たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂騒曲』-2020年の観劇納めでした(2)

2020年12月31日 21時59分08秒 | 宝塚
月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂騒曲』-2020年の観劇納めでした
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/bd6adafab59b6f66217c74ff9fe758d8

 2020年12月29日(火)、15時30分公演、断片的な備忘録。

 東京宝塚劇場、2階A席、友の会価格で5,000円。舞台全体を見渡すことができる特等席。フォーメーションがよくわかるし、カンカンの場面でミラーボールが回った時はわくわくしました。宝塚をみているという満足感たっぷり。

 『WELCOME TO TAKARAZUKA』、テーマソングが耳に残りやすく、すぐ口ずさみたくなるような曲調、宝塚らしくていいですね。誰もが聴いたことのあるクラシックにのせた日本物のショー。桜をあしらった着物が華やかで春爛漫、たまきち(珠城りょうさん)が銀橋で歌っている後ろを組子全員がひとりひとり渡っていく演出も心に残りました。オペラグラスでおいきれなかったのが残念。月の巻、フォーメーションの美しさと同時に、衣装にあしらわれた金色の月と扇子がキラキラと光っているようにみえたのもきれいでした。何回でもみたい場面。

『ピガール狂騒曲』、シャルル@月城かなとさんが幼い日の夢を歌う場面、「幼い日に見たマリオネット 今も瞼の奥に 見上げれば満点の星」の歌詞どおり、天井に星がまたたいている演出が素敵でした。原田作品の星組『ベルリン、わが愛』でテオが映画をつくる夢をジルに語る場面を思い出しました。

 シャルル@月城かなとさん「お願い~」のロングトーンの場面、振付師の光月るうさん、衣装係の紫門ゆりやさん、作曲家の春海ゆうくん、それぞれ細やかな芝居をしていました。袖に消えようとして呼び戻されたジャンヌちゃん@たまきちのアドリブ、冷たく「それがいいたかっただけなんですね」は、シャルルおじさんが最後に「良いお年を~」とアドリブで言ったからでした。そのあと実は女の子だと言えないジャックことジェンヌちゃんの「ですが、ですが、ですが」の少し内股かげんもさらに可愛かったです。たまきち、二役早変わりの連続なのに見事な演じ分け、しかも息切らさずにヴィクトールの時はすっと貴公子然と登場するの、すごいなと思いました。もう一人のたまきちを演じていたのは、なぜかプログラムに名前でていないですがツィッターで見かけたところでは蒼真せれんくん、上背がもともと似ているのかもですがお化粧、髪型、表情、スーツを着た背中がそっくりでものすごく努力したんでしょうね。どっちがどっちだかわからなくなりそうなぐらい似ていました。プレッシャーあったと思います、心から拍手を送りたいです。

 終盤のモンマルトルの墓地の場面、母のお墓に手をあわせているジャンヌのところにやってきたのは前夜ムーラン・ルージュでヴィクトールをジャックことジャンヌと勘違いして決闘を申し込んだウィリー@鳳月杏さんと、前夜ヴィクトールを連れてムーラン・ルージュを訪れて目の前にいるのはジャンヌに瓜二つのヴィクトールだと勘違いしている朝から酔っぱらっているロートレック@千海華蘭ちゃん。ここややこしい。ウィリーとロートレック、おじさん同士の同期アドリブ対決が楽しみな場面なんですね。ロートレックがジャンヌにぶつかったことで決闘を邪魔されて怒ったウィリーに対してロートレックが「1月1日の午前6時にここへ来い」っていったんだったかな。あとはわちゃわちゃと二人が揉みあって、細かいところはもう思い出すことができませんが、間にはいったジャンヌが「嘘なんかついてません」と。ここでジャックはわけあって男の子のふりをしている、自分は女の子だと明かしました。驚いてこんがらがるウィリー。「ええい、ややこしい」と。鳳月杏さん、勘違いしているダメンズ、コミカルなところを自然に演じているようにみえてものすごく細かく丁寧に役作りをしているのだと思いました。ウィリーの召使フィリップ@夢奈瑠音くんがジャンヌにピストルの入った箱を差し出すときの大げさな腰の引け具合も、こんな古臭いことをご主人様は本気でやろうとしているので仕方ないです感満載でウィリーの滑稽味が増して面白かったです。

 ムーラン・ルージュの振付師ミシェル@光月るうさんのお姉キャラ、ジャックことジャンヌにきゅんとして、ジャンヌとガブリエルのデュエットダンスの稽古、今日はもう終わりのあとジャンヌに「一緒にいたい💛」ってなったところ、「連れて帰ります」と引っ張っていったのは作曲家セドリック@春海ゆうくんでした。お姉キャラ、やりすぎると興ざめになってしまうところをやりすぎない絶妙なさじ加減はさすが組長だと思いました。

