たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

2009年ルーヴル美術館展より-「法悦の聖フランチェスコ」

2025年02月17日 16時01分07秒 | 美術館めぐり

ルイス・トリスタン

《法悦の聖フランチェスコ》

1620年頃?

油彩、カンヴァス

120 × 110cm

 

(公式カタログより)

「17世紀の最初の四半世紀にトレドの画家ルイス・トリスタンによって描かれた本作品は、しばしば、同じ時期のより偉大な宗教画家であり、トリスタンの師でもあったエル・グレコの様式で描かれた祈念画として検討されている。実際、この絵画は強い宗教性を示し、また、抑制的でありながら、同時に情熱的でもある技法で描かれている。聖人は台状のものの背後に半身で描かれ、その台の上には頭蓋骨、十字架、聖書が置かれている。彼は頭上に降りてくる神の光を見上げている。聖書の見える両手は自己犠牲、献身、神への進行を雄弁に物語っている。聖フランチェスコは12世紀末から13世紀初頭に活動し、グレゴリウス9世によって列聖された。

 

 17世紀のカトリック教会が好んだ超自然の作例として、ルーヴル美術館の《法悦の聖フランチェスコ》はさまざまな方法で議論し得るものである。第一に、それは重要な托鉢修道会のひとつであるフランチェスコ修道会の創設者を描いている。同修道会は植民地への布教活動で名を上げ、福音書的任務とヨーロッパにおける知的発展(特に、異国の薬草に関して)に貢献する多くの資料収集を行なった。トリスタンの作品は清貧の勝利を表わしていると同時に、地球上各地に宣教師たちを送ったスペイン帝国の頂点を謳歌している。

 

 このような作品は17世紀のカトリックの信仰の証と受け取るよりも、むしろ、その構造を問うことが必要だろう。本作品は、まさに奇跡を描いている。トリスタンは聖フランチェスコが精根(この血の傷跡はキリストが十字架に架けられた身体と同じところ、手足に加えられた)を受けたまさにその瞬間を描いているのではないかもしれないが、彼は神性との関係において描かれている。人間世界におけるこのような超自然の不意の出現は、古代に由来する。そこでは、人間に対する神々のこのような行為が絶えず語られていた。それゆえトリスタンの作品を古代とは断ち切られていると見なすのは、おそらく間違いであろう。」


2017年『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』より-レオナルドの絵画に見る仕事

2025年02月02日 00時05分04秒 | 美術館めぐり

旅の思い出写真_ルーヴル美術館_「モナ・リザ」

旅の思い出写真_ルーヴル美術館

《カーネーションの聖母》(ミュンヘン・アルテ・ピナコテーク)

《キリストの洗礼》(ウフィツィ美術館)

《東方三博士の礼拝》(フィレンツェ・ウフィツィ美術館)

《糸巻きの聖母》(個人像・アメリカ)

《最後の晩餐》(ミラノ・サンタ・マリア・デレ・グラツィエ修道院)

《ブノアの聖母》(サンクトペテルブルク・エルミタージュ美術館)

《岩窟の聖母》(ロンドン・ナショナル・ギャラリー)

《受胎告知》(フィレンツェ・ウフィツィ美術館)

《モナ・リザ(ジョコンダ)》(パリ・ルーヴル美術館)

《聖アンナと聖母子》

《ジネブラ・デ・ベンチの肖像》(ワシントンナショナル・ギャラリー)

《ラ・ベル・フェロニエール》(パリ・ルーヴル美術館)

《洗礼者ヨハネ》(パリ・ルーヴル美術館)


2017年『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』‐レオナルドと食

2025年01月18日 17時04分59秒 | 美術館めぐり

2017年『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』‐飛行についての研究

 

《自動回転肉焼き器》

アトランティコ手稿5v-a

アンブロジアーナ図書館

 


2017年『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』‐飛行についての研究

2025年01月13日 20時45分58秒 | 美術館めぐり

2017年『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』‐ロボット工学

 

