たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

宙組『アクアヴィーテ』_第4章「ダウンタウンビースト」

2020年02月28日 20時06分27秒 | 宝塚
 宙組『イスパニアのサムライ‐エルハポン』『アクアヴィーテ』、東京宝塚劇場公演は芝居、ショー共に指揮は佐々田愛一郎先生でした。国際フォーラムの『紅‐ing』を観劇されたとか。紅子さんが、新人公演で先生の「ハイッ!」がないと銀橋で歌えなかったゆずるちゃんにかわってお礼いっていた光景を思い出します。そこにあったのはただ愛のみ。『アクアヴィーテ』第4章、東京宝塚劇場千穐楽ライヴビューイングでは客席の拍手が鳴りやむのを待っていてくれたのがわかってあったかい気持ちになりました。専用劇場のありがたさが沁みました。

 退団した実羚淳さん、退団挨拶の前に組長の寿つかささんがどこからが足かわからないほど足が長くスタイルがいいと紹介されました。ライブビューイングの大画面でハイレグの足の長さと新体操の選手のような体の柔らかさ、身体能力の高さにあらためて見惚れました。ウィスキーボトルを片手にソロを終えたキキちゃんも拍手を送っていました。今までになかったワイルドキキちゃん。特にお気に入りの場面の一つになりました。男役だから許される、男役にしか許されない振付があるのだと再認識。長い手足を存分に生かしたキキちゃん、かっこよかった。指先までかっこいい。

(『歌劇2019年11月号』宙組宝塚大劇場公演座談会より)

「藤井(大介先生)’第4章「ダフタウン・ビースト‐ダフタウンの猛獣‐」、青木先生音楽、御織ゆみ乃先生振付です。午前1時、アフリカの岩山に登場するのは野獣のラムページ、キキちゃん。僕の好みで豹がいいなと(笑)。ウィスキーボトルを持って一曲歌うと、後ろではそら(和希)やもえこ(瑠風)たちビーストマン9名が男っぽく踊ります。するとセットが広がり、高みには高嶺の花、ロフティドリームの実羚さんが。やがて恋に発展してゆき、雄と雌の豹たちのセクシーでワイルドなダンスシーンになります。音楽はヘビーロックにアフリカンティスとを足したようなものになる予定で。ここではワイルドなキキちゃんを見せていけたらいいなと思っています。

芹香(斗亜さん);そんな超ワイルドな場面というのはショーではあまり経験がないですし、大劇場での洋物ショーはすごく久しぶりなので踊り狂えたらいいなと。ちょうど先日「ライオンキング」を観て、野獣格好良い!と思っていたところなので、その感じでいきたいと思います。」



たぶん明日のライブビューイング中継のカメラが映像収録も兼ねていたであろう月組公演に今日急遽カメラが入っていたとか。昨日中止を決定したばかりで一晩で準備して収録にこぎつけたのかな。すごいですな。愛してるよ宝塚歌劇団のハッシュタグのツィートがあふれいてなんだか涙。チケット、プログラム、パーソナルカレンダーなどなど、内容を考えたらほんとに庶民的な買いやすいお値段、同時に東西で専用劇場を維持し続けるホスピタリティの高さはやっぱりすごいなと思います。10数年ぶりに戻ってきて、年くった分より深く楽しめるようになりました。人生に彩り、ありがたいです。