 序盤、ウィリーに離婚を突き付けたガブリエル@美園さくらちゃんをウィリーが雇った弁護士ボリス@風間柚乃くんが、ウィリーからの手紙をもって訪れる場面、ガブリエルの「なんにもわかっちゃいない」、そして「にどと来ないで!」が「にっどと来ないで!」とたっぷりためて言うように進化していて面白味マシマシ。対するボリスの「また来ます」とたっぷりためてふたりのにらみ合い。客席が笑い声であふれました。稽古場で原田先生にプレッシャーをかけられながら頑張っていたというさくらちゃん、こんなふうに笑いで客席を沸かせることができようになったのだと感動。着飾ってジャックことジャンヌを女性だと、知らずにきゅんとなりムーラン・ルージュに立ちたいと自ら申し出るために訪れるところも、やりすぎない程度に大げさな芝居になっていて面白味が増していました。風間柚乃くんの生まれながらの役者顔の存在感はもう言うまでもありません。女装して楽屋のジャックことジャンヌとガブリエルを見張って、カンカンに出ることになり、男性だとばれてしまうと最後はウィリーに「俺は知らない、こいつが勝手にやったんだ」って言われる道化役者、大いに笑わせてもらいました。

 最後の大団円のわちゃわちゃの時に、ウィリー、フィリップ、ボリスの三人で小芝居をしているとぽっぷあっぷたいむで夢奈くんが話しているので見つけようとしましたが、目が足りませんでした。

 ライブ配信、ライブビューイング、それぞれに良さがありますが生の観劇の臨場感に勝るものはないと心の底からあらためて思いました。。お金と時間を使って出かける劇場という空間で非日常にひたるひとときは、なにものにも代えがたい生の醍醐味。たまきち率いる月組のみなさんのおかげで苦しかった2020年を笑って締めくくることができました。一期一会の出会い。
























 
春に上演予定だった作品に半年おくれで出会った2020年、ポスターもプログラムも全部作り直して、いつ千穐楽がきても悔いのないよう今までにまして命がけて届けてくれる舞台はどれも素晴らしいものでした。



激動の2020年、無事にここまで生き延びてくることができました。

ささやかなブログへの訪問、ありがとうございます。
これからもささやかに綴っていきます。

2021年、ほんの少しでも希望がみえる年となりますように・・・。










「大草原の小さな家」への旅_ペピン湖畔

2020年12月31日 12時53分37秒 | 「大草原の小さな家」への旅
「大草原の小さな家」への旅_ウィスコンシン州ぺピン&ミネソタ州
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/7eb50a6dc23bce73ff9bb1926d238ae9

 ローラ・インガルス・ワイルダーの足跡をたどる旅、写真はもうないのでペピン湖の地図とパンフレットを。今は飛行機で飛べる広大なアメリカ大陸を幌馬車に全財産と命をのせてローラは移動したので振り返るとき整理するのが少し大変。こんなに広いアメリカ大陸からみたら日本はアジアの端の小さな国に過ぎないんだろうと思います。もう訪れることはないであろうローラ誕生の地へしばしAirTrip。以前にも書いていることとたぶんかぶりますが・・・。

「一家は、幌馬車に全財産をつんでペピンを立ち、冬の凍ったミシシッピ河を渡りました。アメリカ北部から南のメキシコ湾へ流れる、全長6000キロをこえる大河です。
 19世紀の当時は、今のような橋はありません。氷におおわれた川面を、馬車で渡ります。もし氷が割れたら、深い河底へ。
 一家は、無事に渡り終えます。東部のウィスコンシン州から、河をこえて、西部に入ったので。

 幌馬車は、果てしない大草原を、一日に30キロずつ進み、ついに1000キロ、南になるカンザス州インディペンデンスに着きました。」(松本侑子先生の資料より)









(LITTLE HOUSE ON THE PRAIRIE-GOING WESTより)

「They had come in the covered wagon all the long way from the Big Woods of Wisconsin,

across Minnesota and Iowa and Missouri. All that long way, Jack had trotted under the wagon.

Now they set out to go across Kansas.

Kansas was an endless flat land covered with tall grass blowing in the wind. Day after day they

traveled in Kansas, and saw nothing but the rippling grass and enormous sky.

In a perfect circle the sky curved down to the level land, and the wagon was in the circle,s

exact middle.」

こんな時こそShow Must Go On!

2020年12月30日 18時41分59秒 | ミュージカル・舞台・映画
「井上芳雄のミュージカルに恋をした!! 第48回_Show Must Go On!
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/00c457a083c5cea6341bf244135fb194


11月22日以来の東京宝塚劇場はお正月を迎える準備。
昨日の月組公演が今年最後の上演でした。

2月下旬以降、舞台の中止を余儀なくされた2020年、舞台を生きる場としてきた俳優さん、ダンサーさんたちにとって収入が途絶えたことはもちろん、精神的なダメージは計り知れないものがあったと思います。
これ以上哀しいニュースはききたくない、もう誰も逝くなよ、若い命がさっさと逝ってはいけないと叫びたいです。

ニューヨークもロンドンも劇場閉鎖が続いていることを思うと宝塚も東宝も劇団四季もホリプロもものすごい努力によってなんとか上演を続けている日本の演劇界はすごいなと思います。

寒さと乾燥がひどい1月、2月が闘いの正念場なのでしょうか。
わずかな収入を得るために自分をだましだまし出勤するのすごくつらいから、なんとか改革とかのせいで就労場所はどこも疲弊しきっていてつらいから、こんな時こそ劇場で非日常的なひとときを過ごして心の元気をチャージしたい。
観劇は不要不急の外出ではなく、人生にとって大切な用事。

こんな時こそShow Must Go On!