全長8mの《グライダー》

1494~1495年頃

アトランティコ手稿381v

アンブロジアーナ図書館

体重を微妙に移動させることによって、期待の方向を変えるハング・グライダーの原型。レオナルドは鳥のように空を飛ぶことにあこがれました。鳥が飛ぶ様子を観察して、羽根がどうやってできているかを研究。人間も羽根を持てば飛べるかもしれないと思い、現在のハング・グライダーのような飛行機械を考案します。

 

《トレーニングマシーン》

パリ手稿H44r

フランス学士院図書館

 

 

グライダーの模型、2018年宙組『異人たちのルネサンス』の舞台に登場していました。賛否両論ありますが演出家がこのあと座付作家として力をつけてきて今は退団公演を楽しい仕上がりにしていることを思うと着想として面白い作品だったのかなと思います。フィナーレの群舞が伝説になった作品。

 

 

 


『KAGAYA/星空の世界 天空の贈り物』より-月光浴びるハルニレの木

2025年01月10日 00時45分04秒 | 美術館めぐり

『KAGAYA/星空の世界 天空の贈り物』より-シリウスのツリー

「月光浴びるハルニレの木

 北海道

 2018年1月4日23時39分」


2017年『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』‐ロボット工学

2025年01月08日 17時05分23秒 | 美術館めぐり

《モナ・リザ》を描いたレオナルド・ダ・ヴィンチは、絵画だけではなく、あらゆる科学分野の研究をし、ルネサンスの「万能の天才」として知られています。

1452年、イタリアのフィレンツェ近郊のヴィンチ村に生まれました。レオナルド・ダ・ヴィンチとは「ヴィンチ村に生まれたレオナルド」という意味です。13歳頃からフィレンツェで修行をしてから、ミラノで活躍し、43歳の頃に《最後の晩餐》を描きはじめます。48歳で再びフィレンツェに戻って《モナ・リザ》を描いたのち、64歳の時にフランス国王フランソワ一世に招かれてフランスに行き、67歳で亡くなりました。

画家としてだけではなく、科学・建築・天文学など、さまざまな分野の研究をしました。

あらゆるものを科学的に観察してスケッチに残す、万能の「手」を持つ人でした。

   (ジュニア・ガイドより)

 

《ロボット騎士》

アトランティコ手稿579r

アンブロジアーナ図書館

制作年不詳

このロボットは関節があり、腕や脚を曲げたり、頭を動かすこともできる。

 

《バネ仕掛けの自動車》

1478~1480年頃、

アトランティコ手稿296v

レオナルドの最も有名な発明品の一つ。

板バネを動力源とする自動車。

 

 


2009年ルーヴル美術館展より‐「6人の人物の前に現われる無原罪の聖母」

2024年12月22日 10時25分12秒 | 美術館めぐり

バルトロメ・エステバン・ムリョーリョ

(1617-1682)

《6人の人物の前に現われる無原罪の聖母》

1662-1665年

油彩、カンヴァス

172×298cm

(公式カタログより)

「スペイン「黄金の世紀」の画家で、最も頻繁に版画化されてきたムリョーリョの作品には2系列がある。ひとつは、いささか胸を締め付けるような思いを喚起する路上の貧しい子供たちを描いた風俗場面で、他は宗教画である。ルーヴルのこの作品はムリョーリョのふたつ目の系列を代表する作品である。この堂々たる作品がサンタ・マリア・ブランカ教会に置かれていたことを想像しなければならない。カトリックの対抗宗教改革によって発せらえた綱領によれば、神聖な者は我々の近くに現われる。この絵を見る者と聖母との関係は、画面左前掲の人物たちによって確かなものにされている。その中の後ろ向きに描かれている男の手は、神の空間と人間のそれとの移行を示している。聖母は華奢な乙女として描かれ、跪くような仕草で、三日月の上に身体を置いており、魂の高揚をかき立てるに相応しい表現となっている。とはいえ、この近接は相対的なものでしかない。雲のあいだを舞う天使たちは巻物をもっているが、そこには「最初より神は聖母を愛された」という銘文がラテン語で書かれており、聖職者だけが説明できるものだからである。

 17使役、聖母の「無原罪」という性格は、原罪の打撃からも神は聖母をお守りになったという信仰を意味している。この考え方と聖母の身体にイエスが宿ったという奇跡の懐妊とを混同してはならない。