真風さん、頭の先から指の先まですべてかっこよかった。赤坂ACTシアター公演、無事に幕があがりますように・・・。

ライブビューイング申し込まないと。

なんだかマスコミに煽られすぎていると感じるこの頃、3.11の時と似ている。できるだけ通常運転の自分でいることが大事だと思います。

すべての出会いが一期一会

2020年02月27日 23時02分06秒 | 日記
 



 宝塚歌劇団も2月29日から3月8日までの公演中止の発表。迷った末に決断した3月3日星組日帰りバスツアーはなくなりました。4月最初の頃の東京公演のチケットA席ですがまた友の会に申し込んでみたら当選したので移動に時間とお金をかけさえすれば観劇はできますが歌劇の殿堂で『食聖』『エクレール・ブリアン』の衣装と小道具をみることはできなくなりました。華形ひかるさんの退団公演、9日の大劇場千穐楽は無事に幕があがりますように。トップコンビが退団を発表したばかりの雪組東京宝塚劇場公演、3月22日の大千穐楽はライブビューイング会場も含めて無事に幕があがり誰もが無事に観劇できますように。二手にわかれての月組公演も中止。29日のライブビューイングも中止ってことか。宝塚は振り替えがないので中止になったらそれでおしまい。全ての公演が一期一会、奇跡の出会い。観劇するときは一生懸命観劇しようとあらためて心の中で誓っています。当たり前みたいな日常生活を送ることがいちばんむずかしく尊いものなのだと知った東日本大震災からまもなく9年。状況が似ているなあと感じます。自分も含めた一般庶民は粛々と日々をこなしていくことしかできない。

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今、電車の中で国交省と厚労省からのお願いってことで「テレワークや時差出勤のお願い」がアナウンスされたけど、この時間帯の満員電車にそれを自分で決められる人は乗ってないんだわ。

楽しみにしていたことばかり中止になり、出勤は中止にならない

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ツィッターのこの声、ほんとにそうなんですよね。わたしらに電車の中で繰り返し言われたって変更できる権限なんかもってないですよ。都心にいる時思いました。時差出勤のお願いをわたしらにされてもどうにもならない。決める人は運転手付きの車に乗って移動しているからさ、そっちに言ってほしい、変えられるものなら変えてるよ、って。


紅ゆずるさん、WOWOWで新生星組公演のナレーションを担当。



宙組は久しぶりに制作発表。ウエクミ先生の作品。3月9日から赤坂ACTシアターで上演予定。
中止になりませんように。キキちゃん、イケメン精神科医なの?ライブビューイング行きたいなあ。




寒い木曜日、無事に終わりました

2020年02月27日 19時16分24秒 | 日記
 2月の終わり、木曜日、駅に向かう道のり、冷たい向かい風はこたえました。寒いこと、寒いこと。最寄り駅の裏口、せまい所にまで車が入り込んでくることができてしまうので危ないなあと思いますが進入禁止など望むべくもなくわたしには生きづらすぎるなあと思います。夕方の風も冷たく、自分を信じて懸命に生きていても明日のことがわからなくなってきた今日この頃。ついに東宝が帝国劇場、日生劇場、梅田芸術劇場での公演を3月10日まで中止と発表しました。博多座も南座も発表。宝塚OGさんたちのイベントやコンサートも次々と中止、または延期の発表がされています。明日から学校が全国的に休校とか。不安な状況の中で普段よりもさらにイライラを募らせていると人が多いのでしょうか。お店などの入るとたぶん身内同士で怒りをぶつけている光景を目にします。普段から社会への怒りと不満をふつふつとため込んでいる人たちが多いであろう地域はよりこわいです。ちょっとしたひとことで地雷をふんで爆発させてしまうとたちまちイライラのはけ口、バカヤローって言わるのがわたし。昨日二度目の怒り爆発は、電話口でもろに「あー、いらいらする!」って言われました。年くってはいないやさしそうな女性がね、時にはおそろしいことがあります。何年もこの業務をやっている人が電話に出て自分が知りたいことをささっと答えてくれるものと期待して電話したのが、こんな経験値の少ない奴が出てもたもた素人同然のことしか答えられなかったら、イライラくるの、まあわからなくもないですがね。合格通知もらってしまい、そういう仕組みの中でやらさているのだから仕方ないですよ。顔が見えないのをいいことに言いたいことを言ってしまえる電話はほんとに恐怖です。今日は幸いなんとか無事でした。長い一日でした。訪問などで外に出ることなくずっと内勤、同じ作業の繰り返しと電話対応は脳みそと心ばっかり疲れて長いです。昨日のように気温ががんとあがるとまた不安定な人たちはいっきに活発になるでしょうね。いちばん危ない季節の変わり目、長い3月が待っています。

