだろうか)

 陽子はその人の死が、人ごとに思われなかった。

「おとうさんはね、つくづく考えちゃったよ」

 啓造はソファに横になりながらいった。

「おとうさんは正木君の病気を治すことはできたが、生きる力を与えることはできないと思ったよ。正木君は魂が病んでいたんだ。ところがおとうさんは肉体の病気には最新の注意を払っても、心の病気には無関心だったのだね」

 啓造は淋しい表情で陽子をみた。

「だが、よく考えてみると、たとえまさきの心の病気におとうさんが気づいても、咳に咳どめ、結核にマイシンのような、ドンピシャリの処方は、心の病気にはないと思うんだよ」

 啓造は陽子がじっと自分の話にききっている様子に心をとめてはいなかった。陽子に心をとめるには、あまりに啓造自身が正木の死によって受けた衝撃が大きかった。

 啓造はいま、自分も一体何のために生きているのだろうかと思っていた。医師が男子一生の仕事としている事を描いたことはない。むしろ誇りですらあった。しかし、よく考えてみると、この自分がこの世に生まれて医師にならねば、世の人々が必ずしも困るというわけではない。自分がいま突然死んだとしても、また病院が閉鎖されたとしても、患者たちは他の病院にかかればよい。

 病気を治すという仕事に啓造は大きな喜びと使命感を持っていた。しかし啓造でなければ治せないという病気はないはずでる。いつのまにか啓造もまたむなしい思いに陥っていった。それは完治した正木に生きる力を与えることができなかったための絶望感でもあった。

 自分の考えにひたっていた啓造は、ふと気づいて陽子をみると、陽子の輝く目が啓造をみあげていた。

「おとうさん。わたしも正木さって方の気持がよくわかるような気がするわ」

「ほう、わかるかね」

「ええ、わたしも自分がこの世でかけがえのない存在だということが、よくわからないの。本当はどんな人間だってみんあ一人一人かけがえのない存在であるはずなのに、実感としてはよくわからないの。だれかが心から陽子はかけがえのない存在だよといってくれたらかわかるかも知れないけれど・・・。正木さんて方も。だれかに強く愛されていたら、死ななかったと思うの」

( (三浦綾子『氷点(下)』昭和53年5月20日第1刷発行、朝日新聞社、189~193頁)」

 

 

 


パブリックコメント送りました-「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」改定案

2024年04月26日 16時46分24秒 | 気になるニュースあれこれ

パブコメは5/7まで-「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」改定案

 膨大な量の内容を全て理解してコメントすることは無理なので、この3年余りのコロナ対策の検証なくして次に進むことはあり得ないという内容のコメントを送りました。この動画を視聴してからまた送ろうと思います。今声をあげなければワクチン強制社会がやってくる可能性があります。カタカナ英語、横文字濫用には要注意。

 

絶対阻止!新型インフルエンザ等対策政府行動計画(案)にパブコメを送ろう!5月7日まで! #パンデミック条約 #国際保健規則 #政府行動計画 #憲法改正 #緊急事態条項 #反グローバリズム (youtube.com)