 信者への「神の顕現」が流行したことをよく示すこの作品は、「黄金の世紀」においてカトリック教会によって注文された偉大な宗教装飾がどのようなものであったかをよく示す作例でもある。また、この作品は輝かしい神が人間世界に干渉するという超自然の場面を描く作例でもある。画面が神聖なもので満たされていることは、半透明でオレンジ色のケルビムが空一面に群れていることから示され、他方、信者の空間は遠近法的規則を尊重している。この画面は当時の典型的なものと言ってよいが、過去の遺産を継承している部分も考えるべきだろう。西欧文化において、最初に神的なものの顕現の形象化を展開したのはキリスト教世界ではなく、古代なのである。」

 


ルーヴル美術館展より‐「鹿に変身させられたアクタイオン」

2024年11月26日 00時20分14秒 | 美術館めぐり

(公式カタログより)

フランチェスコ・アルバーニ

1578‐1660

《鹿に変身させられたアクタイオン》

1640年頃

油彩、カンヴァス

77 × 99 ㎝

 

(公式カタログより)

「魅力的な裸体の女性たちを見せるための口実となったこの絵画の主題は、「鹿に変身させられたアクタイオン」である。17世紀前半のエミリア派の古典主義を代表する画家であるアルバーニによって描かれた本作品は、きわめて豊かな図像学的内容をもっている。

 本作品は神話主題ではあるが、その構図は風景を巧みに利用することで成り立っている。洞窟にはきれいな水が湧き出て、狩猟と貞潔の女神であるディアナの付き添いの女性たちの乳白色の身体をさわやかに包んでいる。また、岩の向こうには穏やかな森が広がっている。風景は、神話主題であることから異教の神々の威厳ある姿が見られる一方で、森の雰囲気も湛えている。ここに描かれている女性の裸体像は、ごく自然なものというわけではない。アルバーニを関連づけるべきカラッチのアカデミーの素描を学ぶ授業の中では、女性モデルがポーズをとることはなかった。ディアナやお供の女性たちは大まかに言って再構成であり、彼女たちは両性具有で、いずれにせよ、頭部が小さく、広い腰、異様なまでに引き伸ばされた背骨など慣習的な決まった形態が採用された。オウィディウスの『変身物語』から採られた主題は、狩人アクタイオンについての物語である。偶然にディアナが水浴するところを目撃したアクタイオンはその罰として鹿に姿を変えられ、彼自身の狩猟犬によってむさぼり食われてしまう。これは意図しない罪とその罰についての主題である。アルバーニは女神が罪人を指し示し、最後のさばきを申し伝える瞬間を描いている。アクタイオンには、すでに角が伸び始めている。ディアナの顔にはどのような怒りの表情も見られず、喜びだろうと怒りだろうと神々は顔をしかめることのない古典主義的な美の理想に一致している。侵犯、そして呪い、この主題は、人間世界への超自然の侵入を表している。「黄金の世紀」、すなわち、キリスト教的奇跡を描く絵画が盛んだったその時期に、アルバーニは古代の奇跡を描いた。カトリック文化と神話の目録は「聖人の世紀」に共存していたのである。」

 


ハローキティ50周年

2024年11月02日 12時01分36秒 | 美術館めぐり

2024年11月1日、ハローキティが誕生から50周年を迎えたそうです。

 

2010年1月3日(日)『ハローキティ展』

時の流れと共にキティちゃんの表情も変わってきていて、深いものがあるのだと感じた展示会でした。サンリオの社長室の椅子とかテーブルがキティちゃんになっていると言われていますが今もそうなのかな。大切につないでいきたい日本独自の文化。大阪万博のミャクミャクとのコラボは思いとどまっていただきたいです。

 

 


『KAGAYA/星空の世界 天空の贈り物』より-シリウスのツリー

2024年09月24日 17時21分13秒 | 美術館めぐり

『KAGAYA/星空の世界 天空の贈り物』より-天空への招待

 

「シリウスのツリー

 北海道

 2019年3月10日22時24分」