 終業時刻間際に3月の予定表が配布されました。お昼の電話当番、数えたら6回。これで終わるのです。なんとかふんばるんだよ、自分。あと6回で解放されるんだよ、カウントダウンは始まっている。残り20日きってきた。なんとかふんばれ、がんばらなくていい、ふんばれ。

 なんか聴きなれたメロディーだなあと思ったら、「すみれの花咲くころ」のアコーディオン演奏が流れていました。今のところ宝塚は公演を続けていくようです。観客に一人でも感染者が出たらアウトだし、公演するジェンヌさんたちが感染しないかも心配。こんなときは紅子さん、ウィルスバカヤロー!ってぶっ飛ばしてほしい。

 明日もなんとか無事に一日が過ぎていきますように・・・。

風が冷たい

2020年02月27日 09時54分51秒 | 日記
行きたくない。にわか知識でやらされてる。職員に替わりますって言えない立場。仕方ないのですよ。バカ呼ばわりしないのでくれ、わたしだって苦しいんだ。苦しくて苦しくて仕方ないんだ

自分にかけてあげることばがわからない

2020年02月26日 23時15分00秒 | 日記
 げんじつとうひから帰ってきました。今の自分にどんなことばをかけてあげればいいのか、自分でわからないでいます。どっちもこっちも不満とストレスたまりすぎのこわいところ、もう一日だっていきたくない、いたくないですがまだあと20日ほどあります。この地域でなくてもこの業務に携わると大なり小なりバカヤロー呼ばわりされるものなのか、それとも地域性なのか、わかりません。平気な人は平気なのかもしれない。流せる人は流せるのかもしれない。でもわたしはそういうタイプではないので、ここまできているのに一カ月分の交通費返しますからカンベンしてくださいって喉まで出てきています。実際にはたぶん言えないですけどね、言いたいです、もういいです。なにをまちがってこんな辛い所に呼び込まれてしまったのか、合わなさすぎなので辞退すればよかったです、今もって激しく後悔。後ろ向きで気持ちは全くあがりません。崎陽軒のシュウマイ弁当あちこち売っているエリアに戻りたい。最寄り駅降りたらぶらっとハブやカフェがあって煮詰まった時にはちょっとまたお金使ってしまうけど寄って行こう、少しお腹満たしながら気分転換していこうって思えばぶらっと寄れるところがいくつもあって、ハブに入ればチャラ坊たちが大騒ぎしているときは避けましたが平和な時は賑やかな店内で誰も知る人がいないところで一人ノンアルコールと軽く食事。パソコン立ち上げながらツィッターみたりメールチェックしたりブログ書いたりがいつしか自分のバイオリズムになっていたのでした。歩くことすらほとんどなくなってしまった郷里の暮らしは自分の中に沁みこんだリズムを大きく崩してしまったということでした。郷里近郊、最寄り駅おりてもぶらっと寄れる逃げ場はひとつもない。バイオリズムくずれた、翼をもがれた鳥同然の自分にはきつすぎるところに間違っていってしまったということでした。明日木曜日ですか、今週が終われば有給休暇2日を考えると残り20日を切るはず、カウントダウンするかない。一日一日ひたすら消化試合、終わりに近づいているのだと言い聞かせるしかない。

 心優しく不器用な紅カールを思い出すと心があったかくなってくる。思い出のエルベ。心の引き出しにしまわれている舞台の思い出にしばしひたっていやされませう。

 3月からの舞台上演、宝塚も歌舞伎も分からなくなってきたようです、博多座もわからない。今まで出会った舞台の一回一回、一期一会の奇跡でした。お正月の東京宝塚劇場も今月のコンサートも無事に楽しむことができてほんとによかったです。明日以降どうなっていくんでしょうね、心配です。
 
 このようなブログへの訪問、ありがとうございます。

ずたずた

2020年02月26日 15時49分49秒 | 日記
あったかくなったからでしょうか。不安定とおぼしき人たちから怒られまくり。オマエはバカか!モタモタしていたらバイトですか?そうならそうと最初に言ってください職員さんに替わってくださいとか。傷つきまくり。慣れない地域できついですわほんとに。関西に近いというメリットはあるなれど馴染めない。汗と涙がしみこんだシュウマイ弁当駅で売ってるエリアに戻りたい。心は今すぐ逃げ出したい。まだあります。3月はさらにきついだろうと思います。一年やってないのになにもかもわかるはずないしやり方が違っていて同じつもりではいけなかったです。独特の地域性。合わない。もういいや。泣き言でした。時間給とって現実逃避