1月8日から16日までの公演中止が発表されたミュージカル『IF/THEN』、
柚希礼音さんの名前が公表されたの、本当に必要なことだったのかと考えてしまいます。
無事な復帰を祈るばかりです。





シアタークリエで感染症対策の除菌作業を公開
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/8d82eee53ea4557d83d62a9bfa126363

12月7日に除菌作業の様子を報道陣に公開したシアタークリエ、灯りが消えた劇場の中でスタッフさんたちが立ったままミーティングしている様子がみえました。







東京宝塚劇場のお隣、日生劇場もお正月を迎える準備。

12月31日から1月6日まで『陰陽師』上演、完全に情報を見通していました。
大沢たかおさん主演、ゆん(古川雄大)さんと村井良太さんのダブルキャストなんでみたすぎます。









シャンテ3階の日比谷コテージにはイケメンたちが。



ゆん(古川雄大さん)、ルドルフデビューした頃の線の細さを思うとヴォルフガングを演じられるまでの成長ぶりはすごいです。春のエリザベートではトート閣下の予定でした。
また無事ヴォルフガングに会えることを祈るばかりです。



咲妃みゆちゃん可愛いし、かいちゃん(七海ひろきさん)はリアルにナチュラルにイケメン。








廣瀬友祐さん、『IF/THEN』に出演予定、紅ゆずるさん主演の『エニシング・ゴーズ』に出演することも発表されました。
無事にまた舞台で会えることを祈るばかりです。



2021年、良き年となりますように・・・。

月組の観劇録、この脳みそが記憶できているうちにもう少し書き留めておきたいです。

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂騒曲』-2020年の観劇納めでした

2020年12月30日 01時44分41秒 | 宝塚
月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂想曲』-東京宝塚劇場公演(2)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/fba7851b07f3d7006f60e4399b0bbe4f


 月組『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂騒曲』、2020年12月29日(火)15時30分公演、なんとか無事に観劇してきました。はじめてのバス生活、年の暮れの日中、バスは思いっきり遅れるのだということを知りました。おかげで幕開きのチョンパは逃しましたが日比谷駅で夢咲ねねちゃんに遭遇した?(マスクしていてもすっごい美人で華やかオーラをまとった背の高い、深い黄色のワンピースを着た女性、違うかなあ・・・)、昨日と今年の疲労が出て、シャンテのキャトルレーヴの整理券もらったそばから落としたことに気づかぬまま時間までと店内をウロウロしてしまったりと危なかったの哀しかったですが、楽しいひとときを過ごすことができました。苦難の一年の終わり、『WELCOME TO TAKARAZUKA』は桜色の春爛漫、とりわけ月の場面は客席もすごい集中力でさらに鳥肌もの、フォーメンションが美しくて流れ星も三日月が満月になっていくのは一編の物語をみているようでそんなに深い意味とかわからないのですが涙が出そうになりました。松本悠里さんの雪の場面は選ばれし男役3名、鳥居が回る中をせり上がって消えていくだけだったと思うのですが、千海華蘭ちゃんと春海ゆうくんは花道から登場し相手役として踊りも入る演出に変わっていました。白雪さち花さんのカゲソロの歌声がさらに美しく東京宝塚劇場の壁と共鳴しているようでこれまた涙が出そうでした。美園さくらちゃん、日本物の髪型と衣装もよく似合っていて着こなし上手、所作が指先まで美しいし、鳳月杏さんの白塗りの美しさも鳥肌もの、ここまで無事に月組を率いてきたたまきち(珠城りょうさん)の真ん中に立つ力、今さらながらすごいと思ったし、華やかで美しいショーだけでも十分すぎるぐらい清められました。書き始めるときりがありません。

『ピガール狂騒曲』は1月3日の大千穐楽に向けて、芝居の月組、流れの中にアドリブをたっぷり盛り込んでのりのりでした。この脳みそがこまかいところを覚えきれないのがほんとうに残念。舞台上のジェンヌさんたち、ここまで無事に進んできて本当に楽しそうだったし、客席も心の底から楽しそうな笑い声がいっぱいでした。苦難の一年だったのはわたしだけではない、お正月には思いもよらかなった、それぞれに大変な一年、ひととき日常を忘れて劇場にいた誰もが笑うことができてよかったです。ロートレック@千海華蘭ちゃん、酔っぱらったときのいびきがロングトーンで劇場に響ていてけっこうな肺活量だと思うのですがきれいないびき、アドリブが「食べて飲んで年忘れ~」、ウィリー@鳳月杏さんの飛び蹴りは長い足がいちだんと舞台に映えてほれぼれするような美しい飛び蹴り、アドリブは「まだ終わらない」だったかな。楽屋の掃除係りの夏月都さんの皿回しならぬ手の上のモップ回しがさえてたし、そのあと物語とは関係ないと戻したのは衣装係の紫門ゆりやさんだったかな。カンカンのシーン、カメラでは追い切れない圧巻のフォーメンションをみることができたのは劇場ならでは。圧巻のダンス力マシマシ。男役をそろえたロケットは下級生のキャストが入れ替わっても迫力モノでした。両端で頑張って足上げていたのは娘役さんかな。直後がたまきちと娘役さんたちの群舞だからここは男役さん中心。娘役さんの群舞から男役さんが大階段をおりてきて燕尾服のダンスへの流れはなんかいみても宝塚をみているという満足感。シャルル@月城かなとさんの「お願い~」のロングトーンもさらにさえわたっていて振付師の光月るうさんたちの盛り上げ方がすごかった中でそでに消えようとしたジャンヌちゃん@たまきちのアドリブは冷たく「それがいいたかっただけなんですね」だったかな、ピュアなおじさんに対して可愛さマシマシでした。ガブリエル@美園さくらちゃんはさらに堂々とかっこよく、背中をそった体のラインが自信にあふれて素敵で芝居の間がさらに冴えわたっていました。たまきちの二役、今はどっちなのか三回目にしてこんがらがずにみることができたかな。ジェンダーっていうところではきびしいご意見があるの承知ですが楽しいと思います。オンデマンド配信の番組で、二役の入れ替わりが多いたまきち、こんなに走ったのは初めて、楽しい、袖に入ってもずっと笑っているって。一年の終わり、楽しい時間をたまきち、さくらちゃん、月組のみなさん、ありがとうございました。笑えてよかった、ほんとうによかったです。

