2017年『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』‐ロボット工学
全長8mの《グライダー》
1494~1495年頃
アトランティコ手稿381v
アンブロジアーナ図書館
体重を微妙に移動させることによって、期待の方向を変えるハング・グライダーの原型。レオナルドは鳥のように空を飛ぶことにあこがれました。鳥が飛ぶ様子を観察して、羽根がどうやってできているかを研究。人間も羽根を持てば飛べるかもしれないと思い、現在のハング・グライダーのような飛行機械を考案します。
《トレーニングマシーン》
パリ手稿H44r
フランス学士院図書館
グライダーの模型、2018年宙組『異人たちのルネサンス』の舞台に登場していました。賛否両論ありますが演出家がこのあと座付作家として力をつけてきて今は退団公演を楽しい仕上がりにしていることを思うと着想として面白い作品だったのかなと思います。フィナーレの群舞が伝説になった作品。
《モナ・リザ》を描いたレオナルド・ダ・ヴィンチは、絵画だけではなく、あらゆる科学分野の研究をし、ルネサンスの「万能の天才」として知られています。
1452年、イタリアのフィレンツェ近郊のヴィンチ村に生まれました。レオナルド・ダ・ヴィンチとは「ヴィンチ村に生まれたレオナルド」という意味です。13歳頃からフィレンツェで修行をしてから、ミラノで活躍し、43歳の頃に《最後の晩餐》を描きはじめます。48歳で再びフィレンツェに戻って《モナ・リザ》を描いたのち、64歳の時にフランス国王フランソワ一世に招かれてフランスに行き、67歳で亡くなりました。
画家としてだけではなく、科学・建築・天文学など、さまざまな分野の研究をしました。
あらゆるものを科学的に観察してスケッチに残す、万能の「手」を持つ人でした。
(ジュニア・ガイドより)
《ロボット騎士》
アトランティコ手稿579r
アンブロジアーナ図書館
制作年不詳
このロボットは関節があり、腕や脚を曲げたり、頭を動かすこともできる。
《バネ仕掛けの自動車》
1478~1480年頃、
アトランティコ手稿296v
レオナルドの最も有名な発明品の一つ。
板バネを動力源とする自動車。
バルトロメ・エステバン・ムリョーリョ
(1617-1682)
《6人の人物の前に現われる無原罪の聖母》
1662-1665年
油彩、カンヴァス
172×298cm
(公式カタログより)
「スペイン「黄金の世紀」の画家で、最も頻繁に版画化されてきたムリョーリョの作品には2系列がある。ひとつは、いささか胸を締め付けるような思いを喚起する路上の貧しい子供たちを描いた風俗場面で、他は宗教画である。ルーヴルのこの作品はムリョーリョのふたつ目の系列を代表する作品である。この堂々たる作品がサンタ・マリア・ブランカ教会に置かれていたことを想像しなければならない。カトリックの対抗宗教改革によって発せらえた綱領によれば、神聖な者は我々の近くに現われる。この絵を見る者と聖母との関係は、画面左前掲の人物たちによって確かなものにされている。その中の後ろ向きに描かれている男の手は、神の空間と人間のそれとの移行を示している。聖母は華奢な乙女として描かれ、跪くような仕草で、三日月の上に身体を置いており、魂の高揚をかき立てるに相応しい表現となっている。とはいえ、この近接は相対的なものでしかない。雲のあいだを舞う天使たちは巻物をもっているが、そこには「最初より神は聖母を愛された」という銘文がラテン語で書かれており、聖職者だけが説明できるものだからである。
17使役、聖母の「無原罪」という性格は、原罪の打撃からも神は聖母をお守りになったという信仰を意味している。この考え方と聖母の身体にイエスが宿ったという奇跡の懐妊とを混同してはならない。
信者への「神の顕現」が流行したことをよく示すこの作品は、「黄金の世紀」においてカトリック教会によって注文された偉大な宗教装飾がどのようなものであったかをよく示す作例でもある。また、この作品は輝かしい神が人間世界に干渉するという超自然の場面を描く作例でもある。画面が神聖なもので満たされていることは、半透明でオレンジ色のケルビムが空一面に群れていることから示され、他方、信者の空間は遠近法的規則を尊重している。この画面は当時の典型的なものと言ってよいが、過去の遺産を継承している部分も考えるべきだろう。西欧文化において、最初に神的なものの顕現の形象化を展開したのはキリスト教世界ではなく、古代なのである。」
(公式カタログより)
フランチェスコ・アルバーニ
1578‐1660
《鹿に変身させられたアクタイオン》
1640年頃
油彩、カンヴァス
77 × 99 ㎝
(公式カタログより)
「魅力的な裸体の女性たちを見せるための口実となったこの絵画の主題は、「鹿に変身させられたアクタイオン」である。17世紀前半のエミリア派の古典主義を代表する画家であるアルバーニによって描かれた本作品は、きわめて豊かな図像学的内容をもっている。
本作品は神話主題ではあるが、その構図は風景を巧みに利用することで成り立っている。洞窟にはきれいな水が湧き出て、狩猟と貞潔の女神であるディアナの付き添いの女性たちの乳白色の身体をさわやかに包んでいる。また、岩の向こうには穏やかな森が広がっている。風景は、神話主題であることから異教の神々の威厳ある姿が見られる一方で、森の雰囲気も湛えている。ここに描かれている女性の裸体像は、ごく自然なものというわけではない。アルバーニを関連づけるべきカラッチのアカデミーの素描を学ぶ授業の中では、女性モデルがポーズをとることはなかった。ディアナやお供の女性たちは大まかに言って再構成であり、彼女たちは両性具有で、いずれにせよ、頭部が小さく、広い腰、異様なまでに引き伸ばされた背骨など慣習的な決まった形態が採用された。オウィディウスの『変身物語』から採られた主題は、狩人アクタイオンについての物語である。偶然にディアナが水浴するところを目撃したアクタイオンはその罰として鹿に姿を変えられ、彼自身の狩猟犬によってむさぼり食われてしまう。これは意図しない罪とその罰についての主題である。アルバーニは女神が罪人を指し示し、最後のさばきを申し伝える瞬間を描いている。アクタイオンには、すでに角が伸び始めている。ディアナの顔にはどのような怒りの表情も見られず、喜びだろうと怒りだろうと神々は顔をしかめることのない古典主義的な美の理想に一致している。侵犯、そして呪い、この主題は、人間世界への超自然の侵入を表している。「黄金の世紀」、すなわち、キリスト教的奇跡を描く絵画が盛んだったその時期に、アルバーニは古代の奇跡を描いた。カトリック文化と神話の目録は「聖人の世紀」に共存していたのである。」
2024年11月1日、ハローキティが誕生から50周年を迎えたそうです。
2010年1月3日(日)『ハローキティ展』
時の流れと共にキティちゃんの表情も変わってきていて、深いものがあるのだと感じた展示会でした。サンリオの社長室の椅子とかテーブルがキティちゃんになっていると言われていますが今もそうなのかな。大切につないでいきたい日本独自の文化。大阪万博のミャクミャクとのコラボは思いとどまっていただきたいです。