ガハハと笑えるひとときに感謝

2020年02月25日 23時13分51秒 | 日記
  三連休最終日の夜、ものすごく気持ちが落ちていた深夜、お風呂に入る前念のためにしてチェックうと開いたパソコンのWebメール、(ハート)(ハート)に元気をもらえました。おもしろすぎておかしすぎてかわいすぎて心の中でガハハと大笑いしました。スマホに転送したので今日の日中は休憩時にみてはまた心の中でガハハ、幸せオーラ全開、人を楽しませる天才。こんなヘンなおばさんがなんだか申し訳ないかなと思ってしまうのですが、(ハート)(ハート)みると元気のおすそわけをいただいているみたいで心からありがたいです。『紅-ing』の梅田芸術劇場千穐楽、カーテンコールで、退団後ずっと光のあたらない世界にいた自分を、いや色のない世界にいた自分をだったかな、王子様が迎えにきてくれてこうしてまた光のあたる世界にひっぱりだしてくれた、色のある世界にひっぱりだしてくれたことがすごく嬉しいと涙していたいぶちゃんのことばが沁みます。SNSをみていると『紅-ing』で久しぶりに心から笑うことができたのはわたしだけではないみたいで、日常生活の中に笑いの余地がほとんどなく、きつい日々を過ごしているの、みなさん同じなんだあとしみじみ。自分の努力や考え方しだいでどうにかなるわけではないことも日常生活には多々あるわけで、理屈ではない葛藤の日々を生き抜いていくのに、日常の生活時間の中に心の底から笑えるひとときがあるの、ほんとにありがたいです。笑いは人生に必要ですね。



 崎陽軒のお弁当は、幕の内もいなり寿司もおいしいです。30年間家賃を払いながら暮らした街、汗と涙が沁みこんだ街の響き、懐かしいです。お馴染みの赤い制服の女性が売り場に立つ店舗は最寄り駅だった駅前のデパートにも入っていたし、横浜駅構内にもJRの駅のホームにもあって、3年ほど前いやもう4年前、5年前?社会から孤立していた日々の中で日中の居場所を求めて毎週金曜日の午前中足を延ばしていた京浜東北線沿いの駅を降りた時によく買っていました。横浜駅で乗車する間際に買ったこともあります。いつの時もおいしかったです。懐かしくて崎陽軒のHP検索してみました。幕の内弁当にもシュウマイも入っていますね。横浜駅東口の本店には一度いったことあるかなあ。どんな行事だったのかはもう忘れてしまいましたが豪華な店内にまぶしさを感じた記憶が。地下街のレストラン、年末年始は入ること、叶わずでした。4月に入ってゆっくり訪ねた時に入りたいとなにをのんきなことを言っているのか・・・。





残りの稼働日数を数えてみたら有給休暇を2日とっているので21日となったようです。きつい、きついの二重奏、三重奏の中でよくぞここまできたよ自分。自転車に乗っていると吹き付けてくる風は冷たいし、家のすぐ近くは車が危なすぎて今朝も悲鳴あげたし、明日の朝も雨なのかなあ、まだまだ油断はなりません。とにかく今は無事なゴールを目指すのみ。自分を信じるのみ。そんなに希望がもてない日々。生きているのもわるくないでぇ、人間すてたもんやないでぇ、って思えるのありがたいです、ほんとに。

次はどんなかわいい(ハート)(ハート)がくるのか、わくわくドキドキ、日常生活のささやかな幸せができました。





『紅-ing』_進化し続ける姿

2020年02月24日 20時17分15秒 | ミュージカル・舞台・映画
 すっかり綺麗なお姉さんになった紅さん、テレビで拝見した姿は表情がふんわりとやわらかく、ナチュラルなお化粧は素の美しさがより引き立ちます。