 ツイッターでみかけたところでは、『ピガール狂騒曲』のセーヌに架かる鉄の橋=『アナスタシア』のアレクサンドル3世橋(1900年落成)とか。なるほど、こうしてつながっているなんて嬉しいですね。『アナスタシア』のチケット、およそ3週間後に無事に会えますようにと祈りながら2公演とも発券してきました。阪急の貸し切りで日曜日も1公演当選しました。すべてお手頃なA席、この世にいる間だけ。

 長い東京宝塚劇場公演、千穐楽まであと5日、無事にたどり着けますようにと祈ります。

 蓮つかさくん、元気いっぱいでした。よかったです、ほんとうによかったです。






















映画『ハンド全力』オンデマンド配信が始まりました

2020年12月29日 13時05分16秒 | ミュージカル・舞台・映画
「熊本地震をきっかけにハンドボールを辞め、無気力に生きていた高校生のマサオは、SNSに投稿したかつての写真が思いがけずバズったことから生活が一変。「#ハンド全力」というハッシュタグを使い、廃部寸前の弱小男子ハンド部員達と、練習に励むフリをして、バズる写真やコメント作りに全力投球。次第に復興の盛り上げ役として注目され、全国からの”善意”を受け取り有頂天になるが…。」

https://tv.rakuten.co.jp/content/361869/?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=twitter_rtv_y201224hand

 年末年始の休み1日目、無給生活に戻ったのはつらいところですがわずかでも年明けも収入のあてがあるだけまだマシと思うことしましょう。社会保険料の天引きだけで給料の何日分もってかれているのかと数えるとため息しかないですが仕方ないですね。お金あってもきびしい人生を生きている方々がいることも、お金が足りなくてきびしい人生を生きている方々がいることも、社会の表にでることはない壮絶な人生は世の中にかぎりなくあるのだということがわかってきました。一応なんとか健康で生き延びることができているだけでも十分にすごいことなのだとあらためて思います。不安があおられるニュースばかりの中、せめて休日はできるだけ元気になれることを書いていきたいです。

 公開が夏にずれこんだ加藤清史郎君主演『ハンド全力』、オンデマンド配信が始まりました。1,100円というお手頃価格、楽天TVは宝塚のオンデマンド配信視聴しているチャンネルなのでこちらで視聴しようと思います。ゼロ歳からお仕事している生まれながらの役者、清史郎君がどんな演技をみせてくれているのか、楽しみです。

『ハンド全力』、公式ツィッターもあります。
https://twitter.com/handzenryoku


 わたしはテレビをもっていないのでみることできませんが、大河ドラマに帰ってきた芦田愛菜ちゃんと清史郎君の成長した姿が話題になっているようです。子役が凛々しくたのもしく成長した姿は元気をもらえますね。フジテレビのドラマでは兄と妹で共演したことのある二人。頭がいいんだろうなと思います。賢明さがうかがえる顔立ちをしています。

 
「芦田愛菜&加藤清史郎、『麒麟がくる』登場でひとときの癒やしに 一世を風靡した子役2人の成長」

https://realsound.jp/movie/2020/12/post-681734_2.html



 なんどか書いていますが、今年大きな舞台が二本中止となった清史郎君、どちらも小池修一郎先生の演出作品。清史郎君がイケコの演出で日比谷に戻ってくるまで、『レ・ミゼラブル』のマリウスかアンジョルラスで帝国劇場に戻ってくるまで死ぬわけにはいかない、その時が訪れたらファンクラブに入って全力でチケットをとりにいくつもりです。生きていく理由なんて考えても仕方ない、観劇のための人生、そのために生き延びていく毎日です。


今年最後の稼働日が無事に終了しました

2020年12月28日 23時39分16秒 | 日記
 2020年、今年最後の稼働日が無事に終了しました。苦難の一年、なんとかここまで生き延びてきました。朝4月末で終了とさせていただきたい、そこまではお手伝いさせていただきますと伝えたので、年明けが月曜日からスタートすることなど今は考えず、少し気持ちを落ち着けて年末年始は過ごそうと思います。帰りがけに案の定頭下げられました。そういうことしてほしくないですが状況的に仕方ないですかね。もう少しお給料が高ければなあと思います。でも上がることはない、なら消費税さげてほしい、年金の天引きもうカンベンしてくれーとため息ですが、仕事があるだけマシですかね。へたに収入増えるとそれ以上に負担の方が多くなるという悲劇もあるからこれでいいんですかね、どうなんでしょう。

 緊張感から解放された夜、またイルミネーションを楽しんできました。

 

















 今年のお正月、東京宝塚劇場の宙組観劇と、上野の『ハプスブルク展』のために新幹線でやってきた時は、30年暮らした街がすごく遠くに感じられました。その時はまだ舞い戻ってくることが自分の中で現実味を帯びていませんでした。

 新幹線の中から富士山がみえたとき、隣の年配の女性が、雲が黒いのが気になるって言っていたことを思い出します。苦難の一年の前触れということだったでしょうか。晴れ渡った冬の空に浮かんだ富士山、きれいでしたけどね。この時からすごく長い時間が流れたような気もします。





 弟がマンションを買って家を出たらしく、30年前統合失調症を発症する前の母がはりきって建てた家はついに空き家となりました。瓦屋根をのせた二階建てのデカイ家が軒並み空き家になっている真っ暗な地域、車に乗らない人は住めないし、広い庭の雑草を管理していくのは大変なのでわたしは住めない、仕方ないでしょう。母が孫に囲まれて暮らす日を夢見て建てた家、母を待ち受けていたのは二番目の娘が死んでしまうというあまりにも残酷なものでした。誰も幸せになれなかった家、どういう因果なのか。母が亡くなった時一応私も名義にいれてもらっていますが固定資産税にいくら支払っているのかも知らない。妹の遺品を全部は自分の手で処分しきれなかったのが少し心残りですが、まだまだ大量にあった荷物のほとんどは台所用品と弟の荷物、お金で解決していくのでしょう。家財処分と壊すのにどれだけかかるのか。家は人が住んでこそ生きる、誰も住まなかったらあとはひたすら傷んでいくだけなのでしょうね。この家で最期を迎えたいとがんばってその通りに逝った母、母のための家で、もういないから必要のない家。父も母も自分がいなくなれば家は処分される運命にあるなど建てた時は片隅によぎることさえなかったでしょう。切ないですがこれでいいんだと思うことにしましょう。家族ってなんなのか、結局永遠に知り得ないですから・・・。

 明日は11月22日以来の日比谷、脳みそよじれているので、もっとずっと以前のことのように思えるぐらい、おかげさまで忘れています。だから新鮮に楽しめそうです。苦難の一年の締めくくり、笑いたい。笑って一年を終わりたい。うがいと手洗いをさらにマメにして、除菌シートも用意した方がいいかな。蓮つかさくん、上級生になってからのロケットは体きつかったことでしょう。ショーも復帰できてよかったです。密を避けるために、ほんとにがんばっているんですよね、宝塚。自分、無事に楽しめますように・・・。


これから”風の時代”が始まるそうです

2020年12月27日 21時41分19秒 | 日記
with編集長 北原かおるがwith2月号の見どころをお届け!表紙はSnow Man! 大特集・2021年を「おいしく」生きるヒント
https://withonline.jp/newbook/zTosH

「あと数日で2021年が幕を開けようとしています。
これから“風の時代”が始まると最近よく耳にしますよね。
この年末年始は、自分にとって何が大切で幸せなのか、整理してみるといいそうです。優先順位をクリアにして、年明けから良い上昇気流に乗っていきたいですね!」

 紅ゆずるさんのファンクラブの配信で知ったwith2月号の紹介記事、受けとめ方は人それぞれだと思いますが、ますます不安があおられるこの頃、なんだか信じたい気持ちにならずにはいられません。明日今年最後の出勤日、長い一日になる予感しかありません。わたし自身のせいではまったくなく体制の問題ですが人員が足りないことによる周囲のストレスをまともに受けなければならないことになるでしょう、たぶん。どうですか?ってたずねられることは必須なのでそしたら4月末で終了させてほしいと答えなければなりません。それがいちばん丸くおさまるはず。でも1月のシフト表をみると思いやりのつもりを深く後悔することになるリスクは大きいです。それでもその先を考えると生活があるのでそうせざるを得ないということしか今の自分には感がられません。なぜこんな状況になっているのかと見回したとき、逃げ切る出口がみえている上は自分の保身のことしかもう考えていないからこうなっているのだという気づき、残念ですが人は勝手なものだというのは大会社で学んだこと。上がひたすら保身に走ると実稼働している若い人たちやハケンはその身勝手さに振り回され自分も含めて大変でした。そんなことをいやでも思い出してしまう現実、人はおろかで哀しいものです。それでも、わずかな稼ぎですが自分を食わせていくためとこんな果てしのない苦労をしている人たちが世の中にはいるのだという知ったということから明日の朝、今年最後のプレッシャー、バスに体を乗せるしかありません。