花形である男役を18年間続けた、元トップスターの紅ゆずるさんという紹介だったと思います。

男役であり続けること、トップスターとして舞台に立つ続けることは、精神的にも体力的にもすごく大変なことだったのだろうなとあらためて思いました。ファンの夢をこわさないようにがんばっていてくれたんですね。

宝塚時代、一番過酷だったことは?の質問に、宝塚は一時間半の芝居、休憩をはさんで1時間のショーで一公演、その最後いちばん疲れている時に重い大羽根を背負って大階段を降りることだったとの話。下をみてないですよね?の問いには、階段の幅が狭い、足がはみ出ている、下をみるとこわいのでお客様をみていたほうがいいと。

退団して一番変わったことは?の質問に、男役は男性の仕草を常にやっていたので坐る時すぐ足を開いてしまう。こうしている時も脇を開いてしまう、女性は閉めますよね、そこを矯正中ですとの話。

全身が映るとロングの黒いスカートにみえたのはワイドパンツのようでした。細い、男役の鎧をとるとほんとに細い。




同世代の一路真輝さんの男役時代が今も好きだし、退団後女優として舞台に立つ姿も、コンサートでトートにもエリザベートにもなって歌うのを聴くのも好き、勝手に一緒に年を重ねていっている感、紅さんよりはずっと上ですが男役時代は心に宝物として、これからどんなふうに年を重ねていくのか、楽しみに見届けていきたいです、一緒に年をとっていきたいです。男役でなくなった歌声はより美しく、同じことをなんども書いている気がしますが「ひとかけらの勇気」心に沁みました。いっちゃんにとって「わたしだけに」がライフソングになっているように、さゆみさんにとって「ひとかけらの勇気」がライフソングになっていくことと思います。

紅さん推しのプロがこんなに素敵な記事をあげてくれていて唸りました。

「「ひとかけらの勇気」の歌唱力の点で、新人公演からトップお披露目までの間に彼女は飛躍的に伸びたと感じる。

それは言葉の処理、フレーズの収め方、響きの抜け感にある。
彼女の持ち味は中音域から高音にかけての「鳴りのいい音質」にある。

ストレートボイスのピンと張った混じり気のない綺麗な音色は、スコンと響きが抜けて客席の後方まで飛んでいく。響きの混濁がないため、非常に澄んだ音色だ。新人の折には、言葉の処理や抜け感がなく元気いっぱいの歌という初めて大役を貰った新人にありがちなスタイルに留まったが、流石に9年という歳月を経ての歌には、舞台人としての進化の跡がしっかりと感じられるものになっていたと思う。
ピンと張った歌声と響きを抜いた透明な歌声とのコントラストで彼女はピンパーネルの苦悩と決意を見事に表現している。

ミュージカルにとって一番必要なのは、この演技的歌唱力であって、どんなに素晴らしい歌声で上手く歌っても、そこに演技力がなければ観客の心の中に深く届かない。反対にそれほどの歌声に恵まれなくとも演技的歌唱力さえしっかりしていれば、観客を感動させることが出来る。
新人公演と本公演の彼女の歌唱力を聴き比べれば、その差は歴然としており、さらに彼女が9年の間に多くの努力を積み重ねてきたことがわかる。

彼女は未完の大器だ。
宝塚という枠にさえ収まりきらなかった彼女は、退団後もさらに進化し続けている。

「紅-ing!!」で披露した「ひとかけらの勇気」は在団時とはまた別の女優紅ゆずるの歌声だった。
そこには男役としての気負いはなく、一人の人間として、多くの人達の背中を押したい、という彼女のメッセージが込められているように感じた。

誰でも「ひとかけらの勇気」さえ持てば、一歩を踏み出すことが出来る。
私も頑張るから、みんなも頑張って!