 これから2か月、いちばん寒さのきびしい季節、どうなっていくんでしょうね、どこまでやれるのでしょうね、ものすごく不安。体のだるさを感じるのは眠剤中毒のせいなのかな。味覚も臭覚もあるし、デパートの入り口に設置されたサーモグラフィーを通ったら体温、正常でした。体中筋肉痛なのは疲労の蓄積、緊張しながら手書きなので腕ごちごちだし、郷里の自転車生活で痛めた股関節は痛いまま。舞い戻ってきた街のかかりつけ医は薬をできるだけのまない方がいいという考えですがまだ心療内科にいかななくても大丈夫そうです。どうして田舎の医者は規定をこえてばんばん眠剤を出すことができるのかときいてみたら田舎は保険者のチェックが甘いからとのこと。4月末まで果てしなく長いことのように思えますがそこまでたどり着いたらまたその:先の自分がみえてくるのでしょうか。何を大切にして、何を幸せと思い生きるのか。わたしがいなくなっても困る人はいませんが自分から死んだりしたらどれほどの苦しみを関わってくれた人たちに背負わせることになるのかを誰よりもよく知っているのでそんなことはしない。

 今日、宙組『アナスタシア』東京宝塚劇場公演、一般前売開始日でした。アーニャとの観劇デートをとりつけたグレブさん、初日のチケットとれたかしらね。とれているといいけどそしたらアーニャとグレブさんが舞台にいないことになってしまうのでそれは困ります。わたしは平日2公演当選したし、阪急で日曜日のキャンセル待ちにエントリーしたのでこれ以上は無理かな。無事に上演できることを、自分無事に観劇できることを祈るばかり。

 明日のことはだれにもわからない。一日一日をなんとか生き延びていくだけ。

 2001年の年の暮れ、大会社から成田空港へ向かい雪のモントリオールへと旅立ちました。ただ往復しただけなんですが今となっては夢をみていたかのようです。この世にいる間にいつかまたと思いながらもうかないそうにないカナダへの旅。その時B&Bの部屋に置かれていた小冊子、捨てきれずにスキャンしてみました。誰がいるわけでもなんでもないですが、英語もフランス語も話せるわけでもなんでもないですが、懐かしいばかりのカナダ。海外ツアーを組んでいる旅行会社のサイトを久しぶりにみると当然ですがツアーの予定、全く組めませんね。いつかまた飛び立てる日が世界に戻ることを祈るばかりです。

 来年、良き年になることを祈りつつの明日・・・。






宙組『追憶のバルセロナ』-ナウオンステージより(2)

2020年12月27日 09時58分16秒 | 宝塚
宙組『追憶のバルセロナ』-ナウオンステージより
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/4cfd2c0b4eac1c793cdd83338a7c276a

真風;生の感覚がお稽古でもっともっとぶつかり合ってお見せできるようにがんばっていますけ
   ど、どうです?ずんちゃん、ロマ。

桜木:みなさまとはまた違った雰囲気をこのグループで出していけたらいいなと思うんですけ
   ど、正塚先生のお芝居ってがんばることをがんばらないというか、やろうとしてしまう
   とちぐはぐになってしまう感じとかがあるので、そこに自分がどういれるかとか毎回
   毎回ある意味緊張感がある、その空気感を丁寧につくらないといけないなとすごく
   感じている。ロマの人たちの説明がしないけど体から出てくるような生き様を、
   フランシスコに影響されてっていう流れをグループでつくれたらいいなと思って
   稽古している。

真風:彼女らしき人もいるしね。

芹香:なんで最後荷物とるの?

桜木:プッとしてるから、もってあげようと思った。

芹香:正塚先生っぽいよね。

真風:罪な男だね、ほんと。

桜木:先生の示してくださるお手本の感覚をなるべく自分の中にとりいれなきゃと思って、
  いい男を演じられるように。

真風:正塚先生がやっているロベルトもまたいいよね。

桜木:初演の映像をみたとき最初の椅子にシーンの印象がすごくて、印象に残りやすいので
   それだけにおさまらないように一人一人の生き様をナンバー中にみせられたらいいなと
   思う。芝居中はナチュラルにやっていても間とか最後に向かって熱くなっていく感じと
   か、ポジション、バランスが絶妙なんですけどそこにいけたらいいなって。

真風:自分の国はとかっていう感覚は、ふだんのわたしたちにはそこまでの感情がないので
   ロマの人たちのまっすぐな生き方、地に足がついて感情をそのまま出すところにかなり
   一年間で(フランシスコは)影響をうけている。
   どう衝撃的?

華妃;わたし自身がまだ独り身でいたらフランシスコ自身もきっと黒い風になっていないん
 じゃないかと思ったり、なっていたとしてもわたしがいるのでそんなに活躍できないんじゃ
 ないかと思う部分もあるので、アントニオとこうなってしまったからという結末もあるし、
 先日芹香さんともお話させていただいんですけど、フランシスコが戦争に行ってから戻って
 こなくなってしまって、次に出てくるのがすぐに(アントニオと)抱き合っているシーンなの
 でその部分を誤解されないように、愛の方向性をきちんとお伝えしないとなっていうところ
 がすごくむずかしい。

真風:けっこう時間経過が早い、次の場面では前のシーンからずいぶん心境が変わっているみ
   たいなシーンが意外と多いから、通しをやっていて気づくこととかそのあと冷静にみて
   ここはもっと自分の中で時間の経過を感じなきゃっていうところも見えてきた。その分
   最初のベースメントのそれぞれの役の濃さみたいなものをさらに深めていけると・・。

************

-司会の華陽子ちゃん、立ち回りもすごく多いということですが。

真風:けっこう立ち回っている。

芹香:わたしが衝撃的だったのは正塚先生が立ち回りをつけるんだ、殺陣の先生じゃないんだ、
   サーベルを持ち出した!あれー、立ち回っている!みたいな衝撃が稽古場ですごかった。

真風:でもわかりやすくてね、その作品をつくった先生だからつけれる立ち回りの流れ感と
   いうのはあるよね。

芹香:感動的。

桜木:立ち稽古の延長で手の動きがつきだす。

芹香:そう!

真風:新しんですよ、こういうのね。普段はお芝居とは別に立ち回りの先生に入っていただい
   て、そういう日をもうけて、そこでお芝居と立ち回りの消化を自分たちでしていく。
   お芝居しながら剣も振り回すということがすごくある。
   (まどかちゃんに)ブンブン振ってね。

星風:剣をもつの初めてではないと思うので、そういうふうにならないように、この場を
  なんとかしなきゃっていう魂の、勇気を振り絞ってのことだと思うのでうかうかしては
  いられない。

真風:わたしもそうだよ、いきなり大暴れしだす。

桜木:いきなり、おおって。

真風:(ロベルトは)飛び蹴り、けっこう激しめなシーンも注目してほしい。


 宝塚の世界にリアルを持ち込んだ1990年代、2000年代の正塚作品『二人だけの戦場』『FAKELOVE』『バロンの末裔』『Crossroad』『銀の狼』『デパートメント・ストア』、

 今の自分でもう一度観てみたい。オンデマンド配信でいつか出会えますように・・・。







2008年『フェルメール展』より-「ディアナとニンフたち」

2020年12月26日 17時31分07秒 | 美術館めぐり
ヨハネス・フェルメール《ディアナとニンフたち》
1655-1656年頃 
マウリッツハイス王立美術館、油彩、カンヴァス

(公式カタログより)

「ディアナがニンフを従えて森の外れの岩に座っている。彼女が女神ディアナであることは、わずかに帯状の髪飾りについた三日月によって特定できる。この抑制の効いた控えめな絵画には狩りの女神としての持物、つまりしばしば彼女とともに描かれてきた弓や筒に入った矢も、死んだ獲物も、何も含まれていない。ニンフが一人、ひざまずいて小さなスポンジでディアナの足を洗う。一方、もう一人のニンフは両脚を交差させ、一方の足を自分の手で持つ。他の二人のニンフは後ろに静かにたたずむ。雰囲気は実に重苦しく瞑想的である。

 フェルメールの若年期の頃には、ディアナと侍女のニンフという主題は、宮廷関係の依頼主の間で人気をとっていた。(略)

《ディアナとニンフたち》はフェルメールによる唯一の神話画である。ただし、1761年に作成されたデルフトのウィレム・ファン・ベルケルの財産目録にはフェルメールによる失われた絵画、《ユピテルとウェヌスとメルクリウス》が記載されている。ディアナは夜と月の女神であるだけではなく、貞節の女神でもある。だから、この場面の焦点が儀式的な浄化の行為であるのは理にかなっている。確かに、侍女のニンフは、前景にこれみよがしに置かれた真鍮のボウルと白い布を使ってディアナの足を洗う。このテーマは、自分の涙でキリストの足をぬぐったマグダラのマリア、あるいは最後の晩餐の折にひざまずいて弟子たちの足を洗ったキリストのような、キリスト教の重苦しい宗教的主題の方にむしろ容易に関連づけられてきた。真鍮のボウルと布は、いばらの冠を連想させるアザミのすぐかたわらに置かれているが、哀悼や十字架降下のようなキリスト教絵画の前景にも見受けられる。左下に描かれているアザミも、神話よりむしろキリスト教的な象徴をすぐに連想させる。現世の苦労や悲しみ(創世記3:17-18)を示すモティーフだが、なかでもオランダの結婚にかかわる絵画では、自制や抑制をも意味した。(略)

 本作品には、19世紀半ばにハーグのネフィル・ダーフィソン・ホールドスミット・コレクションにあった頃、装飾的なモノグラムがあったが、それはレンブラントの弟子ニコラス・マースのものと思われていた。1892年にその署名がマウリッツハイス王立美術館で調査され、そのイニシャル「N.M.」が「JVMeer」なる署名の上に塗り重ねられていたことが判明した。本作品はマースの様式では描かれていない。しかし、中央の人物が1654年にレンブラントが描いた《パテシバ》(パリ、ルーブル美術館)に負っていることはずいぶん前から指摘されてきている。パテシバは、貞淑なディアナがしっかり衣服を身に着けているのに対し、裸身だが、同じように横向きに座り、ひざまずく侍女が足を洗うに任せている。こうしたレンブラント的な着想を伝えたのはカレル・ファブリティウスだったと示唆されたこともあった。というのも、彼はデルフトに移る前にアムステルダムでレンブラントに学んでおり、シュヴェリンにある彼の《歩哨》と外見的に類似した静寂の雰囲気を漂わせるからである。とはいえ、フェルメールをファブリティウスにつなげる証拠は何もない。(略)