女優という道を踏み出した彼女のファンに対するメッセージが込められた歌声だった。

後ろは振り返らない。
紅ゆずるは、紅ゆずるの道を歩いて行く。

そう思った。


進化し続ける人は強い。
進化し続けれるかどうかは、それまでの自分を捨てれるかどうかにかかっている。
彼女の潔さは、過去を振り返らない。

彼女はスカーレット・ピンパーネルそのものだ。
「ひとかけらの勇気」は、紅ゆずるによく似合う。」

紅ゆずるVocalReview「ひとかけらの勇気」(「スカーレット・ピンパーネル」より)
http://vocal-review.com/2020/02/23/kurenai-r-3/




宝塚メドレーをうたったときのこの紅色の衣装、後ろからみるとスカートになっていました。スターブーツは男役のようにみえましたが、写真でみると重ね合わせが女性仕様になってい
たところがing、進行形でした。

ゆずるちゃんは女優になると繰り返した紅子さん、吉本やない、松竹エンタテインメントの女優やで~、とあえて女優宣言。このコンサートは男役を卒業した覚悟と男役ではなくなった自分の姿をみてほしいという心意気をみせてくれた場だったのかな。

二回目の登場した紅子さん、宝塚時代よりちょっと口が悪くなっていたかも。
大阪では「最後のダンス」を披露した後だったからかな、藤井先生の書いた台本どおりなのかな。トートの名前が出ていました。

「トート閣下って無責任なこと言うわよね!!」と客席に同意を求めながら唐突にトートをdisする紅子さん。「お洗濯もできない、お風呂もわかせないゆずるちゃんを思うと簡単に死ねるわけないのに死ねばいいって簡単に言うなんて」と。いやいや、トート閣下も紅子さんには死ねばいいって言ってないと思うけど、と心の中でたぶん客席はみんな突っ込んでいた楽しいひとときでした。分身キャラ紅子さんのパワー、どこから出てくるのか、紅子さんもさらにパワフルに進化。




疲れ果てていた週末、ぼやぼやしていたら梅田芸術劇場の『ニュージーズ』のチケットは完売してしまいました。一週間しかないから迷っている猶予はありませんでした。戻りをチェック&当日券をねらってみる?地方に住んでいる人はお金と時間と体力のゆるすかぎり、新幹線や飛行機で移動して観劇やコンサートに行っているんですね。わたしも4月か以降も収入があれば新幹線代もチケット代もどうっていうことはないです。やっていけそうなら次は援助職をと思っていた希望は見事に打ち砕かれました。家からの通勤は無理だし、日頃から社会への不満とストレスをふつふつとため込んでいる人達が多く暮らす地域での慣れない業務は今までの経験が、全く無益だとは思いませんがほとんど役に立たない、なにもかも見事に打ち砕かれてしまった感。ごっかんの真っ暗な郷里の夜、自分はダメダメダメの人間失格者にしか思えない夜。心身共に苦しい日々は続いていきます。先のことがわからない不安の中、自己肯定感は下がるばかり。自分は自分でいいんだよ、と背中を押してもらえている感。6月のことがわかりませんが、4月から収入はないのですが6月の新橋演舞場、あの世に行く時後悔ないよう申し込んでみようかな。あの時行っておけばよかったと思いたくない、さすがにディナーショーは行けない、残念ですが。自分は行けないけど地方も満席になるといいな。

宝塚歌劇の殿堂より_『歌劇で旅するヨーロッパ-オーストリア・スペイン編』

2020年02月24日 01時44分47秒 | 宝塚
 落ち着いてパソコンを立ち上げられるお店がほとんどないので休日は更新がかえって滞りがちなこの頃。パソコンを自転車に乗せながら結局冷たい風が吹く中をお風呂屋さんにいったのでこんな時間になってしまいました。

 げんじつとうひの投稿。

 2019年11月30日、宙組『イスパニアのサムライ-エルハポン』『アクアヴィーテ』公演中だった宝塚大劇場、歌劇の殿堂の企画展は『歌劇で旅するヨーロッパ-オーストリア・スペイン編』でした。蘭乃はなちゃんと紅ゆずるさんがいっぱいで嬉しかったです。いつものことながら撮るのが下手すぎ。

入口は雪組『ファントム』の衣装。









スペイン







真風さんの『異人たちのルネサンス』の衣装。




フランス







オーストリア・ウィーン




珠城りょうさんの『エリザベート』の衣装。



星組『うたかたの恋』







星組『うたかたの恋』、花組『エリザベート』



花組『エリザベート』




 舞台をとおしてヨーロッパを旅する、歴史の一頁を知る、生きた人々の想いに触れる。いいですね、この世にいる間にオーストリアにも行きたいなあ。無理っぽいかな、いやそんなことはない、まだ希望はある。