 悩ましいほどに瞑想的で、哀愁さえ帯びた雰囲気が本作品に漂う理由は定かではない。それは、オランダの画家、あるいは他のどんな画家であろうと、彼らが通常描くディアナとニンフと非常に異なる側面を見せる。ただし、アザミに象徴性が込められているとはいえ、1654年10月12日にデルフトを広範囲にわたり破壊した火薬庫爆発の記憶が、本作品の構想の背後にあると主張するのは行き過ぎであろう。われわれは、こうした特異なやり方でフェルメールをこの主題に向かわせたのが何なのか、その理由を知らない。しかしながら、ディアナの主題の奇抜な解釈の中に、後に世俗的な風俗主題で女性たちのプライベートな暮らしに焦点を当てていくことになるフェルメールが先取りされている。

 1999年から2000年に本作品は洗浄され、右上の青空が後の重ね塗りと判明した。この構図が、元来は、おそらく12センチほど右に延びていたこともわかっている。重ね塗り部分を取り除き、この絵画はさらに薄暗くなった。想像するに、右側でひざまずく少女の全身が含まれていたであろう元々の構図は、よりピラミッド型を強調するものであったろう。」








金曜日、クリスマスの夜

2020年12月25日 23時29分55秒 | 日記
 平成の世は連休になることも多かったクリスマスの夜が、ほっとできる金曜日の夜でよかったなあと思います。なんとか生き延びた一週間、脳みそと心がよじれきった自分へのいたわりにわたしの時給にはちとぜいたくすぎるクリームティーセットをいただきました。ほっと一息つきながら少しお腹を満たすと、まだ出会っていない今年だけのクリスマスを求めてまた少し街を歩きました。周辺にほとんどなにもないところで脳みそよじれそうになりながら5日間フル稼働したあとなのでキラキラのシャワーを浴びたくなりました。気がつけば一か月東京に出向いていないし、疲れてしまって今年だけのクリスマスを満喫できたとはいいがたいのですが、金曜日の夜、まだ出会っていなかったきらめきとささやかな出会い。カップルが何組もいたのでおばさんはスマホで撮ったら早々にひきあげました。電車の中で1月のシフト表をあらためてみたらこれはやっぱり逃げ出した方が正解なのかともやもやしすぎですが今週はもう考えることをやめたい、ほっとやさしい気持ちで終わりたいと思う金曜日の夜、クリスマス。


 10年前の12月に訪れたプロテスタントの教会の牧師さんのお話より、

「ヨハネによる福音書1章6-14節

 永遠のみこ言は人となり、肉体となり、我々のうちに「宿った」。宿るは、元来、天幕を張るという意味である。幕屋はテントである。イスラエルの民はもともと遊牧民族出会った。遊牧の民イスラエルにとって幕屋は親しみやすい住かであった。天幕はたやすく張られ、また容易にたたんで移動できる。そこから、天幕は移ろいやすい人間の肉体をも意味するようになった。イスラエルの3大祭りの一つ、仮庵の祭りは、勤労の実を取り入れる仮小屋をつくり、イスラエルの天幕生活、天幕時代を記念して祝う祭りであった。使徒パウロの職業は天幕作りであった。だから彼は「私たちの地上の住みかである幕屋が滅びても、神によって建物が備えられていることを、私たちは知っています」と言う(コリントの信徒への手紙25章1節)。神によって建てられる恒久的な建物、永遠の住みか、これと対比される「我等の幕屋なる地上の家」。「主は御父のもとをはなれ、わびしき世に住みたまえり」と讃美歌にうたわれている。人間の弱い存在を示す「肉」の姿を取り、人間生活のはかなさ、永遠性、恒久性とは反対の姿を象徴する「幕屋」に住まう仕方で、イエス・キリストは罪と死の支配するこの世に来てくださった。これは神の我々に対する愛の具体化であり、具現化にほかならない。

 日本、ローマ、エジプトでは、偉人や豪傑、あるいは皇帝などが神として祭られ、人間が格上げされる。古代エジプトの王ファラオは神として礼拝された。ローマでは皇帝礼拝があった。日本では、鎌倉時代末期の武将、楠木正成は大楠公と呼ばれて、神戸の湊川神社にまつられている。平安時代の政治家・学者の菅原道真は京都の北野天満宮に学問の神としてまつられている。これとは対照的に、キリストは神のかたちであり、神と等しい方であったのに、おのれをむなしくしてしもべの姿となり、人間の姿になられた。人々に仕えられるためではなく、しもべとして仕えるために来られたイエスの誕生の場所は、飼葉おけのほかはなく、また死に場所は十字架のほかはなかった。これらすべてのことは神の我々に対する限りない「愛」の故であることをおぼえたい。クリスマスはこのような神の愛のドラマである。」