「歌劇で旅するヨーロッパ展-オーストリア・スペイン編-

2019年10月4日(金)-12月15日(日)

本展では月組公演「I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-」、宙組公演「エル・ハポン-イスパニアのサムライ-』と連動して、ヨーロッパという土地と年代を軸に、近年の宝塚歌劇の舞台写真や衣装・小道具などでその世界を楽しんでいただきます。」








茂木健一郎『「赤毛のアン」に学ぶ幸福になる方法』より_アンがお祈りをしないわけ

2020年02月22日 23時39分44秒 | 本あれこれ
「この物語の前半で、アンを引き取ることを決意したマリラは、しかしその最終的な決断を下す前にあることをします。それはアンの基本的な性質が、素直で真面目かどうかということを確認する作業です。マリラは半日間アンを働かせて、その様子を観察します。この辺の感覚は非常に実際的な人で、アンが置かれてきた境遇に共感する能力は持ちながらも、ただ単純に感情に流されたりはしない。自分が責任を持って育てていけるかどうか、というところも含めて、きちんと見極めようとする能力が備わっている人です。この感覚はマシューにはないものです。

 その結果マリラは、この少女が「頭がよく、いうことを素直に受け入れ、進んで仕事をし、のみこみも早い」子であると判断する。ただし大きな欠点も持っていて、それは「仕事をしている最中に、うっとり夢見心地になってなにもかも忘れてしまい、お小言がとぶか、大失敗をやらかすかして初めて、はっとわれに返る」という点。しかし、肝心なのは前半のところで、後半の部分は一緒に生活して指導していけば大丈夫だと判断したのでしょう。アンに引き取ることに決めたことを告げます。そして責任を持ってアンを教育していこうと決心します。

 しかしここからが大切なところですが、アンの教育に関して、マリラがもっとも重要でかつ緊急度が高いと判断したのは何かというと、実はそれはアンの宗教教育なのです。マリラがアンについて一番気にしていたこと、それは「この子の宗教がちゃんとしているかどうか」という点でした。

 アンを正式に引き取ることに決めた夜、マリラはアンをベッドに連れて行き就寝のお祈りをするように指示します。ところがその応えに、マリラはまずあっけに取られる。アンが堂々と「お祈りはしないことにしているの」と言ったからです。

 「毎晩お祈りをしないのはとても悪いことだということを、知らないのかい?お前は悪い子だと思うね、アン」
「赤毛だと、いい子になるより、どうしても悪い子になっちゃうの」アンは文句でもいうようにいった。「赤毛じゃない人には、それがどんなに大変なことかわからないと思うわ。わたしが赤毛なのは神さまがわざとそうしたからだって、トーマスのおばさんにいわれたから、それからは、神さまなんかどうでもよくなっちゃったの。それにどっちみち、夜になるともうくたくたで、お祈りなんかどうでもよくなっちゃったんですもの」

 マリラはアンのこの言葉で、ただちに彼女の宗教教育を開始することを決心します。一刻も無駄にするわけにはいかない。それだけマリラにとっては緊急度が高い重要案件だったのです。

 実際には、アンはそれまでの孤児院の生活でも日曜学校に通っていたし、賛美歌を歌い、教理問答も覚えていた。マリラに向かって「神は無限、永遠、不変なる精霊にして、知恵、力、神聖、正義、善、真実なる存在なり」とぺらぺら並べ立てることもできた。しかいその姿勢は決して自発的なものではなく、「まったくの異教徒っていうわけじゃないんだ」というレベル。下手したら「キリスト教徒じゃないといってもとおるくらい」とマシューにこぼすほどで、これはマリラにとっては見逃すことのできない、アンの最大の欠点であり、ただちに矯正しなくてはならないものでした。なぜなら、当時のカナダの社会にあっては、善きキリスト教者であるというのは人間であることの条件、というくらいの重みがあったからです。」